双葉杏「まゆの家で雨宿り」
杏「うえぇ、すごい雨だったね……」
まゆ「ぬれちゃいましたねぇ」
杏「ぬれたね」
まゆ「こう……どうでしょうか」
杏「そんなポーズとられても……何が?」
まゆ「濡れますか?」
杏「何が?」
まゆ「Pさんを誘惑する練習を」
杏「プロデューサーのことだと直球過ぎるよね……踏み台になんで杏を選んだ」
まゆ「だって杏ちゃんは信頼できますし……」
杏「うわぁいうれしくない。まったくもー、びしょびしょだしさぁ」
まゆ「びしょびしょですか……女の子への誘惑はばっちりですねぇ」
杏「そっちにとるの? 正気? 大丈夫? 風邪ひいてない?」
杏「プロデューサーにもそれくらいぐいぐいいけばいいのに」
まゆ「出来ることといえば家屋に浸入することぐらいで……」
杏「足跡とか残してけば?」
まゆ「そんな、凛ちゃんでもないしなかなか……」
杏「結構ひどいこと言うよね」
まゆ「だから料理を作ってまゆ参上とメモを残しておきました」
杏「変わらないよね? いや、プロデューサーのこととなると頭悪いよね……」
まゆ「今朝はちゃんとプロデューサーさん食べてくれたかしら……」
杏「もう恋人のアプローチっていうか母親みたいになってるし」
まゆ「まぁ!杏ちゃんったら」
杏「え、なんか変なこと言った?」
まゆ「そんな、まるで夫婦みたいって」
杏「いってないいってない」
杏「厄介なのに組み込まないで」
まゆ「反抗期なんですか」
杏「……案外プロデューサーとお似合いかもね」
まゆ「本当ですかぁ……!」
杏「話聞かないとことか、似てるし」
まゆ「杏ちゃんはどっちに似たんですかね」
杏「話聞いて」
まゆ「うふふ、大丈夫よ……お母さんがなんでも聞いてあげる」
杏「まず普通の会話をしてほしいな」
まゆ「家族の普通の会話……杏ちゃん、学校はどうかしら?」
杏「家族から離れよう」
まゆ「そんな、一人暮らしを……?」
杏「そうじゃなくて」
まゆ「離婚……!?」
杏「おかーさんなんておとーさんと乳繰りあってればいいじゃん!」
まゆ「それもそうですねぇ」
杏「絶対これ娘要素いらなかったよね」
まゆ「女の子が乳繰り合うなんて使うのは感心しませんよ……?」
杏(既にお母さん目線だ……)
杏「実際、プロデューサーとの間に子供ができてもさぁ」
まゆ「子供……」
杏「まゆもプロデューサーもあんまり子守はうまくなさそうだし大丈夫なわけ?」
まゆ「子供……」
杏「ねぇ?」
まゆ「子供……つまり××が○○でズキューンバキューンアハーン……?」
杏「だめだこりゃ」
杏「そっちに行くんだ」
まゆ「以前Pさんの家でえっちな本を見つけちゃいまして……」
杏「まぁ男だもんね」
まゆ「気が動転して持ち帰ったのがこれです」
杏「あっちも動転してるんじゃないかな……」
まゆ「見てください、これ」
杏「杏が言うのもなんだけどまだ18歳になってないよね」
まゆ「愛があれば関係ないです」
杏「一理ない」
杏「うわぁ」
まゆ「うまく縛れるかしら……」
杏「縛る側なんだ」
まゆ「……杏ちゃん」
杏「断る」
まゆ「ちゃんとなめしましたから」
杏「そこじゃない」
まゆ「飴あげますから!」
杏「ボールギャグだよねそれ、どこで用意したの」
まゆ「あっ、見てくださいこれ、亀甲縛りって……うふふ、可愛い」
杏「杏そんなにバカじゃないぞ!?」
杏「またボールギャグか!だからダメだってば」
まゆ「口のところがアメですよぉ!」
杏「ベッタベタになるだけでしょ!」
まゆ「……!!」
杏「今気づいたの……?」
まゆ「うふふ、一筋縄ではいかないんですね……緊縛だけに」
杏「まゆってたまに絶望的だよね……というかそのアプローチはやめなよ」
まゆ「難しいですか?」
杏「好きな人を豚呼ばわりして嬉しいなら止めないけど」
まゆ「……ギリギリ、なしです、かな……なしかな……?」
杏「ホントにギリギリじゃんか……」
まゆ「まゆはPさんのためなら何にでもなれますから」
杏「そっちも考えの中にはあったんだ」
まゆ「まゆには可能性があるって、Pさんが教えてくれたから……」
杏「そういう方向性ではないと思うな」
まゆ「試して見なきゃわかりませんよぉ?」
杏「キメ顔しないで」
まゆ「ほら、試してみましょう、杏ちゃんっ、ほらぁ」
杏「今日はアグレッシブだね、というか杏でいいの」
まゆ「杏さんがいいんです」
杏「……」
