深夜なので怖い話を置いていく『メンテ仲間のN美』『確かに感じる気配』他
2016年09月05日:23:00
- カテゴリ:心霊・幽霊
1: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 21:57:41.358 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか
|A-) 怖い話は探しながら人がいる限りゆっくりと
怖い話書ける人、貼れる人はどうぞー
レスがなくなったらさるさんくらったか寝たか人いなくなったと思ってね
インスト好きは音楽をどうぞ
聴くには音楽プレイヤーの ファイル→URLを開く→http~8000/までをコピペ
http://dokuobd.orz.hm:8000/
スレ告知とかはしたらばにて
http://jbbs.shitaraba.net/radio/30500/
|A-) 怖い話は探しながら人がいる限りゆっくりと
怖い話書ける人、貼れる人はどうぞー
レスがなくなったらさるさんくらったか寝たか人いなくなったと思ってね
インスト好きは音楽をどうぞ
聴くには音楽プレイヤーの ファイル→URLを開く→http~8000/までをコピペ
http://dokuobd.orz.hm:8000/
スレ告知とかはしたらばにて
http://jbbs.shitaraba.net/radio/30500/
引用元: ・毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか
2: 秋山 ◆MIO/.JGsks 2016/09/04(日) 21:58:42.714 ID:7iK+ZqR20
| ω・)どおおおおおおおっくぅううううううん!!!!
5: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:04:38.570 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
>>2
|A-) いらっしゃいなw
|A-) いらっしゃいなw
3: cat ◆TUKUMO3rAI 2016/09/04(日) 21:58:57.034 ID:8Bjvrkcpa
|ω・`) 見つけたー!
お疲れさまーお風呂の中から楽しみまーす!
お疲れさまーお風呂の中から楽しみまーす!
5: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:04:38.570 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
>>3
|A-) んw
転んだり落としたりしないようにねw
|A-) んw
転んだり落としたりしないようにねw
4: cat ◆TUKUMO3rAI 2016/09/04(日) 22:00:00.425 ID:8Bjvrkcpa
|ω・`) ところで音楽はアイホンからでも聴けるのかしら
前から気になってて…
前から気になってて…
5: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:04:38.570 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
>>4
|A-) 聴けそうだけどなあ
検索してみたらアプリあるね
|A-) 聴けそうだけどなあ
検索してみたらアプリあるね
7: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:07:46.171 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
私は学生の頃、ある町のハンバーガーショップで「メンテ」のバイトをしていた。
メンテ=メンテナンスマン。
閉店後の店内を翌朝までに掃除する仕事だ。
私とKさんの2人でメンテに入った時のこと。
4時頃には一通りの掃除を終え、仮眠をとるために2階の客席へ上がった。
照明を消し、ベンチの上に横たわってウトウトしていると、Kさんに肩を叩かれた。
「1階の方で物音がする。」
と言う。
階段の所へ行って耳を澄ますと、厨房で回している洗濯機の音に混ざって、かすかに声のようなものが聞こえた。
階段を下りて、恐る恐る厨房の方を覗くと、洗濯機の前に人影が立っているのが見えた。
ジーンズにTシャツ姿の若い女。
洗濯機の中を覗き込んで何事か呟いている。
「オイ!」
私が声をかけると、女は振り向いてこっちを見た。
昼勤のバイトをしているN美だった。
