モバP「楓さんも泣いたりするんですか?」
楓「えっ?」
P「あ、いえ、ふと思っただけなんですが」
楓「泣く……」
P「そういえば見た事無いかもしれないな、と思いまして」
楓「……」
P「楓さん?」
楓「私、生まれた時から泣きっぱなしですよ?」
P「えっ」
楓「ほら」
P「いやそれ泣きぼくろじゃないですか」
楓「そうとも言います」
P「そうとしか言いませんよ」
楓「うーん……確かに、最近は泣いた記憶がありませんね」
P「ですよね」
楓「あ、去年ドラマのお仕事で泣いた事がありますよ」
P「そういえば」
楓「泣いてましたね、私」
P「うーん……」
楓「プロデューサー?」
P「……でも、結局の所は泣く演技ですよね?」
楓「ええ、まぁ」
P「泣いてる訳じゃないんですよね……」
楓「プロデューサー」
P「はい」
楓「泣いてる私が見たいんですか?」
P「……ちょっとだけ」
楓「正直なのは良い事だと思います」
楓「でも、女の涙は安くありませんよ?」
P「そこを何とかなりませんか?」
楓「そこを何とかするのがプロデューサーのお仕事じゃないですか?」
P「……」
楓「……」
P「誕生日おめでとうございます!!!!!」
楓「……!?」
P「これをどうぞ」
楓「……あら、素敵なブローチでアプローチ?」
P「楓さん、いつもありがとうございます。本当に、楓さんには感謝しっぱなしなんです」
楓「……」
P「……はは。いつもは気恥ずかしくて言えませんけどね。今日ぐらいは、いいですよね?」
楓「……プロデューサー」
P「泣きました?」
楓「いえ、とても嬉しいだけですね。ありがとうございます」
P「あ、どうも」
P「……」
楓「……」
P「……ナイター」
楓「……」
P「……」
P「そういえば楓さん、野球とかって興味あります?」
楓「いえ、別にナイターに行ったからと言って泣く訳では」
P「でも駄洒落ですよ」
楓「プロデューサーは私を何だと思ってるんですか?」
P「うーむ……」
楓「……あの」
P「はい」
楓「そんなに私の涙が見たいんですか?」
P「ええ、まぁ」
楓「どうしてですか?」
P「……半ば、意地になってきたと言いますか」
楓「はい」
P「……楓さんにも、俺の知らない表情があるってのが、何だか悔しく感じてきて」
楓「……えっ」
P「すみません、下らない理由で」
楓「……下らなくないです」
P「え?」
楓「下らなくなんてないです」
P「え、あの、どうしてですか?」
楓「自分で言ったじゃないですか」
P「……?」
楓「決めました。私も協力します」
P「は、はぁ。それは……ありがとうございます」
楓「それで、どうしましょう。悲しい事でも想像しましょうか」
P「いえ、それも結局は演技のようなものですし」
楓「確かに……あ、それならこういうのは」
P「はい」
楓「プロデューサーが試しに私へひどい事を言ってみるというのはどうでしょうか」
P「……」
楓「……プロデューサー?」
P「……っく、うぅ……」
楓「あの、どうしてプロデューサーの方が涙目に……?」
P「すみません……想像しただけで、心が……」
楓「す、すみません……」
P「これはやめましょう……お願いですから……」
楓「は、はい……」
楓「……落ち着きました?」
P「えぇ、取り乱してすみません。さてどうするか……」
楓「何か良い方法……あっ」
P「思い付きました?」
楓「感動するような映画を観るというのはどうですか?」
P「……なるほど、良い考えですね。じゃあ帰りに早速レンタル屋寄って」
楓「プロデューサー、再来週に私とオフ重なってましたよね?」
P「え? ええ」
楓「じゃあ、お昼前から待ち合わせて一緒に映画を観に行きましょう」
P「えっ」
楓「ついでにお洋服とかも見て回りたいです」
P「えっ?」
楓「詳細はまたメールします。お洒落してきてくださいね。お疲れ様でした」
P「え?」
P「……あれっ?」
楓「良い映画でしたね」
P「ええ。思わずウルっときました」
楓「奏ちゃんにオススメを訊いといて良かったです」
P「速水さん、恋愛映画は観ないと言ってる割に詳しいですよね」
楓「映画が好きなんでしょうね」
P「楓さんは泣きませんでしたけどね」
楓「すみません、良い作品だったんですけれど」
P「ああ、いえ。お気になさらず」
楓「はい。美味しいですね、ここのイタリアン」
P「魚介が良いですよね。午後はどうします?」
楓「プロデューサーに服を見繕ってみたいです」
P「それは悪いですよ」
楓「悪くないです。あと、水族館にも行きたいです」
P「……あれ?」
楓「どうかしましたか?」
P「俺達、今日は何しに来たんでしたっけ?」
楓「プロデューサー、このマリネも美味しいですよ」
P「え? あ、ホントだ旨い」
