正義の味方提督【艦これ】
この度私は新しく設置される鎮守府の司令官さんの下に秘書官として配属される事になりました
聞くところによると司令官さんも佐官に成り立ての新米提督さんらしく、私が部下として初めての艦娘らしいのです
新しい生活に不安な事は勿論山程あるのですが、私も司令官さんも新米同士、仲良くやって行けるように頑張ります!なのです!(←緊張して語尾が変になった)
提督「よろしく電くん、私がこの鎮守府に司令官として配属された者だ、まぁ仲良くしよう」
背は高く骨太でしっかりと筋肉のついた身体
軍人らしいと言えば軍人らしい風貌
一言で言うと強そう
好意的に言うと頼り甲斐がありそう
正直に言うとちょっと怖い
そんな第一印象だったのです
電「楽に…ですか…?」(びくっ
提督「かく言う私も提督などという地位を与えられて緊張していてね、君にまで緊張されるともうどうして良いか解らないじゃないか」
電「へ………?」(ぽかーん
提督「な…っ!?別に笑う事無いだろう!私だって緊張の一つや二つ!」
電「ははははっ!すみません…でもまさかその顔からそんな言葉が出てくるなんて思っていなくて……あはははははっ!」
提督「んなぁ!?顔は関係無いだろう顔は!というか君笑いすぎだろう!!」
うん、心配だったけど怖い司令官さんじゃなくて良かったのです
大丈夫、この人とならきっと上手くやって行ける
胸のつかえが一つ取れて一安心なのです
そう思った時でした……
電「あはははは…そうですね、なんだかもうそんな空気じゃないのです」
提督「…さて、ときに電くん」
電「はい、なんでしょうか?」
提督「単刀直入に訊こう、ヒーローは好きかな?」
電「……へ………?」(きょとん
提督「言葉通りだ、アニメやドラマで活躍するあのヒーローだよ
弱気を助け、正義を貫き悪を討つ、そんな無敵のヒーローだ」
電「まぁ…別に嫌う理由は無いですが……」
提督「そうか、実は私はそういうのが大好きでね!本当は司令官ではなく戦士になりたくて軍人になったんだ!」
電「は…はぁ……」(ぽかーん…
お話には着いて行けませんが、電は少年のように目を輝かせてお話をする司令官さんを見て、つい「なんだか可愛いな」と思ってしまいました
電「その為の艦娘なのです、司令官さん達が戦えない分私達が戦うのです!」
提督「そうそれだ!私は君達を本当に凄いと思う、ヒーローになれなかった私にとって君達艦娘こそが本物のヒーローなんだ!」
電「なんだか…悪い気はしないのです」
提督「解ってくれるか!そうだ、ヒーローにはなれなかったが、君達のようなヒーローに関われる役職に着けて本当に嬉しく思っている!
さぁ電くん!私と共に暁の水平線に勝利を刻もうじゃないか!!」
電「お…おおーっ?」
これはそんな司令官さんと艦娘のお話なのです
△プロローグ
▽数週間後
【鎮守府前海域】
駆逐イ級の群れ「「「「イーッ!イィーッ!」」」」
雷「しまった囲まれた!?」
電「全艦散会!!的にならないようにとにかく動き回って避けて!反撃のチャンスを待つのです!」
木曾「チッ…!いくら駆逐艦でもこう数がいると分が悪いか…!」
木曾「しめた!イ級達もバラけ始めたぞ!」
電「この機を逃さず各個撃破なのです!ありったけの魚雷を打ち込むのです!」
雷「任せて!雷の本気、見せてあげるわ!」
ドンドン!ドドォン!!
イ級「ウヴァア"ア"ァア"ア"ァ"ア"ア"あぁァアァァァああぁアアァァァ……!!」(ゴゴゴゴゴ……
電「…………っ!!」
電「あ……うん雷、ありがとう…なのです
今ので最後だったみたいですし、帰投するのです」
木曾「今回は肝を冷やしたな、電の指示が冴えていて助かった
電も旗艦が様になって来たな」
電「……いえ、電なんてまだまだなのです……」
電「艦隊帰投、なのです」
提督「うん、報告書を読んだぞ!よく陸地に奴らの手が伸びる前に叩いてくれた!流石だ電くん!」
電「………はい、ありがとう…なのです…」
提督「ここ暫くで雷と木曾も艦隊に加わり戦力は増したが、やはり旗艦に君を添えていて正解だったな!」
提督「……うん?何か気がかりな事でも?」
電「司令官さん…少しだけ相談をしても良いですか?」
提督「ああ、なんでも言ってくれ」
電「それではお言葉に甘えて……」
提督「それは勿論、世の平和を守る為だろう」
電「平和ってなんなのですか?」
提督「……誰も涙を流さずに済む世界……かな」
電「……なら、やっぱり戦うのはおかしいのです…」
提督「………電くん…君はいったい何を見たんだ…?」
提督「………何?」
電「誰も泣かずに済む世界なら…あの子達と戦うのは本当に正しい事なのですか?」
提督「だが…戦わなければ何も守れないだろう」
電「でもそれじゃあ…あの子達に涙を押し付けているだけなのです」
電「…沈んだ敵も、出来れば助けたいのです…」
提督「…電くん、君の優しさはよく解った
だがこれは戦争なんだ、敵を倒さなければこちらがやられてしまう」
電「解っているのです…でも、戦争には勝ちたいけど、命は助けたいって…そう思うのはおかしいですか…?」
提督「電くん…」
提督「いいや確信した、やはり我が鎮守府の第一艦隊の旗艦を務められるのは君しかいない」
電「…………えっ?」
提督「確かに君の言う事は生っちょろい戯言だ、だが!ヒーローとはそういう戯言を本当に貫き通せるからこそヒーローなのだ!」
電「え?えぇっ?」
電「ちょ…なんで急にそんなテンションに……っ!?」
提督「私は迫り来る敵や脅威と戦う事しか考えていなかった…それがとても恥ずかしい!戦う事の愚かさを、君は気づいていたんだな!」
電「い…いえ別にそう言うわけじゃ……」(オロオロ…
電「で…できないのです!そんなの買い被りなのです!!」
提督「別に今すぐそうしろというわけではない、君がその想いを忘れなければいつかそれは実現できる
本気で想い、努力さえすれば、成りたいと思った自分に必ず近付いて行けるんだ!」
電「そ…そういうものですか…?」
提督「ああそういうものだ!!」
電「い…いえ!電は別に気にしていないのです!」
提督「せめて呼び方を改めなくてはな…そうだ!これからは敬愛を込めて『レッド』と呼ばせてくれないか!?」
電「れれれれれレッド!?」
レッドとは主役であり、リーダーの色!君以上にこの呼び名が似合う者はここにはい
コメント一覧
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- 2016年05月21日 23:16
- 僕はね
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- 2016年05月21日 23:31
- 正義の見方になりたいんだ。
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- 2016年05月21日 23:39
- 赤い 赤い 赤い あいつ…
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