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年々健康への関心は高まりをみせており、食料品店、ファストフードなどフード業界ではそういった動向を踏まえて「カロリーオフ」とか、「糖質カット」、「脂肪分ゼロ」などの商品を打ち出していく。
だがそれらの食品が必ずしも体や環境にいい結果をもたらすとは限らない。これを食べれば絶対安全などという食品はなく、どんなに体に良いとされている食品でも摂取しすぎたら害となるのはあたりまえの話である。
人々が健康を期にすれば気にするほど、メディアが先導する食品の流行にとらわれ過ぎて、食品に関する誤解が広がっていることも確かだ。ここではアメリカのサイトがまとめた流行の食品に関する落とし穴を見ていくことにしよう。
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1. 脂肪分ゼロ食品は糖分依存を助長する
今日、影響の大きい最悪食品トレンドのひとつは、脂肪分ゼロという謳い文句だろう。1970年代から始まったこの流れは、今や世界中に広がり、体重を気にして、カロリー摂取量を常にチェックし、脂肪を含む食品を目の敵にする人々に数多く遭遇する。
カロリー摂取量のことをちゃんと理解している人ならば、カロリーと運動、それに遺伝的なものであなたの減量率が決まることは知っているだろう。研究では、低脂肪食品が健康にいいという結論は出ていないが、なぜか全国的な意識として相変わらずはびこっていて、いまだに害を及ぼしている。
今日、どのスーパーに行っても、無脂肪あるいは低脂肪食品ばかりで、昔はあった脂肪分たっぷり食品はほとんど見られない。その代わり、70年代後半から糖分という別のトレンドが始まって、まもなく糖尿病や肥満の問題が発生し始めた。糖分依存だけが、糖尿病急増の唯一の主要な原因とは言えないが、わたしたちが昔より多くの糖分を摂取し始めたことは間違いない。これは確実に健康に悪い。こぞって脂肪を悪者に仕立て上げ、よい食事にはあらゆる食品が不可欠で、脂肪分も含めどれもバランスよく摂取することが大切だということを忘れてしまったツケだろう。
2. GMOフリー(非遺伝子組み換え食品)は無知なアメリカの消費者を増やす
最近、やたらとトレンドになっているGMOフリー食品。この意味をちゃんと理解しているのなら、極めておかしなことだ。GMOとは遺伝子を改良した有機物のこと。問題は、遺伝子組み換えの定義づけだ。
人類は何千年も昔から植物や動物に対して遺伝子組み換えをを行ってきている。今日のバイオテクノロジーにもっと透明性が必要だと感じているのなら、現在のGMOフリー食品は、消費者の無知を煽って、なにかを避けなくてはと考えている人たちの弱みにつけこんでいるだけだ。
実際、多くの食品会社は消費者の顔色をうかがい、人々が喜ぶようなちょっとした改良を行っている。そのほうが、ソーシャルメディアで問題を提起し、議論するよりも簡単だからだ。クラフトは、進んで天然色素に切り替えるのに、いまだに加工マカロニやチーズ製品を売っているし、サブウェイは、消費者が目くじらをたてたので、アゾジカーボンアミドのような有害成分を完全に取り除いたものの、相変わらず多くの加工食品を"新鮮を食べよう"というスローガンを掲げて販売している。
健康に本当に悪いものは、過度に加工された食品をとり過ぎることだ。GMOフリーの流行に飛び乗った企業は、意味もない安易な変化を食品に加えて、体の為になることをやっていると見せかけていたりする。
3. 大豆食品はテストステロン(男性ホルモン)の値を下げる
アメリカで、健康食材の中でニッチな食品としてとらえられていた豆乳は、最近はすっかりトレンドになった。単に牛乳の代わりに飲むだけでなく、検査もしたわけでもないのに、ラクトース不耐症(乳糖を消化する酵素が少ないため、乳製品にアレルギーを起こす)だとして、豆乳を飲むのをトレンドにする人の数が増えている。
牛乳を豆乳で代用しようとすると、どうしても砂糖や人工甘味料を使って、飲みやすいものにしようとする傾向がある。さらに、豆乳は女性ホルモンであるエストロゲン値を上げるという特徴がある。
