雪美「夏の……思い出……」
カブトムシについての話が出てきますが、昔の我が家が基準なので、絶対に正しいというわけではないと思います。
よろしくお願いします。
ミーンミンミンミンミン……
モバP「自由研究?」
雪美「うん……去年までは……なかった…………から……」
モバP「小学生で自由研究ねぇ……俺何やってたか覚えてないや。小学生なんて遊んでなんぼだしなぁ」
ちひろ「その一言でプロデューサーさんがどんな小学生だったのか簡単に予想できますね」
モバP「いや、はは……昔はゲームも少なかったし、男子小学生の夏休みなんて大抵一緒でしたよ」
ちひろ「懐かしいですねぇ……」
モバP「川に泳ぎに行ったり、友達と虫取りに行ったり……あぁ、社会人にも夏休みが欲しいなぁ……」
雪美「……P?」
モバP「あ、ごめん。自由研究だったよな。ええと……アサガオの観察日記とかどうだろう?簡単だし」
雪美「……それ、去年まで……やってた……自由研究じゃ……なかった……けど」
モバP「あっ、そっかぁ……唯一思い出せる夏休みの課題だったんだけど」
ちひろ「日記とラジオ体操の出席カードの提出は私もありましたね」
モバP「ああ、そうですねぇ。楽しかったなぁ……とと、また話が脱線しそうだ。雪美」
雪美「……?」
モバP「自由研究っていうだけあって、何を調べたっていいんだよ。夏休みって時間がいっぱいあるだろ?だから、ゆっくりでいいんだよ。雪美の気になったことをみつけて、それを調べれば」
雪美「……じゃあ……私。……Pのこと…………調べる」
モバP「あー……ちょ、ちょっとそれは違うかな?あはは……」
ガチャ
莉嘉「おっはよー!」
モバP「おお、おはよう莉嘉。今日もテンション高いな」
莉嘉「えへへ、なんたって夏休みだし!早起きして来ちゃった☆」
モバP「ああ、羨ましいなぁ……」
ちひろ「おはよう、利嘉ちゃん。プロデューサーさんはすぐそうやって羨むのやめてくださいよ。私だって夏休みほしいです」
モバP「そうっすね……すみません、つい」
雪美「おはよう。…………莉嘉……それ……なに?」
モバP「あ、そうだ。俺も気になってたんだ。まぁ予想はつくけどさ」
莉嘉「あっ、二人とも良い所に目を付けたね!じゃじゃ~ん!カブトムシ☆昨日見つけたの!」
モバP「やっぱりか。首に虫かごつけてたからそんな気はしてたんだけど」
雪美「カブトムシ……見たい…………」
莉嘉「いいよいいよ!はい!」コトッ
雪美「……黒い……」
モバP「おお、結構大きな雄カブトだな。角も立派だ」
莉嘉「えへへ、でしょでしょ?折角捕まえたから、逃がしちゃう前にPくん達に見せようと思ったの!」
モバP「ああ、ありがとな莉嘉……逃がしちゃうの?」
莉嘉「うん、飼育もアタシだけでやらないといけないから、お仕事と被っちゃう事を考えると大変だから」
モバP「美嘉は?」
莉嘉「あー……お姉ちゃんは」
モバP「?」
莉嘉「カブトムシ、ダメなんだよね……キモイーって言って」
モバP「ああ、なるほど……」
ちひろ「私もあんまり、得意じゃないかもしれないですね。昔はそうでもなかったのになぁ」
モバP「わかります。不思議ですよねぇ、昔は無視を素手で捕まえても全然平気だったのに」
ちひろ「私はそこまでではありませんでしたけど、昔より絶対に虫は苦手になりましたね」
莉嘉「カブトムシ、こんなにかわいいのに?」
モバP「まぁ、そんなもんなんだよ。美嘉の気持ちもわかる。莉嘉は……そのままでいてくれ、そっちのがいいよ」
莉嘉「え~?それじゃアタシが子供みたいじゃん!」
モバP「子供のままでいた方がいいこともあるってことだよ。上手くは言えないけどな」
