シン「女の心変わりは恐ろしいのぉ!」
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ユリア「宝石やドレス…。物では私の心は変わりません。しかもこれは暴力で奪い取ったもの」
ユリア「人の血が流れた物で私の心が開くと思っているのならシン、むしろ貴方を軽蔑します」
シン「俺にケンシロウと同じ生き方をしろと言うのか」
シン「出来んな」
ユリア「貴方には貴方の、ケンにはケンの生き方があります。貴方にケンの真似をして欲しいとは思いません」
ユリア「ただ、昔のシンに戻って欲しい。ケンや私と共に笑ったあの頃の貴方に」
シン「フッ…ユリア、見ていろ。今度はこんなチンケな物ではない!女王だ!お前を女王にして見せる!」
シン「そうすればお前も変わる。…絶対にな!」カツカツカツ…
ユリア「…シン。貴方はどうしてしまったの…」
シン『ユリア…、知っているとも。お前の中にはいつもケンシロウが居る事も、俺が何をしようがそれは変わらない事も…』
シン『いや、変わってもらっては困るのだ。お前はケンシロウと幸せになるべき女!』
男「悪役は辛いな」
シン「むっ、貴様…何者だ。如何に気を抜いていたとは言え、これ程近付くまでこの俺が気付かんとは」
男「お前、ワザとユリアの心を閉ざし続ける様に振る舞っているな」
シン「見ず知らずの貴様に話す事はない。早々に立ち去るがいい」
男「その想い、誰にも知られぬままケンシロウに倒されるつもりか?」
シン「何だと?」
男「俺が何者でも良かろう。胸の内を外に吐き出せば、お前の運命も変わったものになるかも知れんぞ」
男「想う事、それだけでこの世界に大きな影響が及ぶ。それが破壊的なものなら破壊を、創造的な想いなら創造を生み出す」
シン「絵空事にしか聞こえんな」
男「お前はジャギに唆されてケンシロウからユリアを奪ったな。あれは本当にジャギの甘言に乗っての事か?」
シン「なに…?」ピクッ
男「いや、いくらなんでも単純過ぎる…と何時も疑問に思っていたのでな」
シン「何時も?何時もとはどういう事だ?しかも何故その事を知っている」
男「そこは聞き流す場面だ。…で、どうなんだ?」
シン「色々と知っている様だな。妙な男だが貴様に興味が湧いてきたわ」
男「ある意味…とは?」
シン「俺はユリアを愛している。愛しているからこそ解ってしまうのだが、ユリアが愛しているのはケンシロウだ」
シン「そしてケンシロウもまた、ユリアを愛している。奴とは幼馴染みでな、奴の気持ちも昔から良く解っていた」
男「ふむ。どうやらお前は人が人を想う気持ちを察する能力が高いようだな。流石は愛に殉ずる星の男」
シン「俺が殉星の男と知っていたか。つくづく妙な男よ」
シン「奴の話は適当に聞き流すつもりだった。だが、奴の―」
―シン。貴様もケンシロウの甘さは知っていよう。今の時代を奴では生き抜く事は出来ん!
―となればユリアは別の誰かの手に落ちる!
男「ある男とは!?」
シン「…ラオウという男だ。奴もまたユリアを想う男の一人。しかし、奴のユリアに対する想いは愛ではなく支配欲だ」
シン「奴はあまりにも強く、危険な男だった。伝承者となったケンシロウ相手であっても躊躇なく奪いに走り兼ねない男だったのだ」
男「だから、ラオウに奪われる前にお前が奪い、ユリアを護ろうとしたのか」
シン「結果的にそうなったが、そうではないのだ」
男「?」
シン「俺はケンシロウの力量を疑ってはいなかったが、奴の甘さが何時か致命的な結果を迎えるのではないかと危惧していた」
シン「そこで奴を試す事にした」
シン「力こそが正義、良い時代になったものだ」
ケンシロウ「シン?」
シン『ケンシロウ、悪いがお前にユリアを守る力があるかどうか試させてもらうぞ』
シン『ここでお前が甘さを見せて俺に敗れるようならば、ラオウからもユリアを守る事は出来ん!』
シン「ユリアは俺がもらう!」ババッ
シン『ケンシロウ!俺を倒してユリアを守れる事を証明してみろ!』
ケンシロウ「シン!狂ったか!」ババッ
南 斗 獄 屠 拳
北 斗 飛 衛 拳
シン「」スタッ
ケンシロウ「」スタッ
シン『ケンシロウの馬鹿め~!』
ケンシロウ「うああ~!」ブシュゥ!
