兵藤レナ「今と昔のPくん」
兵藤レナ「人生のギャンブル」
の続きです。
読んでなくてもなんとかなると思いますが、読んでいただけてると色々設定が分かりやすいです
モバP(以下P)「ん……?」
P(なんだ……? なんか柔らかい抱き枕みたいなのが……?)
P「んー……?」
レナ「すー……すー……」
P「……なんだ……ねーちゃんか……ならいい……か……」
P「って!? よくない! 何してんだ!」
レナ「うん……? 何よ……朝から元気ね……ふわぁ……」
P「起きろ馬鹿!」
レナ「もう少しくらい良いじゃない……。まだ6時前よ……?」
P「そう言う問題じゃない! なんでここに居るんだ!」
レナ「……? 昨日から住むことになったじゃない?」
P「それが聞きたいんじゃなくて! なんで俺のベッドに居るの!」
レナ「ああ……そっちね」
P「昨日布団買ったでしょ!? 宅配頼めば良いのに! 俺が! わざわざ担いで持ってきた布団が!」
レナ「あー……そうね。昨日はありがと」
P「どういたしまして!」
レナ「……私、結構長い間アメリカに居たじゃない?」
P「え? まぁ、そうね」
レナ「アメリカではずっとベッドで寝てたのよ」
P「うん?」
レナ「だからなのか布団じゃ寝付けなくて……」
P「はぁ!?」
P「だからって俺の許可なくベッドに入らないで頂けますかね!」
レナ「? 何言ってるのよ。昨夜許可取ったじゃない」
P「え? マジで? いつ? 覚えてないんですけど」
レナ「えっと……なんか寝付けなかった頃だから……」
レナ(……寝れない)
レナ(どうしてかしら……時差ボケ……はさすがにもう大丈夫だと思うし、まさか寝るの疲れるって歳でもないし……)
レナ「今更一人で寝るのが寂しいわけでもないし……」
レナ「うーん?」
レナ(あ、そっか。布団だからね!)
レナ「ベッドに身体が慣れ切ってるって事ね……」
レナ(となると……さすがに寝ずにってわけにはいかないし……)
レナ「ま、いっか」
レナ「おっじゃましま~す……」
P「んあ……? ねーちゃ……?」
レナ「あら、ごめんね。起こしちゃった?」
P「んーん……寝てる……」
レナ「そう……。じゃあ寝てるところ悪いけどちょっと横にずれてくれるかしら」
P「なんえ……?」
レナ「一緒に寝るからよ」
レナ「……ダメだったかしら……?」
P「いーよ……」
レナ「ありがと、Pくん」
P「ういす……」
レナ「じゃあ、改めておやすみなさい」
P「おやすみ……」
レナ(ふふっ……寝顔は昔のままね)
レナ「ふわぁ……」
レナ(あ、寝れそう。よかったわ……)
レナ「って感じで」
P「覚えてないんですけど! ていうか、寝ぼけてるのわかるだろ!?」
レナ「良いって言ったのはPくんよ」
P「でも!」
レナ「それに、私に抱き着いてきたのはPくんの方よ」
P「そ、そんなわけないだろ……」
レナ「抱きしめ返してあげたらにへって顔もしてたわね」
P「くそったれぇ……」
レナ「というか、起きたなら言わなきゃいけない事、あるでしょ?」
P「あ、はい」
P「おはようございます」
レナ「おはようございます」
レナ「ふふっ」
P「……何」
レナ「ううん。懐かしいなって」
P「……そりゃ5年ぶりくらいだし」
レナ「よく覚えてたわね。偉い偉い」
P「なでるなよ……。それに挨拶に関しては親父もおかんもうるさかったし、おじさんもおばさんもうるさかったし」
レナ「そうねぇ。何故かおじさまもおばさまも挨拶だけは厳しかったわね。『親しき仲にも礼儀あり!』って」
P「まぁ、お陰で今は恥ずかしくない大人になったけどさ……」
レナ「ふふっ。そうね」
レナ「じゃあ、大人らしくお仕事行く準備しましょうか」
P「えっと、鍵はっと……」
レナ「いつもPくんが鍵開けてるの?」
P「いや? 早く来た人が開けてる。ねーちゃんにはまだ渡してないけど事務所の鍵は全員持ってるから」
レナ「アイドルも?」
P「うん。少人数の事務所だしね」
レナ「じゃあお仕事ない時はここに居てもいいのね」
P「むしろそうして。俺の部屋に居られるとなんか怖い」
レナ「怖いって何よ。失礼ね!」
レナ「それにもう大体のものは見つけたわよ?」
P「!?」
レナ「ちょっと工夫して隠してあったみたいだけど、お仕事の資料が入ってる棚に英語の辞書はおかしいわよね」
P「見たのか!? 見たんだな!?」
レナ「大丈夫よ。他の娘には言わないであげるから」
レナ「ま、あとはパソコンくらいね♪」
