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二宮飛鳥「ボクの従姉の」|エレファント速報:SSまとめブログ

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二宮飛鳥「ボクの従姉の」

1: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 20:54:52.26 ID:W1M0EAfuO

※アイドルの血縁関係に独自設定アリ



2: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 20:55:59.74 ID:W1M0EAfuO


飛鳥(1月1日。新たな一年の始まりを告げる、世間一般では特別な日)

飛鳥(その日になると、毎年ボクの家は親戚同士の集まりに顔を出す)


伯父「おお、飛鳥ちゃんか! また背が伸びたんじゃないか?」

従兄「今、何年生? 中学だったことは覚えてるんだけどなあ」

飛鳥「はあ……どうも」ペコリ

祖父「ははは! もっと大きな声でしゃべらんと聞こえんぞーっ!」

飛鳥「………気をつけます」

伯母「狭い家に大勢集まってるけど、ゆっくりしていってね」

飛鳥「……は、はい」


飛鳥(伯母さんはそう言うけれど……親しくない大人の多い空間で安らげというのは、難しい話だ。ボクにとっては)

飛鳥(こちらに無関心ならまだいい。ボクはあちらの邪魔をしないし、向こうもボクの邪魔をしない。それでうまくいく)

飛鳥(ただ……厄介なことに、彼らはボクの話を根掘り葉掘り聞きだそうとしてくる。いわゆる親戚づきあいというヤツに加えて、年頃の少女の生活模様が気になるといったところだろうか)

飛鳥(向こうにとってはそれは自然なのかもしれないけど、勝手にこちらの領域に踏み込まれているような気がして、正直面倒だと感じる)



3: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 20:57:34.11 ID:W1M0EAfuO

飛鳥「あの、伯母さん……」

伯母「ああ、あの子なら縁側。こういう時くらいやめなさいって言ってるのにねえ」

飛鳥「……そう」

飛鳥(親戚全員から離れていると、孤立しているボクに余計に注目が集まることになる)

飛鳥(かといって父さんや母さんと一緒にいても、それはそれで親戚同士の会話に巻き込まれることになるのは明白)

飛鳥(だからボクは、この場におけるベストな選択として、ある人のもとへ向かう)



伯父「ああ、そうだ。飛鳥ちゃん、アイドルになったって本当……ん? 飛鳥ちゃんは」

伯母「向こうに行きましたよ」

伯父「向こう……ああ、あいつのところか。本当に仲良しだな、あの二人は」

伯母「ええ。慕ってくれているみたい」




4: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 20:58:27.12 ID:W1M0EAfuO

飛鳥「………」


飛鳥「……やあ」

飛鳥(縁側に腰かけている彼女は、ボクより一つ年上で)



飛鳥「あけましておめでとう……は、もうメールで伝えたか。泉さん」

泉「………」パタン

泉「そうね。でも一応、面と向かって言うのもいいんじゃない?」

泉「あけましておめでとう、飛鳥」

飛鳥「あぁ」

泉「……ふふっ」

飛鳥「どうか、したの」

泉「ううん、大したことじゃないんだけど。つい3日前、一緒に新幹線で静岡に帰ってきたばかりなのに……こうして改まった挨拶するの、なんだかおかしいと思って」

飛鳥「それは……言えてるかもしれないな」


飛鳥(ボクと同じ事務所で、同じアイドルという道を歩んでいる……名は、大石泉さん)

飛鳥(ボクの従姉に当たる人だ)




5: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 20:59:25.04 ID:W1M0EAfuO

飛鳥「また、プログラミングをしていたのかい」

泉「うん。少しね」

泉「あなたも来たことだし、作業は終わりね」

飛鳥「別に、続けていてもいいのに」

泉「私と話すの、いや?」

飛鳥「そうじゃない。ただ、邪魔になりたいとは思わないだけさ」

泉「気になっていた箇所をちょうどいじり終わったところだから、もともと飛鳥が来なくてもやめるつもりだったの。だから心配しなくて大丈夫」

飛鳥「なら、かまわないけど」

飛鳥(彼女の隣に腰かけて、視線の先に広がる庭木を眺める)

飛鳥(ボク達の祖父母が暮らすこの家は、庭が比較的広いことが特徴だ)