シン「…と言う訳だ。俺は相討ちすら覚悟で拳を放ったのに、奴の拳はまるで俺を倒す気が感じられんかった」
シン「奴の甘さは俺の想像を遥かに越えていたのだ。ユリアがかかっていれば甘さも抜けると思っていたが…あのザマだ!」ギュッ
男「では、何故胸に七つの傷を?」
シン「うむ。奴のあまりの不甲斐なさに腹を立ててな、本気で殺してやろうと思ったのだ」
シン「だが、それではユリアが哀しむ。俺は殺したい衝動を必死に抑えて、ユリアにこう言った」
シン「ケンシロウを助けたくば俺を愛していると言ってみろ…とな」
男『この話を聞くと悪いのはケンシロウではないかとすら思えてしまうな』
男「苦労したな」
シン「当然、そんなケンシロウにユリアを安心して任せる事は出来ん。奴が真にユリアを守れる男になるまで、俺が代わりにユリアを守ると決めたのだ」
シン「俺は配下に支配する関東一円の広い範囲で暴れさせ、ケンシロウがこのサザンクロスに来る様に仕向けてある」
シン「奴は必ずユリアを取り戻しに来る。あれほど完膚なきまでに叩きのめし、罵詈雑言を並べ立てておけば、流石に俺に対する甘さは抜けていよう」
男『お前、どんだけケンシロウの事気に掛けてんの』
シン「別に構わん。ユリアが居ると知られさえしなければ…な」
男「仮に知られてしまって、ラオウにユリアを渡せと迫られたらどうする?」
シン「そうなればこのシンが守り抜いて見せるわ!」
男『この男の愛は性別の垣根を越えているな。まさに殉星』
男「それ、ユリアに打ち明けた方が良いんじゃないのか?ユリアは完全にお前の事を誤解していると思うぞ」
シン「ユリアはケンシロウと結ばれ、幸せになるべき女だ。俺はどう思われても、それで彼らが幸せになるならそれで良い」
男『まさに“漢”よ…。だが、それでは余りにもこの漢が報われなさ過ぎる』
モヒA「おい、一杯やろうぜ」
モヒB「ああ。おい酒だ!早くしろバーテン!」
男「自分で注げ」ドンッ
モヒB「なんだとこらぁ!家畜の分際でご主人様に逆らおうってのか、おっ?」グイッ
モヒA「どーやら調教が必要な様だな」コキッコキッ
―やめなさい!
モヒA「なんだとぉ~!…は!」
モヒB「ハート様…」サーッ…
ハート様「ふぁーっ、ったくカスどもが~。自分より弱い者にしか意気がれないとは情けない奴等だ!」
ハート様「さっ、続けなさい。困った事があったら何でも言うといい。君達は大切な労働力なんだから」ニコーッ
男「うむ」
ハート「では、私にも一杯もらおうかな」
ハート様「ありがとう。君も一杯やりたまえ」
男「ではコーラをもらおうか」トクトクッ
ハート様「君がキングの言っていた妙な男かね?色々とアドバイスをしてくれたそうじゃないか!」
男「あの漢は自分の在り方というものを知っていた。だからアドバイスの必要は無かった」
ハート様「グフフ、久し振りに良いニュースですね。私もキングに支える甲斐があるというものです」
男「しかし、シンの愛は外に向かい過ぎていて、自分の事は疎かになっているような感がしないでもない」
ハート様「それはどういう事かね?」
男「ハート様は、愛って何だと思う?」
ハート様「ホッホッホッ…キングを呼び捨てに出来るくらいです。私も呼び捨てにして頂いて結構ですよ」
ハート様「君は確かに妙な男ですねぇ。あぁ、愛とは何かでしたね?愛とは人に対する執着とかと勘違いされがちですが、私は違うと思うのですよ~」
男「ほう。…と言うと?」
ハート様「愛してるからずっと自分の側に居ろ、自分以外の者を愛するな…これはよくある話でしょう?」
ハート様「これでは取り引きです。そんなの愛とは呼べませんねぇ」
ハート様「愛とは、お互いに代償を求めず自然と与え合う関係が成立している状態…とでも言いましょうかねぇ。あ、おかわりもらおうかな」トンッ
男「流石にハートの名を冠し、シンの片腕と呼ばれるだけの事はある」トクトク
ハート様「君はどうしてそう決め付けるのかね?クイーンにも話を聞いてそう結論出したのかね?」
男「えっ?」
ハート様「愛の形とは何も、男女関係だけではないと思うのですよ~。まあ、私も上手くは言え…ん?」チクッ
男「どうした?」
ハート様「ち…血~…」ソーッ
男「あっ、ボロいカウンターだから剥がれた木の破片が…」
ハート様「いてえよ…」
男「やば」
ハート様「痛えよー!」ガッシャーン!
モヒA「こらバーテン!テメェ何してくれやがったんだ!?」
モヒB「この方は自分の血を見ると周囲の人間を皆殺しにしないと気が収まらなくなるんだ!」
男「知ってるよ。じゃあな」
パァァァッ
モヒA「おお!傷が!」
モヒB「クイーン、俺らみたいな奴らの為にすみません」
ユリア「」ニコッ
男「それがお前の南斗聖拳か」
モヒA「あっ、テメェはバーテン!」
モヒB「このやろ~…貴様のせいでハート様に説教喰らうわ、大怪我させられるわで散々な目に遭ったぞ!」
ユリア「すみません、貴方達の怪我は治ったはずです。席を外してください」
モヒA「へ…へいっ」
モヒB「クイーン、ありがとうございやした!」
ユリア「貴方はどうして、これが南斗聖拳だと分かったのですか?他の南斗聖拳とは性質がまるで違うはず」
男「お前が南斗六聖拳の一人だという事も知っている」
男「お互いに相手が何者であるか、それは重要ではない。重要なのは自分がどう在るかだ」
ユリア「不思議な事を仰いますね。でも、それはその通りかも知れません
コメント一覧
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- 2016年07月26日 22:33
- いと恋し
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- 2016年07月26日 23:36
- 後付けではあるけどシンはユリアとケンシロウのために悪名を被って命を捧げた哀しい偽悪者やからなぁ
3人がそれぞれの想いを知ってれば原作のようにならなかったんだろうな…
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- 2016年07月26日 23:39
- ユリアに「好きと思われていると知っただけで死にたくなる」とまで言わせたシン
一体何をしたのか
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- 2016年07月26日 23:57
- 何かとヤンホモ扱いされるシンだけどこういうのもいいよね
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