9946ca46886886d25cd02bd90e0dcac5

渋谷凛
CMAnpJHUkAAII4_

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:10:28.36 ID:b1OX3BHU0
P「……」

凛「……」ギュッ

P「……凛?」

凛「何?」ギュッ

P「何してるんだ?」

凛「プロデューサーに抱きついてる」ギュッ


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430806218

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:11:30.97 ID:b1OX3BHU0
P「……どうしてこんなことを?」

凛「こうしてると落ち着くから」ギュッ

P「そうか……」

凛「邪魔なら、退くけど」ギュッ

P「いや、邪魔じゃないよ。むしろ」

凛「? むしろ?」ギュッ

P「……いや、なんでもない」

凛「そっか」ギュッ

P「ああ」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:13:14.56 ID:b1OX3BHU0

ガチャ

凛「ん」サッ

卯月「おはようございます! ――って、プロデューサーさんと凛ちゃんだけですか?」

未央「え? ちひろさん、居ないんだ……ってことは、二人きりだったわけですね? 何をやっていたのかなー?」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:14:22.62 ID:b1OX3BHU0
凛「何もやってないよ。プロデューサーは仕事中だしね」

未央「ほんとにー?」

凛「嘘吐いてどうするの」

未央「実は二人でいちゃいちゃしてたんじゃないのー?」

凛「プロデューサーがすると思う?」

未央「んー……しないね! プロデューサー、ヘタレだし」

P「ヘタレって……そんなことないだろ」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:15:00.28 ID:b1OX3BHU0
凛「まあ、私は否定しないけど」

P「凛? ……う、卯月ぃ」

卯月「……ごめんなさい。私も否定できません」

P「卯月まで!?」

未央「あははっ、しまむーにまで言われちゃったらこれはもう確定だね」

凛「そうだね。卯月に言われたらもう確定だよ」

P「くっ……まさか卯月にまでヘタレだと思われていたとは……」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:15:50.21 ID:b1OX3BHU0

ガチャ

ちひろ「おはようございま――って、卯月ちゃん、未央ちゃん。来てたのね」

卯月「おはようございます! ちひろさんっ」

未央「おはよ! ちひろさんっ」

ちひろ「はい、おはようございます。……それで、プロデューサーさんはどうしてあんなに項垂れているのかしら?」

P「……ちひろさん、ちひろさんは、俺がヘタレだって思いますか?」

ちひろ「え!? ……どうしていきなりそんな質問を」

P「……三人に言われて」

ちひろ「えっ……ああ」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:17:47.76 ID:b1OX3BHU0
ちひろ「あっ、いえ、違います。これはプロデューサーさんがヘタレだと納得していたわけじゃなくて……」

P「ということは、俺は――」

ちひろ「……まあ、ヘタレだということを否定はしませんが」

P「ちひろさんにまで!? ……お、俺、そこまで頼り甲斐ありませんか?」

ちひろ「いえ、頼り甲斐はありますよ? ……ただ、あり過ぎるというか」

P「あり過ぎるならヘタレにはなりませんよね!?」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:18:31.04 ID:b1OX3BHU0
ちひろ「それは……ねえ?」

凛「うん」

未央「まあ」

卯月「そういうことですよね」

P「どういうことか全然わからないんだが……」

ちひろ「でも、プロデューサーさんはわからなくてもいいと思いますよ」

凛「そうだね、プロデューサーはわからなくてもいいかも」

未央「確かに、わかられたらそれはそれで困るかも……」

卯月「わからないからこそのプロデューサーさんですからねっ」

P「……とりあえず、わからなくてもいいってことか」

ちひろ「そういうことですね」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:20:05.67 ID:b1OX3BHU0
凛「――ん、そろそろ時間だね。卯月、未央」

未央「もうそんな時間かー。じゃ、行こっか」

卯月「はい、行きましょう! それじゃあ、行ってきますね、プロデューサーさん、ちひろさん!」

P「ああ、行ってらっしゃい」

ちひろ「行ってらっしゃい♪」

ガタン

P「……一気に静かになりましたね、ちひろさん」

ちひろ「寂しいんですか?」

P「ちひろさんこそ」

ちひろ「私はプロデューサーさんが居るから平気ですよ?」

P「……俺、そろそろ出るんですが」

ちひろ「……す、すぐに他のアイドルの子たちが来てくれると思うので大丈夫です」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:21:37.09 ID:b1OX3BHU0

