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大炎上 | そしてボクは外道マンになる ドーベルマン刑事誕生までの知られざる秘話
 

そしてボクは外道マンになる ドーベルマン刑事誕生までの知られざる秘話

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『グランドジャンプPREMIUM』連載、「そしてボクは外道マンになる」の第2話
平松伸二先生の自伝漫画として始まった当作品。1話では上京して中島徳博先生のアシスタントとなり、代筆の漫画が認められるまでが描かれました。忘れた人は下記記事を参照ください。
 新連載「そしてボクは外道マンになる」 平松伸二の実話に基づく自伝的漫画

ところで他の方の記事を検索したところ ほとんど暴力団組員な風貌の担当・権藤狂児のモデルである後藤広喜氏の写真がありました。本当にこんな姿だったのですね!
 漫画に出てきた権藤さんがソックリ過ぎ

権藤から「連載が決まった」と渡されたのは武論尊を原作者にしたバイオレンスアクション「ドーベルマン刑事」の原稿。けれど先の代筆漫画の「落とせない」プレッシャーに懲りて"ボクはまだまだ未熟""連載を持つのはまだ早い"と消極的。これに怒るのは権藤! この連載を勝ち取るためオレがどんだけ力を注いだと思ってやがる!! ジャンプには何百・何千もの新人が血眼(ちまなこ)になって狙っている、千載一遇のチャンスがいらねえのか! とブン殴り、平松少年はアパートの壁を突き破って隣の部屋まで倒れ込むwww あ~こんなのアニメ「侍ジャイアンツ」後期オープニングの一場面にあったなぁ。蛮が長島に殴られて壁を突き破るのですが、よほど壁が弱かったのか長島の腕っぷしが相当強かったんだろう。

殴られて身に染みた権藤の言葉。やる前から弱音を吐くんじゃなかった、ボクは根性なしの甘チャンだったと反省して二日でネームを描き上げます。これを読んだ権藤は一応は認めるも「何も感じない」と一蹴。ドーベルマン刑事のテーマは何だと問いかけた。
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それは怒り! 1話では犯人が主人公の加納に腕をフッ飛ばされたことに恨みを持ち、脱走してハイジャックまで引き起こします。その犯人への怒りが充分でない! その怒りが表現できないようならドーベルマン刑事は成功しないとまで言わしめます。

そこでもって言われたのが「歌舞伎町へ行って外道を見てこい」。当時のココは緊張感のある怖い街で、そのスジの怖い人がゴロゴロいたんだそうだ。そして絡まれ殴られボコボコにされ、あげくは小便までひっかけられます。あのー、さすがにここまでくると事実じゃないよね!? 前回も書きましたが当漫画は「自伝」と謳っているものの「完全実話」とはしてないことから、少なからず演出した表現はあるでしょう。

帰って怒りに震えた平松少年は一晩でネームを描き直して権藤に提出。前より怒りが伝わってくると評価を得ます。ならば本物のワル、極め付きのド外道に会ってみるかと誘われて着いたところは刑務所。どういう関係か知らないけれど権藤は何度も殺人を犯した犯人と知り合いだったのです。その犯行手口の生々しさを聞いて平松少年は震えが止まらない。
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その上で権藤は語る。ドーベルマン刑事は悪に対する加納の怒り・カッコ良さはもちろんだが、徹底的な悪を描けるかがカギになる。そうでなきゃ読者は共感なんかしてくれない! その為にはオメエが悪を描くときには悪に成りきり加納を描くときには加納に成りきれと聞かされる。この感情移入がその後のバイオレンス作品にも生かされていくんでしょうね。

こうして描き上げたドーベルマン刑事の1話。巻頭カラー四色4枚、二色25枚(当時は「二色カラー」ってのがあったんです。今は使われてませんが)。一人で全て描いたそうです。週刊少年ジャンプの1975年36号から連載が始まりました。
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アンケート結果にて新人の新連載としては誌上初めて一位を取ったそうです。これを聞いて権藤は嬉しそう。師匠である中島先生は「まだまだ勝負はこれから」とエールを贈る。それを伝えた編集者は…アデランスの中野さんですよね!? 本名は中野和雄氏。この名前はキン肉マンで有名になるわけですが、その連載が始まるまでまだ4年待たなければなりません。

尚、1話の原稿はヘタクソだの汚いだの他の編集者から散々な言われ方をされてます。コミックス1巻のダウンロード先では1話の途中まで無料で読めるので目を通してみてください。その言葉を認めることになりますから。

それから数年後、平松少年は成人となっていた。そればかりか性格まで変ってしまったようだ。
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  お前 誰だよーーー!(笑
数年前と別人じゃねーか。そうか、タイトルにある「外道マン」がこれか。外道漫画家だから外道マン。漫画家=外道マンじゃないところでちょっと救われますね。
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