まゆ「濡れましたか」
杏「もっと淑女じゃなかったっけ」
まゆ「情欲だって愛です、まゆには否定できません」
杏「いつもなら節操はあったよ」
杏「……」
まゆ「……このままじゃダメだと思ったんですもの……」
杏「なんかあったの?」
まゆ「何もないんです……」
杏「まゆ……」
まゆ「まゆには何もない……何も……」
杏「……」
まゆ「尾行なんて誰でもできるもん!!」
杏「まゆ、やめよう。やめて」
まゆ「ぐすっ……」
杏「尾行だって誰にでも出来ることじゃ……いや、尾行はだめだよね」
まゆ「杏ちゃんの好きな飴は百円ショップで買ってました……」
杏「あのヤロー……というか安いなぁ杏」
杏「夜道はやめといたら」
まゆ「じゃあ昼間ですか……?見つからないのが難しく……」
杏「まず尾行をやめよう」
まゆ「つまり……となりを歩けようになれってことですかぁ……」
杏「すさまじいポジティブシンキングだね」
まゆ「アイドルは前を向くものなんですよ」
杏「わぁかっこいい……杏には真似できないなー」
まゆ「簡単ですよ? まずは気配の消し方から……」
杏「アイドルとして前を向く方ね」
まゆ「杏さんは立派にアイドルじゃないですか」
杏「そうかな」
まゆ「そして一流のニートです」
杏「あれ……なんか毒ない?」
杏「まぁそりゃそうでしょ……まゆが言ったら杏だってびっくりするもん」
まゆ「ずるいですよぉ……まゆだって抱っこされたいのに……」
杏「肩に担がれたことを抱っこっていうの? あれお姫様っていうかお米様だよ? 豊作祝う?」
まゆ「抱っこですよぉ……まゆだって、ああやって……ひょいってされたいです」
杏「そんなにお米様抱っこに憧れてるの?」
まゆ「Pさんの力強さを感じたくて」
杏「今度頼んでみなよ」
まゆ「……実は一度頼んでみたことはあります」
杏「あー、ダメだったんだ?」
まゆ「いえ、お姫様抱っこされちゃいましたぁ……」
杏「じゃあお米様抱っこされなくても」
杏「ようするに『あててんのよ』ってこと?」
まゆ「あててんのよ……そう、それです」
杏「あの姿勢でそれするの難しいよ?」
まゆ「やったんですか」
杏「あたったところで素知らぬ顔してたけどね」
まゆ「う、うぅ……ま、まゆのなら……」
杏「失礼なこと言うよね……いや、いってもまゆのもそう変わんなくない?」
まゆ「それは……愛で膨らみますから……」
杏「そんなパン生地みたいな……」
まゆ「し、信じればなんでもできるって……Pさんがぁ……」
まゆ「それはなんだか……恥ずかしくて……」
杏「そのラインがまったくわかんない」
まゆ「そうですかぁ……?」
杏「もっとすごいことしてるじゃん」
まゆ「すごいこと……?」
杏「プロデューサーの部屋のお風呂に乱入したとか」
まゆ「……あぁ、そっちですかぁ」
杏「あっちとかもあるのか」
まゆ「杏ちゃんもきらりさんと入るじゃないですか」
杏「そんなノリで入ってこられると多分プロデューサーやばいよ」
杏「やばい」
まゆ「……にょわー、まゆだにぃ。Pちゃんとはぴはぴすぅー……」
杏「何シミュレーションしてるの」
まゆ「イケますか」
杏「やめときなって」
まゆ「理性をまゆまゆしちゃうにぃ☆」
杏「やめて!」
まゆ「……ククク、まゆ達は愛の絆で結ばれし双星! 見えますか、あの死兆星が!」
杏「蘭子ちゃんでもダ……蘭子ちゃんじゃないよそれ、死ぬやつ」
まゆ「天に滅すにょわ!」
杏「混ざってる上に雑ッ!」
杏「……おせおせじゃなくするとか?」
まゆ「どうすればいいんですか?」
<
コメント一覧
-
- 2016年06月09日 23:17
- その頃蘭子は輝子の部屋でキノコの世話をしていた
-
- 2016年06月09日 23:31
- 一方輝子はふみふみの頭に生えたキノコを採取しようと背伸びをしていた
-
- 2016年06月09日 23:34
- お米様抱っこに耐えられなかった
-
- 2016年06月09日 23:38
- 天に滅すにょわ!で噴いた
-
- 2016年06月09日 23:41
- アイラビューは言えてるでしょ。ものの見事に空回りしてるけど
-
- 2016年06月09日 23:50
- なにこの微病みで超ポンコツなまゆ…最高だw
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク