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死は万人に平等に、時と場合を選ばずにやってくる。というか我々の人生のゴールは死なのだ。だが何時何分何秒、地球が何回回ったときに自分が死ぬかなど、確実に予測できるものではない。死はいまだに生者にとっては未知なるものである。それ故に、様々な分野の研究者たちが、様々な観点で死を研究しているのだ。
ここでは、バイオケミカル、医療、遺伝子、社会学、心理学の5つの面から、まだあなたの知らないであろう5つの死や瀕死に関する研究結果を見ていくことにしよう。
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1. 人間の肉体が腐敗するとき、甘ったるい香りがする
死のニオイというものがどんなものか、表現するのは難しいが、人間の体が腐敗するとき、非常に複雑で様々なニオイ入り混じっている。実に400以上もの揮発性の化合物が含まれているいう。
その化合物の多くは、ほかの動物とも共通しているが、最近の研究で、人間特有の5つのエステル(水と反応してアルコールや酸ができる有機化合物)があるらしいことがわかった。これは、カエル、コマドリ、ブタなど、他の動物のもつ26の化合物と共通するという。
興味深いのは、この5つのエステルは、フルーツが、特に腐るときに発するにおいと同じであることだ。法医学者や葬儀関係者が、よく死体のニオイを表現するときに"甘ったるい香り"と言うのはこういうことからなのかもしれない。
2. 死後、爪や髪が伸び続けることはない
く死んだ後でもしばらくは爪や髪が伸びるという話を聞いたことがあるだろう。こうした噂が掘り起こされた遺体の不気味なイメージを思い出させる。爪や髪が伸びているのが確かに観察されたことからきているのだろうが、これはみんな錯覚だ。
実際には、死んだ人間の体から水分が抜けて縮んだせいで、爪や髪が伸びたように見えるのだ。心臓が止まって死んだと思っても、髪の小胞や皮下にある爪根は、直後はまだ生きている。しかし、これらの器官が爪や髪を作るためには、ホルモンによる調整が必要だ。死によってすぐにタンパク質や皮脂といった爪や髪の構成要素の供給がストップしてしまうので、伸びるということはない。
3. テロメア(染色体の末端にある末端小粒)の長さと寿命の関係
長いこと、わたしたちの細胞は適切な環境下にあれば、永遠に新しいものに入れ替わって死なないのではないかと思われていた。しかし、1961年、そうではないことがわかった。50〜70回の分裂を繰り返した後で、それが止まってしまうというのだ。
その10年後、ある仮説が出てきた。わたしたちの染色体の末端にあるテロメアという部分が分裂を繰り返すが、これが分裂するごとに短くなっていき、短くなりすぎると分裂が起こらなくなって、細胞は死んでしまうというものだ。
その後、このテロメアの長さが、人間に限らず生き物の寿命の長さを決めている証拠がいろいろ出てきた。しかし、すべての実験で確認できたわけではないので、短くなったテロメアが老化の原因なのか、単なる症状としての現われなのかは、まだはっきりわからない。もし、テロメアの長さが老化をコントロールしているのなら、その長さを操作すれば寿命を延ばすことができる可能性はある。
今のところ、テロメアが首謀者なのかどうか、まだあまりわかっていないが、このあたりに注意すべきかもしれない。
4. 死の恐怖は年齢と共に薄れる
年をとるにつれて死は近いものとなる。なのに年を取るほど死が怖くなくなると考えるのは、直観に反しているように思われるが、アメリカでの研究はこれが真実であることを示している。
ある研究では、40〜50代の人たちは、60〜70代の人たちに比べて死をとても怖がっていることがわかった。別の研究では、60代は中年(35〜50歳)や若い成人(18〜25歳)に比べて死の不安を感じていないという。20代をピークに、それ以降は年齢とともに死の不安が減る傾向にあるらしい。
男性の場合、60代でこの不安率は横ばいになり、女性の場合は、40代と50代の間でわずかに跳ね上がることがある。しかし、この傾向はアメリカだけのもので、ブラジル、フィリピン、ロシア、韓国などでは見られない。
こうした調査はあらゆる年齢層の人に対して行われたが、被験者の実際の寿命はトレースしていない。年齢と死への不安の間の相関関係が、世代的なものによって動かされる可能性はある。おそらく、わたしたちの祖先は、今のわたしたちよりも厳しい状況で考えさせられていただろう。
5. 死について考えると心が狭量になる
自分自身の死について考え、心に浮かんだ感情を簡単に表現し、物理的に死んだときのことを想定してそれを書き留める。これは、この25年間、200を超える調査で何千という大勢の人たちにやってもらったことだ。
その結果わかったことは、人は自分の死について考えると、人種を差別したり、売春婦に厳しい態度をとったり、外国製の食品を排除したり、リベラル派がLGBTの権利を支援しなくなったりするという。その一方で、もっと子どもをつくって、自分にちなんだ名前をつけたがる傾向もあるという。
つまり、死を考えるとわたしたちは、(不可能である)不死の象徴を追い求めるようになるということだ。自分の血を分けた子どもや、自分と同類だとみなすグループを身代わりにして、永遠に生きようとするのだ。死に直面すると、無宗教の人でも神や死後の世界を信じたがるようになるという証拠もある。
via:Five surprising findings about death and dyingなど、/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
とにかく死について考えすぎると、生きる意味や意義を見失ったり、目の前のことに対して何もできなくなったりするから抑えておいた方がいいと思うね。
2. 匿名処理班
死は、幻
3. 匿名処理班
死後の世界は基本的には信じてない
肉体がないのに意識が存続できるとは、個人的には信じ難い
でも身近な人が亡くなるたびに、どこかで幸せであってくれたら良いと本気で思うよ
4.
