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白菊ほたる「今こそ創世の刻!!」|エレファント速報:SSまとめブログ

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白菊ほたる「今こそ創世の刻!!」

1: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:10:19.37 ID:H/62Q4eJ0



case.1







神崎蘭子「ククク...」




蘭子「我こそは魔王、神崎蘭子......偶像の頂点にて悠久の支配を実現せしもの」





白菊ほたる「.........そうですか」


ほたる「でしたら私も名乗っておきましょう...私の名前はホタル・シュバルツ...復讐の騎士」

「貴方の心臓にその名を刻む者ですよっ!!」


蘭子「来るが良い!!暗黒騎士よ!!我が108の魔術にて塵も残さず屠ってくれよう!!」







  「............」


ある日の事務所の休憩時間

ほたるがひと足お先に中二の世界に足を踏み入れていた



2: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:11:43.03 ID:H/62Q4eJ0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



蘭子「いでよ邪眼の杖!!」



衣装部屋から持ち出したのだろうか、たしか覚醒魔王の衣装の一部...だったか?

神崎さんちの蘭子さんが以前の仕事で使っていた杖を構える



蘭子「千年続く呪具の力をその身に受けよ!」


特徴的な大きな目玉の付いた部分がほたるに向けられる

やはりこういう動きが似合う、というか堂に入っている



蘭子「【一夜千夜の瞑目】、相手は死ぬ!!」

ほたる「くっ!これは喰らうわけには行かない【黒薔薇の盾】、私は死なない!!」




なんだそれ

呪文らしきものと共にどこかで聞いたような効果が口に出された

魔王の杖が向けられると同時にほたるが手に持っていたサーベルを前にかざした。盾のつもりらしい




3: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:12:42.14 ID:H/62Q4eJ0



蘭子「ぬぅ、なかなかの反応速度...!ならばこれは避けられるか...?【逆しまの暗黒堕天】!!空が落ちてくる!」


ほたる「なっ...空が...赤く染まっていく......!?」


蘭子「ンナァーッハッハッハ!!貴様の鎧はどこまで耐えられるかな?」



今度は杖を天井に向けると同時に呪文?らしきものを唱えた

釣られてほたるも空を見上げるような動作をしたのち驚愕の表情を浮かべた、


やはりほたるの悲愴な表情はレベルが高い。演技にはとても見えない

ちなみに空を見上げてもそこには事務所の蛍光灯と天井しかない




蘭子「畳み掛けさせてもらう!【苦渋の弓兵隊】!!いでよ!我が地獄の軍隊よ!!」

ほたる「なんですって......天候魔術に加え召喚術まで同時に......!?」



最近調子の悪い点滅する蛍光灯に向けていた目線が蘭子魔王に再度向けられる

どうやら召喚術を使ったらしいが二人の間には窒素しか見当たらない



蘭子「落胆せよ!憤怒せよ!そして絶望せよ!貴様の未来は決した!」



フリルの付いたスカートを翻し勝ち誇ったような声を上げた

広げた五指をかざすポーズはやはり様になっている



4: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:14:08.47 ID:H/62Q4eJ0


対するほたるは掲げていたサーベルをだらりと垂らしながら項垂れ、静かなままだ

だがその瞳はまだ死んでいない、ようにみえる演技のままだ



ほたる「......勝ちを急ぎましたね...」


蘭子「...なに?」



次の瞬間、傾いていたほたるの上半身が跳ね上がる


ほたる「あなた自身が唱えた天候呪文はあなたの召喚獣にも有効なんですよ!!」

蘭子「!!?」


え、なんて?