ちひろ「利嘉ちゃんには、是非ともその心を持ったまま成長してほしいですね」
莉嘉「ん~……?二人ともよくわかんない!」
雪美「……莉嘉……」
莉嘉「どうしたの、雪美ちゃん?」
雪美「これ……逃がす……の?」
莉嘉「そうなっちゃうかな~残念だけど」
雪美「じゃあ…………貰っても……いい?」
莉嘉「え?別にいいけど……」
雪美「ありがとう……莉嘉……決めた……カブトムシを……自由研究に…………する」
モバP「あ、なるほどな。でも、いいのか?さっきまで悩んでたのにそんなに簡単に決めちゃって」
雪美「いい……私……カブトムシの事……あまり知らない……から…………気になった」
モバP「雪美がいいならそれでいいけど、折角なら事務所で飼うか?」
ちひろ「え゛っ」
モバP「いいじゃないですかちひろさん。雪美、多分家にいるより事務所にいる方が時間長いでしょうし、カブトムシが虫かごから出てくるわけでもないですし」
ちひろ「それは……まぁそうですけど」
莉嘉「それ、いいじゃん☆リカは賛成~!」
モバP「ほら、莉嘉もそう言ってますし」
ちひろ「……はぁ、しょうがないですねぇ」
雪美「……ありがとう……ちひろ……」
莉嘉「やったやった~☆」
ちひろ「その代わり、飼育はそちらでしっかりやってくださいね!私は手伝いませんから!」
モバP「くっ……はははっ」
ちひろ「なんです?」
モバP「いや、すみません。今の台詞で、俺の母親がカブトムシ飼育するのに渋った時の事を思い出しまして」
ちひろ「――――――っ」
モバP「ちょ……やめて叩かないで叩かないでください!他意はないですから!歳をとったことを陰に示してるとかそんなことないですからぁっ!」
カブトムシのかんさつ日記 1日目
私は、自由研究でカブトムシをかんさつすることに決めました。
りかの持ってきたカブトムシはとっても大きくて、とてもビックリしました。
じむしょで飼えることが決まってから、私はPと千秋といっしょに、カブトムシのための買い物に行きました。
カブトムシをかんさつするのは初めてたので、とても楽しみです。
これから、Pに色々と教えてもらいながらがんばってかんさつしていきたいです。
―――――――――――――――――――
千秋「……で、どうして私が呼ばれたのかしら?」
モバP「仕事終わりにつき合わせちゃって悪いとは思ってるよ。いや、千秋って雪美と仲がいい……っていうのは違うかもしれないけど、そんなイメージがあったから」
千秋「それは、そうかもしれないけど……」
モバP「それにさ……」コソッ
千秋「!」
モバP「結構大変なんだ、カブトムシの飼育って。案外手間もかかるし、それに……いや、いいや。雪美が世話をしてる時に俺が一緒にいられるとは限らないからさ。だから、頼むよ」
千秋「……まあ、構わないわ」
モバP「本当か!?」
千秋「ええ、私もそこまでは虫は苦手ではないもの。それに……」
モバP「それに?」
千秋「さっき、Pさんが言いかけたこと。私の想像が間違ってなければ……多分、その時は人がいた方がいいから」
モバP「……恩に着るよ、千秋。お礼と言ってはなんだけど、後で俺にできる事だったらなんでもするから」
千秋「……なんでも、ね。覚えておきなさいよ、それ」
モバP「ああ」
雪美「…………内緒話……終わった?」ジトッ
モバP「ああ、終わったよ。……あれ、なんか機嫌悪くね?」
雪美「内緒……寂しい…………」
千秋「ごめんなさいね、佐城さん。少し難しい話をしていたから」
雪美「ううん……いい…………」
モバP「よし、じゃあ行こうか。多分ホームセンターに行けば色々とそろってるはずだし」
雪美「……P……手」スッ
モバP「ああ、いいぞ」ギュッ