5.
6. 匿名処理班
取り合えず、楽に死ねるなら何でも良い
死に方や死後に拘りは全く無いな
7. 匿名処理班
自分の死を考えると心が狭くなるって本当かな?納得出来ないんだけど、どうしてそうなるのか誰か教えて欲しい。
8. 匿名処理班
死にたくて2日間寝込んだ後に
「よし、動こう!」って決心して荷物の整理を始めたら
なんかすっきりしちゃったことがあるな
9. 匿名処理班
一人平均3回ぐらい経験出来れば研究捗るのにね。でも解明されちゃうと商売あがったりの人たちも出ちゃうね。
10. 匿名処理班
じゃあゾンビってみんな甘い香りがするのかな?
フレグラーンス!
11. 匿名処理班
20代だけど死の事なんかは深く考えると狂いそうになるので余り考えないようにしてるかな まあ結局、後悔しないようにやりたいこと色々やろうて考えに辿り着いたわ
12. 匿名処理班
死そのものじゃなくて、死ぬ前に痛かったり苦しかったりするのが怖いなあ。
13. 匿名処理班
死にたくて仕方がなかった時に、死が生まれた時から側にいる、いてくれる事に気が付いた。
少し安心したし、追い求めなくても焦らなくても良い気がした。
14.
15. 匿名処理班
たこの一種には 卵を産むと死んでしまうのがいるが
その死はスイッチみたいなもので スイッチを取ると
たこは卵を産んでも死ななくなる
たこ本人にはつらい死だけど かといって死なないと
ゆくゆく子孫とえさの取り合いが起こってしまう
でっど おあ あらいぶだねぇ〜
16. 匿名処理班
※15
高齢化社会みたいですね
17. 匿名処理班
人はいつ死ぬか判らない。だから生きている内は好きな事をやるのさ、というのは正しいと思う。ただし、他人に迷惑を掛けない範囲での話だけど。自分の好きな事をやっていたら、死ぬ時にも満足して死ねるでしょう?『なかなか面白い人生だったなぁ』と、この世に未練なく旅立てると思う。だから、なるべく自分の理想に近く、好きな様に生きるのさ(尚かつ、それが人に役立つ事だったら、更に良いよね)それが私の生きる信条なのさ。
18. 匿名処理班
願はくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ
の西行法師も友人西住の死には狼狽し、かつての主君鳥羽院の葬列を見て哀しみ、木曽義仲の死を冷笑し、平宗盛父子の死には同情している。自分の死には泰然としていても他人の死には何らかの心の動きを禁じ得ないのが人間だと思う。
19.
20. 匿名処理班
死はバームクーヘン
サイコロに塩水をかけると死しかでません
21. 匿名処理班
怪我ばかりしてる人は寿命減るのかな
22. 匿名処理班
1番初めの人間がやらかしてくれたお陰で人は死ぬ者となってしまった。
本来ならば神と共に永遠に生きてこの地球を管理運営していくはずだったのに。
23.
24. 匿名処理班
メメントモリ……
25. 匿名処理班
回りに大切な人がいるかいないかって考える
子供が出来てからは健康や運転を気を付けるようになったな
26. 匿名処理班
1.
何名かお手伝いしてきて独特の香りも知っているが、「甘ったるい」と感じたことはないなあ。死を幻想的にしようと、誰か話を盛ってないか?
27. 匿名処理班
想いは山の彼方に
死は肩のうしろに
28. 匿名処理班
死はおわりなどではなく、新たな始まりにすぎない
29. 匿名処理班
人間は唯一死ぬことを知っている生き物である。
と、いうような言葉を映画か何かで見聞きしたことがあるけど
実際動物たちの場合は死をどういう風に感じているのだろうか。
個人的には動かなくなった仲間のそばで辛そうにしている動物の様子を見ると、そうは思えないのだけれど。
毎日を当たり前のように過ごしているけど明日突然死ぬかもしれない、とか
死とはどのようなものか、とか考えることはあるのだろうか。
30. 匿名処理班
殺虫剤を撒き、何千何万という動かなくなった虫を見ながら死についてよく考える。
死後に地獄に行ったら奴らが待ち構えてると思うと少し気が重いねえ。
31. 匿名処理班
年寄りの方が死を恐れはいっていうのは、不自由さが増してきたからだろうな。
70歳で18歳の肉体をもっていたら死ぬのは怖いはず
32.
33. 匿名処理班
植物は非常に長生きする生き物だが、その理由は二つある
まず一つはテロメアーゼが存在し、テロメア伸長ができるので細胞の分裂回数に限界がないこと
もう一つは、側芽になる運命の細胞が発生途中で分裂を停止させ、時期が来るまでずっと待機してることによってDNA複製の変異リスクを抑えているということ