後輩「……」 先輩「……なにしてんの?」
よろしくお願いします。
後輩「女の子が目を瞑ってるんですよ? 答えは明らかですよね」
先輩「……なんとなくわかるけど、教えてくれる?」
後輩「仕方ないですね。特別に教えてあげます。キスを待ってたんですよ」
先輩「……はぁ? なんでそうなるの?」
後輩「さぁ、私の唇を奪ってください!」
先輩「……」
後輩「何を躊躇してるんですか!」
先輩「……」
後輩「もう、私からしちゃいますからね!」
先輩「死にたいならいいよ」
先輩「いつまで、そうやって拗ねてるの?」
後輩「先輩がキスしてくれるまで、です……」
先輩「……面倒くさいなあ」
後輩「なんでダメなんです。付き合ってないからですか?」
先輩「それ以前の問題かな」
後輩「えっ?」
先輩「私もあなたも女だからよ」
先輩「悪くはないけど……」
後輩「自分の気持ちにウソつきたくないんです」
先輩「後輩……」
後輩「だからキスしてください! いえ、もう抱いてください! 明日、疲れ果てて動けないくらい激しく抱いてください!」
先輩「落ち着け! この変態!」
先輩「ほんと、いい加減にしなさいよ」
後輩「はい……」シュン
先輩「……まぁ、好意を示されるのは悪い気はしないけどさ」
後輩「! せんぱーい!」ギュウ
先輩「重い!」
後輩「いいじゃないですかー」
先輩「……少しだけよ」
後輩「わかってますって」スリスリ
先輩「まったくもう……」ナデナデ
先輩「ゲッ……」
後輩「あ、友先輩じゃないですか」
先輩友「おー、女ちゃん。今日もラブラブだねー」
先輩「違うってば!」
後輩「えへへ」デレデレ
先輩「あんたもニヤニヤすんな! 違うんだから!
後輩「なんでですかー」
先輩友「そうだよー。私に隠すことないじゃん」
先輩「だから、違うんだってば!」
先輩友「えー。でもさ、昼休みに屋上で抱き合ってるなんてそういうことじゃないの?」
後輩「そういうことですよ」
先輩「ちょっと! 本当に勘違いされたらどうするのよ!」
後輩「別に私は構いませんよ?」
先輩友「そうそう。セ○クスなんて誰だってするんだしさ。」
先輩「セ、セ○クス!?」
先輩友「えっ? 違うの?」
先輩「当たり前でしょ! 後輩も否定しなさいよ!」
後輩「先輩と青姦……。素敵……」ニヤニヤ
先輩「この変態共!」
先輩「どうしたら、そう勘違いできるのよ……」
先輩友「普通だよ」
後輩「普通ですね」
先輩「……女同士なんだけど」
先輩友「関係ないでしょ」
後輩「ですよねー」
先輩友&後輩「ねー!」
先輩「棒がついてないから対面座位じゃできないわよ!」
先輩友「いや、道具を使えばどうとでもなるでしょ」
後輩「ホント先輩はうぶなんだから」
先輩「駄目だこいつら……」
先輩友「ため息ついたら駄目だよ。幸せが逃げちゃうよ」
先輩「誰のせいよ……」
後輩「そういえば、友先輩はなにしに来たんですか?」
先輩友「ああ、そうだ。後輩ちゃんに放課後、会議があるって伝えにきたの」
後輩「会議?」
先輩友「うん。委員会の会議」
後輩「そんなぁ……」
先輩友「なんか用事あるの? あるなら休んでもいいけど」
後輩「先輩とデートの約束が」
先輩「ないわよ」
後輩「先輩、待っててくれるなら……」
先輩「嫌よ。私、勉強しなきゃいけないんだから」
後輩「えっ? 期末試験はまだまだ先ですけど」
先輩「……私、3年生なんだけど」
後輩「先輩、期末試験の時期は学年によって変わったりしませんよ」
先輩「そういう意味じゃない」
後輩「ああ。そういうことですか」
先輩「だから、悪いんだけど、これからはあんまり遊んだりできないからね」
後輩「……ちょっと待ってください。付属の大学に進学するんだから、そんなに勉強する必要ないですよね?」
先輩友「えっ……?」
先輩「……」
後輩「あやうく騙されるところでしたよ。まったく。こんなウソに騙されるほど、私はバカじゃないですから!」
先輩友「ち、ちょっと、後輩ちゃん……」
後輩「なんですか?」
先輩友「えっと、その……」
先輩「……気が向いたら待っててあげる」
後輩「ホントですかー!?」
先輩「気が向いたらよ」