と言う間もなく魔王が己の失策を悟ったように歪む



蘭子「しまった!【逆しまの暗黒堕天】により産み落とされた隕石が、我が弓兵隊を壊滅させていく...!?」


そういうことだそうだ

というか隕石を呼ぶ呪文だったのか......隕石が降ってくるのは天候じゃないよ

あるいはファンタジーの世界では隕石も天気の一種なのだろうか



ほたる「ようやく隙を見せましたね!」

蘭子「ッ?!」



5: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:14:50.49 ID:H/62Q4eJ0



揚げ足取りのようなレスバトルもそこそこに、

ほたるが空手家のような高速のすり足で肉薄し、ニヤリと笑った

状況は逆転している。ここでほたるが必殺の呪文を唱えればそれで勝敗は決まるだろう



蘭子「っ...バリヤーー!!」



ファンタジー設定どこいった、対応できてないじゃないか



ほたる「バリヤー貫通!!」

蘭子「ふぇっ!?」



そっちの対応力は何なんだ


ほたるはサーベルを捨て、両の手の平を魔王の胸の中央に添えた

魔王な少女の表情が一瞬後に訪れる死に対し恐怖し、引き攣る



ほたる「【一夜千夜の瞑目】!!」


蘭子「私は死ぬ!!ぐああああああああ!!」



.........それ相手の呪文じゃねえか





6: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:16:03.00 ID:H/62Q4eJ0



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





case.2








市原仁奈「黒猫みたいに鳴いてくだせー!!」



ほたる「にゃ、にゃー......」





猫の気持ちになるとは言っても猫耳どころではない、それは着ぐるみだった

他のアイドルに隠れてこそいるが、年齢の割には高身長なほたるの肢体がすっぽり包まれている



7: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:17:06.62 ID:H/62Q4eJ0



仁奈「ほたるおねーさんにぴったりでやがります!!」


黒猫の隣でぴょこぴょこはねているのはどうやらひよこらしい

小さな体が上下するのに合わせてクチバシが揺れていた


ほたる「ほんとだ......でもどうして?仁奈ちゃんのものじゃ、ないの?」

仁奈「うー、もう使わねーからって譲ってもらったんですが、どーにもサイズが合わねーでやがりました」

ほたる「そっか...大変だったね」



黒猫の丸っこい手がひよこの頭をいたわるように撫でる

捕食前に獲物をいたぶっている風景には見えないな


仁奈「じゃあ次のステップでやがります!」

ほたる「次?次は何をするのかな?」

仁奈「黒猫の気持ちになりやがってくだせー!」

ほたる「猫の......気持ち?」


仁奈「そうでやがります!鳴き真似だと形だけだから、こんどは心も黒猫になりきるですよ!」

ほたる「ううん......それはちょっと難しいかな...?」

仁奈「そんなことないでやがりますよ!ほたるおねーさんの知ってる黒猫を思い出しやがってください!」

ほたる「黒猫を...」



8: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:17:47.95 ID:H/62Q4eJ0


ひよこっ子が黒猫の顔を覗き込む


覗き込まれたほたるは記憶を探っているが芳しくないようだ

八の字眉がどんどん険しく反っていく

着ぐるみのはずなのに何故かしっぽまで揺れている



仁奈「なんか思い出とかねーですか?」

ほたる「昔はよく会ってたかな.......毎日のように」

仁奈「そう、でやがりますか?」

ほたる「はい、オーディション会場に行く途中に前を通り過ぎられて...」

仁奈「毎回でやがりますか?」


そうなのだ、今でこそその傾向は薄れているが以前のほたるは仕事先でしょっちゅう黒猫に前を横切られていた

あとはカラスがやけに頭上を飛び交っている、なんてときもあった。まぁ意識しすぎだろうが


仁奈「ほたるおねーさん......」


そのせいで仕事に悪影響が...などと言い訳はしないが、いい思い出ではないだろう




「すげーです!!」


「え?」



9: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:18:45.34 ID:H/62Q4eJ0



一瞬、ひよこが空を飛んだのかと思った

飛び跳ねた着ぐるみ幼女がほたるの胸元に抱きついたのだ



仁奈「きっと黒猫さんはほたるおねーさんを応援しにやって来てやがったでござーますよ!!」



それはあまりにも能天気なモノの見方だ

ほたるの持つ不幸体質をちゃんと理解していない発言だ



「黒猫さんはきっとほたるおねーさんのファンだったんでやがりますね!」


だが、


「ふふっ、そうだといいね」



そういう見方も悪いものじゃない

