月「ニア達が苦しみだしてから勝ちを宣言しよう」
- 2016年05月08日 21:10
- SS、DEATH NOTE
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月(それまで真実をバラしてはまずい……撃ち殺され、相撃ちという事もまだ……)
月(いや……35秒、35秒で勝ちを宣言――――)
月(……いや、待てよ)
月(心臓麻痺を起こしたからといって、すぐに死ぬわけではない)
月(訓練を受けた捜査官なら、苦しみながらでも銃くらい撃ってくる可能性も……)
月(……よし)
月(ニア達が苦しみだしてから勝ちを宣言しよう)
魅上「……35、36、37、38、39……」
魅上「40」
松田「し……死なない……一分は経った……」
魅上「な、何故……何故死なない……」
ニア「だから死にませんと何度も言ったはずです」
月(っっっぶねええええっ!!!!)
月(すっごい凡ミスで負けるとこだった!!)
魅上「か……神……私は仰せの通りに……」
月(くっ……馬鹿が! 更に状況が悪くなるような事を……!)
ニア「レスター、ジェバンニ、魅上を」
月(本物のノートもすり替えられていた……それも魅上が気付かないほど精巧な偽物に)
月(考え難いが……だが、それしかあり得ない)
ニア「ノートに書かれている最初の四人は我々SPKの本名に間違いありません」
ニア「そして、ここに居て唯一名前がないのが夜神月」
ニア「魅上はあなたを神と呼び、言われた通りにしたと言った……決まりです」
月(これがSPKの奴等の本名……!)
月(まだだ……まだ終わってはいない……!)
月「確かにニアの言う通り、そのノートには僕の名前だけが書いていない」
月「だが、だからといって僕がキラだという証拠にはならないんじゃないか?」
ニア「?」
相沢「月君、もう悪足掻きは……」
月「相沢さんこそ落ち着いてください」
月「先入観に囚われてしまっては、それこそキラの思う壺です」
月「僕にキラの罪を着せる事……それこそがキラの狙い」
ニア(……なるほど、そうくるか)
ニア「何を言い出すかと思えば……それは、つまり……」
月「ああ、お前がキラなんだろう? ……ニア」
相沢「!!」
松田「ニ、ニアが……キラ……!?」
レスター「馬鹿な!」
ニア「取り合わないでください、レスター。ただの苦し紛れです」
月「そうでしょうか。そう考えれば納得がいく事も多いのでは?」
月「彼はニアの呼び掛けに応え、馬鹿正直にノートを持ったまま倉庫内へ入り、僕を神と呼んだ」
ニア「魅上はむしろあなたの呼び掛けに応じたように見えましたが」
月「ああ、確かに僕も彼に中に入るよう言った。僕はキラじゃないからね」
月「キラならば名前を書いたノートが敵の手に渡る事態は絶対に避けたいはず」
月「こういう考え方はしたくないが……僕がキラなら、魅上には絶対に倉庫には入らないよう指示を出す」
月「そして、そのくらいの事は仮に指示がなくても、誰にだって少し考えれば分かる事だ」
月「誰かが僕を陥れる為に、魅上にそういう行動をとるよう指示をしていたなら話は別ですが」
ニア「それは単純にあなたと魅上が勝利を確信していたからというだけでしょう」
ニア「我々の前で勝利宣言でもしたかったのではないですか?」
相沢「……確かに前のLもキラは幼稚で負けず嫌いだと」
月(相沢、こいつまで余計な事を……! やはりこのくらいでは、まだ……)
月(しかし、少なくとも僕が話している間は取り押さえられる事はない。今はとにかく時間を稼ぐんだ……)
月「そもそもニアはノートのページを差し替えたと言っていますが、そう簡単に出来る事なのでしょうか?」
月「僕がキラならばそれは最も警戒すべき点」
月「それがいとも簡単に成功している。それが逆におかしいのでは?」
ニア「もちろんノートへの細工は容易な事ではありませんでした。これを見てください」
月(魅上の持っていた偽のノート……あそこに書かれているのは……?)
