真紅以外全部沈黙
- § 主な登場人形紹介
真紅 何事も暴力で解決する第5ドールにして究極少女アリス。好きなウルトラ怪獣はレッドキング。
雛苺 苺大福のためなら何でもする第6ドール。好きなウルトラ怪獣は完全生命体イフ。
翠星石 人見知りで小動物系な第3ドール。好きなウルトラ怪獣はホオリンガ。
蒼星石 意識高い系な第4ドール。好きなウルトラ怪獣はバルタン星人。
水銀燈 最凶の逆十字をそろそろ取り消したい第1ドール。好きなウルトラ怪獣はゼットン。
金糸雀 人生隙だらけな第2ドール。好きなウルトラ怪獣はメフィラス星人二代目。
珪孔雀 女子力高めな第8ドール。好きなウルトラ怪獣はハイパーゼットン。
雪華綺晶 大ジュンの幸せなお人形な第7ドール。好きなウルトラ怪獣は改造ベムスター。
薔薇水晶 高いポテンシャルを秘めた槐メイデン。好きなウルトラ怪獣はミーモス。
- § 夕暮れ時の裏通り
金糸雀「みっちゃんに買ってもらったばっかりの自転車! やっぱり新品は素敵かしら」キコキコ
ピチカート「……」
金糸雀「ほらほら、ピチカート! ちゃんとカナについてこなくちゃダメよ~」キコキコ
ピチカート「!」
金糸雀「うん? 調子に乗っているとコケるって? もうっ! 何を言ってるのピチカート!」
ピチカート「……」
金糸雀「この間の連休には、お遍路さん遠征をチャリで2周もしたのよ? 勝手知ったる地元の街で事故るわけないわ」
ピチカート「…!」
金糸雀「えっ? 事故る奴はそういう事を言いながらハードラックとダンスっちまう? こ奴め、ハハハ!」
ピチカート「……」
赤い影「……」シャッ
ピチカート「…ッ!?」
金糸雀「うん? 謎の赤い人影がカナの後を尾行してきている? 今さら気付いたのピチカート?」
ピチカート「……」
金糸雀「カナはもうだいぶ前から、謎の人影がずっとついて来ていること分かっていたかしら」
ピチカート「!?」
金糸雀「ふっ…、スニーキング第一人者のカナは、まるっと何でもお見通しよ」」
ピチカート「!」
金糸雀「え? これからどうするか? そりゃ勿論、賊を罠にかけるしかない。捕まえて目的を吐かせるかしら」
- § 近所の空き地
金糸雀「ふぅ~、チャリ漕ぎっぱなしで疲れたから少し休憩かしら」
ピチカート「…!」サッ
金糸雀「気が利くわねピチカート。そうそう、これ! 水筒の炭酸水で意識高く水分補給かしら」プシュッ
ピチカート「……」
金糸雀「ブハァッ!? 自転車のドリンクホルダーに入れていたせいか、振動で炭酸暴発かしらっー!」ブショオ
ピチカート「…! ッ!?」
金糸雀「目が~、目がぁ~! 前が何も見えないかしら!?」
赤い影「……」ザッ
金糸雀「…ッ! き、来たわね尾行者! 目が見えないけど凄味は感じるかしら!」
赤い影「…?」
金糸雀「こうしてカナが敢えて隙を作れば、あなたが出てくると思ってたかしら! つまりカナの作戦勝ちよ!」
赤い影「レッドファイッ!」
金糸雀「えっ!? ちょ…!? ま、待って! まだ目に炭酸水が…! まずは話を…」
赤い影「レッドチョップ!」
金糸雀「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
赤い影「レッドチョップ! レッドチョップ!!」
金糸雀「た、助けてっ!! 誰か…ッ! ピチカート! 誰か男の人呼んでェエエエーーーッ!」
- § 翌日・桜田ジュンの部屋
真紅「か、金糸雀が不審者に襲われたッー!?」
翠星石「マジですか!? 一体、いつ、どこで、誰に!?」
ジュン「昨日の夕方、近所の空き地で、犯人は不明だ」