活発な感じの子で、メンテ仲間にも人気がある。
今は、心なしか顔色が青白く、虚ろな表情。
十秒くらい(?)無言でこっちを見ていたが、おもむろに踵を返し、
私たちのいる所からは死角になっている厨房の奥に向かって、小走りに消えた。
2人揃って後を追い、角を曲がって奥の方を覗く。誰もいない。
厨房のその一角には冷蔵庫とシンクが置いてあるくらいで、人が隠れるスペースも、他へ通じるドアも無い。
一応冷蔵庫を開けたが、中は食材が一杯に詰まっているばかり。
私とKさんは、しばらく呆然として立ち尽くしていた。
「あれ、N美だったよな…」
Kさんの声は震えていた。
「幽霊ですかね。」
「んな訳ねーだろ。N美生きてるじゃねーか。」
「いや、たった今、死んだとか…」
「ば、バカ言ってんじゃねぇよ…」
もう仮眠どころではなく、2人とも、いつになく丁寧に掃除しながら朝を待った。
作業日誌にN美のことは書かなかった。
絶対本気にされないだろうと思ったからだ。
家に帰って昼まで寝て、午後の講義を受けた。
帰り道、遠回りをして店の前を通った。
カウンターの向こうでキビキビ働いているN美を見て、私は少し安心した。
メンテ=メンテナンスマン。
閉店後の店内を翌朝までに掃除する仕事だ。
私とKさんの2人でメンテに入った時のこと。
4時頃には一通りの掃除を終え、仮眠をとるために2階の客席へ上がった。
照明を消し、ベンチの上に横たわってウトウトしていると、Kさんに肩を叩かれた。
「1階の方で物音がする。」
と言う。
階段の所へ行って耳を澄ますと、厨房で回している洗濯機の音に混ざって、かすかに声のようなものが聞こえた。
階段を下りて、恐る恐る厨房の方を覗くと、洗濯機の前に人影が立っているのが見えた。
ジーンズにTシャツ姿の若い女。
洗濯機の中を覗き込んで何事か呟いている。
「オイ!」
私が声をかけると、女は振り向いてこっちを見た。
昼勤のバイトをしているN美だった。
活発な感じの子で、メンテ仲間にも人気がある。
今は、心なしか顔色が青白く、虚ろな表情。
十秒くらい(?)無言でこっちを見ていたが、おもむろに踵を返し、
私たちのいる所からは死角になっている厨房の奥に向かって、小走りに消えた。
2人揃って後を追い、角を曲がって奥の方を覗く。誰もいない。
厨房のその一角には冷蔵庫とシンクが置いてあるくらいで、人が隠れるスペースも、他へ通じるドアも無い。
一応冷蔵庫を開けたが、中は食材が一杯に詰まっているばかり。
私とKさんは、しばらく呆然として立ち尽くしていた。
「あれ、N美だったよな…」
Kさんの声は震えていた。
「幽霊ですかね。」
「んな訳ねーだろ。N美生きてるじゃねーか。」
「いや、たった今、死んだとか…」
「ば、バカ言ってんじゃねぇよ…」
もう仮眠どころではなく、2人とも、いつになく丁寧に掃除しながら朝を待った。
作業日誌にN美のことは書かなかった。
絶対本気にされないだろうと思ったからだ。
家に帰って昼まで寝て、午後の講義を受けた。
帰り道、遠回りをして店の前を通った。
カウンターの向こうでキビキビ働いているN美を見て、私は少し安心した。
9: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:10:57.863 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
次のメンテは友達のYと一緒だった。
仕事に入る前、事務所で前回に見た出来事について話すと、Yの顔色が変わった。
聞いてみると、先週のメンテで一緒になった奴がN美を見たのだと言う。
「俺が2階で掃除してたら、そいつがパニクって上がってきてさ。
開いた冷蔵庫の扉の前で、N美が立って中を覗き込んでいたんだって。」
そいつが声をかけると、N美は冷蔵庫の中に消えた。
もちろん冷蔵庫の中に人が隠れるスペースなど無い。
「あれなんじゃねーの、生き霊ってヤツ。」
私が茶化すようにそう言うと、
「でも、生き霊って恨み持ってる奴のアレだろ?N美そんな感じじゃないよな。」
と言い返された。
確かに、N美はサバサバした感じの子で、誰かを恨んだりするタイプには見えない。
「夜中、店に忍び込んだんじゃねーの?」
「何で?何のために?金は事務所に持ってっちまうし、理由ないって。」
「うーん夢遊病とか…」
「どうやって店に入るんだよ。それに、消えたってのはどう説明するんだ?」
結局、何の結論も出ないまま、店の営業が終わって時間切れとなった。
その日の仕事は、私が2階、Yが1階という風に分担してやる事にした。
客席の床を拭いている最中に、下から声がした。
手を止めて耳を澄ましていると、今度は叫び声が聞こえてきた。Yの声だった。
