美優「楓さんに弱みを握られました……」
美優(そのまま帰るのも勿体無いし、事務所に誰かいないかしら)
ココヲ…アアソコハ……
美優(ルームから声がする……。アーニャちゃんと美波ちゃんね)
美優(本当の姉妹みたいに仲が良くて微笑ましいわね)フフッ
アーニャ『ミナミ。ここ、どうですか? イケそうですか?』
ミナミ『ア、アーニャちゃん!? そんな乱暴にしたら!』
美優「……ん?」
美波『だめぇ! 壊れちゃうよ!』イロッポイコエ
アーニャ『ミナミ、そんなに怖がらなくても、いいですよ』
美波『で、でも……』
アーニャ『やさしくすれば大丈夫、です』
美優(……あの二人って、そういう関係)
美優(いやいや! 確かにちょっと距離近いなとか、見ててドキッとする時あるけど!)
美優(そ、それにまだ確認したわけではないし!)
美優(……でも本当にそういうことしていたらどうしよう?)
美優(事務所でそんなこと……してないですよね?)
美優(……ここで確認しないとずっと悶々したまま)
美優(けど、そういうことをしていたら、私はどうすれば……)
美優(いっそ、何も聞かなかったことにして帰ってしまうほうが……)
楓「美優さん?」カタポン
美優「ひゃっあだっ!」ドアゲキトツ
アーニャ『ッ!?』
美波『きゃっ!?』
ガシャア
美優「か、楓さん? い、今は中に入るのは――」
ガチャ
美波「美優さん……? どうしたんですか?」
アーニャ「ミユ、鼻赤くなってます」
美優「あ、あの、ええと……ふ、二人は何をしていて……」
美優(ってああああなんでそのまま言っちゃったんですか私!?)
美優(これで答えづらそうにされたら気まずすぎる……!)
アーニャ「……? ジェンガ、してましたよ?」
美優「……ジェンガ」
アーニャ「ドキドキして楽しい、ですね」
美優「……美波ちゃん、どうして艶っぽい声を」
美波「ええ!? 私そんな声出してました!?」
楓「美波ちゃんはナチュラルセクシーですからね。座ってるだけでも雰囲気があるもの」
アーニャ「ダー。ミナミ、セクスィです」
美波「は、恥ずかしい……」
美優(大丈夫美波ちゃん……私のほうがもっと恥ずかしいこと考えていたから……)
美優「そ、それは……何か忘れ物があった気がして、それを思い出そうと必死で……」
美優「つい、それに集中して立ち止まってしまって……」
楓「ふーん……」
美優(ううっ……じっと見つめないでください……)
楓「確かに、よくありますね」
美優「で、ですよね」ホッ
楓「美波ちゃん、まだ時間あるなら私たちもジェンガに混ぜてくれませんか?」
美波「もちろん、構いませんよ」
美優「……あれ、私たちって私もですか?」
楓「もちろんです。嫌ですか?」
美優「いえ、そんなことはありません。私で良ければ」
アーニャ「人が多いほうが面白い、ですからね」
楓「では、美優さんからどうぞ」
美優「は、はい」
美優(そっーと、優しく……)
楓「あぁ……駄目です美優さん……そんな強引に……」イロッポイコエ
美優「!!!」ガチャ
楓「美波ちゃんの真似です。深い意味はありません」
美波「私、そんな声だしてたのかなぁ……」
楓「ところで、美優さん。今夜一杯行きませんか?」ニコッ
美優(……! 気がついている! この人は、私が部屋に入らずにいた本当の理由に気がついている!)
美優(これは、Yesと言わないと、川島さんたちと飲んだ時にめちゃくちゃイジられるやつ……!)
美優「の、飲み過ぎないでくださいね……」
楓「ええ、限界を超えないように、厳戒態勢で臨みます」ニコッ
美優「……誰にも言わないでください」コゴエ
楓「はいっ」コゴエ
美優(……楓さんに弱みを握られてしまいました)
美優「楓さんったら、飲み過ぎないで言ったのに、結局私の部屋に泊まっていくんですから……」
美優「……」スマホトリダシ
美優(……本当に幸せそうに寝ていますね。そんなに楽しかったんでしょうか)フフッ
ルキトレ「あの……」
美優「は、はい!? なんですか!?」
ルキトレ「衣装の確認が終わったら、声をかけてください。隣の部屋にいますので」」
美優「あ、はい! わかりました!」
ルキトレ「お願いしますねー」
美優「……今のが楓さんじゃなくてよかった」
美優「この間美波ちゃん達が着ていた……ヴァルキュリアの衣装」
美優(……女神か。私も『癒やしの女神』と呼ばれたこともありましたっけ)
美優(なら、私もヴァルキュリアになってもおかしくないかも?)
