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VAIO C15実機レポ。ピカチュウ色? な黄×黒など個性派ツートン4種と、発表会でも仕様解説一切なしの割りきりが魅力 - Engadget Japanese


7月26日、VAIO株式会社が2016年度経営方針と新製品の発表会を開催。同日発表された15インチ液晶搭載ファッション重視ノート『VAIO C15』を公開しました。価格は、個人向け標準仕様モデルが9万4800円(税別)で、直販(オーナーメイド)モデルが6万6800円(同)から。直販の受注は本日から、発売は8月5日。ただしイエロー/ブラックのみ9月1日受注開始、9月9日発売と遅れます。

特徴は、メタリックフィルムをあしらったツートンカラー×4色のカラーリング。ポケモンGO大流行のタイミングで出たことで、思わず「これは『ピカチュウカラー』では」と呟きたくなるイエロー/ブラック(写真)をはじめ、他社製PCを含めて、昨今のPCでは見られなかった目を惹く仕上げとなっています。

VAIO C15 実機

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20 枚






さて今回の主役となったVAIO C15は、15.5インチ液晶ディスプレイを採用する、いわゆる家庭用ノートPC。標準モデルでの本体サイズは380.8×260.8×26.6mm(幅×奥行き×厚さ)、重量は約2.5kg。標準構成モデルは高価ですが、Microsoft Office Home and Business Premiumが付属します。基本的な特徴などに関しては、発表時の記事を参照ください。

新型VAIO C15誕生。これまでの常識を打ち破るカラーリングが魅力のデザインノート



さて、発表会ではC15の特徴などに関して、同機の企画リーダーである商品企画部の小笠原努氏から解説されました。興味深かった点についてピックアップします。



まず面白いのは、従来のVAIO製ノートPCであるZシリーズやSシリーズで言うところのデザインと、C15のデザインとの違い。ここに関しては、ZやSシリーズが「機能的デザイン」であると紹介。対して今回のC15は「感性的デザイン」と位置づけ、同じ「デザイン」として語られる言葉であっても、路線が異なるものと位置づけました。



それを踏まえて、キャッチコピーには、「PCだって『これ、好き』で選んだっていい」と紹介。VAIO製品の全体テーマである「快」に対し、「自分の好みとなるカラーリングやインテリアにマッチするデザインがある、という点も一つの『快』である」と続け。C15は路線こそ新しいが、VAIO製PCのテーマに沿ったもの、とまとめました。

さて、「30代から40代の社内スタッフ間で、どんなお店でインテリアを買うかといった点から協議して作った」(小笠原氏)というC15のデザインは、「個性的にもかかわらず、部屋になじむ」「見た人がいろいろと語りたくなるデザイン」という点を狙ったものと紹介。



カラーリングでの大きな特徴となるのは、下記の4点。
  • 4色すべてがツートンカラー
  • ツートンの片方は金属蒸着を施したフィルムによるメタリック色
  • ツートンカラーの切り替えは天面(蓋側)とキーボード面の2面
  • 切り替えパターンは4種の色ごとに異なる(=細かなデザインは4パターンある)

これらにより、本体の基本設計(現行モデルVAIO S15をほぼ踏襲します)は同一ながら、見た目の印象は大きく異なるデザインになっているのがポイントです。

また技術的には、金型から樹脂を抽出成形する際、同時にフィルムと印刷図柄を部品に転写しするIMR(In Mold Releases)成型と呼ばれる技術の採用がポイント。これにより、ツートンカラーの加工で問題となりがちな色の境界面の仕上げ精度を向上しています。

合わせて、天面やパームレストの表面層はUVハードコート。適度な光沢もありながら指紋も付きにくい加工で、耐久性も高い仕様です。



なお、メタリックカラーのフィルムと聞くと、一部の車好きはラッピングカーで使われるフィルム(一見すると本当の金属かと思うような光沢が特徴です)を連想するでしょう。そこを小笠原氏に尋ねたところ、同種のフィルムを使っているとの回答を得ています。このためか、実機で見るとフィルムとは思えないほどの美しい金属光沢となっています。



