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1:2016/06/20(月) 01:32:55.657 ID:+rO3eX5l0.net
警察官「・・・五回目。」

囚人「・・・」

警察官「五回目の万引きだ。」

囚人「・・・はい。」

警察官「盗んだものはぁ?、少女向け雑誌、えんぴつ、ノート、筆箱。」

囚人「・・・」

警察官「前の犯行も似たような物だったな。」

囚人「・・・娘が、いるんです。」

警察官「あぁ、知ってるよ。」

警察官「六年前に奥さまと離婚。」

警察官「当時一歳だった娘さんを引き取り、男手一つで育てる」

囚人「・・・」

警察官「正直ね、同情はしないでもないよ?でも、犯罪は犯罪だ。」

囚人「・・・はい」

警察官「罰金30万。払える?」

囚人「」フルフル

警察官「じゃあ、実刑になる」

囚人「・・・どれくらいですか」

警察官「さぁ。五回目だし、被害額も少なくはない。」

囚人「・・・何ヵ月?」

警察官「何年。だろうな」

囚人「そんな・・・!娘は、娘はどうするんです!」

警察官「そればかりはぁ。まあ、何かしら配慮はするけど、どこまでできるか・・・」

囚人「今回は、今回だけは勘弁してください!もう二度とこんな真似は!」

警察官「俺に言われても困るんよ。」

囚人「しかし、娘が、娘が!」

警察官「執行猶予はつく。それまでに優秀な弁護士でも雇うんだな。」

囚人「・・・そんな金は」

警察官「・・・じゃあ大人しく罰をうけるだけだ。」

2:2016/06/20(月) 01:38:24.649 ID:+rO3eX5l0.net
とある研究所

ドクター「・・・というわけで」

助手「・・・」

ドクター「私は、このことに非常に興味があるのです」

助手「しかし、ドクター。検証するには人間が必要では。」

ドクター「そう、そうなんだよ助手くん。」

ドクター「そこでだ、犯罪者を使ってはどうかね?」

助手「・・・犯罪者?」

ドクター「彼らの人権はあって無いようなものだ。どう使おうと私の勝手だろう」

助手「お言葉ですが、少なくとも日本では彼らにも・・・」

ドクター「無論、本人の同意の上さ。」

助手「・・・いやしかし、法的に不可能では?囚人をモルモットとして使うなど」

ドクター「治験だよ治験。法的な問題は別の者に任せよう。」

助手「うまくいくのかなぁ」

ドクター「ふっ、きっとうまくいくさ。浦島太郎計画。」

4:2016/06/20(月) 01:45:02.064 ID:+rO3eX5l0.net
数日後

囚人「・・・あの。貴方は」

警察官「彼が、俺が個人的に紹介したい人物だ。」

ドクター「どうも。囚人さん」

囚人「ど、どうも」

警察官「彼は、名高い研究者でね。君に協力してほしいらしい」

囚人「はぁ?」

ドクター「一ヶ月間の治験を行って頂きたい。」

囚人「よく、話が読めないのですが」

警察官「彼の一ヶ月間の治験に協力すれば、実刑は懲役一ヶ月とする」

囚人「は、はぁ!?」

警察官「それだけ重要な研究なんだ。君も、何年も刑務所には入れられたくないだろう?」

囚人「なにがどうなっているんだ?治験ってなんです?」

ドクター「一ヶ月間、用意された部屋の中で暮らせば良いのです」

囚人「へや?」

ドクター「ええ、何もない部屋ですが、食事もトイレも用意されています」

囚人「そこで、何を?」

ドクター「なにもしません。ただ居るだけでいいのです」