美優「……衣装の帽子を被るくらいなら、いいですよね」
美優(姿見でチェック……悪くはない、でしょうか)
美優「けど、美波ちゃんちゃん達に混ざるには年齢がキツイ……?」
????「わからないわ」
美優「……なにか、幻聴が」
美優「どういう名乗りならそれっぽく……蘭子ちゃんみたいな……?」
美優「……」コホン
美優「先代ヴァルキュリア『ドライ・シッフ』を超えられないようでは……真の邪悪に打ち勝つことは出来ない……」キリッ
楓「その力、『グロース・ツァウン』の前に示しなさい……」キリッ
美優「…………」
楓「おはようございます、ドライ・シッフさん」
楓「なんでと言われても、私も衣装の確認をしに来たんです」
楓「そうしたら、美優さん――いえ、ドライ・シッフさんが楽しげなことをしていたので混ざってみました」
美優「わざわざ言い直さなくていいですから!」
楓「けど、とっさにドイツ語が出てくるなんて、実は美優さんって」
美優「違いますから! 大学でドイツ語を習っていただけですから!」
楓「蘭子ちゃんと飛烏ちゃんのユニットに入れてもらいますか?」
美優「違うんです……これはほんの出来心だったんです……」
楓「ところで、おいしいバーを見つけたんですが、今夜どうでしょうか?」
美優「……お付き合いさせていただきます」
楓「ふふっ、楽しみに待っていますね」
美優「この件はどうかご内密に……」
楓「はい、もちろんです」
美優(……また楓さんに弱みを握られました)
楓「空はなんで暗いんですかい? ふふっ……」フラフラ
美優「それはもう夜だからです……ああ楓さん、しっかり歩いてください」
楓「大丈夫です、うぉーくぅ~と気合を入れてますから」
美優「絶対大丈夫じゃないですよ……ほら、肩貸しますから」
楓「ん、ありがとうございます……」
美優「またこんなに飲んで……何時でも泊めれるわけじゃありませんよ?」
楓「でも、今日は?」
美優「……泊めれますけど」
楓「じゃあ、楽しみですね」
楓「ええ。酔いを覚ましながら、寝るまで美優さんとお喋りするのが、私好きなんです」
楓「美優さんは、どうですか?」
美優「私は……好き、です。楽しい時間だと思います」
楓「良かった……けど、飲みに誘うために別の弱みを見つけないといけませんね……」
美優「い、いいです……これ以上弱みなんて握らせません……」
美優「それに、飲みに行くなら何時でも……たまになら付き合います」
楓「言い直さなくても良かったんですよ?」
美優「さすがに毎日は付き合えません……」
楓「それは残念です」
美優「か、楓さんがこれ以上弱みを握る必要なんてないですよ」
美優「ずっと前から、私は楓さんに大きな弱みを握られてるんですから」
楓「はて……なんのことでしょう?」
美優「それは……」
楓「それは?」
美優「惚れた弱み……です」
楓「……」ピタッ
楓「……」
美優「楓、さん……?」
美優(さっきよりも顔が赤い、ような……)
楓「……不覚です」
美優「えっ?」
楓「美優さんに、弱みを握られてしまいました」カオマッカ
美優「……年上を甘く見るからです」
楓「あの、私タクシーで」
美優「泊まっていくんですよね?」ガシッ
楓「……美優さんの意地悪」
美優「だって、楓さんの弱みを握っちゃったんですから。簡単には帰しません」
美優「夜はまだまだですから」
楓「……」
楓「フンフンフフーン、たかがきー」
幸子「楓さん、上機嫌ですね」
幸子「何かいいことあったんですか?」
楓「聞きたい? 聞きたいですか?」
幸子「そうですね、気になりま」
美優「かかかえでさん! 今夜にまたバーなんてどうでしょうか!?」
楓「あら、素敵ですね」
美優「で、ではその予定を詰めるためにもこちらで話しましょう!」グイグイ
幸子「……
コメント一覧
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- 2016年06月21日 23:16
- そうか…ここが…ヴァルハラか…イクッ
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- 2016年06月21日 23:21
- じゃあ僕は美優さんに握ってもらおうかな(ボロン
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- 2016年06月21日 23:21
- いいですわゾ^~これ
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- 2016年06月21日 23:23
- 自分もこいかぜ実装は美優さんたちの中の人が決まってからにしてと思ってる
美優さんの声を聞ける日が本当に待ち遠しい
-
- 2016年06月21日 23:31
- かえみゆ、イイぞ。
楓さんは男でも女でもいけそうな雰囲気はある。
-
- 2016年06月21日 23:32
- あぁ…楓さんに弱みを握られてぇ(物理的に)
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- 2016年06月21日 23:36
- 美優さんに握ってもらえるなら本望だよね
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