雪美「千秋も…………」スッ
千秋「ええ」ギュッ
雪美「これで……一緒……」
モバP「そうだな。……これだと、俺たちは家族に見えるのかな?」
千秋「か、かぞっ!?」
モバP「周りから見たら、きっと仲のいい三兄弟だ。…………あれ、なんで睨んでるの千秋?俺変なこと言った?」
雪美「…………鈍感…………」
モバP「よし、着いた着いた」
モバP(相変わらず千秋はゴキゲン斜めだけど……)
千秋「…………それで?」
モバP「え?」
雪美「……P……何を……買うの?」
モバP「ああ、そういうことね。飼育に必要なものは色々あるんだけど、とりあえずは飼育のための大きな虫かごと、おがくず。後は霧吹きと木とエサ……くらいかな」
千秋「案外色々と用意するものがあるのね」
モバP「うん、そうだな。森で生きてる昆虫を箱で飼育するんだから、よく考えたらこれでも足りるかって感じなんだけど」
雪美「P……おがくずって…………なに?」
モバP「ああ、土の代わりに下に敷き詰めるやつで、木を切った時に出る細かいクズなんだけど」
千秋「近くの土を入れてはダメなのかしら」
モバP「ええと、土があんまりきれいじゃないんだよ。菌とか虫とか、何が入ってるかわからないし」
千秋「ああ、なるほど」
モバP「まぁ、細かく挙げだしたらきりがないんだけどな。とりあえず、成虫を飼うんだったらおがくずで大丈夫なんだ」
千秋「あと、エサって、何を食べるのかしら?」
モバP「ゼリーだな」
千秋「ぜ、ゼリー?」
モバP「そ。市販のカブトムシのエサで一番ポピュラーなのがゼリーだ。あ、一応言っておくけど普通の俺達が食べるようなゼリーを置くわけじゃないぞ?ちゃんと専用のゼリーがあるんだ」
千秋「……色々と凄いのね」
モバP「でも、あのゼリー多分俺らが食っても問題ないんだよな。手についたの舐めたとき甘かったし…………おい、なんでそんな目で見るんだ二人とも」
雪美「……P…………」
千秋「貴方……」
モバP「ん、んん゛っ。よし、とりあえずさっき言った商品を集めよう。今日はそれで終わりで、雪美は送っていくから。千秋は飼育について教えるからもうちょっと付き合ってくれよ?」
千秋「ええわかったわ。行きましょう佐城さん、とりあえず、Pさんと繋いでいた手を洗わなければね」
雪美「……うん…………そうする」
モバP「ちょ、傷つくから!たとえ冗談でも傷つくからぁ!ち、ちあ……黒川さーん!雪美ぃ!」
かんさつ日記 2日目
朝、じむしょにきてPといっしょにカブトムシのための家を作りました。
土や木をつめるのは楽しかったです。
りかの持ってきた虫かごから大きな新しい箱にうつって、カブトムシはうれしそうに動き回っていました。
カブトムシをさわるのは、少しこわかったです。
―――――――――――――――――――
雪美「おはよう……P……」
モバP「おう、おはよう。言われた通り少し早めに来てくれたな。偉いぞ」ナデナデ
雪美「……うん……」
モバP「じゃ、早速だけどはじめようか。カブトムシのお家作りだ」
雪美「……お家……?」
モバP「そう。とは言っても、昨日買ったものを詰めるだけなんだけどな。ま、何時までも莉嘉の小さな虫かごに入れておくのも可哀想だから早めに作ってやろう」
雪美「うん……」
モバP「じゃ、やってご覧。まずは、おがくずを詰めて――――――」
コメント一覧
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- 2016年07月30日 23:55
- 社会人に夏休みがあるわけないだろ!
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