アップルの新製品予測では定評のあるKGI SecuritiesのMing-Chi Kuo氏が、週間レポートにてiPhone 7の詳細な仕様予測を報告しています。これまでのうわさにあまり出ていなかったネタとしては、A10プロセッサーの駆動周波数が最高2.4GHz駆動となり、IPX7の防水仕様となること、スペースグレイに代わってダークブラックとピアノブラックの黒系2色が加わることなどが挙げられます。
プロセッサー
従来よりもかなり高速化しているとされるA10プロセッサーは、その駆動周波数が最高2.4GHzと具体的な数値で示されました(A9は1.85GHz、A9Xは2.25GHz)。外観と防水機能
外観的なデザインには大きな変化はないとしつつも、目新しさの部分としてスペースグレイに代わってスペースブラックとピアノブラックの黒2色の追加という予想が出ています。これは8月30日に日本のアップル情報サイト Macお宝鑑定団 がSIMトレイの蓋とされるパーツ写真とともに報じた情報とも符合します。またApple Watchと同じIPX7の防水機能が加わるという点は、屋外や水回りでの仕事が多い人にとってはかなり期待感のある変更と言えるでしょう。ちなみに、IPX7は水深1mに約30分間沈んでいたとしても機能に影響がないレベルの防水機能。完全防水まではいかないものの、保護レベルとしては必要十分と言って良さそうです。
広色域ディスプレイ
ディスプレイはサイズや解像度に変わりないものの、9.7インチiPad Proが備えるのと同等の広色域タイプのものになり、12MPカメラで撮影する画像を美しく表示することが可能になるとされます。デュアルカメラ(iPhone 7 Plus)
iPhone 7 Plusではズーム用と広角撮影用のデュアルカメラが用意されます。このデュアルカメラは、ピンぼけ写真でもあとからピント合わせをやり直せるライトフィールドカメラとして機能すると目され、見た目は同じデュアルカメラでもHuawei P9が備えるカラー/グレイスケール用の組み合わせとはまったく異なるものになっているとのこと。またカメラ機能関連で言えば、フラッシュ用LEDもiPhone 7では寒色系と暖色系を2個ずつ、合計4個のLEDを備えるとされます。
RAM・ストレージ容量
ストレージに関してはもっとも低容量のモデルが16GBから32GBに引き上げられるとともに64GBがなくなり、32 /128 /256GBのラインナップに改められるとのこと。RAMはiPhone 7 Plusでは3GBに増量。これはデュアルカメラによる画像データ量の増加に対処するためとされます。一方、シングルカメラのiPhone 7は2GBの予想です(iPhone 6s /6s Plusはともに2GB)。
イヤホン
イヤホンジャックの廃止とともに、一部には根強くBluetooth版EarPodsのAirPodsが付属すると言われているイヤホンまわりですが、KGIの予測では大方の予想にならいLightning端子のEarPodsとLightning-3.5mm変換アダプターの両方が付属するとされています。また、従来3.5mmイヤホンジャックがあった場所は3D Touch(感圧タッチ)機能の強化のために使われている模様です。その他
iPhone 7では近接センサーが赤外線LEDからレーザーを使ったものへと変更されるかもしれません。これによって応答時間を短縮するとともに、ユーザーが手をかざすだけでiPhoneを操作できるジェスチャー操作も実現できるとのこと。ジェスチャー操作はこれまでどこからも出ていない情報であり、気になるところです。今回の報告がすべて本当ならば、一時はマイナーチェンジとも言われた iPhone 7にも多岐にわたる変更・改善点があることがわかります。しかし、KGIもやはり一般に注目されるのはイヤホンジャックの廃止とブラック2色の追加、デュアルカメラ、IPX7防水機能といった見た目にもわかりやすい部分になるだろうとしています。
一方、日本では大きなニュースとなったiPhone 7のFelica(おサイフケータイ)対応については、KGIのレポートでは触れられていませんでした。
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ちなみにスペシャルイベントの後で気になる情報として、KGIはiPhone 7 /7 Plusの2016年末までの出荷台数を6500万台と予想しています。これはiPhone 6s /6s Plus が同時期に出荷した8200万台と比べるとかなり少ない数字。今年、買い替えを予定している人は競争がやや激しくなるかもしれません。