アメリカ政府は、イスラム過激派組織ISISが過去2年間でTwitterでの45%のトラフィックを失ったと発表しました。これは同盟国との協力のもとでイメージや声明を大量に発信した成果であるとのことです。
今年3月、米国務省は新組織GEC(Global Engagement Center)を立ち上げて、友好国がイスラム過激派の勧誘を阻止するための支援を本格的に開始。その一例が、テディベアの形をしたメッセージ(タイトルのイメージ)です。この中にはISISが子供を虐殺し、無実の人間を処刑し、女性の声を奪っているといった言葉がアラビア語でうめこまれているというしくみ。
こうしたメッセージは米政府が直接発信するのではなく、イスラム諸国や宗教指導者、学者や若いリーダー、それにローカルな地域で信頼できるグループを通じて広めているとのこと。
GECの責任者Michael Lumpkin氏は、海外メディアAssociated Press(AP)の取材に対して次のように語っています。
「我々はオンライン上でのISIL(ISIS)の影響力を削ぐように努め、実際にソーシャルメディアでの存在感は衰えつつある。ISILに反対する声は高まっており、それこそがISILの兵士を採用する力を弱める手段であり、我々がメッセージを発信する主な目的だ」
APの調べによれば、ネット上のIS反対派とIS支持派のコンテンツの割合は6対1で、昨年よりも改善。ISを支持するTwitterアカウントの平均フォロワー数も2014年の1500から300へと落ち込んでいるそうです。
米政府と公式に連携しているわけではありませんが、Twitterもテロリズムを支援するツイートを識別して削除する取り組みをしているとのこと。最近アメリカやヨーロッパで相次ぐ銃乱射事件の犯人もISISへの忠誠を誓いながら直接のコンタクトはなかったと報じられており、ネットでの情報戦略がテロリズムを有効に封じ込めるよう願ってやみません。