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まるで伝染病のように、1930年代、ハンガリーのブダペストでは自殺が流行した。市はそれを防止しようと「スマイルクラブ」なるものを作って対処した。これは、人々に笑い方を教えるというちょっと変わった方法で、1937年10月17日の『サンデータイムズ・パース』に、これに関する記事が載っている。
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自殺の町が笑顔の町になる ブダペスト 土曜日
世界中の観光客を惹きつけているブダペスト。だが、この数年(1930年代当時)、自殺の町として有名になってしまっている。
ブダペストは戦後、毎年国内で起こる自殺件数の多さで、不名誉な評判にさらされている。ブダペストを代表する歌『暗い日曜日』に刺激されて、市民が自殺に駆り立てられているという説もあるが、それにしてもこの町の自殺率は明らかに高い。
うつに苛まれている人たちは入水自殺が多く、ドナウ川の暗い水中に永遠の安息を求めようとする市民を助けるため、パトロール船が橋のそばに待機しているくらいだ。
熱に浮かされたようなこの自殺の流行を阻止するために、スマイルクラブが創設された。もともとは、教授のジェノとヴィンクゼという催眠術師がジョークとして始めたものだったが、これがけっこううけた。彼らは学校を開設して、ルーズベルト、モナリザ、クラーク・ゲーブル、ディック・パウウェル、ロレッタ・ヤングなど、さまざまな人物の笑顔をマスターできるようになるとして教え始めた。料金はそれぞれの難易度によって違う。
ジェノによると、この学校で採用している方法は、ブダペストでの好調ビジネスの後押しもあって笑顔を人々の間に広めていて、近い将来、この町の名が自殺ではなく笑顔の町に変わることが期待できるという。
ブダペストのスマイルスクールにて、さまざまな女性たちの笑顔を見つめる女性。壁には2種の笑顔とモナリザの絵が貼られている。(Het Leven 1937)
『暗い日曜日』はレジェー・シェレッシュ作曲の1933年のヒット曲だが、マスコミによって自殺ソング、殺人ソングとして宣伝され、世界中に広まった。この曲のせいで、大勢の人が自殺したと言われている。
しかし、これはおそらく故意に作られた今世紀最大の捏造のひとつだろう。 8 O'clock Newsの犯罪レポーターでもあった作詞のヤーヴォル・ラースローが、17人の自殺者の遺体のそばで連続してこの曲のスコアが見つかったことにふれ、さらに、同じ新聞社が自殺を煽るとしてこの曲を非難して放送禁止を要求した。
暗い日曜日:Gloomy Sunday (Original version)
新たに国際プレスもこうした話題に便乗し、この曲のスコアは非公式に出版されても、ハンガリーではまったく演奏や録音もされず、誰にも知られなくなった。自殺の広がりを防がなくてはならなかったブダペストでは、外国人客にこの曲をリクエストされても、流行りのバーのピアニストでさえ知らないという奇妙なことが起きた。
ところが、こうしたニュースを裏づけるような別の筋が現われた。オランダのタブロイド紙Het Levenが、1937年の同じ年にこのスクールで笑い方を教わっている人たちの写真5枚を掲載したのだ。
ブダペストのスマイルスクールで、モナリザの笑みを示している白衣の教師(Het Leven 1937)
ブダペストのスマイルスクールの戸外で、笑顔の仮面をつけた6人の人たち。中央には笑顔の男性の写真がある(Het Leven 1937)
その笑顔の男性は、フランクリン・ルーズベルト大統領。その笑顔で最優秀賞を受賞しているが、1937年のブダペストでどれくらいの人が彼のことを知っていて、彼の笑顔を教材にするのがどれほど適切だったろうか。
ブダペストのスマイルスクールで、生徒たちの前で5つの笑顔の口形を示す白衣の教師(Het Leven 1937)
ブダペストは、Het Levenにとって特に注目すべき重要なテーマというわけではなかった。1916年から1941年の写真アーカイブの中で、この町が出てくるのはたったの6回。
今さらこのハンガリーの首都に精通しているかのような物言いは奇妙だ。ほかの5つの記事にも自殺の町のトピックが含まれていて、確かに読者にとってセンセーショナルな内容ではある。1937年にはブダペストのビルの2階から飛び降りる女性の、明らかなやらせ写真を載せている。
その写真アーカイブの序文にあるように、Het Levenはタブロイド紙で、硬派なニュース写真、パパラッチ写真、精力的で洞察力のあるセンセーショナルなスタイルを売り物にしている。刺激を欲しがる読者の欲望を満足させるようなやらせ写真や捏造も臆することなく堂々と手掛けた。今回も同じことが行われた可能性はないだろうか?
