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http://japanese.engadget.com/2016/05/06/win10-nuans-neo/


「生活にとけこむスマホを目指す」Win10スマホ『NuAns NEO』の中の人にきいてみました - Engadget Japanese

毎年4月、ミラノで開催される「ミラノサローネ(ミラノデザインウィーク)」。インテリアや家具メーカーだけではなく、家電やIT関連など異業種からの出展も多く、最先端のプロダクトデザインを展示するイベントがミラノ市内各地で開催される。抽象的なデザインの方向性の模索に留まらず、生活とデザイン、テクノロジーとデザインといったこれからのものづくりの最新動向を垣間見ることもできる。多数のメーカー関係者もそれを掴みに世界中からミラノにやってくるのだ。

2016年のミラノサローネには、トリニティの星川哲視代表取締役も視察に訪れていた。トリニティは創業以来、iPhoneを中心としたアクセサリを展開してきた。2015年には背面の2つパネル「TWOTONE」を自由に着せ替えできるという、本体デザインに注力したWindows 10 Mobileスマートフォン「NuAns NEO」を発売した。各メーカーのスマートフォンが機能や価格を売りにする中、「NuAns NEO」は生活の中に溶け込むツールと言う、全く異なるアプローチから開発された製品だ。そんな「NuAns NEO」を開発した星川氏はミラノサローネで何を感じたのだろうか?テクノロジーとデザインの融合を目指した製品を送り続けてきた同氏に現地で話を伺った。

トリニティーの星川代表取締役


実はトリニティーは今年のミラノサローネに参加することも考えていたという。「これまでCESやMWCなどテクノロジー系のイベントに出展を行ったが、NuAnsの製品はライフスタイルを提案するもの。フランスの『メゾン・エ・オブジェ』やイタリアのインテリア雑貨系の展示会にNuAns製品を出展したところ非常に反応が良かった。そこでミラノサローネでも併設イベントの『SuperStudio』への出展を考えたものの、準備時間が足りなく今回は残念ながら見送りになった」(星川氏)。

確かにCES2016やMWC2016の同社ブース来訪者の多くは製品デザインを評価しつつも、Windows 10 Mobileの採用やスペック、価格を気にする姿が多く見られた。一方ミラノでは筆者もNuAns NEOを持ち出して街中を歩き回ったが、「それはどこのスマートフォン?」と話しかけられることが何度かあり、端末を見せると画面のスリープモードを解除する前に全体のフォルムや背面の質感を確認する、というケースが一様に見られた。美しいデザインや質感のスマートフォンケースは多数あれど、スマートフォンの本体そのものの素材にこだわった製品ということで、NuAns NEOはミラノサローネの来場者の興味を大いにそそるものだったようだ。


NuAns NEOのこんな写真を撮影していると、声をかけられることも多かった

「イタリアやフランスのセレクトショップではNuAnsのカバーを取り扱う店も出てきており、ミラノのデパートに立ち寄ったところ、偶然そこでもNuAns製品が販売されていた。ミラノサローネへの出展は当社の製品が世界の方々にどう感じてもらえるかを知ることのできる、いいきっかけになると思う」(星川氏)。ミラノ市内で開催される独立系のイベントには新興企業の出展も多く、これまでにもミラノサローネを機会に世界中に存在を知られるようになったケースは実際多い。


ではミラノサローネ全体の印象はどう感じられたのだろう。「ミラノサローネは製品が多数展示されるトレードショーではなく、プロダクトの未来やデザインを肌で感じられるイベント。今回初めて参加してみたが、ミラノ市内を動き回るだけで多くのデザイナー、企業が様々な形でデザインを見せており、これからのトレンド動向を探ることができた」(星川氏)とのこと。ちなみに同氏は今回、レンタサイクルを借りて市内を移動したという。「ミラノ市内には30分以内なら無料で利用できる『BikeMi』という自転車シェアシステムがあり、1週間使っても9ユーロ、1000円強。歴史を感じられるミラノの街並みを眺めながらオリエンテーションのように各イベントを周遊できるミラノサローネは、1日中デザインのシャワーを浴びることのできる刺激的なイベント」(星川氏)と感じられたそうだ。


歴史ある建物と自然、そして最新のトラム車両。ミラノの街中は新旧混在の刺激に溢れている

ミラノサローネは併設イベントや独自イベントも合わせ、数百社もの企業が何らかのイベントを市内各地で開催している。星川氏は「移動中に面白いものを見つけたら、すぐ触って手触りや素材、質感を感じたくなる。そうすることで、そのデザインを五感で吸収することができる」と話す。WEBで見るだけではなく、肌で実際に触ってみる。プロダクト開発やものづくりの基本には、性能やコストだけではなく、人間の感性が重要な要素を占めると同氏は考えているのだ。

星川氏はトヨタのコンセプトカー「SETSUNA」が特に気になったという。人と車の新しいつながりを具体化したという電動移動車で、自然の木材を使い、釘やネジを使わずに日本伝統の技法で組み上げられている。「SETSUNAは最新のテクノロジーを搭載しながら、人々が普段使う製品にはどんな要素が必要なのかといったことを具体化した製品。技術の進化の先には質感や使いやすさなど、ハードウェア以外の部分が求められるようになる」(星川氏)。SETSUNAはこれからの車のあるべき姿の1つなのだ。


トヨタのSETSUNA。ほぼ木製の電気自動車

「レクサスが主催したデザイン賞の出展品にも質感を訴えるものが多く見られた。我々もスマートフォンのケースやアクセサリには今まで使われてきた冷たい素材ではなく、スウェードや木目材料を使うなど、生活の中で常に手に触れる製品として触感を重視してきた。これから出てくるデザイナーも触感に注目しているというトレンドは非常に興味深い」(星川氏)。スマートフォンも次から次へと出てくる新製品は高速なCPUを搭載している。だがCPU性能だけで差別化できる時代は間もなく終わりになり、その先を開発できるメーカーだけがこれからは生き残れる時代になるのかもしれない。

星川氏は今後の製品開発について次のように話してくれた。「今のスマートフォンはまだまだスペックを中心に各社が製品開発を行っている。我々はテクノロジーだけではなく、触感や質感など生活の中に自然に位置する製品づくりを行っている。今回のミラノサローネではデザイン側からテクノロジーへの融合を目指したモノが多く見ら、それは我々のモノづくりとは反対側からのアプローチながらも目指す方向は同じと感じられた。ミラノで受けた刺激を元に、これからもさらに面白く、そして使いやすい製品を開発していくので期待してほしい」。NuAns NEOの後継モデルは果たして登場するのか?そしてNuAnsのスマートフォンアクセサリの拡大など、今後の同社の動向からは目が離せないものになりそうだ。
「生活にとけこむスマホを目指す」Win10スマホ『NuAns NEO』の中の人にきいてみました
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