面接官「採用トーナメント開幕!」潤滑油「絶対優勝してやる!」
- 2016年09月01日 21:10
- SS、神話・民話・不思議な話
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面接官「ただいまより採用トーナメントを開幕いたします!」
面接官「アットホームな社風と、すぐに重要なポジションにつくことができるのがウリである我が社!」
面接官「優勝して一流企業である我が社への内定を手に入れることができるのは、誰か!?」
面接官「さっそく8名の選手に入場していただきましょう!」
面接官「全選手入場!!!」
実況『どんなものも吸収して、この世の汚れを落としまくったる! スポンジ!』
実況『困ってる人を助けるのがなにより楽しい! 現代に生きる聖人、ボランティアだ!』
実況『学術書からラノベまでなんでもいけまっせ! 趣味の帝王、読書が来てくれたァ!』
実況『よく観察するからこそ、よく労働できるのだ! 人間観察ッ!』
実況『リーダーシップという言葉は自分のためにある! バイトリーダー!』
実況『俺のために組織があるんじゃない、組織のために俺がいる! 歯車の登場だ!』
実況『機械も人間も円滑に動かしてみせます! 潤滑油だァッ!』
潤滑油(いよいよ試合が始まる……)
潤滑油(今日まで潤滑一筋で頑張ってきたんだ……絶対に優勝して、内定を取ってみせる!)
潤滑油(だけど、他の面々も一筋縄でいきそうもない奴らばかりだ……)
スルメ「よっしゃあ、絶対優勝してみせるぜ!」
読書「やかましいですよ、読書の邪魔です」クイッ
人間観察「ヒヒッ……どいつもこいつも観察してやる……ヒヒヒッ」
スポンジ「あ~……お腹減った。なにか吸収したいなぁ……」
歯車「必ずや優勝し、立派な社会の歯車となってみせる!」
バイトリーダー「えーと、一回戦の相手はお前だったよな?」
潤滑油「!」
バイトリーダー「ラッキーだったぜ。どうやら一回戦は無傷で勝ち進めそうだ」
潤滑油「なんだと……」
バイトリーダー「俺の時給の高さ……たっぷりと思い知らせてやるよ」ニヤッ
潤滑油「望むところ!」ヌルッ
【一回戦第一試合 潤滑油VSバイトリーダー】
実況『さあ、いよいよ第一試合が始まります!』
実況『潤滑のエキスパート潤滑油と、アルバイトの達人バイトリーダー! 勝つのはどっちだ!?』
ワァァァ……! ワァァァ……!
審判「始め!!!」
潤滑油(アルバイトとはいえリーダーまで上り詰めただけあって、かなりの気迫だ……)
バイトリーダー「…………」ニヤ…
潤滑油「ほう」
バイトリーダー「俺の時給は……850円だ」
潤滑油「ん……? 意外と低いんだな。もっと時給が高いバイトはいくらでもあるぞ」
バイトリーダー「勘違いするなよ? 今のは、いってしまえば気を入れてない状態の時給だ」
バイトリーダー「俺が本気になると……こうなる!」
バイトリーダー「はああああああ……!」ゴゴゴ…
バイトリーダー「860……870……880……890……!」
潤滑油「な、なにっ! 時給がどんどん上がっていく!?」
バイトリーダー「当然、時給もうなぎ上りというわけよ!」
潤滑油「ま、まだ上がるのか……!」
バイトリーダー「1030……1040……1050……!」
潤滑油「ぐ……!」ビリビリ…
実況『時給の上昇が止まらない! ついに四ケタに達しましたぁ!』
潤滑油(まずいな……これ以上時給を上げられたら、戦いが厳しくなる!)
潤滑油(いや……待てよ?)
