【がるぱん】ペパロニ「アンチョビ姉さん、私の彼女になってほしいっす」
- 2016年08月11日 22:10
- SS、ガールズ&パンツァー
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ペパロニ「そ、そうっすか……うう、ショックっす……」
アンチョビ「……」
ペパロニ「うぅ……」
アンチョビ「……え、何? ていうか、そんな事を言うために私を呼び出したのか?」
ペパロニ「え? はいそうすっけど……って、ぅわっ、姉さんが、かつてないくらいの渋い顔になってる」
アンチョビ「うあー……私の中でのお前の評価が、がっくーって下がった……ものすごい下がった」
ペパロニ「えーっ」
アンチョビ「私はお前の事、結構評価してたんだけどなぁ」
ペパロニ「そ、その嫌味な言い方、姉さんらしくないっす。なんでそんな事言うんすか」
アンチョビ「あのなぁ……明日は私の卒業式なんだぞ? 分かってるだろ?」
ペパロニ「はい、悲しいですけど、いよいよっすね」
*ただし、二人は潜在的にレズビアンです。
ペパロニ「姉さん! 私もなんだか切なくなっちゃいます!」
アンチョビ「そうかそうか、つまりはそういう夕方だ! お前が私を学園校舎の裏に呼び出したのは、そういう夕方なんだっ」
ペパロニ「はい!」
アンチョビ「あのな、私は、一緒に帰ろうって誘ってくれたクラスメートの誘いを断ってここにきた! お前のためにだ! 何かよほど特別な用事なんだろうって、いったい何なんだろうなって、次期ドゥーチェのお前が去りゆく私に何を言うのだろうなって、正直ちょっとワクワクドキドキしてたんだぞ!?」
ペパロニ「感激っす! あと姉さん、カワイイっす!」
アンチョビ「やかましい!」
ペパロニ「すんません!」
アンチョビ「それなのに、いざフタを開けてみたら……何? カノジョになれだって? そんなくだらない冗談を……」
ペパロニ「え、いや……」
アンチョビ「あーあ……なんか、がっかりしちゃったなぁ……」
ペパロニ「……」
アンチョビ「あん?」
ペパロニ「私は、真剣な気持ちなのに」
アンチョビ「……は?」
ペパロニ「それなのに、なんかふざけてるみたいに言われると……正直ちょっと……むかつくっす」
アンチョビ「……はい?」
ペパロニ「『はい?』 じゃないっすよ」
アンチョビ「……えと……なんだって?」
ペパロニ「私の方こそ、なんかがっかりっす。姉さんが、そんな風に人の気持ちを馬鹿にするなんて……あーあー……」
アンチョビ「いや、ペパロニさん?」
ペパロニ「ちぇっ」舌打ちしつつ足元の小石ケリー
アンチョビ「……」
ペパロニ「せっかく思い切っていったのに……ひどいっすよ……」
アンチョビ「いやいやいや……ええええー……」
アンチョビ「だってお前、そいういう趣味は無いって、前に自分で言ってたじゃないか。なら、今日のこれも冗談なのかなって、思っちゃうじゃん……」
アンチョビ(……ていうか困る! 私はノーマルだ! ペパロニもそうだって信じてたのに、いきなりそんなマジトーンでこられても……)
ペパロニ「今のは、冗談なんかじゃ……ないっす……」
アンチョビ「そ、そっか……まぁだけど、お前のキモチは嬉しいんだけど、ただ……わかるだろ? 私達は女同志なんだし」
アンチョビ(最後の最後にやめてくれよ。気持ちよく卒業式を迎えさせてくれよぅ……)
ペパロニ「そりゃまぁ……私もそういう趣味は無いっすけど……」
アンチョビ「……は?」
ペパロニ「……」
アンチョビ「……おいっ!」ポカッ
ペパロニ「痛っ!? た、叩いた! 姉さんが私のこと叩いたぁ!!」
アンチョビ「お前、わたしをおちょくってるのか?」
ペパロニ「い、いやそんなつもりはありませんっすけど」
