前川みく「首をなが~くして待ってるモォォォ」
みく「あっ、いた! そこのアナタ!」
P「えっと、俺のこと?」
みく「そうそう! あなたがこの事務所のプロデューサーさんかにゃ?」
P「そうだけど」
みく「評判は聞いてるよ! そんなあなたの腕を見込んでお願いがあるの。このみくのことをプロデュースしてほしいにゃ! 真面目に頑張るし、それに猫耳も可愛いでしょ~? ということで、お願いにゃ☆」
P「いや、そんなこと急に言われても。というか、どこかの事務所に所属してるんじゃないの?」
P「そうなの? もしかしてその猫キャラもいやいや――」
みく「これは違うにゃ! っていうかキャラじゃなくて、みくは可愛いねこチャンなの!」
みく「……なんだけど、今の事務所は『猫は古い!』って言って、『これからはキリンアイドルだー』って」
P「お、おう」
P(キリンアイドル……)
P(キリン、キリン……)
みく「ね、お願いにゃ。この事務所、まだ出来たばっかりなんでしょ? 一応みくには活動実績もあるし、力になれるはずにゃ!」
P(麒麟? KI○IN?)
みく「あなたの腕でみくを可愛くプロデュースしてほしいにゃ☆」
P(キリンアイドル……)
みく「……って、ちょっと! 聞いてる~?」
P「あ、ああ」
P「あー、確かに君は可愛いし、所属してくれるならありがたい、かな」
みく「うんうん!」
P「でも、その前に一つだけいいかな?」
みく「うん」
P「キリンアイドルって、なに?」
P「いや、もうそれが気になって気になって、途中から上の空でさ」
みく「……」
P「す、すみましぇん」
みく「……わかったにゃ。あんまこの話はしたくないけど」
みく「そのかわり、この話を聞いたからにはみくをプロデュースしてもらうにゃ! これでどうにゃ!」
P「う、う~ん……。わかった、その話、のるよ」
みく「やったにゃ♪」
P「ということで、早くキリンアイドルについて教えてくれ」
みく「アッハイ。実は――」
コンコン
社長「入ってー」
みく「失礼します。呼び出されたけど、何の用かにゃ?」
社長「前川くん、最近は猫アイドルで売ってるそうじゃない」
みく「みくなりに色々考えた結果だにゃ。その、やっぱり、キャラが立ってるのは大事だと思うし」
社長「いやー結構結構。動物アイドルはね、鉄板だよ、鉄板。ただねぇ……」
みく「?」
みく(むっ)
みく「そ、そうかにゃ? 最近少しずつ人気も――」
社長「出てないでしょ、あんまり? そこでさ、動物は動物でもキリンアイドルやってほしいわけ」
みく「え? キリン? はっ? えっ?」
社長「そ、キリン。あの首が長ーいやつね。絶対来るって、これから。ということで、明日うちの社員に練ったキャラ見せてあげてね。ヨロシク~」
みく「え、ええ……」
みく「キリンアイドル……」
みく「いやいや、な、何を押し出せばいいの? キリン?」
みく「……事務所からキリン耳とキリン尻尾は支給されたけど、う~ん」
みく「まあ、みくもプロだし? ちょっと頑張って調べてみるかにゃ!……っと、しばらくはねこチャンはお休みだっけ。むぅ……」
みく「何事も頑張れば次につながるはずキリン!……いや、これは違うのかな」
みく「えっと……キリン、キリンっと――」
社員「じゃ、前川さん昨日の今日で大変だろうけどよろしくね。一緒にキリンアイドル、練っていきましょう!」
社員「じゃ、まずは挨拶からどうぞ」
みく「はい! 前川みくだモォォォ」
社員「……ん?」
みく「前川みくだモ――」
社員「いやいやいやいや。えっと、なに? ウシアイドル?」
みく「どこからどう見てもみくはキリンちゃんだモォォォ」
社員「え、ええ……」
みく「動画を見るモォォォ!」
社員「うわぁ、ほんとだ。前川さん無駄にリアルですね」
みく「たくさん練習したモォォォ」
社員「ま、真面目なんですね……」
社員(鳴き声に可愛さのかけらもない)
みく「やっべ」
社員「ん?」
みく「いやいや、何も言ってないモォォォ。キリンと触れ合えるカフェに行くことだモォォォ」
社員「そんなのあるんですか!?」
みく「え、ないのモォォォ!?」
社員「ないでしょ……」
社員(さすがに無理があるでしょ……)