雛苺「水銀燈の人の仕業に違いないのー! あいつは実際、狂人なのよ! あびゃびゃびゃー!」ジョビジョバー
ベリーベル「…っ!」シュコオオオ
ジュン「落ち着け三人とも。特に雛苺、お漏らしを毎度、吸水してくれているベリーベルが可哀想だ」
翠星石「これが落ち着いていられるかですぅ! いくら薔薇乙女一の鉄砲玉のカナチビとは言え…!」
真紅「そう、金糸雀は腐ってもローゼンメイデン! 姉妹や薔薇水晶レベルの強者以外に後れを取るとは」
ジュン「ピチカートの話によると、追跡者を誘い出すために金糸雀は自ら隙を作りだしたそうだが…」
雛苺「だが?」
ジュン「視力を絶つというデカすぎる隙のせいで、そのままボコボコにされたらしい」
真紅「何てこと…」
翠星石「流石カナチビ、賢いバカですね」
雛苺「視力を絶って強くなるのはワムウか月光ぐらいのものなのよね」
ジュン「…ピチカートがすぐさま近所の男の人に助けを呼んだから下手人は逃げた。金糸雀も軽傷だ」
雛苺「ほっ…」
翠星石「しっかし、目が見えない少女を問答無用でボコるたぁゲスなヤローですね、そいつは」
雛苺「信じられないクズなの。フンマンやるかたないのー!」
真紅「私達も夕暮れ時の一人歩きは気を付けないといけないわね」
翠星石「ですぅ」
ジュン「……」
真紅「どうしたの、ジュン? 何か言いたそうな顔してるけど?」
ジュン「ピチカートの証言によると、犯人は夜店とかで売っているようなウルトラマンのお面をしていたらしい」
翠星石「なんと狡猾な! 顔を隠して犯行に及ぶとは!」
雛苺「もしくは20世紀少年リスペクトなのよね」
ジュン「しかし、服装は赤いタイツで背格好は金糸雀とほぼ同じだったらしい」
真紅「赤いタイツで…」
翠星石「背格好がドールとほぼ同じ…ですと?」
ジュン「真紅…、まさかとは思うが」
真紅「シャーラップ! ジュン!!」
ジュン「ッ!?」びくっ
真紅「それより先の言葉は慎重に考える事ね! もし、軽はずみな事を言おうものなら私達の間の信頼を失うわ!」
ジュン「……」
雛苺「ひょ、ひょっとしてジュンは…、真紅が金糸雀をボコボコにした犯人だと思ってるのよ!?」
翠星石「なんという貧しい発想! 身内を疑うとは、チビ人間それ…、『チビ人間それ』ですよォ!!」
真紅「いくら何でも赤タイツ程度の状況証拠で私を疑うだなんて、あんまりだわジュン! ひどいっ!」シクシク
雛苺「し、真紅! 悲しくても泣いちゃダメなのー!」
翠星石「泣~かした! 泣~かした、です! チ~ビ人間が泣~かした!」
ジュン「わ、悪い。けど、日頃の真紅の行いからしてだな…」
真紅「まだ私を疑うと!? 信じられないヘナチン野郎ねジュン!」
ジュン「へ、へなちん!?」
真紅「もういい! 分かった! 分かったわ! そこまで言うのなら私が真犯人を捕まえる!」
ジュン「真紅…!?」
真紅「そうして、私の疑いを晴らせばいいんでしょ!? やってやろうじゃないの!」
翠星石「おおっ! やる気ですね真紅! 翠星石も協力するですよ!」
雛苺「ヒナも! ヒナも金糸雀の弔い合戦のお手伝いするの!」
ジュン「金糸雀、死んでないからな」
真紅「真犯人をしょっぴいた暁には、ジュン、あなたにも誠意を見せてもらう」
ジュン「誠意!? な、何で!?」
真紅「無実の真紅ちゃんを疑ったからに決まっているでしょうが! ドサンピン!!」
ジュン「ど、どさんぴん!?」
翠星石「そうです! 翠星石達は日々、チビ人間に全幅の信頼を寄せてパラサイト生活しているですのに…」
雛苺「ジュンはヒナ達の信頼を裏切ったの! こいつは、メチャ許せんのよォー!」
ジュン「くっ…」
真紅「…マウントポジションで執拗に首を狙われた金糸雀以上の恐怖を味合わせてやるからね」