泉「……飛鳥。背、伸びた?」

飛鳥「いきなりだね。いつも会っているだろう」

泉「そうなんだけど……こうして落ち着いて隣に座ってくれること、あまりないから」

泉「事務所だと、プロデューサーや蘭子ちゃんにべったりだし」

飛鳥「……べったりはしていない、と思う」

泉「ふふっ、冗談よ」

飛鳥「テンション、高いね」

泉「そう? 久しぶりに地元に戻れて、開放感を感じているのかも」



6: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 21:00:16.86 ID:W1M0EAfuO

泉「お母さんたちとは、もう話した?」

飛鳥「あいさつはした」

泉「そう。ならいいか」

泉「しばらくここで、親戚づきあいから離れた時間でも過ごしますか」

飛鳥「………」

飛鳥「もう何年も前から、これがお決まりのパターンになっているね」

泉「そうだね」

泉「4年……ううん、5年前だったかな。私がパソコンで作業してたら、いつの間にか隣に飛鳥がいてびっくりしたわ」





7: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 21:01:35.13 ID:W1M0EAfuO

5年前


飛鳥「………はぁ」

飛鳥(知らない人とおしゃべりするの、苦手だな……逃げてきちゃった)

飛鳥「どうしよう……ん?」


泉「これが、こうなって……」カタカタカタ


飛鳥「………」


泉「こうすれば……よし、できたっ」カタカタ、ターンッ!


飛鳥「………」

飛鳥(あの子、ひとりでパソコンしてる……)

飛鳥(同い年くらいかな……なんだか、かっこいい)

飛鳥「………」ジーー


泉「………ん?」

飛鳥「………」ジーー

泉「……これ、興味あるの?」

飛鳥「えっ?」

泉「ずっと、見ていたみたいだから。私のパソコン」

飛鳥「あ、えっと……」

泉「……違った?」

飛鳥「……ううん。違わない」

飛鳥「なに、していたのかなって」

泉「プログラミング。本当に簡単なものだけど」

飛鳥「………?」

泉「……プログラミング、知らない?」

飛鳥「知らない」

泉「そっか」

泉「………」

泉「やってみる?」

飛鳥「………」コクリ

泉「じゃあ、こっちに来て座って」

飛鳥「うん」トコトコ



8: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 21:03:36.04 ID:W1M0EAfuO

30分後


伯母「泉~? ここにいたの……あら、飛鳥ちゃんも一緒?」

飛鳥「ぐぬぬ……」ポチ、ポチ

泉「がんばって」

飛鳥「……難しい」

伯母「ふふ、仲良しさんになった?」

泉「……うーん、どうかな」






飛鳥「あの時初めて、ボクらは互いの存在をはっきりと認識した」

泉「お互い、人付き合いは上手じゃないから。あの日までは、従妹がいるってだけで、関わろうとはしていなかったわ」

飛鳥(あれ以降、親戚同士が集まる際には、ボクは決まって泉の姿を探すようになった)

飛鳥(彼女はいつも、縁側にひとり腰かけていて……ひとりぶんのスペースを、隣に用意しているように見えた)

飛鳥(ボクの気持ちを察してか、常に逃げ場所を用意してくれていたんだ)




9: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 21:05:03.88 ID:W1M0EAfuO

飛鳥「悪いね」

泉「どうしたの、急に」

飛鳥「いつも、キミを逃げ場として利用するような形になってしまって……」

泉「………」フフ

飛鳥「なぜ笑うの?」

泉「だって、急にかしこまったことを言うから」

泉「ひとつ教えてあげるけど……そういうの、『利用する』じゃなくて『甘える』って言うんだよ」

飛鳥「あ、甘える……か」

泉「そう。そして、年上には少しくらい甘えたってなんの問題もない……らしいよ。プロデューサーいわく」

飛鳥「Pが……」

泉「そう、プロデューサーが」

飛鳥「………」

泉「昔みたいに、またプログラミングに挑戦してみる?」

飛鳥「……少しだけなら」

泉「そう来なくちゃ」フフ




11: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 21:06:26.18 ID:W1M0EAfuO

