引用元: 【艦これ】吹雪「吹雪、着任しました!」 提督「着任早々悪いが解体なんだ」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:46:09.15 ID:U9X6J7u20
吹雪「えっ……?」

提督「うちも母港が一杯でな。なのに大本営から毎日造れ!解体しろ!って。何考えてんだか」

吹雪「と言うことは……私は解体されてしまうんでしょうか……?」

提督「安心してくれ。解体と言っても艤装を外して普通の女の子に戻るだけだ」

吹雪「普通の女の子……ですか」

提督「艦娘として任務を遂行できない無念は分かる。しかし艦娘ではなく普通の女の子にしか出来ない事も沢山あるはずだ」

提督「建造しておいて無責任なのは重々承知している。だが」

吹雪「分かりました司令官。吹雪、その任務必ず達成しておみせます!えへへ」ビシッ


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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:46:36.00 ID:U9X6J7u20
工廠

吹雪「す、すみません」

明石「はーい!何の用で……あっ」

吹雪「どうかしましたか?」

明石「う、ううん、初めて見る子だなって。私は明石、それで……用は何かしら?」

吹雪「本日付けで着任しました吹雪と言います!えっと、その……司令官に言われて……か、解体を」

明石「……ッ」




3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:47:05.71 ID:U9X6J7u20
吹雪「明石さん……?」

明石「ごめんなさい……。グスッ、少し待ってね」ゴシゴシ

吹雪「その顔……私を見たときから来た理由が分かってたんですね……」

明石「だいたいね。あなたと同じ理由で来る子は毎日いるから」

吹雪「そうなんですか……」

明石「それじゃあ向こうのベッドに……あっ、その前に艤装を外しちゃいますね」




4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:47:34.58 ID:U9X6J7u20
吹雪「すぐ艤装を外しちゃってなんだか妖精さんに悪い気がしますね」

明石「本当にごめんなさい」

吹雪「い、いえ!明石さんが謝る事ありませんよ!」

明石「こんな事させておいてアレなんだけど、提督は……悪い人じゃないんです。ただ何も知らされていないだけで」

吹雪「はい。私は一目見ただけでしたけど良い人なんだろうなって思いました」

吹雪「これからずっとこの人の元で働くんだって、思っ…………あ、あれ、おかしいな。どうして……えへへ」ポロポロ




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:48:14.15 ID:U9X6J7u20
明石「ごめんなさい。本当にごめんなさい……!」

吹雪「だから明石さんこそ謝らないでください!明石さんは何も悪くありません!」

吹雪「むしろこんな嫌な役をやらせて申し訳なく思います。こちらこそすみません。毎日大変ですよね……」

明石「吹雪さんの様に大人しい子だけじゃなく、やっぱり怖がったりして暴れる子も多いですから」

吹雪「もしかしてその腕にある沢山の傷って……」

明石「はい……これはその子達が引っ掻いたり噛みついたりした傷です」

吹雪「修復しないんですか……?」

明石「良いんですこのままで。自己満足ですけど私も少しは一緒に痛みを受けたいですから」




6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:48:42.39 ID:U9X6J7u20
明石「でも吹雪さんみたいに大人しい子を解体する時も凄く心が痛みます」

明石「こんな素直で優しい子を解体しなくちゃならないなんて……」

吹雪「仕方ありませんよ。これが私の受けた最初で最期の任務なんですから」

吹雪「それに私、司令官に笑顔で敬礼して来たんです!建造中からずっと夢だったんですよ!そうやって任務を受けるのが」

明石「そうですか、吹雪さんは立派ですね」

吹雪「なのでこの任務、必ず成功させないと。明石さん、よろしくお願いします」

明石「……わかりました」




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:49:20.25 ID:U9X6J7u20
明石「この注射をするとすぐに眠ってしまうので苦痛はまったくありません」

吹雪「ううー、注射苦手かも」

明石「吹雪さんが眠っている間に私が中にある起動スイッチを切ります。これで吹雪さんが目覚める事は二度とありません」

吹雪「その後に解体されちゃうんですね私……」

明石「はい」

吹雪「あっ、そうだ。明石さん、一つだけお願いしても良いですか?」

明石「もちろんです。私に出来る範囲内なら」




8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:50:19.55 ID:U9X6J7u20
吹雪「私が解体されちゃったら司令官に任務の報告が出来ないですよね」

明石「……」

吹雪「だから私の代わりに任務成功の報告をお願いします」

明石「もちろんです。他には何かありませんか?食べたい物とかーー」

吹雪「んー……いえ、楽しい事を知っちゃったら覚悟が揺らいじゃうかもしれないし、未練は残したくありませんから」

明石「そうですね……余計な事をすみませんでした。それでは始めます」

吹雪「おやすみなさい、明石さん」

明石「おやすみなさい」

吹雪「痛っ……えへへ、やっぱり注射は苦手かも……。次に生まれ変わる時は、もっと司令官の……お役に…………」

明石「ごめんなさい、ごめんなさい……っ」




9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:51:35.16 ID:U9X6J7u20
明石「失礼します」

提督「明石か。珍しいな、どうかしたか?」

明石「吹雪さんの解体任務、無事成功しましたので報告を」

提督「それならいつも通り報告書で良かったのに。……だがそうか。吹雪は怒ってなかったか?建造しといていきなり解体とか」

明石「いえ、吹雪さんは喜んでいました。最期に提督の任務を達成出来たので」

提督「なら少しは肩の荷もおりたよ。今頃はもう街に出てるかな?」

明石「……そうですね。きっと普通の女の子になって元気にしていますよ」




10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:52:44.92 ID:U9X6J7u20
おわり。


普通の女の子になったとしても、いきなり街に放り出された駆逐艦が生きて行けるとは思えないです。




12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 10:57:55.61 ID:aSYKoFZDO

やがて街での生活に疲れ果て、人間の汚い所を見すぎた吹雪は深海へと…




14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 11:06:59.48 ID:6wgpsmuVO
毎日何十万、何百万と解体される艦娘の面倒を見る土地がない。1年で人口が倍とかになってしまう
つまり普通の女の子に戻る可能性はおや誰か




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