ワルシャワ大学で研究活動をしている天文学者Przemek Mroz率いるチームが、白色矮星が爆発して古典新星に変化するさまの観測結果を発表しました。観測したのは恒星と白色矮星の連星系1213 Cenで、爆発は2009年に発生しました。
この古典新星状態では、恒星からさらに激しく水素ガスを引き寄せ白色矮星表面や降着円盤上で熱核暴走と呼ばれる急激な核融合反応を起こして非常に明るく輝くようになります。一方で、恒星の方は間近で発生する爆発や核融合反応による放射物を浴びてその大きさを膨張させ、こちらもより明るく輝きます。
はげしい爆発反応が継続するものの、しばらくすれば古典新星は再び白色矮星へと戻ります。Mrozらは、最終的に巨大な爆発に至る超新星とは違い、古典新星は白色矮星が恒星からのガスの移動によって核融合反応を起こした爆発で発生し、ガスがなくなると再びある程度のガスが移動するまではまた連星として長い冬眠期に入るというサイクルを繰り返していると推測しました。
2009年の観測のあと、1213 Cenは落ち着いたようにも見えますが、いずれは再び爆発し強く発光する時が来ると考えられます。ただ、次にそれが起こるのはおそらく数百万年ほど先になるだろうとのことです。
論文はNature : The awakening of a classical nova from hibernation(Przemek Mróz, Andrzej Udalski, Paweł Pietrukowicz, Michał K. Szymański, Igor Soszyński, Łukasz Wyrzykowski, Radosław Poleski, Szymon Kozłowski, Jan Skowron, Krzysztof Ulaczyk, Dorota Skowron & Michał Pawlak)