いけさんフロムエル : 「ＭＩＸ」～わたしの息子ですから！頼りになる３番バッターと立花家の熱戦！！

あだち充のゲッサン連載「ＭＩＸ」第５０回です。
今月は表紙＆巻頭カラーで登場しました。

ついにコミックス第９巻が発売された「ＭＩＸ」。
今回は半年分６話収録という事で、すぐに続きが今月号で読める仕様になっています。
そんな今月号ではついもの様にコミックスのアナザーバージョンブックカバーが付録についていました。
最早コミックスが出た時の定番になっていますが、どうせなら最後まで続けてもらいたいですね。

さて、いよいよ運命の準決勝・東秀戦を迎える事になった投馬たち明青学園。
初回を三者三振に斬って落とした投馬だったが、敵の挑発に乗らず打たせて捕るやり方に切り替え、２回も無失点で切り抜ける。
異常な暑さが続く中、抜群のコントロールで投げる息子の姿に衝撃を受けた投馬の父。
そんな投馬の抜群のコントロールが妹・音美のおかげである事を誰よりも知っていた走一郎だったのだが…！？

タクシーで明青学園のグラウンドにつけた大山監督の妻・月影渚。
無人と知りその場を去ろうとした渚だったが、隣の立花家に空き巣が入ろうとしているのを目撃する。
何と、息子たちが準決勝に出る事を知っており、無人の家に入るつもりだったらしい。
母親が留守番に残っていた為、包丁を持って強盗に切り替えようとした空き巣。
母親のカンが働いた訳ですけど、結果として余計に危険な事態になってしまいました。

そんな現場に居合わせ、逆に強盗を仕留めてしまった月影渚。
結局助かった投馬たちの母ですけど、命の危険があるくらいなら戸締りだけして自分も出かけた方が良かったとも言えます。

一方、学校に来た渚だが、明青野球部が勝ち上がっている事を知らなかったらしい。
立花家に入って準決勝の試合を見る事になった渚。
夫とは別居中の妻ですけど、こういう形で夫の活躍を見る事になったのは面白いですね。

試合は五回を終わっても０－０の均衡状態に。
ヒットは互いに一本づつの状態だったが、何と六回表駒の打球がセンター前に！？
そんな謎結果を出した駒だが、走一郎によればボールも見ずにストレートのタイミングだけで振っているところにたまたまボールが来ただけだったらしい。
「もちろん　あのスイングスピードで無けりゃあんな打球にはならないですけどね」
偶然と言いながら駒の実力を評価する走一郎ですけど、この意外性が終盤でも発揮されるとちょっと面白いかも知れません。

ノーアウトで駒が一塁に出るも、続く９番・１番バッターが送りバント失敗し追い詰められた明青打線。
続く２番セカンド室谷は一番バントが上手いからと、何と大山監督は二死でありながらバントを強行する。
意表を突かれたおかげでサード加賀の対応が遅れ、二死一・二塁とした明青打線。
「――そして、明青で一番頼りになる打者は？」
そんな一番いい場面で走一郎の打席が！！

ここまで２打席連続空振りの三振だが、だからこそ期待出来ると言う大山監督。
「女の子にモテそうな子ね」
そんな走一郎を見てちょっと気になった様なコメントをする渚ですけど、隣にいるのがその母だとはさすがに思わなかったか？
息子だと聞かされて「ふーん」と、ちょっと気に入らない感じの反応をした渚。
あるいは明青がここまで来たのは自分の息子のおかげだと言われている様な気がしたのかも知れません。

走一郎の特大のファールにどよめく観客たち。
くやしがる明青ベンチが映し出され、その際にマネージャーの大山春夏も映る事に。
すでにネットでは美人マネージャーとして評判になっているという春夏。
「本当にアイドル顔負けね」
「わたしの娘ですから」
思わぬ形で反撃に出た渚だが、こっちも大山監督の別居中の妻だとは知らなかったらしい。

「今まであそこのコースを散々空振りしてたのは、この時のためのエサ撒きか？」
「は、何の事でしょ？」
何やらここに至るまで伏線を張っていたらしい走一郎。
そんな走一郎を本気の本気のボールで三振に仕留めた三田ですけど、こうなってくるといよいよ一点で勝負が決まる事になるのかも知れません。

六回表を０で終えるも、敵の体力を削ったと前向きに考える投馬。
そんな裏のマウンドに立った投馬だが、ＴＶ前の渚も気に入った様子。
「この子もなかなかカッコいいわね」
「――はい、うちの息子です」
「いい加減にしなさいよ」
まさかの息子発言連発にちょっと気分を害したらしい渚。
紹介出来るコマがあれば反撃に出るかも知れませんけど、もしこれでナインの誰かが父親違いの息子でしたって話になったら笑うしかないですね（笑）。

そんな場外戦があった今回ですが、こういうちょっと変わった目線で話が作れるのはさすがあだち先生だなと感じました。
連載は連続したストーリーであってもその一話内で読める事が大事だという話を聞いた事がありますけど、今回の話なんかはまさにそれですし、さすがにベテランは生き残る術に長けているなと感じずにはいられません。

いよいよ後半戦に突入した明青学園の準決勝。
これから何が起きるのか、終盤の熱い戦いにも期待したいですね。

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