私は慌てて階段を下りた。
カウンターの向こう、階段の裏側にある倉庫の前。
Yが床にへたり込んでいた。目を閉じて何事か呟いている。
「大丈夫か?!何があった!」
Yは目を開けると、怯え切った表情で
「上へ連れてってくれ…」
とだけ言った。
20分程経って、ようやく落ち着きを取り戻したYは、さっき見た一部始終を語り始めた。
Yは床の掃除をするため、掃除機を出そうと倉庫の扉を開けた。
中にN美が居た。
青白い顔、虚ろな表情。
驚いて後ずさったYの目の前を通り過ぎ、N美はまたもや奥の方へ消えた。
それで、Yは腰を抜かしたのだと言う。
「やばいよ、やばいって。明日店長に言ってみようぜ。」
私は本気でビビっていた。
Yは俯いたまま黙りこくっていた。
帰る際になって、Yが私を捕まえて言った。
「昨日の事、俺が店長に話しとくから、お前は先に帰ってくれ。」
「だけど、俺の話もあるし…」
「いや、それも俺が話とく。いいから、まかせてくれよ。」
Yの、いつになく強い口調に気圧されて、私はそのまま帰ることにした。
次のバイトを探そう、と真剣に考えはじめた。
仕事に入る前、事務所で前回に見た出来事について話すと、Yの顔色が変わった。
聞いてみると、先週のメンテで一緒になった奴がN美を見たのだと言う。
「俺が2階で掃除してたら、そいつがパニクって上がってきてさ。
開いた冷蔵庫の扉の前で、N美が立って中を覗き込んでいたんだって。」
そいつが声をかけると、N美は冷蔵庫の中に消えた。
もちろん冷蔵庫の中に人が隠れるスペースなど無い。
「あれなんじゃねーの、生き霊ってヤツ。」
私が茶化すようにそう言うと、
「でも、生き霊って恨み持ってる奴のアレだろ?N美そんな感じじゃないよな。」
と言い返された。
確かに、N美はサバサバした感じの子で、誰かを恨んだりするタイプには見えない。
「夜中、店に忍び込んだんじゃねーの?」
「何で?何のために?金は事務所に持ってっちまうし、理由ないって。」
「うーん夢遊病とか…」
「どうやって店に入るんだよ。それに、消えたってのはどう説明するんだ?」
結局、何の結論も出ないまま、店の営業が終わって時間切れとなった。
その日の仕事は、私が2階、Yが1階という風に分担してやる事にした。
客席の床を拭いている最中に、下から声がした。
手を止めて耳を澄ましていると、今度は叫び声が聞こえてきた。Yの声だった。
私は慌てて階段を下りた。
カウンターの向こう、階段の裏側にある倉庫の前。
Yが床にへたり込んでいた。目を閉じて何事か呟いている。
「大丈夫か?!何があった!」
Yは目を開けると、怯え切った表情で
「上へ連れてってくれ…」
とだけ言った。
20分程経って、ようやく落ち着きを取り戻したYは、さっき見た一部始終を語り始めた。
Yは床の掃除をするため、掃除機を出そうと倉庫の扉を開けた。
中にN美が居た。
青白い顔、虚ろな表情。
驚いて後ずさったYの目の前を通り過ぎ、N美はまたもや奥の方へ消えた。
それで、Yは腰を抜かしたのだと言う。
「やばいよ、やばいって。明日店長に言ってみようぜ。」
私は本気でビビっていた。
Yは俯いたまま黙りこくっていた。
帰る際になって、Yが私を捕まえて言った。
「昨日の事、俺が店長に話しとくから、お前は先に帰ってくれ。」
「だけど、俺の話もあるし…」
「いや、それも俺が話とく。いいから、まかせてくれよ。」
Yの、いつになく強い口調に気圧されて、私はそのまま帰ることにした。
次のバイトを探そう、と真剣に考えはじめた。
10: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:13:24.115 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
次のメンテに入った日、N美が何の連絡もなく無断欠勤していた。
今まで無かった事なので、心配した店長がN美の所に電話したが、誰も出ないらしい。
私は内心メチャクチャ怯えながら掃除をしたが、その夜は何も変な事は起きなかった。
翌日の夜、早めに寝ようとしたところで電話がかかってきた。Yからだった。
「ちょっと話がある。そっち行っていいか?」
声が妙に沈んでいたので何事かと思ったが、20分後に現れたYは、案外普通に見えた。
「どうしたんだ?」
「いや、N美のことなんだけど…」
「昨日、いきなり休んだらしいな。」
「知ってる。電話しても出ない。アパートにも居ないんだ。」
「アパートにって、お前…」
「うん、ちょっと前から俺、N美とつき合ってたんだ。」
そう言って、YはN美との事を話し始めた。
YがN美がつき合い出したのは、ここ1ヶ月のことだった。