アンチョビ「ほぉ、そーかじゃあマジのケンカを売ってるんだな!? 卒業する先輩へのお礼参りか!? あーもー! 何がしたいんだよお前はー!」 ポカポカポカッ
ペパロニ「いたたたた! 落ち着いてくださいよ! また生理すっかぁ!?」
アンチョビ「なっ……」
アンチョビ「こ、こ、このバカやろーっ!」
ペパロニ「痛っ、痛いですってば! ……ええいっ」ガシ
アンチョビ「う……!? こ、このっ、腕を離せ……!」
ペパロニ「へへん、遅い成長期のおかげで、身長も力も、今じゃ私の方が上なんすからね!」
アンチョビ「くっ……このっ……図体ばっかりでかくなりおって」
ペパロニ「とにかくいったん落ち着きましょうよ、ね、まぁベンチに座りましょ?」
アンチョビ「うーっ誰のせいだと思ってる!」
アンチョビ「くそっ……高校生活最後の放課後を、こんなくだらない茶番で……お前の呼び出しなんて無視するんだった!」
ペパロニ「いや姉さん、なんていうか、誤解ですってば」
アンチョビ「何がだっ!」
ペパロニ「姉さんに私の彼女になってほしいっていうのはけっこう本気っす……って痛っ!?」
アンチョビ「っ! っ!」デュクシデュクシ
ペパロニ「無言でどつかないでくださいよぉ」
アンチョビ「このあんぽんたん! お前はレズなのか? それとも私をおちょくってるだけか!?」
ペパロニ「レ、レズじゃないですし、おちょくってもないっすよぅ」
アンチョビ「じゃあ、『彼女』になれって、なんだ!」
ペパロニ「いやぁ……『彼氏彼女』になれたら、姉さんが卒業した後も、一緒にいられるかな~って……」
アンチョビ「説明がたりん!」デュクシ
ペパロニ「す、すんません。だって……姉さんはもうこの船からいなくなっちゃうじゃないですか」
アンチョビ「当たり前だろ」
ペパロニ「春になったら、別々の学校で、それぞれの生活が始まるわけで……」
アンチョビ「そうだな」
ペパロニ「姉さんはきっと大学の戦車道でも活躍するだろうし、また新しい仲間もできるだろうし……」
アンチョビ「お前だって、来年はドゥーチェとしてみんなをひぱっていくんだぞ。後輩たちの手も引いてやらなきゃ」
ペパロニ「もちろんっす。それに、戦車道大会優勝っていうでっかい目標もあるっす」
アンチョビ「お互いにそれぞれ目標がある。良いことじゃないか」
ペパロニ「それは……そうなんですけど……」
ペパロニ「それだけじゃ、嫌っていうか。なんていうか……姉さんとの仲が途切れるのが、いやで」
アンチョビ「……む」
ペパロニ「だから、なんとかして、姉さんとつながっていたいっす」
アンチョビ(……最初からそう言え、ペパロニのアホ。……ま、そう思ってくれるのは、素直に嬉しいけどさ)
アンチョビ「あのなペパロニ。私はずっとお前の先輩だ。この学校を卒業しても、それは変わらない」
ペパロニ「はあ」
アンチョビ「何か悩みがあればいつでも聞くし、お前達の試合にはもちろん応援しにいく」
ペパロニ「……ありがとうございます」
アンチョビ「それに、戦車道を続けているかぎり、ワタシ達は同じ道の上にいるんだ。また会うための、一時の別れだよ」
ペパロニ「なるほど、ものは言いようっすね……あいてっ」
アンチョビ「だからさ、新しい環境でお互い頑張ろうじゃないか」
ペパロニ「……」
アンチョビ「そーやって人間成長していくんだよ、きっと」
ペパロニ「……まぁ、そういうもんなんだろうなーって私も思ってはいるんですけど……」
アンチョビ「そうだよ。お前だって、本当はちゃんと分かってるんだ。お前はバカじゃない、私は知ってるぞ」
ペパロニ「照れるっす。だからまぁ、辛いのも受け入れなきゃなーとは思うんですけど」
アンチョビ「うん」
ペパロニ「……だけどやっぱり、嫌だなーって……」
アンチョビ「……お前、私のイイ話が台無しじゃないか」
ペパロニ「すんません」
