いけさんフロムエル : 「ＭＩＸ」～あれは本当におれの息子か？脅威のコントロールと妹思いのエース！！

あだち充のゲッサン連載「ＭＩＸ」第４９回です。

いよいよ運命の準決勝・東秀戦を迎える事になった投馬たち明青学園。
明青の先攻で始まった試合はいきなりエース三田の三者三振ショーで開幕する。
監督は最後まで投げさせるつもりはなく、４点取ったら交代すると告げられた三田。
「忘れてませんか？」
「うちの打線はあいつから　まだ一点も取った事がないんですよ」
そんな三田の言う通り、投馬に三者三振をやり返された東秀打線だったのだが…！？

「…あんな投手だったっけ？」
投馬のピッチングに衝撃を受けた東秀監督。
練習試合と本番が違うのは自分たちだけではないとフォローする三田ですけど、これは普通に監督の怠慢です。
一方で絶好調のスタートを切った投馬だが、ボールを受ける走一郎によればいつも以上にバラバラなんだとか。
「同じフォーム　同じ腕の振りなのに、ストレートの球速が――」
「捕るのも大変だけど、打つ方はもっとやっかいですよ」
何やら今までで最高のコンデションに仕上げてきたらしい投馬。
走一郎の見解と相手監督の怠慢を合わせて考えれば明青は勝って当然だとも言えます。

「東秀さんほどじゃないですけど…ね」
二回の表、さらに三者三振とされてしまった明青学園。
４番今川・５番投馬・６番南郷と何も出来なかった様ですけど、やはりこの先何か一打があるとすれば投馬でしょうか？
４番今川も先輩としての活躍を期待したいんですけどね。

力であっさりねじ伏せられた明青打線。
ならば投馬もまたやり返すのかと思いきや、打たせて捕るやり方に切り替えたらしい。
そんな様子に捕手の存在を思い出した三田。
「一年生バッテリーだよな、…あいつら」
「とりあえず４点取るまで頑張ります」
相手バッテリーに今更ながら脅威を感じる監督に「４点」を口にする三田ですけど、何だか無知な監督をバカしている様にも聞こえます（笑）。

そんな変化のあった２回のピッチングだが、初回だけは投馬の自由に投げさせる約束だったらしい。
相手の挑発に乗って初回のピッチングを続けたら必ず先に潰されると考えた走一郎。
「ここからはいかに投馬の球数を抑えて長いイニングを投げさせるか――ですよね、監督」
「あ、ああ…その通り」
何やら色々考えている走一郎に同意する監督ですけど、どこまでが監督の考えなのかはちょっと分からないですね。

３回表に入り、７番も三振に倒れる事に。
続く８番の駒はファールで粘るのだが、何やら三田は打たせて捕るピッチングは苦手の様子。
軽く投げた直球も変化球もキレが良過ぎてバットに当たってもなかなか前に飛んでくれないのだという。
対して投馬が打たせて捕れているのは走一郎のリードとそこにキッチリ決められる投馬のコントロールがあってこその芸当らしい。

そんな駒は結局キャッチャーゴロでアウト。
「どうスか？！連続三振記録を止めてやりましたぜ」
アウトで喜ぶ駒ですけど、この能天気な駒が終盤何かをやらかすのかな？（笑）

それにしても投馬・走一郎・駒・南郷とこのチームは一年生が４人もレギュラーなんですよね。
今年どうなるのかは分かりませんが、少なくても来年以降はかなり強力なチームになりそうな気がします。

異常な暑さの中、黙々と投げ続ける投馬。
そんな息子の姿に舌を巻く父親だが、走一郎が構えたミットがほとんど動かないのだという。
自分は最後までコントロールに自信が持てない投手だったという投馬の父。
「やっぱ子供の頃からの走ちゃんとのキャッチボールのおかげかな」
投馬のコントロールが走一郎とのキャッチボールで培われたと考えた父。
だが、音美によれば２人のキャッチボールは力一杯投げ合ってケンカの様であり、ちょくちょく本気にケンカになって何週間も相手をしなくなったりしていたらしい。

子供の頃の投馬を思い出した音美。
何と、走一郎とケンカになるたびに音美がキャッチボールの相手をしたのだという。
投馬の投げる乱暴な球に転んだり追いかけたりと苦戦したらしい音美。
何と、投馬のコントロールはそんな音美のために培われたものだったらしい。

「こういうピッチングもできるんだな」
投馬のピッチングを打席で直接体感した三田。
「三田さんと同じで昔から妹思いなんですよ、あいつは」
「おれとは――ケンカばっかりでしたけどね」
そんな三田に話しかけた走一郎だが、やはり投馬のコントロールが何故培われたのか知っていたらしい。
その三田を三振に仕留め、３回までをゼロに抑えた投馬。
どうやら簡単には崩れないらしい投馬ですけど、こうなると本格的に投手戦になり、一点で勝負が決まってしまうのかも知れません。

実力伯仲となった東秀と明青による準決勝。
果たして投馬は最後まで投げきれるのか？
こういう時に限って何かアクシデントが起きそうな気がしますが、明青は替えになる選手はロクにいませんし、もし投馬と走一郎のどちらかがケガする事態になったらそこで終わりのはずです。
その一方で、順調ならこのまま延長戦になるかも知れませんし、その時は投馬がどけだけ体力を残しているかが勝負のカギになるのかも知れません。

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