みく「ど、どこでもキリンちゃんと一緒にいたいんだモォォォ!」
社員「えっと、具体的には○IRINさんのどのドリンクが好きなんですか?」
みく「午○の紅茶カムカムレモンティー、だモォォォ」
社員「美味しかったですね、あれ。なくなったの残念だったなぁ」
みく「ほんとだモォォォ」
みく・社員(なんだこのやり取り)
みく「そ、そんなことはないモォォォ! キリンちゃんもたんぱく質を摂るためにハトなんかも食べるんだモォォォ! だからみくも何でも食べるモォォォ!」
社員「え、ハトを食べてくれるんですか!?」
みく「違うモォォォ! っていうかお茶の間大惨事でしょ、それ!!」
社員「ま、まあ、確かに。えっと、食レポはオッケーですね」
社員「あ、仮に食レポやるとして食べ物は高い位置で、とかお願いする感じですか?」
みく「……考えさせてください」
みく「もちろんだモォォォ! キリンちゃんといえば首! 首をたくさん動かすモォォォ!」
社員「……目立つほどの動かし方出来るんですかね?」
みく「な、なんとか伸ばすモォォォ!」
社員「首を!? どうやって!?!? むしろそれろくろ首アイドルじゃないですか!?!?!?!」
みく「……」
社員「え、えっと、別のアピール探しましょう、ね? ね?」
みく「! それならお任せだモォォォ」
みく「ん゛んっ」
みく「あなたに会えるのを首をながーーーーーくして待ってるモォォォ♪」
社員「……」
みく「……えっと、どうでしょうかモォォォ?」
社員「あ、まあ、いいんじゃないですかね、はい」
社員(安直すぎるっ! あとその語尾の付け方はおかしい!!)
みく「それも考えてあるモォォォ! 例えば……」
みく「あー、寝てないモォォォ、2時間も寝てないモォォォ、横になって寝た時間なんてほぼないモォォォ」
社員(うぜぇ……)
みく「どうですかモォォォ? キリンちゃんは余り寝ないんだモォォォ!」
社員「そ、そうなんですか、初めて知りました。でも、それは封印しましょう、めっちゃイラッとします」
みく「……キリンちゃんについて調べていてほんとに昨晩はこんな感じだモォォォ」
社員「アッハイ」
社員(酷く濁った眼をしている……)
みく「なんだモォォォ?」
社員「なんで竹馬があるんですか?」
みく「ふっふっふ、これはキリンちゃんの足の長さを再現するためだモォォォ!」
社員「でも竹"馬"ですよね?」
みく「……き、キリンちゃんはウマの仲――」
社員「あ、ウシの仲間みたいですね」
みく「んもぉぉぉぉおおお!!!」
社員「あ、脚を伸ばす小道具ですもんね、ええ、ええ、大丈夫です! 竹キリン、竹キリン、ね? ね?」
社員「! 前川さん、私もキリンについて知ってることがありました!」
みく「ほんとですかモォォォ!?」
社員「あの、なんかバシーンバ
コメント一覧
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- 2016年07月02日 23:42
- 洋子「首を伸ばす? よし、ヨガを始めようよみくちゃん!」
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- 2016年07月02日 23:44
- ゾウゾウの実でも作成してんのかこの事務所は…
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- 2016年07月02日 23:47
- ??「ギリキリンアウトですね、ふふっ…」
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- 2016年07月02日 23:50
- そんな可能性あってたまるかw
でもアニマルプリントの服を着せられる可能性はあったと思うわ
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- 2016年07月02日 23:52
- オチで武内が麒麟のボケにでもなるのかと
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