ペパロニ「うんにゃ、私はそうは思わないす」
アンチョビ「はぁ?」
ペパロニ「諦めなければ、道はあると思います。それで考えたのが……『そうだ、カノジョになればいいじゃん』って」
アンチョビ「……なんで?」
ペパロニ「だって恋人どうしなら、いっぱい連絡とりあったり、予定を合わせて一緒にどこかへ遊びに行ったり……それが当たり前になるでしょ?」
アンチョビ「……」
ペパロニ「あの姉さん、渋い顔しないでほしいっす」
アンチョビ「発想が飛躍しすぎてて、アホすぎて」
ペパロニ「ひどいっす」
アンチョビ「だいたいなぁ、そんなわけのわからん大義名分がなくても、会いたきゃ会えばいいし、連絡したけりゃすればいいじゃないか」
ペパロニ「……ふぅ~」
アンチョビ「なんだその、わざとらしいため息!」
ペパロニ「姉さん、こう言っちゃ失礼ですけど……」
アンチョビ「なんだよ」
ペパロニ「ぜんっぜん乙女心が分かってないっすよね……恋愛小説が大大大好きなくせに」
アンチョビ「ああん!?」
アンチョビ「あのさぁ、一応聞くけど」
ペパロニ「はい?」
アンチョビ「お前、ほんっとーにそっちの趣味は無いんだろうな!?」
ペパロニ「無い無い、ないっすよ! 何でそんな確認をするんです」
アンチョビ「だって、今までにうけたどの告白よりも、なんかねちっこいんだもん」
ペパロニ「ね、ねちっこいって、やだなぁ」
アンチョビ「……うーん……」
アンチョビ(『カノジョ』とかそういうのは嫌だ。やっぱりおかしい)
アンチョビ(……けどまぁ、別にこいつが会いたいっていうのを断る理由は無いんだ。誰かと繋がりがあるのは悪いことじゃないし。それに、私だってペパロニと一緒にいるのは、嫌じゃない)
アンチョビ(こいつは私に無いものを一杯もってる。直観力というか、猪突猛進のバカというか……そういうものを、持ってる。私はそれが嫌いじゃないし、それに、一緒にいて不思議と楽しいんだ)
アンチョビ「……まぁ一応、ペパロニの気持ちは理解した」
ペパロニ「じゃあ、姉さん、私のカノジョに……」
アンチョビ「それは断る! 気持ち悪い!」
ペパロニ「え~」
アンチョビ「え~じゃない。そこは絶対にゆずらないからな」
ペパロニ「じゃ、じゃあ『ごっこ遊び』ならどうすか?」
アンチョビ「ごっこ遊びぃ?」
ペパロニ「姉さんのことっすから、大学にいったらきっとすぐに彼氏ができちゃいますよ。だって姉さん、かわいいし、明るいし、元気だし……だからそれまでのごっこ遊びっす!」
アンチョビ「彼氏って、どうかなぁ……いやいやとにかく、何を言おうと、そういう変なのは
コメント一覧
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- 2016年08月11日 22:41
- 前置きの意味が分からん
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- 2016年08月11日 22:54
- 好き嫌いもあり、そして内容への評価もあるとおもいます。
アンツィオというだけでノリと勢いで読めるので、個人的にはすごく面白かったです。
チョビ子とペパロニ、カルパッチョのような信頼関係もいいなぁーとおもいました。
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- 2016年08月11日 22:59
- レズ云々抜きにして普通に面白かった。というかレズか、これは?
アンチョビは他の隊長や杏会長たちと比べて卒業ネタ多いよな。イラストだけど、引退式の式を『しないで』に書き替えてアンツィオ皆が泣いてるってのが凄く好きだ。
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