泉「明日の約束、覚えてる?」

飛鳥「街に出かけるんだろう? 帰る前に何度か言われたから、覚えているよ」

泉「うん。さくらと亜子も来るから、遅れないようにね」

飛鳥「……小学生じゃないんだ。時間にルーズにはならないさ」

泉「それもそうか。ちょっと、お姉ちゃん風を吹かせすぎたかも」

飛鳥「……ボクは、妹?」

泉「従妹だし、似たようなものじゃない?」

飛鳥「………」

泉「いや?」

飛鳥「嫌ではないけれど、あまり子ども扱いはされたくない。思春期のハートは繊細なんだ」

泉「それは知ってる。私だって思春期だから」

泉「年、ひとつしか違わないもんね。これからは気をつける」

飛鳥「あぁ」


飛鳥(決して、はつらつと元気に会話が弾むわけではない。互いにニコニコと笑顔を振りまくわけでもない)

飛鳥(ただ、正月の祖父母の家の喧騒の中。彼女と過ごす時間は、とても落ち着けるものだった)




12: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 21:07:40.99 ID:W1M0EAfuO

翌日


亜子「お年玉もらって!」

さくら「はいてんしょーん!」

泉「………」

飛鳥「………」

亜子「ちょっとちょっと、ノリ悪いよ二人とも~」

さくら「はいてんしょーん!」

泉「元気ね、ふたりとも」

亜子「そりゃあもう、金は天下の回り物やからね! まとまった収入がくればテンションもあがるわ!」

さくら「はいてんしょーん!」

泉「さくらは同じ事ばかり言うのやめて」

さくら「はぁい」エヘヘ

飛鳥(相変わらず、このノリには少しついていきづらい……)




13: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 21:09:49.92 ID:W1M0EAfuO

亜子「あすかー。あすかはお年玉、なにに使うん?」

さくら「アスカちゃんおしゃれだし、服とかアクセサリーとか買うんじゃない?」

飛鳥「ん……まだ、特には」

亜子「そうか……まあ、もらったからと言って無駄遣いしたら意味ないしね。貯金は大事よ?」

さくら「今日はなにかおいしいもの食べに行こうよ!」

亜子「お、いいね賛成! パーッと豪勢にいこか!」

飛鳥「無駄遣いしないという話はどこにいったんだ」

泉「いいんじゃない? お正月くらいは」

泉「亜子。私スパゲッティが食べたいんだけど、おいしいところ知ってる?」

亜子「スパゲッティかー。よーし、食には関心がある土屋先生に任して!」

さくら「わたしはカレーが食べたいなぁ」

泉「飛鳥は?」

飛鳥「ハンバーグ」

さくら「アコちゃん! カレーとハンバーグも追加っ」

亜子「よーし……って、それ全部叶えるの!? ファミレスか定食屋しか選べんやん!」

泉「お願いね、土屋先生。穴場をよろしく」

亜子「なかなかの無茶ぶり! しかもそういう穴場ってたいてい三が日は休みとってそうやし!」

泉「さあさあ、期待してるわー」ニコニコ

飛鳥「………」ジーー

飛鳥(ボクと二人きりの時とは、やはり泉さんの態度が違うな)

飛鳥(クールな雰囲気が薄れて、年相応にはしゃいでいるように見える)



14: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 21:11:12.99 ID:W1M0EAfuO

飛鳥「………」

さくら「………」ジーー

飛鳥「……なに」

さくら「わかるよアスカちゃん。その気持ち」ウンウン

飛鳥「え………」

飛鳥「べつにボクは、なにも」

さくら「イズミンとアコちゃん、ほんとにナイスバディーだもんね! うらやましいのはわたしもよくわかるんだぁ」

飛鳥「……は?」

さくら「一緒におっきくなろうね、アスカちゃん」グッ

飛鳥「………はぁ」

さくら「あれ?」



15: ◆C2VTzcV58A 2016/06/05(日) 21:12:09.42 ID:W1M0EAfuO

さくら「あ、ここのビル完成したんだぁ。前に来たときはまだ建設中だったよね」

亜子「久しぶりに地元に帰ってくると、時間の流れみたいなもの
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月05日 22:30
      • しぶりんの妹でありすの姉であすかの従姉ないずみんはもっと評価されるべき
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月05日 22:38
      • デレステでSRはやく出ないかな...
        Rのまんまじゃ使う人全然いないからNWのかわいさに気づいてないんよ...
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月05日 23:12
      • 橘ありす→レベル16→渋谷凛

        アップグレードをもたせてつうしんこうかん

        大石泉
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月05日 23:43
      • つうしんこうかんってス○ッピングですか?
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月05日 23:49
      • ※2
        イルカさんのアレがSRとして今夏来てくれると信じたい

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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