さて、実際の4色を、発表会で紹介されたイメージとともに紹介しましょう。まずは、「ホワイト/カッパー」。これは「ホワイトの腕時計にカッパーのワンポイント金具をあしらった」ところをイメージしたデザイン。



カッパー(銅)の色が目立ちすぎないようにしながらも存在感のあるところを狙っており、キーボード面もカッパーの面積は少ない設計です。しかしカッパーの光沢は実際の銅かと思うほどで、ワンポイントでも確かな存在感があります。



続いて紹介されたのが「ネイビー/グレー」。これは「ネイビーの表地にグレーの裏地やベストを合わせたビジネスマンのスーツ」をイメージしたもの。どこに合わせても回りの印象を損ねない、落ち着いた路線の色味です。グレーの面積は天面側は少なめながら、キーボード面はブルーと半々程度と、調和重視です。



そして一転して個性的なカラーリングが、「オレンジ/カーキ」。これは「フライトジャケットの表と裏地やスケッチブックの表紙などで長く使われる色の組み合わせ。元気が出る明るい配色」のイメージです。開発者の間では「かぼちゃ電車」こと東海道線(113系)とも呼称されていたそう。



実際の色味は、いわゆるカーキ色の中でも「オリーブドラブ」に近い印象。ただし光源によって印象が大きく変わります。そこに加えられる光沢感はかなり強く、比較的印象が強い色であるオレンジとのバランスも取られていると感じました。配色バランスは、天面はカーキ7にオレンジ3、キーボード面は半々程度というのも面白いと感じます。



最後がこのタイミングで出たこともあっての注目色「イエロー/ブラック」。これはもちろんピカチュウから......というわけではなく、「レーシングカーで見られる配色」をモチーフにしているそう。ただしこのカラーだけ配色が一部ストライプになっていることもあり、スタッフの間では「阪神タイガースカラー」という通称もあったとのこと。



配色に関しては、上述したように天面に細いイエローラインが、キーボード面では中央にブラックが入ったようなストライプとなっているのがポイント。とくにキーボード面を見ていると、タイガースカラーという通称が付いた説得力があります。

またメタリックとなっているのはブラックのほうですが、これは深みのある黒で、デザインを引き締める効果が大きいと感じました。



さて、これだけ凝ったデザインの一方で基本仕様の説明は「基本仕様は最低限でよい、というユーザーを狙っています」とのコンセプトから、発表会でも詳細な解説は一切しないという、という割り切った側面も持っています。

実際の仕様は標準仕様モデルの場合、CPUがインテルのCeleron 3215U(1.7GHz)、メインメモリは4GB、ストレージは1TBのHDDとDVDドライブ......といったところ。ディスプレイ解像度も1366×768と、ここだけ見ればかなりVAIO製品らしくない仕様です。

なお、オーナーメイドモデルではCPUにCore i3-5005UやフルHD解像度の液晶、メインメモリ8GB、1TBのハイブリッドHDDといった構成も選択できますが、いずれにしても比較的あまり派手さのない仕様となります。



このようにVAIO C15は、基本仕様こそ地味ですが、色分けパターンを4種類用意するという「設計・製造難度は高いが、あえてチャレンジした」(小笠原氏)ほどのこだわりを見せ、製品コンセプト的にも、カラーリングやデザインにほぼ「ステータス全振り」したような、ある意味でVAIOらしい尖ったPCです。

VAIOとしても新たなチャレンジとなるモデルとなる本機ですが、実際の仕上げやデザインは昨今のデザインに凝った機器にあっても一見の価値があるのは確か。イエロー/ブラックのピカチュウ度がどれだけ高いかなど、ぜひ展示モデルを見て確かめて欲しいモデルと感じました。
VAIO C15実機レポ。ピカチュウ色? な黄×黒など個性派ツートン4種と、発表会でも仕様解説一切なしの割りきりが魅力
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