ゲーム情報サイト4Gamerでのインタビューが面白い件。
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鉄拳シリーズの原田勝弘PとFF15の田畑端Dが4Gamerで対談。
その中でスクエニ社内やファンの中に
「FF病」にかかった人たちがいたという。
■誰もがみんな“FF病”だった――鉄拳・原田Pによる不定期連載
「原田が斬る!」。第1回はスクウェア・エニックス田畑氏が
「FFXV」流リーダー術を語る
原田氏:これは僕が持っているFFのイメージだけど,
FFって「これがカッコいいんだ,スタイリッシュってこういうことなんだ」っていう
ある種の美意識を,ユーザーの側に提示するものだったじゃないですか。
その一方で,コミュニティと対話しながら,
その反応をみて何かを変えるようなことはしてこなかった。ですよね?
田畑氏:そうですね。以前は「俺らが作る素晴らしいFFを,
ファンは完成するまで待ってろ!」みたいな感じだったかも(笑)。
原田氏:悪い意味ではなくてね。アンチに対しても,クオリティと物量で
黙らせるみたいな熱量があった。僕もそれこそがFFだと思っていたし。
ところがですよ。2014年の東京ゲームショウでFFXVのトレイラーが発表されたとき,
「ホスト4人が高級車で疾走」というイメージがバズって,
それに乗っかって公式でコラ素材を配布したじゃないですか。
しかも,クリアファイルも作ってましたよね?
田畑氏:ああアレ,面白いんですよ。どんな書類を入れても,
全部コラージュに見えるっていう(笑)。
原田氏:それで僕も思わずコラ画像を作ってしまったわけだけども(笑)。
でも,こういうネタ方向の盛り上がり方って,
今までのFFのスタイルでは,恐らく許されなかったと思えて。
田畑氏: うーん……そうかも知れないけど,それを破ることがタブーだとも思っていなかった。
原田氏:そこなんですよ。そこだけ聞くと,
この人はひょっとして天然なのかとも思えるんだけど(笑)。
田畑氏:いやいや,天然じゃないです。あれはちゃんと意味があって,
ローンチまでにファンを増やしていく,“線”のアプローチがしてみたかったんです。
ああやって素材にして遊んだら,発売前なのに,自然とキャラに親しみが湧いてきますよね?
原田氏:その方法論は分かるんです。僕だってもう,あのホスト君達には親しみが湧いていますからね。
でも,それを嫌がるファンだって確実にいます。
あるいは口にこそ出さないまでも,これまでと違うやり方やファンとの接し方に対して,
「大丈夫かな?」って不安に感じる人もいる。
田畑氏:ええ,ネガティブなフィードバックもいっぱい来ました。
ああ,これがFFっていうIPの歴史なんだって,そのとき改めて思いましたね。
ただそれと同時に,
「FF病」にかかったままの人が,
ファンの中にもいっぱいいるんだってことに気が付いた。
4Gamer:FF病,ですか?
田畑氏:スクウェア・エニックスの社内にいる,自分のFF観でしか物事を考えられなくなってしまった人達のことです。
その根っこにあるのは強烈な自己肯定で,チームの勝利条件よりも,
自分のFF観を優先してしまう。そのFF観を満たせてないと,
FFとしてダメだと思い込んでいる。
「FFは特別なゲームで,それを作っている自分達も特別なんだ。
FFの新作が出たら皆が食い付くはずだ」って,どこかで思っている。
でもそんな現実,あるわけないじゃないですか。
原田氏:なるほど,それでFF病。それは解りやすいですね。
田畑氏:それで,「俺たちは特別な存在じゃない。早く目を覚ませ」って,
チーム内で諭していた時期があったんですけど。
でも,FFXVの情報を世に出し始めたことで,
それが社内だけじゃなかったことに気が付きました。
みんながFF病だったんですよ。
原田氏:よく分かるお話ですね。僕がやってる鉄拳シリーズでも,
システムやストーリー,キャラクターのラインナップなどで大きな改革を行ったら,
やっぱり「こんなの鉄拳じゃない!」っていう反発が少なからず出てきます。
田畑氏:そういう現状維持を求める人達の声って,ものすごく強く大きいですよね。
ディレクターの交代を発表したときとか,すごかったです(笑)。
でもだからこそ,FFの現状に対する危機感を,より強く持つようになりました。
ここでシリーズを近代化しておかないと,終わってしまうだろうと。
4Gamer:これまでの何度かのインタビューでも,田畑さんは「FFらしさとは何か」という質問に対して,
「AAAタイトルであること」と答えてらっしゃいましたよね。
その意図は,よく分かります。
ただ,ファンが考える“FFらしさ”って,恐らくそういうことではない気がするんです。
田畑氏:きっと,そうなんでしょうね。FFXVはオープンワールドだって発表したときも,
「オープンワールド? ふざけんな!」って言われまくりましたから。
自身の思い出をベースとしたFF観と,ズレているということですよね。
原田氏:オープンワールドにするって聞いたとき,僕はすごいことやるなって思ったけどな。
だって,FFシリーズのこれまでのウリって,物語だったわけじゃないですか。
しっかりと構築された世界観の中に,一本スジの通ったストーリーがあるっていう。
オープンワールドにするってことは,それを捨てるということじゃないですか?