後輩「そんなこと言わないで、ちゃんと待っててくださいよ!」
先輩「さあ、どうかしらね」
先輩友「……」
先輩「わかったから、早く行きなさい。授業遅れるわよ」
後輩「先輩がキスしてくれないと……ごめんなさい。ちゃんと行きますから、そんな怖い顔しないでください……」
先輩「まったく……」
先輩友「……後輩ちゃんに言ってないの?」
先輩「……そのうち言うわよ」
先輩友「もしかして、後輩ちゃんの気持ちに応えてあげないのは……」
先輩「そのことは関係ないから。私とあの子は女の子同士よ? 恋愛感情が湧くはずがないわ」
先輩友「……本当にそう思ってる?」
先輩「……思ってるわよ」
先輩友「そう……」
先輩友「後輩ちゃん、ちょっといいかな……?」
後輩「なんでしょう?」
先輩友「昼休みのことなんだけど……」
後輩「ああ、そのことですか。私、気にしてませんよ」
先輩友「えっ! 後輩ちゃん知ってたの!?」
後輩「もちろんですよ。先輩のことなら、顔を観ればわかります」
先輩友「そ、そうなんだ。でもさ、教えてもらえないって辛くない?」
後輩「そんなことないですよ? むしろ、どうやって言わせようか考えるとワクワクしますね」
先輩友「まぁ、そのうち話すとは思うんだけどね……」
後輩「どうでしょう。先輩は頑固ですからねー。そう簡単に口を割るとは思いません」
先輩友「確かに……」
後輩「ですが、わたしの愛の力で先輩の閉じた心をこじ開けてみせます」
先輩友「後輩ちゃん……。そうだね。後輩ちゃんならきっと……」
後輩「ええ。必ず『キスして……』と言わせてみせます」
先輩友「……えっ?」
後輩「帰り際、あんなにわたしの唇を物欲しそうに見つめるんですもん。そろそろ我慢できなくなってきた証拠です」
先輩友「……」
後輩「友先輩もそう思いますよね?」
先輩友「……そんなこと思うわけないでしょうが!」ベシッ
後輩「な、なにするんですか!」
先輩友「もっと強く叩かれるだけだと思うけどね……」
後輩「それはそれで興奮しちゃいますね」
先輩友「……確かに」
後輩「ですよね!」
先輩友「うん。それでさ、「叩かれて興奮するなんて、本当に変態ね」なんて蔑んだ目で言われたりなんかしたら、たまんないよね」
後輩「いいですねそれ! 今晩のおかずにしよう!」
教師「おい変態共、会議を始めるから卑猥な話をやめろ」
教師「今後は会話の内容には気をつけるように」
後輩「……わかりました」
教師「うむ。……もうこんな時間か。長いこと説教して悪かったな。もう帰っていいぞ」
後輩「失礼しました……」
教師「あ、ちょっと待て」
後輩「まだなにか?」
教師「この後、会う約束してるのか?」
後輩「先輩とですか? 約束はしてますけど……」
教師「そうか。良かったら、これを渡しておいてくれないか」
後輩「……大学のパンフレット?」
先輩「ずいぶん遅かったわね」
後輩「……先輩」
先輩「一体、どんな議題だったのよ。……って、なんであんた泣いてるの!?」
後輩「これ……」
先輩「どうして、あんたが持ってるの……」
後輩「先生に渡してくれって頼まれたんです」
先輩「そう……」
先輩「……ごめん」
後輩「それはなんの謝罪ですか? 付属の大学じゃなくて、ここから遠い大学に進学することですか?」
先輩「……うん」
後輩「そんなことはどうでもいいですよ。わたしが悲しいのは、そのことを秘密にされていたことです」
先輩「そ、それは……」
後輩「どうして教えてくれなかったんですか……」
先輩「……あなたを苦しめてしまうから」
後輩「だから、わたしは先輩がどんな進路を選んでも受け入れる覚悟は……」
先輩「そうじゃないの……」
後輩「えっ……?」
先輩「……あなたに私の進路を伝えるとき、間違いなく私はこう言うわ、「卒業するまでの間、私と付き合ってほしい」って」
先輩「ずっとあなたが好きだった。でも、その気持ちは言わないつもりでいた。けど、進路を決めて、卒業すればあなたと会えなくなるって思ったとき、せめて卒業までの間はあなたを独占した
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク