時をかけて金を得る真紅
- § 主な登場人形紹介
真紅 ローゼンメイデン第5ドールにして、桜田家の赤いアリス。平和を愛する心優しい乙女。
雛苺 苺大福を求め続ける第6ドール。有料道路を通った経験が少ないことを気にしている。
翠星石 庭師の如雨露水に依存性のある第3ドール。みりん梅酒も作っていたギルティメイデン。
蒼星石 高次元の意識をお持ちの第4ドール。姉妹に隠れて薔薇屋敷で漫画とか描いている。
水銀燈 逆十字で最凶でアンニュイな第1ドール。底辺ユーチューバー。
金糸雀 タクティクスに低評のある第2ドール。小豆相場に興味を持っている。
珪孔雀 アリスゲームを知らずに育った第8ドール。BLに興味を持ってしまっている。
雪華綺晶 怜悧な第7ドール。かつての野獣も大ジュンの幸せなお人形と化した。
薔薇水晶 槐の作った偽メイデン。しかし、その性能は真に迫っている。
- § とある黄金週間の最終日の桜田家
真紅「うああっ! うあああっーー! ジュンーーーっ!!」
雛苺「あびゃびゃー! うぉー! あんまー! けはぁっ!」
翠星石「あんまりですぅー! このままじゃあ、あんまりですよぉぉおおお!」
ジュン「冒頭から突然の号泣ッ!? それも三馬鹿勢ぞろいで!?」
雛苺「ジューンー! びえええええー! うぇええん! ぐすっ! ひぐっ! ヴぉォエッ!」
真紅「ウワアアン! アンッアン! アンアンッアアン! アオッアオッ! アッ! オッ!」
ジュン「ひとまず泣くのを止めろ。あと、真紅の泣き声が世界レベルで汚すぎる」
翠星石「ううう…、チビ人間~! ゴールデンウィークがもう今日で終わりなんですよ!」
真紅「これが泣かずにいられるわけないじゃない!」
ジュン「休みが終わるぐらいで大袈裟な。大体、真紅達は毎日がゴールデンウィークみたいなものだろうに」
雛苺「休みとか休みじゃあないだとかは関係あるけど、関係ないのー!」
ジュン「はぁ?」
翠星石「今年は未曾有の黄金週間だったというのに、翠星石達は何も思い出を積み重ねることができなかったのですぅ!」
真紅「無駄にジュンと爛れた日常を送り続けただけで、得るものが全く無かったのだわ」
ジュン「爛れてねーよ」
雛苺「どこにも遊びに連れて行ってくれなかったジュンのせいでヒナ達の青春が貧しくなっちゃったの!」
ジュン「僕のせいにするな。大体、毎日をダラダラ過ごしていたのは雛苺達本人の意思だろう」
翠星石「そ、それはただ…! GWの後半にフィーバーするための充電期間のつもりで…」
ジュン「充電しすぎたわけか。それでもいいじゃあないか。GWだからって出かけたりしないといけないわけじゃあないだろ」
真紅「甘い! 甘すぎるわジュン!」
雛苺「もてはやされてるフルーツトマトより何十倍も甘いのよね」
ジュン「……」
翠星石「翠星石達が号泣するほど焦っているワケを知れば、チビ人間だって分かってくれるはずです!」
ジュン「ワケぇ?」
翠星石「翠星石達がチビ人間からイヤらしい目つきで見つめ続けられるというGW雌伏の時を過ごしていた間に…」
雛苺「蒼星石はおじいちゃんと一緒にハワイに旅行に行っちゃってるのー!」
真紅「浮かれた蒼星石から『本場のロコモコはビッグだぜ』とか意味不明な写メが届く始末!」
雛苺「うにゃーーーっ! 旅行先での他人のご飯の写メとか、死ぬほどどうでもいいのー!」
ジュン「相変わらず景気がいいなー、結菱さんところは。しかし、それはGWに限らずいつものことだろ」
翠星石「こんの、たわけがっ! チビ人間てめー、どこ中出身か言ってみろやです! この野郎!」
ジュン「どこ中て!?」
真紅「とりあえず話は最後まで聞きなさい。蒼星石のブルジョワ旅行だけならまだ我慢もできるわ。だが、しかしっ!」
翠星石「あのカナチビがGWの思い出作りとしてチャリでのお遍路さんを成し遂げていたとしたら…?」
ジュン「えっ!? 自転車でお遍路さん? ありなのか、それ」
真紅「しかも、調子に乗ってお遍路さん2周したとか」
ジュン「2周!?」
真紅「強くてニューゲーム気取りよ、あの黄色めが!」
雛苺「しかもしかも、地方紙の取材まで受けていたらしいのよー! あびゃびゃびゃー!」
翠星石「カナチビのくせに紙面を飾るとか! 紙面を飾るとかァーっ!?」
ジュン「うーん、地味に凄いな。うちの三馬鹿が紙面に載るのは犯罪者としてだけだものな」
真紅「感心している場合ではないわジュン! 金糸雀だけでなく水銀燈や雪華綺晶ですらもGWを満喫しているのよ!」
ジュン「あのオセロコンビも? 出不精のイメージがあるが…」
真紅「水銀燈…、あの子はなんと! GWの間に、ちょっとしたフォークボールが投げられるようになっていた!」
翠星石「なんですとぉー!? あの御人がついに変化球に手を出したですか!」
雛苺「ヒナ達をキャッチボールに見せかけて殺人フォークボールで再起不能にする気なの! 助けてトゥモエー!」
真紅「雪華綺晶は雪華綺晶で、巻かなかった世界の大ジュンと斉藤さんの劇団の強化合宿に同行して湖畔でキャンプ」
翠星石「きょ、強化合宿なのに…湖畔でキャンプ…!? な、なんですか、それ!?」
雛苺「まるで意味が分からないのー! 合宿なら公民館で十分なのよ! なんで!? キャンプなんで!? あびゃー!」
翠星石「嘘ですよね! そんなの嘘だと言ってくれです真紅ゥー!」
真紅「……」
翠星石「うああああっー! 沈黙もまた答えなりですぅー!!」
雛苺「午前中にちょっとだけ発声練習して、後はボートとか釣りとか遊び腐ってるに違いないの! あびゃびゃー!」
ジュン「被害妄想の強い奴らだな…。ええと、僕が聞いた話では珪孔雀はGWはずっと暇だったと言ってたぞ?」
真紅「珪孔雀は何気にその暇、つまり日本金融の長期休暇期間に乗じて、外トレ紛いの行為で小金を儲けたとか」
雛苺「お、お金を稼いじゃったのよ…? 珪孔雀?」
翠星石「そんな…!? GWに浪費ではなく貯蓄とか! 貯蓄とかァーーー!?」
ジュン「じゃ、じゃあ薔薇水晶は? 薔薇水晶はどうだった!? EnjuDollはGWに普通に休みだったから稼いでないはず」
真紅「薔薇水晶自体は何もしていない。だが、しかし!」
ジュン「しかし?」
真紅「GWの中日にあった平日に、ゆるキャラ『ばらっしー』として、ご近所の幼稚園で園児達と仲良く遊んだとか!」
雛苺「ヒナそれ知ってるのー! 幼稚園の教室の後ろの壁が、その園児達が描いたばらっしー似顔絵で一杯になっていたの」
翠星石「ばらっしー人気が落ち着いてきて、地域との関わり方が余裕を持った密接な形となっているとでも!?」
真紅「薔薇水晶なんて昨年のGWは終わったドラクエのレベル上げぐらいしか、やっていなかったと言うのに…ね」
翠星石「あおおおおっー! 桜田家の翠星石達と薔薇水晶、どこでそこまで差がついてしまったのですぅ!?」
ジュン「お前達がただ単に慢心しすぎなだけだと思うんですけど…」
雛苺「これは呪いなのー! ゲロっ吐きヒキニートのジュンの呪いがヒナ達も知らない間に蓄積されていたのよ!」
ジュン「無茶苦茶言いやがって。だったら雛苺は柏葉のとこにでも遊びに行けば…」
雛苺「トモエ…、ヒナを置いてフランスに行っちゃってオディールと遊んでいるのよ」
翠星石「えっ? マジですかチビ苺?」
真紅「雛苺放置で元マスター達がフランスでキャッキャウフフとは…、想像以上にキツいわね」
ジュン「確かに、自分がキッカケで知り合ったはずの友人同士が親密になって自分抜きで遊ぶようになったって感じだな」
雛苺「あんまりなのぉーーー! あびゃーあびゃびゃー! うひぃいいい! あぁんまりなのォオオーーー!」
翠星石「チビ人間のせいでチビ苺の心の傷がザックリと抉られたですー!」
真紅「ロスなら訴えられてケツの毛を毟られるほどの賠償を請求されているところよ! ジュン!」
ジュン「わ、悪い…」
翠星石「悪いと思っているのなら、今からでも翠星石達を遊園地とか旅行に連れていってくれですー!」
雛苺「お願いジュン! ヒナ達の人生を実りある豊かなものとして、嘔吐させてほしいのー!」
ジュン「それを言うなら、嘔吐じゃなくて謳歌だ雛苺」
真紅「私からもお願いするわジュン。あなたの甲斐性を信じている、私を惚れ直させて頂戴」
翠星石「ほら、真紅もこう言ってるです! ちゃんと楽しませれば今夜あたり真紅を抱けるかもですよチビ人間!」
雛苺「人生で二度来るチャンスの二回目なのよ! これを逃したら、もう後は無いのー!」
ジュン「いつもの事ながら本当に自分勝手でやかましい乙女どもめ…。こういう時に、僕がどう言うかもいい加減覚えたろ?」
雛苺「うぃ…。ヒナ達で勝手に空き地とかで遊んでろ…なのよね?」
ジュン「ピンポンピンポーン、大正解~! はい、正解の賞品としてポケットティッシュをあげよう」
雛苺「わぁい!」
翠星石「わぁい、じゃあねーですチビ苺! 空き地で翠星石達だけで遊べとかネグレクトですよ!」
雛苺「そ、そうだったの! 最近だとレッドマンごっこぐらいしかやることないのよね!」
翠星石「ひたすら真紅に殴る蹴るの暴行を受けて、最後にはレッドステッキで刺されて終わる。もう沢山ですぅ!」
真紅「私は楽しいわよ、レッドマンごっこ」
翠星石「そりゃ真紅は楽しいかもですが! こっちは痛いだけですぅ!」
真紅「痛みを感じぬファイトなど、ただ虚しいだけだわ…」
雛苺「アッー!」
翠星石「どうしたですチビ苺? ホモビデオ出演とメジャーでの勝利を成し遂げた世界で唯一の野球選手みたいな声を出して」
雛苺「ジュ、ジュンから貰ったポケットテイッシュの中に! せ、千円札が…! 入っていたの!!」
ジュン「……」
真紅「えっ…、ジュン? まさか、あなた…」
翠星石「こ、これを翠星石達に?」
ジュン「さあ、千円札なんて知らないな。それはあくまでさっきの正解の賞品のポケットティッシュだ」
雛苺「あやややややや…! さ、最高なのよジュンーーー!」じょびじょばー
翠星石「なんというサプライズ! 惚れちまいそうですーッ!」じょびじょばー
真紅「今晩と言わないわ。今すぐに抱いて頂戴! ジュン!」じょびじょばー
ジュン「トリプルうれションするな。さっさと出て行って、GW最終日をテキトーに満喫して来い」
- § 近所の空き地
真紅「…と、景気良くジュンの部屋を飛び出したのはいいものの」
翠星石「結局、この空き地に来ちゃったですね」
雛苺「うぃ…」
真紅「あの時は感極まってトリプル失禁というフィンガーフレアボムズ以来の大技を繰り出したけど」
翠星石「よく考えれば三人で千円ぽっちじゃあ…ですよねぇ」
真紅「どうする? やっぱり、ここでレッドファイトする?」
雛苺「死にたくないの~! レッドファイト嫌なの~! ヒナ、死にたくないなの~!」ガクガクブルブル
真紅「あなた怯えすぎよ雛苺。レッドファイトなんてアリスゲームと大差無いじゃない」
翠星石「いやいや、結構な差があるですよ…多分、おそら
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- :-:2016/05/20(金) 00:24:47
- 何故だろう…美少女3人がまとめて失禁しているというのに、全くエロスを感じない…
- :-:2016/05/20(金) 10:20:59
- ジュンは気絶してたから今回はノーカン!真紅さんはすばらしいと言う話で終わったのだわ!
- :-:2016/05/20(金) 10:24:36
- ジュンが優しいじゃあねえか
- :-:2016/05/20(金) 15:05:16
- なんかスゴイ・ヒサシブリに綺麗な話を見たような気がするぜ
でも失禁はある。コワイ!
- :-:2016/05/20(金) 15:57:03
- いい話だった
- :-:2016/05/20(金) 17:19:04
- 翌日以降に戻せば日本武尊になるのでは?
- :-:2016/05/20(金) 19:19:21
- 真紅「雪華綺晶は雪華綺晶で、巻かなかっ た世界の大ジュンと斉藤さんの劇団の強化 合宿に同行して湖畔でキャンプ」
なにそれ見たいんだけど!!
- :-:2016/05/20(金) 19:42:24
- 大ジュンはいつ巻いた世界に斉藤さんを連れてくるんだ!?
のり姉ちゃんやみっちゃんとの絡みが見たいぜ
- :-:2016/05/20(金) 22:58:36
- なんでこんなフツーの話なんだと思ってしまうあたり、読んでるほうも毒されてきていると実感。
3失禁ってフツーじゃねーじゃん。
- :-:2016/05/20(金) 23:23:58
- 今回はローゼンドロイドの公開同時失禁重点回なので、ガチホモと血縁レズレイプは一切なく健全です