P「……ふー」
楓「お疲れ様です、プロデューサー」
P「楓さんもお疲れ様です」
楓「この前は楽しかったですね」
P「ええ…………あっ」
楓「どうかしましたか?」
P「そうだ、涙が見たいんだった」
楓「…………あっ」
P「すっかり忘れてましたね」
楓「そういえば、そうでしたね」
P「そうそう、それで良いアイデアがあるんですよ」
楓「何でしょう?」
P「思うに、この前は恋愛映画だったからダメだったと思うんです」
楓「なるほど」
P「ですから白坂さんからお借りしたこの」
楓「プロデューサー」
P「はい」
楓「甘いですね」
P「え?」
楓「奏ちゃんと小梅ちゃんには申し訳無いですけれど、やはり映画では力不足じゃないかと」
P「うーん……なら白坂さんに直接……いやそれは洒落にならないか」
楓「そこで良いアイデアがあるんですよ」
P「ほう」
楓「折衷案です。とても怖いと評判のお化け屋敷に行ってみましょう」
P「ナントカ迷宮でしたっけ」
楓「ええ。私も流石に泣いちゃうかもしれません」
P「なるほど……ん? でもそうすると俺は見れ」
楓「プロデューサー、再来週に私とオフ重なってましたよね?」
P「え? ええ」
楓「じゃあ、お昼前から待ち合わせて一緒に遊園地に行きましょう」
P「えっ」
楓「ついでに近くの展望台とかにも寄ってみたいです」
P「えっ?」
楓「詳細はまたメールします。お洒落してきてくださいね。お疲れ様でした」
P「え?」
P「……あれっ?」
P「……」
楓「きゃあ♪」
幽霊「コロスゾ……マジデコロスゾオマエ……」
P「……」
楓「こわいよー♪」
幽霊「ザッケンナヨ……コロスゾホント……オマエ……」
P「……あの、楓さん」
楓「どうかしましたか?」
P「何で俺に抱き着いてるんですか?」
楓「怖いからです」
P「なるほど。そろそろ泣きそうですか」
楓「かもしれないし、否定の根拠はないのかもしれません」
P「なるほど」
楓「きゃあっ♪」
幽霊「オマエ……コロスゾオマエ…………」
楓「怖かったですね」
P「そうですね」
楓「流石に泣いちゃうかと思いました」
P「結局泣いてくれませんでしたけどね」
楓「すみません、本当に怖かったんですけれど」
P「ああ、いえ。お気になさらず」
楓「はい。綺麗ですね、夜景」
P「数年ぶりですけど、乗ってみると案外良い物ですね、観覧車」
楓「ジェットコースターも楽しかったですけど、やっぱりこういう方が落ち着きます」
P「俺も同感です」
楓「ふふ。プロデューサーの方が怖がってるのは面白かったです」
P「……あれ?」
楓「どうかしましたか?」
P「俺達、今日は何しに来たんでしたっけ?」
楓「プロデューサー。ほら、向こうで花火が上がってますよ」
P「え? あ、ホントだ綺麗だな」
P「……ふー」
楓「お疲れ様です、プロデューサー」
P「楓さんもお疲れ様です」
楓「この前は楽しかったですね」
P「ええ…………あっ」
楓「どうかしましたか?」
P「違いますよ、涙が見たいんですよ俺は」
楓「…………あっ」
P「すっかり忘れてましたよ」
楓「そういえば、そうでしたね」
P「今になって考えてみれば、楓さんぜんっぜん怖がってなかったじゃないですか」
楓「そうでしたっけ」
P「そうですよ……楓さん、本当は何が怖いんですか?」
楓「……」
P「楓さん?」
楓「……これは、誰にもナイショですよ?」
P「あ、はい」
楓「実は…………スコッチがすっごく怖くて……」
楓「ふぅ……」
P「結構強いなコレ」
楓「でも、良い香りでしょう?」
P「確かに」
楓「ふふっ」
P「楓さん」
楓「はい」
P「これ、まんじゅうこわいですよね?」
コメント一覧
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- 2016年06月14日 23:49
- 微課金とはいったい…、ウゴゴゴ
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- 2016年06月14日 23:50
- 鳴いた
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- 2016年06月14日 23:51
- 守りたい、この笑顔
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- 2016年06月14日 23:58
- 楓さんを何だと思ってんだ
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- 2016年06月14日 23:59
- 楓さんお誕生日おめでとう・・・グスッ