ある日の保健室のできごと
試験的なもの
男子生徒「何やってんすか。寒いんすけど」
保健教師「あ、何?起きてたの?」
男子生徒「ええ。今の冷気で」
保健教師「それはおはよう。もう昼休み終わるぞ」スパー
男子生徒「そんなですか。てか煙草吸うのやめません?」
保健教師「いいだろ。さっきやっと職員会議終わったんだから」
男子生徒「良くないですよ。ただでさえ保健教師なのに……」
男子生徒「ダメです。他の生徒来たらどうするんですか」
保健教師「大丈夫」
男子生徒「何が?」
保健教師「他の生徒も知ってる」
男子生徒「全くダメダメじゃないですか」
保健教師「さっきそれで校長から叱られたわ」スパー
男子生徒「ダメこのヤニカス……」
男子生徒「……」
コン…コン
保健教師「あー、ちょっと待ってな」グリグリ
男子生徒「ほら罰が当たった」
保健教師「うるさい。お前は課題でもやっとけ」バサッ
男子生徒「ハイハイ」
女子生徒「……」
保健教師「ああ、アンタか。ほれ、どこだ痛むの」
女子生徒「すいません。湿布だけで良いので」
保健教師「……良くない。こりゃ酷い突き指だ、内出血も起こしてる。固定しないとダメだ」
女子生徒「そこまで痛く--」
保健教師「本当か?」
女子生徒「……痛いです。お願いします」
保健教師「最初からそう言え」
保健教師「謝るのはお前じゃないだろ。言うな」
女子生徒「はい」
保健教師「……ほい。このまま動かないようにな。利き手じゃないからって注意を怠るなよ。本当なら病院送りだ」
女子生徒「ありがとうございます」
保健教師「ほいよ。あぁ、そうそう」
女子生徒「はい?」
保健教師「やるよ。煙草の事言うなよ」
女子生徒「……ふふ、ありがとうございます。それじゃあ」ガラガラ
男子生徒「先生もそんな過去があったのに何を」
保健教師「お前起きてたのかよ」
男子生徒「先生の言う通り課題やりましたよ」
保健教師「ほんと、お前頭だけは良いのな」
男子生徒「じゃなきゃ入院してますよ」
保健教師「入院してろ。こちらと毎日居られると困る」
保健教師「ははっ、そりゃそうだろ」
男子生徒「笑い話じゃないですよ、それ」
保健教師「……アイツのこと知ってんのか?」
男子生徒「ええ」
保健教師「そうか。何時からか知ってるか?」
男子生徒「多分2年に上がるくらいですかね」
保健教師「……そうか。ふーん」
保健教師「そらガキに興味はねーよ。お前らの担任みたいにな」
男子生徒「あの人は……まぁ悪く言えばお節介ですよ」
保健教師「良く言えば?」
男子生徒「偽善者」
保健教師「バサッと言うねぇ」
男子生徒「まぁ、その通りなはずなんで」
保健教師「そんくらい悪口言えれば今日は平気だろ。教室戻れ」
男子生徒「はい」
男子生徒「永久に右手をポケットから出さない限り行きませんよ」
保健教師「おっけーおっけー。んじゃな」
男子生徒「左手で押さないでくださいよ。どうせ吸う気でしょうに」
保健教師「だから押し出してんだよ!早く行け!ヤニが切れる!」
男子生徒「はぁ、全く。不健康の保健教師なんて笑えませんよ」
保健教師「良いんだよ。そんくらい笑って済ませろ」
男子生徒「……大人ってずるいですね」
保健教師「……ずるい奴が大人になるんだよ。逆だ」
男子生徒「そうですか」
保健教師「そうだよ……マジで早く行け。煙吹き付けるぞ」
男子生徒「わかりましたよ……」
担任「ですから、ここの方程式は……」
男子生徒「……」ガラッ
生徒達「……」
担任「あら、〇〇君。もう大丈夫? 今ね64ページのやり方をね--」
男子生徒「終わりました。課題も」
担任「あ、あらそう。す、凄いわね!優秀優秀」
男子生徒「……気にしないで次やって下さい」
担任「あ、そうね。それでは皆さん。いいですか--」
男子生徒「……」チラッ
生徒「……死ね」ボソッ
男子生徒「……」
保健教師「起きろー。もう放課後だぞ」スパー
男子生徒「……くさっ」
保健教師「当然だろ。煙草吸ってんのに臭くねえ奴は人間じゃねぇ」
男子生徒「……だったら窓開けて下さい」
保健教師「わぁってるよ、ちとまて」スパー