Het Levenと同じ意味をもつアメリカの『ライフ』誌は、1937年9月6日、ブダペストのスマイルスクールについて短い記事を載せて種明かししている。
ブダペスト、笑いを無理やり教え込まれる自殺の町
ハンガリー、ブダペストのジョークで、このところ"スマイルスクール"なるものが取り上げられている。これは、『暗い日曜日』というブダペストの歌に触発されたとされる自殺者数の増加という悪評判対策のアイデアだという。
ブダペストの自殺率は、確かにとても高い。ドナウ川のほとり、ブダペスト橋の近くにはパトロール船が待機して、水に飛び込んで死のうとする人を救助しているらしい。
スマイルスクールは、ジェノ教授とヴィンクゼという催眠術師によるやらせだ。料金500ドル、6週間でルーズベルトスマイルができるようになるとうたっている。モナリザスマイルは、なかなか難しいが料金は安い。ジェノは今や45人の生徒を抱えていて、いいビジネスをすれば、生徒は自然と笑えるようになると言っている。
via:vintag.es・/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
新小岩駅の次の手はこれだな。
2. 匿名処理班
お金をあげればいいも思う、頂戴?
3. 匿名処理班
現代日本にも必要かも?
4. 匿名処理班
2階から飛び降りる写真の女性の勇敢さに感服
5.
6. 匿名処理班
子猫をばらまいておけば自然に笑顔になるかも
7. 匿名処理班
価値観が違いすぎるのと記事の虚構がわかりにくいおかげで
狐につつまれたような気分になった
8.
9. ナパチャット
ワイ、スマイル党に入党を決意(年会費千円)
10. 匿名処理班
口角が下がっている自分は無理して笑うと狂気の笑みになる。
11. 匿名処理班
どう考えても逆効果・・
12.
13.
14. 匿名処理班
現代日本は笑顔でいることを強制されて鬱になってるので全く意味ないな
15.
16. 匿名処理班
サムネが自撮りに見えた…
17.
18.
19. 匿名処理班
スマイルクラブで・・・皆に笑顔を・・・
20. 匿名処理班
※7
キツネにはつままれるものですよ、と
『暗い日曜日』、良い曲なのにいらんイメージついてて大変だよなぁ
21. 匿名処理班
マルチ商法とかネットワークビジネスやっている連中がうさんくさい笑顔だとおもったら、そういうところで教えられる勧誘セミナーとかで笑顔の講習するらしい。
「ステップアップしている自分」ってのを思い込ませるのに、今も昔も「笑顔の練習」ってのは手っ取り早いんだろうね。
22. 匿名処理班
取り敢えず暗い日曜日を聞いて自殺する人が相次いだってのは嘘だったってのは分かった。
23.
24. 匿名処理班
笑顔だから楽しくなるという学説があるよね
25.
26. 匿名処理班
最初の写真がポケモノGOプレイ中にしか見えなかったぜ
27. 匿名処理班
「自殺が流行」っていうワードだけで狂気を感じる
28.
29. 匿名処理班
ハンガリー人ってとんでもなくネガティブな人ばかりと聞いた
帝国に言語も文化も取り上げられイジメられ抑圧された歴史からなのかな
30. 匿名処理班
ブラック企業は笑顔やポジティブを強制するもんなんだよな。
結果、鬱は悪化する。
31. 匿名処理班
※27
自殺の流行って実は日本にもあって、マスコミがこぞっていじめ自殺を取り上げてた時期は学生の自殺が増えたんだよ
誰かがやってると、ああ楽なのかなってハードルが下がってしまうみたい
32.