【艦これ】提督「ローマに『兄さん』と呼ばれたい」
※一応前置きしておきますが、いつものような色恋沙汰です
ローマ「――提督、このローマに何かご命令が?」
提督「ああ……とても、重要な任務だ」
ローマ(……凄く真剣な表情。よほどの事なのね……)
ローマ「……私に何をしろと?」
提督「うむ……」
ローマ「…………」
提督「(ゴクリ)…………俺を」
提督「俺を……『兄さん』と呼んでみてくれないかっ!?」
ローマ「…………は?」
提督「頼む、一回でいい。一回だけでいいから、なっ?」
ローマ「……あの、意味が解らないのだけれど」
提督「いやな、ローマがリットリオを『姉さん』と呼ぶのを聞く度に俺は思ってたんだ」
提督「ああ、ローマのあの口で、あの声で、あの表情で『兄さん』と呼ばれたら俺は、天に召されてしまうんじゃないか……って」
ローマ「……むしろ、今すぐ召されてくれないかしら」
提督「なあ頼むよローマ。一生で一度のお願い! 棒読みでもいいから、ちょっとだけ、ねっ!」
ローマ「…………絶対イヤ」
提督「そんなこと言わずに! 土下座でも何でもするから! マミーヤで甘味奢ってあげるから!」
ローマ「どれだけ頼まれたって、イヤなものはイヤ」
提督「……どうしてもイヤ?」
ローマ「どうしてもイヤ」
提督「…………」
ローマ「…………」
提督「……ふーん、あっそ。じゃいいよ。俺にも考えがあるもんね」
ローマ「考え……?」
提督「――というわけで、リットリオさんに来て頂きました」
リットリオ「Buon giorno」
ローマ「……益々意味が解らないわ」
提督「リットリオ、俺のこと『兄さん』って呼んでくれる?」
リットリオ「いいですよ? こほん……兄さん? ……ふふっ♪」
提督「あ、こっちもイイなー……実にイイ……」
ローマ「…………」(蔑みの目)
ローマ「…………で?」
提督「ああ、そうだった……つまりだな、リットリオはローマの姉だろ?」
ローマ「何を今更」
提督「では、そのリットリオから兄と呼ばれる俺は……即ちローマにとっても兄ということにならんか?」
ローマ「なるわけないでしょ」
提督「……ならない?」
ローマ「ならない」
提督「…………」
ローマ「…………」
提督「……っち、こうなったら奥の手だ」
ローマ「奥の手……?」
提督「(ガサゴソ)……リットリオ!」
リットリオ「はい?」
提督「……お前に、大事な話がある」カパッ
ローマ「なっ!?」
リットリオ「まぁ……」
提督「ケッコンしよう、リットリオ……」
リットリオ「そんな……私で、いいんですか?」
提督「ああ、構わないとも……」
リットリオ「提督……私、嬉しいです……」
提督「リットリオ……」
ローマ「……っ、待ちなさいっ!!」バンッ
提督「……何だよ、ローマ」
ローマ「何だじゃないわよ、何考えてるの!? 今のが一番意味が解らないわよ!!」
提督「いや……つまりだな、リットリオはローマの姉だろ?」
ローマ「だから何よ!?」
提督「では、そのリットリオと俺がケッコンすれば……俺はローマにとって義兄ということに」
ローマ(ブチッ)
ローマ「……私も姉さんも、あなたの玩具じゃないのよっ!!」バチッ!
提督「いでっ……」
ローマ「バカ!」タタッ
提督「…………」サスサス
リットリオ「……あんまり、あの子をいじめないで下さいね?」
提督「好きな子ほど……ってやつだよ」
リットリオ「あら」
提督「…………」ポリポリ
リットリオ「でも、今回はちょっと冗談が過ぎましたね。……もっとも」
提督「ん?」
リットリオ「私はさっきの……割と本気だったんですけど」
提督「…………」
リットリオ「…………」
提督「……悪い。俺も今しがたの……本気だから」
リットリオ「……ですか」
提督「…………」
リットリオ「……あの子には、後で謝った方がいいですよ?」
提督「……うん」
ローマ(……気に入らない。本っ当、気に入らないわ)
ローマ(常日頃からバカをやっているけど、今日のは極めつけね)
ローマ(兄さんと呼べ、ですって? おまけに姉さんとケッコン?)
ローマ(……馬鹿馬鹿しい。そんなの、絶対に認めない……)
ローマ(――は私の…………私の……?)
ローマ(……私、今……誰のことを、考えて……?)