――

P「卯月と未央はそのまま現場に行ってる。で、凛は――」

凛「トライアドの打ち合わせでいったん抜けて、これからプロデューサーと一緒に現場に行く、かな」

P「凛、もう来てたのか」

凛「『もう』ってほどの時間じゃないと思うけど」

P「まあ、そうだな。それじゃあ、行くか」

凛「うん」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:22:33.68 ID:b1OX3BHU0



P「……凛、最近、どうだ?」

凛「最近って?」

P「調子は」

凛「上々かな」

P「それは良かった」

凛「プロデューサーが居るからね」

P「……」

凛「ここで答えないのがヘタレって言われる理由だと思うよ」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:23:32.31 ID:b1OX3BHU0
P「……どう答えろって言うんだよ」

凛「『俺も凛が居るから調子が良い』……とか?」

P「どんなキザなヤツだよ、それは」

凛「でも、女の子はそういうことを言われると弱いんじゃない?」

P「凛もそうなのか?」

凛「もしプロデューサーがそんなこと言ったら、まずはドッキリを考えるかな」

P「……じゃあどうしろって言うんだよ」

凛「プロデューサーは今のままでいいよ」

P「ヘタレなのにか?」

凛「ヘタレだけど、今のままでいいの」

P「……そうか」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:24:24.42 ID:b1OX3BHU0
凛「……プロデューサー」

P「なんだ?」

凛「もし私が仕事を休みたいって言ったらどうする?」

P「凛はそんなこと言わないだろ」

凛「もしも、だよ」

P「……休ませる、かな」

凛「どうして?」

P「凛がそんなことを言うってことは、それだけの理由があるってことだからな」

凛「……もし、このままどこかへ連れて行って、って言ったら」

P「現場まで連れて行くかな」

凛「そういう意味じゃなくて」

P「そういう意味じゃなくても、だ」

凛「……まあ、プロデューサーはそうだよね」

P「ああ」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:25:25.96 ID:b1OX3BHU0
凛「……また、今日みたいなことをしてもいい?」

P「時と場合による」

凛「うん。それくらいはわかってる」

P「そんなことを言い出す時点でわかってないような気もするが」

凛「わかった上で、それでも、だよ」

P「……そうか」

凛「うん」

P「――いつか」

凛「え?」

P「いつか、ヘタレじゃなくなるよ。それまでは、な」

凛「……うん。じゃあ、待ってる」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:26:49.22 ID:b1OX3BHU0

現場

未央「おっ、到着しましたか」

卯月「待ってましたよ、凛ちゃん、プロデューサーさん!」

凛「うん、お待たせ」

P「待たせてごめんな」

卯月「えぇっ!? ……そ、その、そういう意味じゃなくて~!」

未央「本当だよ? 未央ちゃんとしまむーを待たせるなんて困ったものだよ」

卯月「未央ちゃん!?」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:27:36.32 ID:b1OX3BHU0
未央「しまむーは優しいねー。でも、私としては『お詫び』をしてもらわなきゃ許せない気だなー」

卯月「ちょ、ちょっと未央ちゃん!? そ、そんなのダメですよー!」

P「いや、卯月。俺が悪いからいいよ。それで、未央。俺はジュースでも買ってくればいいのか?」

未央「ううん、私たちをちゃんと見てて! それだけでいいから、さ!」

P「言われなくても見るよ」

未央「……えへへっ、ありがと、プロデューサー!」

卯月「未央ちゃん……ありがとうございます、プロデューサーさん!」

P「……今更、感謝されることじゃあないと思うんだが」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:28:40.72 ID:b1OX3BHU0
凛「そうでもないよ。最近は、あんまり見ててくれなかったでしょ?」

P「それは」

凛「わかってる。忙しいもんね。他のアイドルも居るしね。……でも、それがわかっいていても、私たちはプロデューサーに見ていて欲しいんだよ」

未央「そうそう。私たちみーんな、プロデューサーに見てもらいたい病だからね」

卯月「私たち、そんな病気にかかっていたんですね」

未央「うん。だってそうでしょ?」

卯月「……はい、そうですね。私、プロデューサーさんに見ていて欲しいです。もちろん、時間がある時、でいいんですけど」

P「……そうか。それなら、時間、作らなきゃな」

卯月「……はいっ。よろしくお願いします!」

凛「うん、お願いね」

未央「もちろん、無理はしちゃダメだよー? プロデューサーが苦しいと、私たちも苦しいからさ」

P「ああ、ありがとう」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:30:17.65 ID:b1OX3BHU0

