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NetflixやYouTubeを早送り再生。効率良いしもっと面白くなる、らしい : ギズモード・ジャパン

NetflixやYouTubeを早送り再生。効率良いしもっと面白くなる、らしい

2016.06.28 21:00
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早送りのほうが楽しめるという説も。

NetflixHuluが日本でも見られるようになって、映画とかドラマとか、見たい映像コンテンツが昨今一気に押し寄せてきました。これ見よう、と思っていたコンテンツを見きれないうちに新しいものがどんどん追加されて、慢性飽和状態です。そして、動画というのは本と違って斜め読みができません…と思っていたら、早送りで見るという手があるみたいです。

Washington PostのJeff Guo記者は、再生速度調節ができる動画は基本的にすべて1.5倍〜2倍速で見ているそうで、そのメリットを詳細な記事にまとめています。Guoさんいわく、早送り再生は効率的であるだけでなく、コンテンツの面白さがより増幅され、良いことだらけだそうです。

じゃあ、どんな方法でそれが可能なのか、そして実際どんなメリットがあるのか、以下にご紹介します。


動画を早送りで見るには?


Guoさんが動画を早送りで見るためによく使っているのは、Chrome拡張機能の「Video Speed Controller」です。これを使うと、NetflixやHulu、YouTubeなどのHTML5動画の再生速度を自在にコントロールでき、速くも遅くもできます。ちなみにChromecastがあれば、Chromeで見ている動画をTVに映すこともできるので、「大画面で『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』を早送り一気見」とかもできます。

またYouTubeに関しては、Web版なら設定の中に「速度」メニューが隠れていて、0.25倍速の超スローから2倍速まで好きな速さに設定できます。

一方ローカルに保存してある動画を見るときは、「VLCメディアプレイヤー(WindowsもMacも)」や「MPC-HC(Windowsのみ)」などのフリーソフトを使えば、同様の調節が可能です。なのでツールをそろえれば、ストリーミング動画でもダウンロード動画でも、自分で撮った動画でも、早送りで見られるってことです。

ちなみにiPadだとできることはもっと少ないのですが、YouTubeの早送り再生はフリーアプリの「SpeedTube」などで可能になります。またローカルにある動画を早送りで見る場合は、有料(記事執筆現在360円)ですが「AVPlayerHD」というアプリなどが使えます。上記のVLCにも無料のiPadアプリがあり、速度調節も可能だったのですが、私が試したときは高速化すると映像が乱れてしまいました(環境にもよるかもしれません)。


高速のほうが面白い?


というわけで、ストリーミングでもダウンロードしたものでも、動画の再生速度を自由に変えられることはわかりました。でも技術的に可能ってことと、それを本当にしたいかどうかはまた別です。動画を早送りで見ればその分短時間で見られるというメリットはもちろんありますが、そのせいで動画を見る楽しみは半減してしまわないんでしょうか

でもGuoさんによると、早送りのほうがむしろ楽しく見られるらしいんです。コメディ映画を見ていても、ジョークのテンポがより速くなるし、逆に退屈な部分があってもあまり気にならなくなると。それもGuoさんみたいなテクノロジーを使いこなせる人が言ってるだけじゃなく、ちゃんとある程度平均的な人たちを対象にした複数の研究でも、早送りのほうが面白いという結論が出ているそうです。たとえば2008年のComputers in Human Behaviorに掲載された論文によると、通常再生と1.4倍速、1.8倍速をどれでも選べる状態にすると、1.4倍速がいちばん満足度が高かったそうです。

たしかに私も上記のツールを試しながら映画やドラマ、個人動画など見てみましたが、1.5倍くらいまでは理解もついていき、多少声が高くなるのも気になりませんでした。自分で撮った子どもの動画なんかは、自分の声も入っている気持ち悪さがあるので、2倍速くらいのほうが心穏やかに見られたりしました。

それに再生速度を変えられるってことは、ゆっくり見たいものはゆっくり見られるということです。たとえば海外の動画を見るときは、0.8倍速くらいにしたほうが英語を聞き取りやすい気がしました。またダンスの振り付けとか、スポーツのフォームをよく見たいときにも、ゆっくり再生が便利です。

さらにGuoさんは、ただ速度調節するだけでなく、複雑なシーンは巻き戻してゆっくり見たり、退屈な場面は飛ばしたりと、動画を頭から決まった順に見なくなったと言います。行きつ戻りつ、「まるで本を読むように動画を見るようになった」そうです。見たい速度で見る状態が当たり前になったことで、たまに映画館に行ったりすると「窒息しそう」になるほどだそうで...。

Guoさんは、現在動画視聴に起こりつつある変化と、かつて本を読むという行為に起こった変化の共通点を指摘しています。フランスの歴史学者Roger Chartierさんによれば、本を読むという行為も、古代には誰かが朗読する内容を集団で聞くというかたちだったのが、中世になって個人単位での黙読に変化しました。活版印刷と同じように、音読から黙読への移行も人の知的レベルを押し上げ、科学や宗教の大きな発展に貢献した、というわけです。

ということは、動画の見方がよりフレキシブルになることで、我々の知のあり方までもっと変わっていくのかもしれません。そんな底知れないポテンシャルも感じつつ、まずはNetflix一気見したいです。


image by udra11 / Shutterstock.com
source: Washington Post
(miho)

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