トレイン「海上レストランバラティエ?」
スヴェン「そのバラティエ行きの船も普段はなかなか予約できねぇし高えんだ……まさか一等の無料のチケットが当たるなんてな」
イヴ「ありがとうスヴェン」
スヴェン「何言ってんだイヴ、引いたのはお前だろ?」
トレイン「そんじゃそこでたらふく食えるってわけか、久しぶりのインスタント卒業だな」
イヴ「トレイン、それなんだけど」
トレイン「なんだよ姫っち?」
スヴェン「チケットは……二枚だ」
トレイン「は?」
トレイン「だーくそ!! なんだよジャンケンって!! 早撃ちならぜってー勝てるのによ!!」
アネット「それは間違いなくトレインが勝つだろうね、平等じゃないと」
トレイン「……ちぇっ」
アネット「それで……イヴとスヴェンは今、バラティエに行ってるってわけかい」
トレイン「まーな」
アネット「しかし……あのバラティエに行けるなんて羨ましいね」
トレイン「バラティエってそんな有名なの?」
アネット「当たり前じゃないか……さてはあんた、戦うコックさんも知らないね?」
トレイン「なんだよそれ?」
アネット「そいつらはみんな食料や金を奪うのが目的でね」
アネット「けど……奪われたことは一度もない」
トレイン「……コックが強いからってわけか」
アネット「そういうことさ」
イヴ「スヴェン! 見てあれ」
スヴェン「おっ!! ようやく見えてきたな」
イヴ「早く食べたいなぁ」
スヴェン「そうだな。今まで掃除屋(スイーパー)の仕事を頑張った分、いっぱい食べるか」
イヴ「うん」
リンス「あっ!! スヴェン!! イヴちゃん!!」
イヴ「!! リンス……!?」
スヴェン「驚いたな……お前もここにいたのか」
リンス「ええ、ちょっと仕事があってね」
イヴ「仕事?」
リンス「バラティエの常連客が常に携帯してるっていう宝石の盗みの依頼を受けてるの」
スヴェン「成る程な……」
リンス「本当はこの船の中で盗んでさっさとトンズラこくのもいいと思ったけど……どうせなら料理を食べた後でもいいと思ってね」
イヴ「美味しいらしいからね、バラティエの料理」
リンス「……そういえばあいつは?」
スヴェン「……珍しくツキがなかった」
リンス「は?」
イヴ「やっと着いたね」
スヴェン「ああ……凄いな、メニューが沢山ある」
イヴ「あれ、リンスは?」
スヴェン「リンスはあっちのテーブルだ」
イヴ「……離れてるね」
スヴェン「まぁ一緒に予約したわけじゃないしな、しょうがないさ」
イヴ「うん……スヴェン、私これにする」
スヴェン「おっそうか。 じゃあ俺は……これだ」
スヴェン「おいウェイター!! 注文いいか!?」
サンジ「ウェイター?……それはクソ違いますお客様」
スヴェン「……?」
スヴェン「!?」
サンジ「ですが注文は承ります」
スヴェン「ああそうか……じゃあ注文を……」
イヴ「ウェイター一人もいないんだね」
スヴェン「ああ、驚いたな。 さぞかし戦うコックの気迫に負けたんだろう」
イヴ「あ、リンスがあの人を呼んでる」
スヴェン「ん?」
サンジ「……申し訳ありません。 おれはウェイターではなく副店長……ですが注文は承……」
サンジ「……」ボーッ
リンス「……?」
サンジ「……おお……神よ……」
リンス「……は?」
サンジ「ああ神よ、今日という日の出会いをありがとう///」
サンジ「ああ恋よ、この苦しみに耐えきれぬ僕を笑うがいい///」
スヴェン「こりゃ惚れたな」
リンス「ちょ、ちょっと……何あんた」
サンジ「僕は君となら海賊にでも悪魔にでも成り下がれる覚悟が今できた///」
リンス(……どこに行ってもあいつみたいなやつっているのね)
ジェノス「ぶえっくしょい!!」
リンス「……ナミよ」
サンジ「ナミさん……覚えたぜ、君の名を」
リンス「ええ、よろしくね。 ……貴方の名前は?」
サンジ「貴女の騎士(ナイト)……名をサンジと申します」
リンス「サンジね……よろしく」
イヴ「リンス、偽名使ってたね」
スヴェン「ああ、リンスレット=ウォーカーってのはそう易々と言っていい名前じゃないからな」
リンス「障害?」
ゼフ「おれのことかチビナス」
サンジ「!! クソジジイ!!」
イヴ「……スヴェン、あの人……」
スヴェン「……ああ、片脚がないな」
サンジ「……おれはこの店の副料理長だぞ、要らねえとはどういうことだ」
ゼフ「客とはすぐに面倒を起こす、女とみりゃすぐに鼻の穴膨らましやがる。 それに碌な料理も作れやしねぇ」
ゼフ「ほかのコック共にも煙たがられてる。 海賊にでも悪魔にでも何にでもなって早くこの店から出て行っちまえ」
サンジ「てめえ……おれの料理を貶すとは許さねえぞ!! てめえが何言おうがおれはここでコックをやる!! 文句は言わせねえ!!」ガシッ
ゼフ「料理長(オーナー)の胸倉を掴むとは何事だボケナス!!」ガシャアアアアアン!!!