――

コンコン

スタッフ「NGsの皆さん、そろそろ準備、お願いしまーす」

P「わかりました。ありがとうございます。……それじゃあ、みんな」

卯月「はい! 島村卯月、頑張ります!」

未央「本田未央、頑張っちゃうよ!」

凛「渋谷凛、頑張っていくよ……って、何これ」

未央「おおう、しぶりん、ノリツッコミですか……いやあ、でも、頑張るでしょ? いつも頑張ってるつもりだけど、今日は気合の入り方が違うからね」

凛「まあ、そうだね」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:31:10.40 ID:b1OX3BHU0
卯月「じゃあ、行きましょう、凛ちゃん、未央ちゃん!」

未央「言われなくても、だよ、しまむー。……じゃ、行ってくるね、プロデューサー」

P「ああ、行ってこい。見てるよ、ずっと」

卯月「……はいっ。行ってきます!」

未央「行ってきまーす!」

ガチャ

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:32:23.91 ID:b1OX3BHU0
P「……凛?」

凛「……プロデューサー」

P「なんだ?」

凛「……」ギュッ

P「……凛」

凛「わかってる。……でも、今はこっちを見ないで」

P「……」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:33:12.79 ID:b1OX3BHU0
凛「見ててね、私のことを。私たちのことを。あなたの、アイドルを」

P「ああ」

凛「……それだけ」サッ

P「もういいのか?」

凛「うん、ありがと。でも、もう、大丈夫」

P「そうか」

シブリーン、マダー?    リンチャン?

P「呼んでるぞ」

凛「わかってる」

P「そうか。じゃ、行ってこい」

凛「……うん。行ってきます、プロデューサー」

ガチャ

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:34:03.84 ID:b1OX3BHU0

――

未央「しぶりん、何やってたの? まさか二人きりでいかがわしいことを……?」

卯月「えっ、本当ですか、凛ちゃん」

凛「本当なわけないでしょ……」

未央「じゃあ、何やってたの?」

凛「……勇気をもらってた、かな」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:34:58.36 ID:b1OX3BHU0
未央「勇気? 何の?」

凛「久しぶりだったから」

未央「……うん。そうだね。というか、そんなこと言われちゃったら私が不安になっちゃうじゃん。今からでも勇気をもらいにいこっかなー」

卯月「心配いりませんよ、未央ちゃん! プロデューサーさんが見てくれるだけで、私たち、勇気百倍じゃないですか!」

未央「しまむー……いや、うん、違うけど、そうだね。甘えたが凛とは違って、私たちは見てくれるってだけで頑張れるもんね!」

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:35:31.94 ID:b1OX3BHU0
凛「……未央、甘えたが凛って何?」

未央「しぶりんのことだよ。違った?」

凛「……違わないかも、しれないけど」

卯月「……? どういうことですか?」 

凛「卯月……いや、うん、べつにわからなくてもいいよ」

未央「しまむーはそのままのしまむーで居てね……」

卯月「えぇっ!? それ、どういう意味ですかー!」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:36:55.83 ID:b1OX3BHU0

――

未央「どうだった、プロデューサー? 未央ちゃんたちの成長っぷりは実感できたかなー?」

P「……ああ。とても」

卯月「本当ですか!?」

P「ここで嘘をつく意味なんてないだろ」

卯月「……やりました! やりましたよ、凛ちゃん、未央ちゃん!」

凛「うん。……それで、プロデューサー、感想は?」

P「今のが感想だったと思うが」

凛「今のは成長したってだけでしょ。比較じゃなくて、今の感想」

P「……最高だったよ」

凛「そう。……プロデューサー」

P「何だ?」

凛「これからもプロデュース、よろしくね」

P「……もちろんだよ」

未央「もちろん、私たちもだよね、プロデューサー」

卯月「はい。私たちもですよね、プロデューサーさん」

P「ああ。もちろんだ」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/05(火) 15:38:22.51 ID:b1OX3BHU0
未央「……なんか『ついで感』が強いなあ」

P「そんなつもりはないんだが……」

未央「そう感じちゃうの! うーん……あっ、そうだ! しまむー、しぶりん! ……」コソコソ

卯月「……はいっ! そうですね、良いと思います!」

凛「……うん、わかったよ」

P「? いったい何を」

未央「プロデューサーは今から言うことに答えてくれたらいーの。それじゃ、いくよ? せーのっ」

卯月・凛・未央「「「これからもプロデュース、よろしくお願いします!」」」



おわ凛