北海道・大樹町でロケットを開発するインターステラテクノロジズ(IST)は、宇宙空間(高度100km)に届くロケットの打ち上げ実験費用調達のため、クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」で「みんなの力で宇宙にロケットを飛ばそう!」プロジェクトを開始しました。募集期間は7月31日まで、目標金額は2700万円です。
募集コースは3000円から1000万円の18種類を展開。リターンは、打ち上げ報告書(PDF形式)やロケット打ち上げのリアルタイム動画閲覧権、漫画家・あさりよしとお氏の「進め!なつのロケット団」のサイン本、打ち上げ実験を間近で参加する権利などが用意されています。とくにユニークなリターンは1000万円のコースで、ロケットの打ち上げボタンを押すことができる権利がもらえるとのこと。
同社のサブオービタル(準軌道)用ロケット「モモ」は、最大350×350×300mm/20kgのペイロード(積載物)を高度100km以上まで、低コストで打ち上げられるとしています。1回の打ち上げで約4分間の微小重力環境が生まれ、ペイロードは洋上で回収可能です。
今回の実験はモモの商業化を見据えたもの。微小重力実験や高層大気の観測、赤外線・X線などによる宇宙観測といった技術試験での利用だけでなく、外装の一部を広告用スペースとしても使えます。また同社は現時点での開発目標は、2019年の人工衛星打ち上げに置いています。
モモの開発時点での全長は8.5m、機体直径は500mm、推進剤を含んだ重量は900kgです。燃料はエタノール、酸化剤は液体酸素を用いた液体ロケットエンジンを採用し、固定燃料ロケットより加速度・振動などを抑えて飛べるようにしています。
また同社は、Webサイトにて「モモ」のユーザーズガイドのβ版を公開しています。これは「今後の商業化を見据えて現状の開発状況を元にユーザ様向け資料としてまとめたものです」とのこと。
宇宙開発関連のファンディングは日本ですとまだ例は多くないですが、ISTは経済産業省からの「民生品を活用した宇宙機器の軌道上実証」委託事業への採択や丸紅との業務提携、JAXAとの委託開発など、宇宙開発関連ではベンチャーながら実績と知名度を有する企業です。
興味をもった方は、日本の宇宙開発応援という意味でも、募集ページにアクセスしてみてはいかがでしょうか。