オフィスなどにおけるエアコンの設定温度が日本と海外で違いすぎると話題
になっています。
画像:【エアコン】
https://www.flickr.com/photos/sekido/2701591974/
原発事故以来、CMでの影響や節電の意味も兼ねて、
「夏のエアコンの標準設定温度は28度」
との認識が広まりました。
画像:【東電のキャラクターでんこ】
気になるのはこの「28度」の”根拠”が、果たしてどこから来ているのか・・?
https://twitter.com/qei_narao/status/473838623737913345
じつは、1970年から施行されている「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(通称・ビ
ル管理法)及び「労働安全衛生法の事務所衛生基準規則」では、定められた室温が17度~28度
となっており、早稲田大学理工学術院の田辺新一教授(建築環境学)によると
「この法律の元となったのが、1966年に発表された厚生科学研究『ビルディングの環境衛生基準に関する研究』(故・小林陽太郎著:富士ゼロックス元会長)。
この論文の中で引用された資料がさらに古く、戦前~1960年前後のものです」
このときの「17~28度」のうち、上限室温の「28度」がいつの間にか、抜き取られ、採用されたとの
こと。
しかし、オフィス内の構造は単純ではなく、例えば、窓際や最上階などでは室温に多少のバラつき
も生じ、同じ室温「28度」でも個人の代謝量、着衣量、湿度、気流の有無や速度、天井や床の表面
温度などで、暑くも寒くも感じます。
それを踏まえ、同教授は
「室温として一般的なオフィスで推奨されるのは26度。
画一的な28度には僕はずっと反対しています」
「研究により、室温と生産性の関係で25度が28度になると6%生産性の低下がみられました。
低下した生産性を残業でカバーしようとすれば、その分電力消費がかさみ、エネルギーコストより人件費の方が高くつく」
と語っています。
また世界的な観点からみると、アメリカのオフィスの平均設定室温は23度、オーストラリアは23.3
度、シンガポールは22.9度となっています。
(参考:http://dot.asahi.com/aera/2016072600185.html)
自宅などでも28度だと少し熱く感じることは多いですね。