ジュン「…ッ!?」
真紅「せいぜい首を洗って待ってなさいジュン。じゃあ行くわよ雛苺、翠星石」スタスタ
雛苺「うぃー!」ダバダバ
翠星石「真犯人をボコボコにして、その後にはチビ人間もボコボコしちゃるですぅ~」ダバダバ
ジュン「お、おい! ちょっと待って…て…、あ~あ…、行っちまいやがった。…しかし、そんな事より」
ジュン「…金糸雀が不審者にマウントポジションで首を狙われたって、僕さっき言ったっけか?」
- § 近所の空き地
翠星石「ここがカナチビが襲われた空き地ですね」
真紅「いかにも不審者が好き好みそうな雰囲気…」
雛苺「犯人は現場に舞い戻るの! ここで囮捜査するのよ」
真紅「囮捜査…、なるほどね。悪くない作戦だわ」
翠星石「金糸雀以上に隙だらけで警戒心の無いおバカ苺が空き地で一人で遊んでいれば…」
雛苺「絶対に犯人はまた現れるのよね」
翠星石「大丈夫ですかチビ苺? 危険な囮役はチビ苺に任せるのですよ?」
雛苺「ヒナ頑張るの! 金糸雀の仇討と真紅の誇りを守るためなんだから!」
翠星石「いい答えですチビ苺! では、真紅はそこの土管の中に隠れてスタンバイです。犯人を待ち伏せですぅ」
真紅「ここね、分かったわ」モゾモゾ
翠星石「チビ苺を襲おうと現れた真犯人に真紅が元気よくタックル。暴力はより強い暴力で砕く。この世の真理です」
雛苺「翠星石は何もしないのよ?」
翠星石「翠星石はそこの木の上に登って俯瞰的に状況判断するですぅ。これで完璧な作戦です」
真紅「確かに完璧な作戦だわ。ただ一つ、不可能だという点に目をつぶればね」
雛苺「不可能…?」
翠星石「何が不可能だと言うのです? 飛天御剣流にも劣らぬ、隙を見せぬ二段構え作戦ですのに」
真紅「犯人は私よ」
翠星石「そうですか」
雛苺「なるほど、それなら確かに作戦は不可能なの」
真紅「でしょ」
雛苺「…て、うゆゆ? 真紅…?」
翠星石「今、何て言ったです? 犯人は誰だと?」
真紅「いや、だから…金糸雀を襲ってボコった赤タイツのウルトラマン、あれは私」
翠星石「や、や、ややや…!」
真紅「YAH YAH YAH? チャゲアス?」
翠星石「やっぱりテメェーだったのですか真紅! このクソアホクズ乙女!」
雛苺「ヒナも最初っから真紅が怪しいと思ってたのよォーーーッ!」
真紅「まあっ! 何という、手のひら返し!」
翠星石「テメェに批判される筋合いはねーですよ真紅! いや、本当にもう…今回は呆れ果てたです!」
雛苺「ジュンの前でどうして罪を認めなかったのよ!? ギマンなの!」
真紅「だって、証拠も無いのにいきなり疑われたから…、つい…」
翠星石「つい、じゃねーですよ! 何でこんな暴力ギルティ乙女がアリスになれたんですか!」
真紅「今さら過去の事を言ってもしょうがないでしょ。大切なのはこれから…、未来だわ」
雛苺「そもそも、真紅はどうして金糸雀を襲ったのよ?」
翠星石「どうせムシャクシャしてやったとかの通り魔的犯行ですよ。救えねー乙女です、救う気も無いですが」
真紅「いやいやいやいやいや、動機としてはちゃんと必要十分な情状酌量の余地があるから。通り魔ではない」
雛苺「そうなの?」
真紅「ええ、そうよ雛苺。よく理由を聞いてくれたわ。私が敬愛する姉の
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- :-:2016/06/07(火) 01:47:28
- 闘争のあとには何も残らないんだなあ
屍と縛についた下手人しかいない
- :-:2016/06/07(火) 06:47:15
- 真紅強すぎィ!