プレイヤーごとに体験に差が出てくるわけだから。
勝手なイメージですが,いわゆる“JRPG”にとって,それはあってはならないことのように思えるんだけど。
田畑氏: ああ……この対談,面白いですね(ニヤリ)。
(一同笑)
田畑氏:まず,はっきりさせておきたいのは,FFXVは
「完全なオープンワールドではない」ってことです。
中心となるストーリーが失われたわけではなくて,
その間をつなぐ部分にオープンワールドの技術を使っている。
原田氏:つまり,確固としたストーリーラインは用意されているけれど,遊び方には幅があると?
田畑氏:ええ。“誰が遊んでもまったく同じ体験になる”というのは,
ゲームとしての発展性に欠けているように思うんです。
ゲーム開発って,作る方は死にものぐるいで作ってるワケじゃないですか。
せっかく世に出すわけだから遊び尽くして欲しいし,
そのゲームでしか味わえない体験をしてほしい。
原田氏: JRPGというキーワードについてはどうですか?
僕としては,「オープンワールドにするなんて,
FFXVはJRPGへのアンチテーゼをテーマに掲げているのか?」とも思えたんですが。
田畑氏:まったく考えてなかったですね。僕にとっては,
古典的な手法で作られたRPGってくらいの認識で,
自分には関係のない言葉だと思っていました。
そうこうしてるうちに,ウチの社長(松田洋祐氏)が「JRPGを増やしていく!」
なんて言いだして,「もしかしたら俺が作ってるのもJRPGなのか」なんて思ったくらいです。
原田氏:なるほど。ではじゃあ田畑さんのRPGの原体験って,どこにあるんですか。
今の話しぶりから,まずFFじゃないってことは分かったけど(笑)。
田畑氏:ドラクエです。ドラクエ大好き!
原田氏:いやいや,それはないでしょ? 田畑さんのイメージからして。
田畑氏:ちょっと! 勝手に決めないでくださいよ(笑)。
まあ,作り手側が用意したもので埋めつくされたものよりは,
もう少しプレイヤーに選ぶ余地があるほうが好きですね。
「ウルティマ」とか「ウィザードリィ」とか。
原田さんはVRやってますけど,ウィザードリィみたいなのってVRでできないんですか?
2Dの世界に入れるVRです。ちょー見てみたいんですけど!
原田氏:ちゃんとお金かけて作れば,面白いかも知れないですね。
田畑氏:……っていうくらい,ウィザードリィは好きでした。
あと,オープンワールド絡みで言うと「ゼルダの伝説 時のオカリナ」が好きです。
目的地に向かって移動するだけで世界が感じられる,
それだけでゲームになることに気付かせてくれたタイトルです。
原田氏:じゃあそれを踏まえたうえで,田畑さんにとってのFFってなんなんです?
田畑氏:「常に挑戦者である」ってことですかね。
そもそもFFって,ドラクエへの挑戦として生まれてきた作品じゃないですか。
「本場のハイファンタジー要素を取り入れて,
かつ大人向けに天野喜孝さんのイラストを持ってきて,
サイドビューでモダンな戦闘もやっちゃいます」みたいな。
4Gamer:ああ,それは確かに。
田畑氏:だから,皆さんが言うようなスタイリッシュさとかカッコ良さって,
全部まだそういうものが無い時に挑戦したから出来たものですよね。
FFVIIだってそうです。あれは当時の最先端――3Dグラフィックスへの移行と
未曾有の開発規模に挑戦したからこそ,海外で神格化されるまでに至ったわけで。
原田氏:かつてのFFVIIのような,皆が知っている姿に戻したいわけだ。
田畑氏:そうです。少なくとも,「FFって凄いよね。……でも,いま幾つまで出てるんだっけ?」
って言われないようしたいです。
AAAタイトルを目指すということは,
裏を返せば今はAAAのレイヤーにはいないってことですから。
僕もツイッターで深夜にRTした面白いインタビューだったんですが、
「FF病」というキーワードは、なるほどなぁという感じ。
歴史のあるタイトルだと絶対に「こんなの○○じゃない!」って人はいます。
それこそドラクエだろうがガンダムだろうが。
個人がそれぞれ持っているFF観というのも、
最初に遊んだFFが元だったりするから
年代によってバラバラですよね。
「FF病」になってしまってる人が多かったという話ではありますが、
FF15は多くの人を納得させるクオリティの
作品であってほ
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