提督「あ、ローマ……見つけたぞ」
ローマ「っ……何しに来たの」
提督「うん、その……何と言うか」
ローマ「…………」ジロ
提督「えー……あの……さっきは……」
ローマ「…………ふん」プイ
提督「う……」
ローマ「…………」チラ
提督(シュン)
ローマ(…………)
ローマ「っち……話があるなら、早くしてくれない? 私、こう見えて忙しいんだけど」
提督「……さっきは、すまなかった。お前にもリットリオにも失礼なことをしたと、反省している」フカブカ
ローマ「……解ればいいの。……私も、手を出してしまって……申し訳ありません」
提督「なーに、ローマにだったらいくらぶたれても……」
ローマ「……そう、じゃあもう一発」スッ
提督「すみません冗談です!」
ローマ「言ってる側からこれなんだから……。いい、また今日みたいなことをしたら……全力で潰すわよ?」
提督「……はい」
――翌日
提督「…………」
ローマ(テキパキ)
提督「…………」ジッ
ローマ「……何、さっきからじっと見て」
提督「あっごめん、見惚れてた」
ローマ「っ……! ……どうやら寝惚けてるみたいね。カプチーノでも淹れましょうか?」
提督「いや、至って正気だけど……でもローマが淹れてくれるなら飲みたいな」
ローマ「……あぁそう。ふーん……」
ローマ「……はい」コト
提督「わーい」
ローマ(……ガキっぽい)
提督「(ゴク)……うん、うまい」
ローマ「……へぇ、そう」
提督「こんなうまいカプチーノを、毎朝淹れてくれるステキな恋人がいたらなぁ~」
ローマ「……だったらまずは、素敵な女性に釣り合う素敵な男性になることね」
提督「え……既に顔と実力とユーモアを兼ね備えているのに、これ以上を目指せと……?」
ローマ「……まだ寝惚けてるようね」
提督「いや、さっきからずっと正気……」
ローマ「私が思う素敵な男性は、自分の仕事を部下に押し付けたりしないと思うけど?」
提督「ふむ……ローマ、そこの書類の山を二つほど貰おうか」
ローマ「あら、悪いわね」ニヤ
提督「……お安い御用だとも」ニヤリ
提督「……はい、終わりっと」バサッ
ローマ「え、もう終わったの?」
提督「うん」
ローマ「……確認させてもらうわよ」
提督「どーぞ」
ローマ(…………)
ローマ「……ちゃんとできてる」
提督「ふふん」ドヤッ
ローマ(……これで、性格さえマトモならね)
ローマ(…………)
ローマ(マトモなら……何?)
提督「あれあれ、ローマさんの作業は進んでませんね~? 解った風なこと言った割りに、素敵な女性には程遠いようですね~?」ニヤニヤ
ローマ(……ムカツク)ピキピキ
ローマ「……見てなさいよ、十分で終わらせてやるわ」
提督「言ったな? よーし、できなかったら罰ゲームだかんな」
ローマ「はぁ?」
提督「はいスタート。いーち、にーい……」
ローマ「……ちっくしょう!」
提督「……さーん、にーい」
ローマ「っく……!」
提督「いーち、ぜろー、終~了~」
提督「……あー、あと一枚か~。惜しいね~。あとちょっとだったね~?」ニヤニヤ
ローマ「……」ギリギリ
提督「じゃあ約束通り、罰を受けてもらおうかな」
ローマ「約束なんてした覚えはないわよ」
提督「はぁ……そういうこと言う? ローマは潔い奴だと思ってたのにさ……ガッカリだよ」
ローマ「いいわよやってやろうじゃないの!」
提督(ちょろいぜ)
提督「じゃあ……残り半日、俺のことを『兄様』って呼んでもらおうか」
ローマ「……またそれ。しかも、昨日より悪趣味になってない?」
提督「はて何のことか……そんなことよりも、早く罰を実行してくれたまえ」
ローマ「…………イヤ」
提督「おいおい、誇り高いお前が、一度約束したことを翻すのかぁ?」
ローマ「だから、約束してないって……とにかく、それだけは何と言われてもイヤ。挑発には乗らないわよ」
提督「……弱虫。卑怯者。負け犬」
ローマ「…………」ビキッ
提督「やーいやーい、腰抜けやーい」
ローマ「んむぐぐ……!」プルプル
提督「…………ちぃ、強情な奴だ」
ローマ「嫌味な奴よりはマシでしょ……!」
提督「誰を指してるやら解らんが……仕方ない、今回は引いてやろう」
ローマ「何度言ったって同じ、絶対に呼ばないわよ」キッ
提督(……あー、もっと意地悪したい……でも昨日の今日だし、さすがに控えないとな……)
ローマ「ふんっ!」
リットリオ「……あら、提督?」
提督「やあ」モグモグ
リットリオ「お昼、お一人ですか。……ローマは?」
提督「(モグ)霧島と食べるってさ(ゴクン)……また怒らせちゃった☆」
リットリオ「はぁ……提督も懲りませんねぇ」
提督「いやー、ローマをからかうのってちっとも飽きないんだなー、これが」
リットリオ「本当に、あの子のことが好きで仕方ないんですね……」
提督「…………」
リットリオ「提督?」
提督「いや……そうハッキリ言われると……何か恥ずい///」
リットリオ(純! 何て日本的な……)
リットリオ「いつまでも意地悪し続けてたら、本当に嫌われ
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