バイトリーダー「!?」
実況『潤滑油、体の一部を飛ばしてバイトリーダーにぶつけたァ! ですがダメージはなさそうだ!』
潤滑油「お前の働きぶりを“潤滑”させて、時給アップを手伝ってやろう」
バイトリーダー「おおっ!?」
バイトリーダー「俺の中にかつてない“バイトパワー”が沸いてくる!」グゴゴゴゴ…
バイトリーダー「時給がさらに増えるぞォッ!」
バイトリーダー「うおおおおっ! 1120……1150……1200……ハッハッハ、まだまだぁっ!」
スルメ「あいつ、みすみす敵を強くしてどうすんだ!?」
読書「いえ……私には彼の狙いが分かりましたよ」クイッ
バイトリーダー「俺はアルバイトでいたいんだ! 責任を背負いたくないんだぁっ!」
バイトリーダー「ひぃぃぃっ! 時給が止まらない!」
バイトリーダー「あくまでこのバイトは、ちゃんとした就職までのつなぎ――」
潤滑油「もう手遅れだ」ヌルッ
潤滑油「今やお前の時給は……ブレーキオイルを抜かれた車と同じ!」
バイトリーダー「うああああ……! 俺の体が……変化していくぅ……!」メキョメキョ…
ズオッ!!!
正社員「ああああああっ!」ジャキーンッ
正社員「俺の……完敗だ!」
実況『一回戦第一試合は、潤滑油が見事な潤滑プレイで勝利だぁっ!』
ワアァァァァァ……!
○ 潤滑油 VS バイトリーダー ×
ワァァァ……! ワァァァ……!
実況『第二試合は歯車とスルメが登場だ!』
実況『どちらも就職面接では頻出する実力者! 好勝負が期待できそうです!』
スルメ「歯車ァ! やっと一対一で決着をつけられるな!」ウネウネ
歯車「ああ、いい試合をしようではないか」ギュルルッ
審判「始め!!!」
ドガガガガガッ!
歯車「ぐっ!」
ワアァァァァァ……!
実況『スルメ、十本の足を使って怒涛の連続攻撃ィ!』
スルメ「この日のためにどれだけ修行してきたと思ってるんでえ!」ドガガガガッ
スルメ「いい試合をするつもりなんかねえッ! このまま一気に――」
歯車「吾輩は歯車……歯車とは部品……部品の真骨頂は忍耐力!」
歯車「この程度では屈せぬ!」ギュルルルルッ
実況『歯車の回転数が上がった!?』
実況『歯車、ものすごいスピードで地面を転がることでスルメのラッシュから脱出したぁっ!』
スルメ「なんつうスピードだ! このぉっ!」シュババッ
歯車「無駄だ! ギアを上げた吾輩のスピードは捉えられぬわ!」ギュンッ
歯車「吾輩はこのスピードで社会の歯車となり、経済活動を廻してくれるッ!」ギュンッ
歯車「“歯車乱舞”ッ!」ギュルルルッ ギュルルルルッ
ザシュシュシュッ! ザシュッ! ザシュシュシュッ!
スルメ「ぐあぁぁぁぁ……っ!」
実況『先ほどまでのお返しとばかりに、四方八方からスルメを切り刻むッ!』
歯車「無益な殺生はしたくない……降参するがいい」
スルメ「いや……勝負はこれからさ……」ハァ…ハァ…
歯車「降参せぬというのなら……トドメだ!」ギュルルルルッ
スルメ「残念だが、そうはいかねえ!」キッ
歯車(こいつ……ダメージが蓄積されてるのに、気力はむしろ充実している!?)
スルメ「教えてやるよ……」
スルメ「オレは噛めば噛むほど、味が出るってことを!!!」
スルメ「スルメ拳法“槍イカ”!!!」シュバァァァッ
ザグゥッ!
歯車「ぐ、は……! 一撃で、吾輩のボディを貫くとは……!」ギュルル…
歯車「吾輩はまだまだ、歯車として力不足だった、ということか……」ドサッ
スルメ「勝利の味ってのもなかなか悪くねえもんだ……」
スルメ(だが……もしオレのことを気遣わずトドメを刺してたら、アンタの勝ちだったろうぜ……)
× 歯車 VS スルメ ○
審判「始め!!!」
読書「私は月100冊以上の本を読む、活字中毒者です」
読書「本を読むことで蓄積した私の豊富な知識力で、あなたを屈服させてあげましょう」
スポンジ「どんとこ~い!」
読書「文豪、夏目漱石の脳みそは東京大学に保存されているのです!」
読書「ノーベル数学賞が存在しないのは、ノーベルは数学者と確執があったからと
コメント一覧
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- 2016年09月01日 21:35
- よく出来ててわろた
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- 2016年09月01日 21:37
- これは才能のありですね...
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- 2016年09月01日 23:16
- なんだこれwww
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きっと全世界が泣くなこれは
これを経て社畜バトルトーナメントになるんだな……