171 名前:二流サラリーマン[] 投稿日:2000/03/18(土) 11:07
ギャンブル好きな父は、幼稚園に入ったばかりの僕の手を引き、
よく、日曜日、横浜桜木町の場外馬券売場に足を運んだ。
けれど、レースをするのはいつも途中まで。午後になると必ず
桜木町の駅に戻り、当時あったミルクスタンドで、
ホットドックを買って、僕に与えた。
ケチャップの甘辛い味と、やわらか歯ごたえが好きだった。
口の周りをケチャップで赤くした僕の手を引きながら、
いつも父の足は横浜港へ向かった。
空飛ぶカモメと港を行き交う船を見ながら、
港湾労働者だった自分の仕事を話をたくさんした。そして、
いつも最後は「この港が大好きだ。この港を支えるような大人になれ」
と僕の肩を掴んだ・・・。

あれから25年。期待にロクに応えられない息子で申し訳ない。
ギャンブルも酒も好きで、小さいアパート暮らしだったけど、
最後はマンションまできちんと買った。オレより遙かにしっかりしてる。
この間、風呂上がりに見た父の足のスネが、筋肉隆々だった面影もなく、
本当に細くなっていたのに驚いた。
ごめん、これから、もっと頑張るよ。