保健教師「本当だよ。お前何しに来たんだよほんと」
男子生徒「……学業?」
保健教師「朝死にそうな顔で来たと思ったらそのままベッドに潜り込みやがって、挙げ句の果てには一回も目覚めず6時間目終了」スパー
男子生徒「」
保健教師「さらには心配して置いておいた水でさえ枕元に溢す始末。お前、明日から出禁な」
男子生徒「えっ、そんなことしたんですか?」
保健教師「ほれ」ユビサシー
男子生徒「……本当だ」ビショー
男子生徒「地下のリネン室に持ってくだけじゃないですか」
保健教師「自分のせいなら分かるが他人のしたことは他人が始末しやがれガキ」
男子生徒「なんでそんなイラついてんですか」
保健教師「うるせぇ!……早くシーツ取って来い。じゃねーと出禁。マジで」
男子生徒「あーもう、わかりましたよ。鍵下さい」ガラガラ
保健教師「ほれっ」
男子生徒「だぁー!寝起きなんですから鍵を外にぶん投げないでください!」
女子生徒「ごめんなさい。彼に水持ってこうかなって思ったんですけど……」
保健教師「あいつが起きそうになった途端慌てて自分のベッドに戻ろうとして、コップを落とすと」
女子生徒「その、わざとじゃ……」
保健教師「んなことわかってるよ。しかし、また何であんなやつに水なんか」スパー
女子生徒「その、魘されてたので、ちょっと心配になって」
女子生徒「いえ、その、気にしてませんから大丈夫です」
保健教師「本当か?」スパー
女子生徒「本当です」
保健教師「……そうか。で、そういうオマエさんも貧血治ったか?」
女子生徒「あ、はい。お陰様でもう平気です。ありがとうございました」
保健教師「お礼は空いてたベッドによろしく」スパー
女子生徒「は、はぁ」
保健教師「んじゃ、私は会議行ってくるから帰るんなら忘れもんするなよ」
女子生徒「はい。ありがとうございます」
保健教師「はいよ」ガラガラ
男子生徒「なんか『勝手に持ってくな!』みたいな張り紙あったけど、いいのかなぁ……」ガラガラ
女子生徒「あ」
男子生徒「あれ? ××さん? いたんだ。先生は?」
女子生徒「えーと、その、会議があるからって……」
男子生徒「そうなんだ。あの人酷いなぁ、これから濡れてる方を、持ってかなきゃいけないのか……」
男子生徒「え、でも僕がやらかした事だし。大丈夫だよ。××さん帰るとこでしょ?」
女子生徒「ううん。まだ教室に忘れ物あるから、その、ついで」
男子生徒「いいよ。一人で行けるし」
女子生徒「でも、シーツだけじゃなくてマットも染みちゃってるよ?」
男子生徒「え、本当に?……うわ本当だ……」
女子生徒「ね……」
男子生徒「……じゃあ、ごめん。シーツお願いしても良いかな? 僕がマットレス持っていくから」
女子生徒「うん。いいよ。……ごめんね」
男子生徒「何言ってんのさ。謝るのは僕の方だよ。ありがとう」
女子生徒「じゃあ、どういたしまして」フフツ
男子生徒「じゃあ、行きますかー」
女子生徒「うん」
陽射しが暗い1階の保健室の前
男子生徒「先生」
保健教師「帰れ」
男子生徒「え?」
保健教師「今日はあと5限だけだろ帰れ」
男子生徒「いや、あの、その……でも許可書担任の先生に出さないと」
保健教師「ほれ。書いてある。帰れ」ペラー
保健教師「そんだけ口が聞けりゃ充分に元気だ。帰れ。早く」
男子生徒「……はい。わかりました」
保健教師「……代わりに担任に出しといてやるからそのまま帰っていいぞ」
男子生徒「……わかりました。ありがとうございます」
保健教師「礼ならecohカートンで」
男子生徒「買えませんよ……未成年なんですから」
コメント一覧
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- 2016年05月30日 22:20
- 余裕の1
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- 2016年05月30日 23:02
- 感情的すぎて何が言いたいのかさっぱりわからん
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