ほとんどの人にはそれほど大きな影響は出ないだろうが、ある男性の場合、奇妙な症状が現われ始めた。乳腺が膨らみ、体毛が薄くなり、髭も生えなくなって、体が女らしくなってきたのだ。複数の医者に診てもらったが理由はわからず、やっと4人目の医者が男性の食生活を訊いた。すると、男性は毎日豆乳を3リットルづつ飲んでいたことがわかった。これは普通の人の消費量より遥かに多い。このように劇的な影響が現われることはまれだが、大豆は人間のホルモンに深刻な影響を与える可能性があることがわかる。
4. 低炭水化物ダイエットは幅広く栄養不足を引き起こす
1990年代に低糖質ダイエットであるアトキンスダイエットがブームになり、炭水化物は体に悪いという流れになってきた。多くの人がブームに乗って、炭水化物を絶ち、その結果減量できたかもしれないが、必ずしも減量イコール健康ではないのだ。
炭水化物の摂取を控えると、逆に糖分の摂取量が増える傾向があることがわかっている。確かに加工炭水化物は体に害を及ぼすものもあるが、すべての炭水化物が害をなすわけではない。多くの人が穀物やフルーツ、野菜などの適切な炭水化物まで排除してしまった結果、必要な栄養素が不足してしまっているのが現状だ。
良い炭水化物はバランスのとれた食事には不可欠で、体が正常に動くようコンディションを整えてくれる。まったく食べないのではなく、あらゆる食品と同様、適度に摂取すべきである。
5. 平飼い、放し飼いといううたい文句で本当の問題を隠蔽している。
消費者がだまされやすい食品のひとつに、"平飼い"や"放し飼い"と表示された卵のパックがある。アメリカにはこの言葉について法的な基準はなく、企業側が勝手に言っているだけの単なる市場のからくりなのだ。企業は、鶏をケージから出して放し飼いにし、毎日太陽光や新鮮な空気にさらして健康に育てていることだと主張するが、どこまで本当かわからない。
しかし、家禽という単語そのものが妙だ。産卵ではなく、鶏を家禽として育てるルールは、米国農務省によってきちんとした総合ガイドラインがある。しかし、卵に関してはこれらのルールは当てはまらない。つまり、企業が家禽でない製品に"放し飼い"というラベルをつけることは、本質的に意味がないのだ。企業が、無知をいいことに消費者をごまかし、一時的にでもあなたの常識を無視しようとしているのは、十分にありえることなのだ。
6. 3. マルチビタミンブームは深刻な健康障害を引き起こす可能性がある
マルチビタミンは、健康食品の店やテレビコマーシャルで見かけないことはないほど、どこにでもある。店に行けば、たくさんの種類のマルチビタミンが並んでいる。アメリカではカラフルで甘い味がついているものもあり、形もキュートでなんともそそられる。誰もが、日々マルチビタミンを摂っていさえすれば、健康になれるという印象をもっていて、宗教のように信じている。
もちろん、本当に健康にいい場合もあるが、害も及ぼすこともある。そもそも、「ビタミンを摂っている人は健康」という概念自体に問題がある。マルチビタミンにはたくさんの栄養素が含まれていて、確かに不足栄養素を簡単に補給できる。ところが、すでにちゃんとバランスのとれた食事をしている人がこのマルチビタミンを規則的に摂取すると、十分足りている栄養素が偏って長期的に濃縮してしまい、体に害を及ぼすことがある。大量のビタミンが体に蓄積されると、それは毒性をもち、発ガン物質に変わることすらあるという。
7. 1. 特定の病でなければ、グルテンフリーは体に悪い
昨今、多くの人たちがグルテンフリー食品に走っている。しかし、グルテンが本当に悪影響を及ぼすのは、アメリカ国民の1%にすぎないセリアック病(グルテンに対する免疫疾患)の患者だけだ。なんでもない人がグルテンを摂らないと、深刻な栄養不足を引き起こす可能性がある。
ここでも食品会社は、消費者の無知を利用している。グルテンフリーと表示してあれば、グルテンがなにか知らない人は、グルテンは摂らないほうがいいのだと思ってしまう。しかし、グルテンを含む小麦や未精製の全粒粉食品はバランスのとれた食事に不可欠なものなのだ。セリアック病の人は、医師の指導による特別な食事療法を行っていて、グルテンは避けるが必要な栄養素はきちんと摂っている。自分で勝手に必要な栄養素を排除しないで、きちんと専門家のアドバイスを受けることが大切だ。