松田「高田清美 焼身自殺 自分の身辺の燃やせる物全てを燃やし1月26日午後2時33分自殺……!?」
ニア「あなたの言う通りです。魅上は細工を警戒し、普段は偽のノートを使っていました」
ニア「私達がそれに気付けたのは高田がさらわれた事で、魅上が銀行の貸金庫から本物のノートを取り出した時」
ニア「そこで私達は偽のノートだけでなく、本物のノートにも細工をした」
ニア「偽の方は一部分、本物の方は全てをすり替えました」
ニア「メロがいなければ、私はあなたに敗北していたかもしれません」
ジェバンニ「ニアがキラだとすれば、魅上にそんな行動をさせる必要がない。違うか?」
月「あなた達SPKに僕がキラだと信じさせる為……と考えるのが妥当でしょうか」
月「僕も仮にもLを名乗っていた者です。あまりにキラが無策であるよりも、ある程度の小細工があった方がより夜神月がキラだと印象付ける事が出来る」
ニア「苦しい言い訳ですね」
月(くそっ、そんな事は僕も分かっている! 黙ってろ!)
月「それより、ニアの言う事が確かなら、あなた達が本物のノートの存在に気付いたのは26日」
月「パッと見ただけでも、そのノートにはかなりの枚数、そして各ページに空きがない程名前が書き込まれている」
月「そんな短期間でそこまで精巧な偽物を作る事が可能でしょうか?」
ニア「ええ、ジェバンニが一晩でやってくれました」
ニア「魅上の使ったペンと同じペン、魅上の筆跡まで完璧に真似し、外見に加え中身も全てそっくりに」
月「ジェバンニというのはあなたですか?」
ジェバンニ「そうだが……」
月「それを一晩でやれと言われて、おかしいとは思いませんでしたか?」
ジェバンニ「何?」
月「普通に考えれば、とても一晩で出来るような事ではない」
月「いくらあなたが優秀でも、仮に偽物とバレれば全てが無駄となりここにいる皆が殺される」
月「キラを確実に捕まえたいのであれば、別の手を考えるのが普通では?」
松田「確かに、ニアなら28日に会うのはやめるとか言い出してもおかしくはないですよね」
月「それはニアと魅上が繋がっているから」
ジェバンニ「な……」
ニア「会うのをやめると言えば、あなたならこちらが策を変更せざるをえない何かがあった事に気付く」
ニア「そこから魅上が本物のノートを取り出した事に気付くかもしれない」
ニア「それを避けたかっただけです」
月「そもそも魅上照という人物」
月「我々日本捜査本部の捜査線上にはまるで浮かばなかった人物です」
月「あなた方SPKはどうやって彼にたどり着いたのですか?」
ニア「そこで私は高田が出た番組を全てチェックし、高田の番組とキラ王国、両方に出演していた魅上に目を付けました」
月「その作業に関わったのは?」
レスター「それは、ニアが一人で……」
月「なるほど、ニアが一人で見つけ出したのですね」
レスター「……そうだ」
月(おそらくニアはSPKをキラを追う為の駒程度にしか考えていない)
月(ならば……まだ付け入る隙はある)
月「それだって本来ならば途方もない時間のかかる作業だ。それをニアが一人で見つけ出した」
月「ニアは初めから魅上の事を知っていたのではないですか?」
月「魅上の事を全て調べた上で、自分の代わりにキラとして動かしていた」
レスター「ま、まさか……」
松田「な、何か雲行が怪しくなってないですか……」
伊出「ああ……」
月「まずあなた達が日本捜査本部内にキラがいると考えたのは、キラが初代Lを殺しているから」
月「初代Lの顔を見る機会があったのは我々しかいない……」
月「本当にそうでしょうか?」
ニア「…………」
月「Lの後継者として育てられた者ならば、Lの顔や名前を知っていてもおかしくはないのでは?」
ニア「私は直接Lに会った事はない……と言っても信じてはもらえないでしょうね」
月「そしてニア、あなたが我々に言った何故Lを殺したキラが我々を生かしているのかという疑問」
月「あなたがキラだとすれば、あの時点では日本捜査本部のメンバーを知るはずもない」
月「つまり、キラはL以外の者を殺そうにも殺せなかった」
月「僕達の中にキラがいれば、もっと怪しまれないやり方……例えば心臓麻痺以外の方法でLを殺す事も出来たはず」
月「それをしなかったのは、キラには捜査本部内の状況を知る術がなかったから」
月「というよりも、捜査本部内にキラがいると思わせる為、かな?」
レスター「なっ……」
月「SPKの皆さんはおかしいとは思いませんでしたか?」
月「ニアはかなり早い段階から、二代目Lがキラだと決めつけて動いていたように思える」
相沢(た、確かに……13日ルールが嘘だと分かる前からニアは我々を疑っていた、ような……)
月「初めから決まっていたのではないですか?」
月「本来なら自分の元へと転がり込んでくるはずだったLの座を奪
コメント一覧
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- 2016年05月08日 21:22
- 初っぱなの糞みたいな小物からよくここまで乗りきったなwwww
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- 2016年05月08日 21:23
- 正直結構好き
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- 2016年05月08日 21:29
- ギャクっぽく終わるかと思ったら意外にいい雰囲気で終わってる…w
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- 2016年05月08日 21:32
- これは面白い
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- 2016年05月08日 21:33
- いいじゃん
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- 2016年05月08日 21:33
- おもしろかった
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- 2016年05月08日 21:36
- 屁理屈からニアがキラと同類というところまで持っていくのは面白かった
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- 2016年05月08日 21:38
- すごい(小並感)
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- 2016年05月08日 21:39
- 開幕はギャグだったのに後半は予想以上にガチだったな
ただ作者も言ってるけどニアは解散を許さないよね
キラを確信しててノートの切れ端の可能性を知ってたらこの後100%殺される未来が解っちゃうからね