サンジ「ぐあっ!!!」
リンス「!!!」
イヴ「オーナーさんが……サンジさんを投げた……」
サンジ「……はぁ……はぁ……」
ゼフ「フン」
サンジ「てめえがおれを追い出そうとしてもな! おれはずっとこの店でコックを続けるぞ!! てめえが死ぬまでな!!!」
ゼフ「おれは死なん、後100年生きる」スタスタ
サンジ「……口の減らねえジジイだぜ」
サンジ「!! 失礼しましたナミさん。 おれとした事が騒ぎを起こしてしまい……」
サンジ「お詫びとしてフルーツのマチュドニアを持ってきます」
リンス「あら、気が利くじゃない。ありがとう」
男「おーい!! おれにもくれー!!」
サンジ「あぁ? なんでテメーみてーなタコ野郎にあげなきゃいけねーんだ」
女「私にちょーだーい!!」
サンジ「あーい!!///」
スヴェン「……」
イヴ「……スヴェン?」
スヴェン「……ちょっと聞いてくる」ガタッ
イヴ「ス、スヴェン?」
スヴェン「……なぁ兄ちゃん」
リンス「! スヴェン」
サンジ「ん? なんだおっさん」
スヴェン「そのレディファーストっぷり……煙草……服装……」
スヴェン「まさかお前も……紳士なのか?」
サンジ「は?」
サンジ「聞いたことねぇな。 なんだそりゃ」
スヴェン「そうだな……分かりやすく言えば……優しい女性の味方……ってとこか」
サンジ「優しい女性の味方……まあ確かに間違っちゃいねえな」
サンジ「……おれが貫いてるのは騎士道だ」
サンジ「この世の全ての女性の味方……」
サンジ「女性には決して蹴らない、女性のあらゆる悪事には目を瞑る」
サンジ「それが……男ってもんじゃねえのか?」
スヴェン「なんでもかんでも許したら自分が酷い目に合うだけだぜ?」
サンジ「それでもいいさ……その子が幸せになれるならな」
イヴ「……」
サンジ「!! その紳士道ってのは……ちゃんとその子にも貫いてるんだろうな」
スヴェン「まぁな」
サンジ「悪かったな」
イヴ「……」
サンジ「! そうだ、君にもフルーツのマチュドニアをあげよう……名前は?」
イヴ「……イヴです」
サンジ「イヴちゃんか……可愛い名前だね」
サンジ「じゃあすぐ持ってくるから待っててね」
イヴ「ありがとうございます」
スタスタ……
スヴェン「……騎士道、か」
リンス「……二人とも、いつまで立ってるの?」
イヴ「! スヴェン、速く席に座ろう」
スヴェン「おっと、そうだな」
男「ギン……あの船で間違いないな?」
ギン「はい、間違いありません」
男「海上レストランバラティエ……」
男「あの船を奪うことができれば……」
男「誰もあの船を海賊船だとは思うまい……騙し討ちに使える」
ギン「……行きますか? 首領(ドン)・クリーク」
男→クリーク「……ああ、あの船をもらうぞ」
客「おい、見ろよあれ」
客「ああ、間違いねぇよ……」
スヴェン「なんだ? みんな外を見て……」
イヴ「……!! スヴェン、外に……」
スヴェン「!!」
リンス「あの船……」
スヴェン「でかい……しかもあの海賊旗……間違いねぇ」
コメント一覧
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- 2016年08月04日 00:00
- ブラックキャットとか懐かしいな
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