via:toptenz・translated konohazuku / edited by parumo
何度も言うが、自分の体が求めているもの、食べたいと思ったものが体が必要としているものなのだ。中にはそれでも、プラセーボ効果により流行の食品を食べることで体の調子が良くなる場合もあるだろう。だが逆に、「これを食べると健康に悪い」という噂を信じ込んでしまい、それが仇となって健康を害してしまう場合もあるのだ。
毎日の食事をおいしくたのしく、そして適度にたしなむことが一番の健康につながるのかもしれない。
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コメント
1. 匿名処理班
食べたい物を食べたい時に食べるのが一番
でもやり過ぎには注意、すぐ太る…
2. 匿名処理班
古人曰く、過ぎたるは及ばざるが如し。
最近は何事も声のでかいやつが喚き散らして、それが絶対であるように仕向けて
極端に走り過ぎてると思うよホント。
3. 匿名処理班
少なくとも日本においては「健康食品」ほど胡散臭いものはないからなー
薬事法の外だから、ものすごく「言ったもの勝ち」の業界だし・・・
4.
5.
6.
7. みあきち
1. 脂肪分ゼロ食品は糖分依存を助長する
4. 低炭水化物ダイエットは幅広く栄養不足を引き起こす この2つは似通ってるな。
摂取カロリーの不足に由来する不具合、という点では同じで、「被る仮面が少ーし違う」という感じか。
5. 平飼い、放し飼い=鶏は「弱いもの虐め」をする生き物、だったな。
「自由」は”それ”をできる環境に繋がり、肉質の差異にもなり得るがケージで個別収容する場合は「皆、平等」でむしろ「安定した品質」になるそうだな。
アミノ酸のは無かったか…十何年前か二十年余り前だか、それで栄養失調になっての死亡事件があったはずだ。
人体に必要なアミノ酸に「よく似たアミノ酸」の摂取で、遂には死亡だったかな?
バイオハザード防止のために、「特殊な栄養でないと生存不可能」な「株」を培養することもあるが、「普通の養分とは少し分子構造が違う」だったか?
培養地から逃げても「餓死させる」ための安全策だが、人間にそれをやるとはな…
8.
9. 匿名処理班
サプリの場合医薬的実験行ってないので、単独では
問題なくても他のサプリや医薬品と食べると害し
最悪しにつながる組わせあるのは有名だね
しかも100%ジュースや他の食べ物でも一見して問題ない
のに最悪な組み合わせもあるので、薬剤師や専門医が
確認し安全だと思ったものをとるほうがいいかも
10. 匿名処理班
>食べたいと思ったものが体が必要としているものなのだ。
さっき、チキンラーメンとアイスクリームを食べた。
体が必要としていたから。。
11. 匿名処理班
よくわからんけど、一言でいうなら
「加工食品ばっか食ってんじゃねぇ!病気になるぞ!」
ってことだろ?
12. 匿名処理班
低カロリー食品を作る為に高カロリーを消費する悲しさよ…。
13. 匿名処理班
日本でも通じる偏見と独自で面白いものがあるね
>ラクトース不耐症(乳糖を消化する酵素が少ないため、乳製品にアレルギーを起こす)
腹を下すとはいけど、アレルギーになるなんて初耳だ
軟便がアレルギー症状の一種と思われてる可能性も考えたけど、それは無いよな?
14. 匿名処理班
何でも程々が一番ですな
15. 匿名処理班
小学校の家庭科で習った五大栄養素をバランスよく摂ればいいと思ってる
どれかひとつを抜けとか、これとこれだけにしろ、とか、
そんな流行りが出てくるとはまったく想像してなかったわ
16. 匿名処理班
納豆を常食するようになってから、スネの毛は全滅。夏場に処理する手間が省けて楽(´ω`)
17. 匿名処理班
乳は要らないけど体毛薄くしたい
特に髭
18.
19.
20. 匿名処理班
いろんなものをバランスよく食べましょうということだなw
21.