- :-:2016/06/07(火) 07:13:41
- 一人で薔薇乙女全員倒すとか強過ぎワロタ
- :-:2016/06/07(火) 07:57:02
- 疲労込とはいえこの真紅を捕獲するJUMは相変わらずツヨイ
- :-:2016/06/07(火) 09:02:31
- やはり何事も暴力で解決するのが一番だ!ンッンー名言だなぁ(((つまりJUMをファックすればいいというわけか!)))
- :-:2016/06/07(火) 10:25:20
- 昔、「おはようドールショー」でこれを放映していた時は、本編の前後に人形おじさん(槐)の丁寧な解説が付いてたんだけど
再放送や配信ではそれがカットされちゃってるから、もう真紅がただの外道で畜生で冷血な赤い通り魔にしか見えないんだよね
人形おじさん「はい、どんぞ」
- :-:2016/06/07(火) 10:28:32
- 卑怯もラッキョウも大好きかしらー!
- :-:2016/06/07(火) 11:08:36
- SIMPLEアリスゲームTHEお遍路さんのフラグがまた1つ立ったのこれは・・・-
- :-:2016/06/07(火) 13:16:22
- レッドチョップ…凄まじい破壊力だ
- :-:2016/06/07(火) 16:54:23
- レッド首折だとかレッド死体遺棄とかレッド死体確認とかやらないだけ本家よりはマシ…なのか?
好きな怪獣になにか闇を感じるドールが何体かいるけど一番驚いたのは雛のチョイス
- :-:2016/06/07(火) 17:28:53
- アリスの怪物真紅さんはファイト前にあえて自ら腕を骨折させるか、
鳥かご中に魔腕を封印しておくくらいしないとこれはもう・・・
- :-:2016/06/07(火) 18:09:32
- 「やったか…?」←やった。が成り立ちうる数少ないヒーロー、レッドマンの人だって
こんなパワーバランスブレイカーではなかったと思うのです。
せめて最凶の逆十字の人くらいは組んずほぐれつ埃まみれの末ステッキで決めてあげたい
そんで崖下に蹴り落として爆発を見届けた後に上記のセリフを
- :-:2016/06/07(火) 18:17:27
- 暴力がすべてだと言わんばかりの真紅さんはラスボスで確定ですね・・・
- :-:2016/06/07(火) 18:33:28
- ※124963
第一形態がうにゅーに似てるから説
- :-:2016/06/07(火) 18:52:48
- 『ブッ殺す』…そんな言葉は使う必要はないのだわ。私や赤い仲間はその言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際に相手を殺っちまってもうすでに終わっているから!だから使ったことがないッ。
…『レッドファイッ!』なら使ってもいいのだわッ!
- :-:2016/06/07(火) 19:34:35
- ※124969
なに?あれはマシュマロではないのか!?
- :-:2016/06/07(火) 20:09:27
- >>翠星石「やっぱりテメェーだったのですか真紅! このクソアホクズ乙女!」
なんだかすごく久しぶりに翠ちゃんらしい台詞を聞いた気がする。しあわせ。
- :-:2016/06/07(火) 20:46:15
- レッドキング
レッドマン
次はレッドアリーマーかな?
- :-:2016/06/07(火) 22:15:27
- ※124976
レッドゴリラ=サンでは?
- :-:2016/06/07(火) 22:25:48
- ノー=カラテ、ノー=アリス。今の昔もカラテを極めたものが最強のアリス。
を地でいく真紅さんマジすげえ!!
- :-:2016/06/07(火) 22:26:27
- ムック=サンを忘れてはいかんぞですぞー
- :-:2016/06/07(火) 23:03:22
- 金糸雀 顎部が咽頭に詰まり、悶絶
翠星石 右顔面陥没による悶絶
雛苺 左顔面陥没による悶絶
珪孔雀 鼻骨陥没による悶絶
水銀燈 肋骨粉砕による悶絶
雪華綺晶 頚椎骨折
蒼星石 顎部破損
薔薇水晶 とにかく悶絶
「野良姉妹相手にレッドステッキは用いぬのだわ」
「桜田邸にレッドマンが潜みおるとは…」