ほたるの眉が柔らかく綻んだのを見てそう思った





10: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:19:24.20 ID:H/62Q4eJ0



ほたる「そういえば......仁奈ちゃん風に言うなら私のファンってもっと多かったのかな?」

仁奈「どーいうことでごぜーますか?」

ほたる「黒猫以外の生き物とも縁があったから...」

仁奈「ほほーう!それはキョーミぶけーですね!」



ほたる「うん......カラスの群れとか排水口から出てきたネズミとか...天井から落ちてきたムカデとか」



ちょっと待って、和やかな雰囲気でする発言かそれ?

ひよこ娘があんまり分かってなさそうなのが救いか?




仁奈「おっと、そろそろレッスンの時間でやがりますね!行くですよ!」

ほたる「うん、忘れ物はないよね?」

仁奈「ねーですよー!!」



どうやら今までの会話はレッスンの時間までの暇つぶしだったらしく

スポーツウェアの入っているらしいバッグを担いで二人ならんで部屋を出ていった



11: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 18:20:09.88 ID:H/62Q4eJ0






.........

......


そういえば、

ほたるから敬語が抜けていたな

以前は相手が歳下でもどこか他人行儀だったが

直したのだろうか



16: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 20:58:50.93 ID:H/62Q4eJ0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
case.3



ドスン


重々しい音と共にダンボール箱がひとつ、ふたつ、カーペットに着地する





工藤忍「いやー、なんかごめんね?手伝わせっちゃったみたいで」

ほたる「いえ、大丈夫です...私が持っていたのは軽いほうだったので...」




女子寮の一室、工藤忍の部屋に現れた二人の持ってきた荷物だった

可愛らしく飾り立てられた女子らしい部屋の中では茶色の箱は妙に浮いている


ほたる「フリルドスクエアのみなさんはいなかったんですか?」

忍「それがさぁ、みんな急にお仕事入ったから今夜は一人になっちゃった」

ほたる「そうなんですか......それじゃあこの荷物って、みんなで開ける予定だったんですか?」

忍「そだよ、本当なら今日の夜にでも皆で"コレ"開帳してみたかったんだけどねー」

ほたる「コレ?......これってお菓子か何かですか?」

忍「うん、まぁ、そんなとこ!あっ、ほたるちゃん、手伝ってくれない?」

ほたる「私が......いいんですか?みんなでワイワイやる予定だったんじゃ...」

忍「いいのいいの、ホントなら今夜の予定だったんだけど、今日を逃したらフリスク四人が全員が休める日って来月なんだ」

ほたる「はぁ...」

忍「だからそれまで置きっぱになっちゃっうし、もうパーっと開けちゃおう!」



17: ◆E.Qec4bXLs 2016/06/26(日) 21:00:02.78 ID:H/62Q4eJ0



仮にもユニット仲間であろうに、随分あっさりしてるんだな。あの箱の中身はなんなのだろうか

お菓子なんかのパーティーグッズならここまで気が急くこともないだろ
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月26日 23:02
      • どうしよう、成仏出来ないんだが

      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月26日 23:04
      • 僕は…新世界の神になる!
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月26日 23:05
      • 計 画 通 り
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月26日 23:53
      • 赤羽根P「鍛え方が足りないんじゃないですかね?」
        ぷちますP「所詮奴はPの中では最弱…」
        モバP「貧乏で水道水しかのめなかったんでしょ」
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月27日 00:01
      • 蘭子さんもほたるさんもかっこいいです!

        わ、わたしもお仕事で魔導師の衣装を着ました。お二人の戦いに参加できそうです
        別に興味があるわけではないのですが、偶然 参加できるなら加わるべきではないかと・・・

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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