P「ちくしょう……」
ちひろ「プロデューサーさんはうなだれてどうされたんですか?」
レナ「おはよ、ちひろさん」
P「ねーちゃんが俺の見られたくないとこばっかり見つけよる……」
ちひろ「ふふっ。本当に仲が良いんですね♪」
レナ「えぇ! 大事なおとうとですもの!」
P「……」
ちひろ「……プロデューサーさん?」
P「はい?」
ちひろ「なんか表情が堅かったですけども……」
P「あぁ、すみません。今日の仕事の事考えてて」
ちひろ「そう、ですか?」
レナ「何? そんなに難しい仕事なの?」
P「仕事の内容は大したことないんだけどね」
P「オファー来た人間に難が……」
愛海「おっはよー! 今日も良い天気だね! 絶好のお山登り日和だよ!」
P「えぇい!来おったな! 愛海ぃ!」
愛海「えっ!? あたし今日はまだ何もしてないよ!?」
P「今日は……だと!? 昨日は何した! 言え!」
愛海「あ、やば……! あ、あたしトイレ行ってくるね!」
P「待てや! コラ!」
ちひろ「あ、はい。行ってらっしゃい……」
レナ「あら……行っちゃったわね」
ちひろ「行っちゃいましたね」
レナ「愛海ちゃん……だっけ? そんなに問題あるのかしら?」
ちひろ「愛海ちゃん自体には問題ないんですけどね。行動が少し……」
レナ「お山がーとかってとこかしら?」
ちひろ「えぇ……共演者に始まりスタッフや道行く人まで手当たり次第に……」
レナ「なるほどねぇ……」
ちひろ「ところでレナさんはどうされますか?」
レナ「どうって?」
ちひろ「まだお仕事入ってませんし、レナさんさえ都合が良ければ里美ちゃんのレッスンの見学は出来ますけど」
レナ「んー、そうね。こうしていても暇なだけだし、せっかくだから見学させてもらおうかしら」
ちひろ「では、里美ちゃんが来たら一緒にレッスン場までお願いしますね」
レナ「わかったわ!」
レナ「里美ちゃんが来るまで何か出来る事あるかしら? 手伝うわよ」
ちひろ「そうですか? ならこっちの書類の確認を……」
ちひろ「あら、おはようございます。里美ちゃん」
レナ「おはようございます」
里美「ほわぁ……おねえちゃんもお仕事ですかぁ?」
レナ「お、おねえちゃん……?」
里美「? おにいちゃんのおねえちゃんだからぁ、おねえちゃんですよぉ~?」
レナ「んん!? そう、なのかしら!?」
里美「ですぅ~」
ちひろ「ふふっ。レナさんには里美ちゃんが来るまで私のお手伝いをしてもらっていただけですよ」
里美「ほわぁ……そうなんですかぁ」
レナ「そ。里美ちゃんのレッスンに着いていかせてもらおうと思ってね」
里美「おねえちゃんと一緒ですかぁ。楽しみですぅ~」
レナ「うーん、なんかこの娘相手だと気が緩んじゃうわね」
ちひろ「藍子ちゃんも一緒だと全体の空気がふわふわしますよ」
里美「ほわぁ……」
ちひろ「というわけで、里美ちゃん。レナさんにレッスン見せてあげてくださいね」
里美「はい~!」
里美「じゃあ一緒に行きましょう~」
レナ「えぇ」
レナ「ねぇ、里美ちゃん」
里美「はい~?」
レナ「Pくん、ちゃんとお仕事出来てる?」
里美「もちろんですぅ」
里美「おにいちゃんはいつも頑張って私達のお仕事とってきてくれますぅ」
里美「あ、でもぉ、最近はちょっとうまくいってないみたいでぇ、一人の時は泣きながらお仕事してるらしいです~」
レナ「ふふっ。Pくんらしいわね」
レナ「でも、里美ちゃんから見てもPくんは頑張ってるのね」
里美「はい~! 大好きなおにいちゃんですぅ!」
レナ「うふふ。なら良かったわ。Pくんもこんなに可愛い妹が出来てとっても幸せね」
里美「……今は妹ですけどぉ、いつかはお嫁さんになりますよぉ~」
レナ「あら。Pくんモテモテじゃない」
レナ「ふふっ。そうね。Pくんはかっこいいものね」
レナ「さ、準備が出来たならトレーナーさんのところに行きましょうか」
里美「はぃ~」
レナ「私に里美ちゃんのかっこいいところ見せてね♪」
里美「頑張りますぅ~」
レナ(普段とは比べものにならないくらい真剣な顔つきね)
レナ(やっぱりPくんが見込んだだけのことはあるわね)
レナ(……もし私が今の里美ちゃんと同じ事をしたら間違いなく筋肉痛になるわね)
レナ「はぁ……歳は取りたくないわねぇ……」
里美「おねえちゃん~!」
レナ「ん? どうしたの?」
里美「トレーナーさんが、見てるだけじゃ物足りないだろうからってぇ」
レナ「……え?」
里美「一緒にレッスンしましょう~」
レナ「えっ」