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- 2016年05月08日 21:47
- ※9
解散は許さなくてももう一人が第三者に選択委ねてて、ってあとだと何いっても無駄というか詰みというか、解散事態も松田ァ!達が自主的に出してるしね
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- 2016年05月08日 21:54
- もしかしたらどこかに矛盾があるのかもしれないけど、それを感じさせないぐらいには面白かった
いいね
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- 2016年05月08日 21:59
- よかった。
こう考えると、あの状況でも月は逆転できるチャンスはあったかもな。
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- 2016年05月08日 22:04
- キラって神としての存在にとっくに到達してるし世間も認めてるのに
まだ必要以上に目立とうとしていつも失敗してるからなぁ
最後もやっぱり目立とうとして墓穴だったし
原作読んでた時はずっとそこさえ直せば…と思ってた
それが具現化したかのような内容だったわw
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- 2016年05月08日 22:07
- >月(っっっぶねええええっ!!!!)
>月(すっごい凡ミスで負けるとこだった!!)
こんな始まりだからギャグテイストだと思ったのに
いい意味で裏切られたわwww
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- 2016年05月08日 22:08
- 人狼とかでこういう機転利かせられるとドーパミンドバドバだわ
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- 2016年05月08日 22:09
- 慢心しなければ新世界の神になれたのか
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- 2016年05月08日 22:09
- もしニアがノートを使って三上を操ってたなら、解散してしまった後にライトの名前をノートに書くくらいのことはしそうだな
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- 2016年05月08日 22:16
- 今まで読んだ中一番面白いパラレルだった
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- 2016年05月08日 22:31
- 魅上もかなり優秀なうえにかなりの狂信者だな
まるで情報のないなかでキラに利があるように判断して死ぬ直前まではたらくとか
しかも魅上視点で見れば一度月に裏切られてるのに
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- 2016年05月08日 22:32
- ニアってLの本名知ってなかったか?
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- 2016年05月08日 22:46
- 本物のデスノに触ったSPKはリューク見えるはずだけどあの時リュークは隠れていたんだっけ?
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- 2016年05月08日 22:48
- かなり面白かった
こういう完成度高いパラレル大好きだわ
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- 2016年05月08日 22:51
- 迂闊じゃない月なんてグリーンピースの無いシュウマイみたいなものだ
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- 2016年05月08日 23:04
- ※23 それはそれで美味しい
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- 2016年05月08日 23:04
- ※21
見えてるだけだろ
何も言わないししないから空気
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- 2016年05月08日 23:20
- よかったわ。原作はおわらせようとして無理やりあの展開を引き出したようにしか見えなかったしな。
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- 2016年05月08日 23:33
- このSSに欠点があるとすれば「ニアが魅上を殺したことが前提」なことくらいだな、原作者もこの手の妄想を考慮してか大事なところはきちんと抑えていたから全て妄想でしかないが。
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- 2016年05月08日 23:35
- かなり良い
ifものとしては一番いい結末の描き方じゃないかな
月がもっと冷静ならこうなってもおかしくないって思わせられる
実際はこうなってもニアがもっと裏の裏の裏くらいまでかいてるんだろうけどさw
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- 2016年05月08日 23:37
- 終わらせようというか、月を負けさせる方法が思い浮かばなかったってところだろ
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- 2016年05月08日 23:39
- 公式のファンブックで月は強いて欠点を言うなら自分の才能を疑わなさすぎることって言われているぐらいだからな。
初期のころはその欠点を感じさせない慎重さがあったんだけどね。
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- 2016年05月08日 23:47
- すげー、なんか本物っぽい
まぁ当然原作あってこそのお話ではあるんだけど
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- 2016年05月08日 23:52
- 完成度高い
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