引用元: ・美食家「貴様はラーメン屋ではない!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:16:31.35 ID:FB70NLgto
店主「どうぞ、当店自慢のラーメンになります」
美食家「うむ」
美食家「……」ズルズルッ
美食家「……」ズズズッ…
店主「……」ゴクッ…
両手を握り締め、緊張の面持ちで美食家の食べる姿を眺める店主。
美食家「!」ピクッ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456413391
美食家「うむ」
美食家「……」ズルズルッ
美食家「……」ズズズッ…
店主「……」ゴクッ…
両手を握り締め、緊張の面持ちで美食家の食べる姿を眺める店主。
美食家「!」ピクッ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456413391
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:19:31.11 ID:FB70NLgto
美食家「ふむ、なかなかの味だ」
店主「……ありがとうございます!」
美食家「しかし」
美食家「貴様はラーメン屋ではない!」
店主「!」ガーン
店主「……ありがとうございます!」
美食家「しかし」
美食家「貴様はラーメン屋ではない!」
店主「!」ガーン
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:22:03.57 ID:FB70NLgto
店主「なぜです!? 私にはなにが足りないというのです!?」
美食家「たわけが……それを客に聞くか」
美食家「貴様に足りぬもの……それは自分自身で見つけるのだ!」
店主「はい……分かりました……!」
店主(私に……足りないもの……)
美食家「たわけが……それを客に聞くか」
美食家「貴様に足りぬもの……それは自分自身で見つけるのだ!」
店主「はい……分かりました……!」
店主(私に……足りないもの……)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:24:33.19 ID:FB70NLgto
店主(私は自分のラーメンこそが最高のラーメンだと、究極のラーメンだと思っていた!)
店主(だが、あの美食家によって、その鼻はポッキリとへし折られた……)
店主(やり直そう……もう一度!)
店主(だが、あの美食家によって、その鼻はポッキリとへし折られた……)
店主(やり直そう……もう一度!)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:27:09.85 ID:FB70NLgto
店主「まずは……スープ」
店主(スープはラーメンの心臓部ともいえる最重要項目!)
店主(鶏ガラのダシの取り方……今のやり方が本当に最善といえるのだろうか?)
店主(いや、まだ改良の余地はあるはずだ!)
店主(こってりとあっさり……両方を同時に味わえるスープを作ってみせる!)
店主(スープはラーメンの心臓部ともいえる最重要項目!)
店主(鶏ガラのダシの取り方……今のやり方が本当に最善といえるのだろうか?)
店主(いや、まだ改良の余地はあるはずだ!)
店主(こってりとあっさり……両方を同時に味わえるスープを作ってみせる!)
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:30:05.81 ID:FB70NLgto
店主「次は……麺だ」
店主(これも今のままではダメだ。原材料の小麦粉から見直す必要がある!)
店主(すする時の滑らかさ、噛む時の歯ごたえ、飲み込む時の喉ごし)
店主(全てを最高の水準で満たす麺を目指す!)
店主(これも今のままではダメだ。原材料の小麦粉から見直す必要がある!)
店主(すする時の滑らかさ、噛む時の歯ごたえ、飲み込む時の喉ごし)
店主(全てを最高の水準で満たす麺を目指す!)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:33:16.14 ID:FB70NLgto
店主「具はどうだろうか……」
店主(ウチのラーメンは、チャーシューとほうれん草のみのシンプルなスタイル)
店主(これを変えるつもりはない……が)
店主(今まで私は具を単なるオマケとして認識していた! これではダメだ!)
店主(麺とスープを引き立てる名脇役にしなければ!)
店主(どう具を配置するのがベストか、頭をひねるんだ!)
店主(ウチのラーメンは、チャーシューとほうれん草のみのシンプルなスタイル)
店主(これを変えるつもりはない……が)
店主(今まで私は具を単なるオマケとして認識していた! これではダメだ!)
店主(麺とスープを引き立てる名脇役にしなければ!)
店主(どう具を配置するのがベストか、頭をひねるんだ!)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:36:09.80 ID:FB70NLgto
店主「そして、どんぶり!」
店主(これも、ただ単に高級品にすればいいというものではない)
店主(私のラーメンをより食欲をそそるものにさせてくれるどんぶりを選ぶんだ……!)
店主(大変だけど、一から出直しだ……!)
…………
………
……
店主(これも、ただ単に高級品にすればいいというものではない)
店主(私のラーメンをより食欲をそそるものにさせてくれるどんぶりを選ぶんだ……!)
店主(大変だけど、一から出直しだ……!)
…………
………
……
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:39:12.19 ID:FB70NLgto
客A「うめええええ!」
客B「ただでさえおいしかったのに、さらに正当進化したねえ!」
客C「すごい!」
店主「ありがとうございます」
店主(これというのも、美食家さんのおかげだ……)
店主(あとはあの人にこのラーメンを味わってもらわなければ!)
客B「ただでさえおいしかったのに、さらに正当進化したねえ!」
客C「すごい!」
店主「ありがとうございます」
店主(これというのも、美食家さんのおかげだ……)
店主(あとはあの人にこのラーメンを味わってもらわなければ!)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:42:23.32 ID:FB70NLgto
しばらくして、再び美食家が現れる。
美食家「成長ぶりを見せてもらおう」
店主「お待ちしておりました」
両手を腰につけ、丁寧にお辞儀をする店主。
美食家「!」ピクッ
美食家「成長ぶりを見せてもらおう」
店主「お待ちしておりました」
両手を腰につけ、丁寧にお辞儀をする店主。
美食家「!」ピクッ
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:45:05.53 ID:FB70NLgto
美食家「駄目だ、食べるまでもない」
店主「な……!?」
美食家「やはり貴様はなにも分かっておらんのだな」
店主「分かりません! 私にはいったいなにが足りないというんです!?」
美食家「よかろう。教えてやろう!」
美食家「貴様にラーメン屋として足りないもの、それは――」
店主「な……!?」
美食家「やはり貴様はなにも分かっておらんのだな」
店主「分かりません! 私にはいったいなにが足りないというんです!?」
美食家「よかろう。教えてやろう!」
美食家「貴様にラーメン屋として足りないもの、それは――」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 00:47:02.75 ID:FB70NLgto
美食家「腕組みだ」
店主「あああ……私としたことが……!」ガクッ
おわり
店主「あああ……私としたことが……!」ガクッ
おわり
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 03:33:33.48 ID:WmGKG92+O
乙です
炒飯とかチャー丼の方が美味しいラーメン屋かと思った…
炒飯とかチャー丼の方が美味しいラーメン屋かと思った…
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/26(金) 04:22:17.19 ID:ag1C9V9DO
こんな客の代名詞である海原雄山は「背中を丸めて麺をすする背徳感」がどうのこうのとマジで意味分からんこと言ってたからな
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