679 名前:大人の名無しさん[] 投稿日:04/08/03(火) 10:47 ID:M3csbdXF [1/3]
おばさんが亡くなった。54歳。ちょっと早かったよな。
おふくろとおなじ乳ガン。おふくろは生きて帰ったがおばさんは亡くなった。

子どものころはよく行き来していたのに、会わなくなって15年以上経っていた。
危篤の報に病院に駆けつけたら、もう亡骸が霊安所に運ばれたあとだった。
換気のため開放されている部屋に風が吹いていて、なんとも言えなくなった。

おふくろが「最後に会ったときのこと覚えてる?」と聞いたが、俺はまるで覚えていない。
なんでも、高校辞めてブラブラしている俺に別れ際にバス停で無言で小遣いをくれたとのこと。

その話を聞いて、はっきりとは覚えていないが、その時の感覚が甦った。
礼も言わない俺に「いいんだよ」という顔で、バスに乗った姿。
おばさんを乗せたバスを、見えなくなるまで黙って、ずっと見送っていたあの感覚。
子どものころ、俺の家から帰るおばさん一家を乗せ、弟と走ってバスを追いかけた時とおなじバス。

もっと顔を見せればよかったよ、おばさん。
でもダメな自分を見せるのが恥ずかしかったんだよね。
小遣いもらったときの感覚が、多分自分の中にずっと残っていたんだよ。
自意識過剰だと笑うだろうけど…。ずっと心配していてくれていたらしいね。

大好きでした、おばさん。ごめんね。
小遣いありがとう。