N美は親元を離れ、一人暮らしをしていた。Yは何回かN美の部屋に行ったらしい。
つき合っている最中のN美は、明るい普通の子だった。
だから、N美の生き霊(?)の噂を聞いた時も、Yは嘘だと思って相手にしなかった。
ところが先日の深夜、私と一緒のメンテの際に、Yは自分の目でN美を見てしまった。
私にはああ言ったものの、Yは店長には何も話さなかった。
そして、その日の昼にN美に会って話をしたそうだ。
最初は
「何言ってんの~」
と笑っていたN美も、Yの真剣な表情に怯えだした。
最後には2人して黙り込んでしまい、結局、気まずい雰囲気でその場は別れたらしい。
翌日の夜、Yの家にN美から電話があった。
昨日の話題は出なかった。
ただ、N美はやたら昔の話をしたがった。
Yとの思い出、一人暮らしを始めたきっかけ、子供の頃の記憶、両親の事…
やがて、昔付き合っていた男の話までしだしたので、
鬱陶しくなったYは、半ば強引に電話を終わらせてしまった。
「その次の日なんだ、N美が姿消したの…」
Yは昨日の夜、つまりN実が無断欠勤した日の夜に、N美の所へ電話した。しかし、N美は出ない。
アパートへ行ってみると、ドアの鍵が開いている。
中へ入ると、N美の姿はなく、部屋の中が妙に整頓されていた。イヤな予感。
Yは、近くの公衆電話で、以前聞いたN美の実家の電話番号をプッシュした。
電話はすぐに繋がり、N美の母親が出た。
Yは単刀直入に聞いた。
「N美さんは、そちらに戻っていますか?」
しばらく沈黙があり、やがて重々しい口調で返事が返ってきた。
「…N美は死にました…半年前に、自分の意志で…」
今まで無かった事なので、心配した店長がN美の所に電話したが、誰も出ないらしい。
私は内心メチャクチャ怯えながら掃除をしたが、その夜は何も変な事は起きなかった。
翌日の夜、早めに寝ようとしたところで電話がかかってきた。Yからだった。
「ちょっと話がある。そっち行っていいか?」
声が妙に沈んでいたので何事かと思ったが、20分後に現れたYは、案外普通に見えた。
「どうしたんだ?」
「いや、N美のことなんだけど…」
「昨日、いきなり休んだらしいな。」
「知ってる。電話しても出ない。アパートにも居ないんだ。」
「アパートにって、お前…」
「うん、ちょっと前から俺、N美とつき合ってたんだ。」
そう言って、YはN美との事を話し始めた。
YがN美がつき合い出したのは、ここ1ヶ月のことだった。
N美は親元を離れ、一人暮らしをしていた。Yは何回かN美の部屋に行ったらしい。
つき合っている最中のN美は、明るい普通の子だった。
だから、N美の生き霊(?)の噂を聞いた時も、Yは嘘だと思って相手にしなかった。
ところが先日の深夜、私と一緒のメンテの際に、Yは自分の目でN美を見てしまった。
私にはああ言ったものの、Yは店長には何も話さなかった。
そして、その日の昼にN美に会って話をしたそうだ。
最初は
「何言ってんの~」
と笑っていたN美も、Yの真剣な表情に怯えだした。
最後には2人して黙り込んでしまい、結局、気まずい雰囲気でその場は別れたらしい。
翌日の夜、Yの家にN美から電話があった。
昨日の話題は出なかった。
ただ、N美はやたら昔の話をしたがった。
Yとの思い出、一人暮らしを始めたきっかけ、子供の頃の記憶、両親の事…
やがて、昔付き合っていた男の話までしだしたので、
鬱陶しくなったYは、半ば強引に電話を終わらせてしまった。
「その次の日なんだ、N美が姿消したの…」
Yは昨日の夜、つまりN実が無断欠勤した日の夜に、N美の所へ電話した。しかし、N美は出ない。
アパートへ行ってみると、ドアの鍵が開いている。
中へ入ると、N美の姿はなく、部屋の中が妙に整頓されていた。イヤな予感。
Yは、近くの公衆電話で、以前聞いたN美の実家の電話番号をプッシュした。
電話はすぐに繋がり、N美の母親が出た。
Yは単刀直入に聞いた。
「N美さんは、そちらに戻っていますか?」
しばらく沈黙があり、やがて重々しい口調で返事が返ってきた。
「…N美は死にました…半年前に、自分の意志で…」
11: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:14:49.215 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
「なあ、どう思う?」
Yは顔を歪めながら聞いてきた。
「俺、N美のお袋さんに、N美の事イロイロ聞いたよ。人違いかもしれないと思って。
でも、顔や体の特徴、性格、話し方、子供の頃の記憶。同じなんだ、何もかも。
俺が知ってるN美と、半年前に自殺したN美。同一人物としか思えないんだよ。」
私は呆然とするしかなかった。
N美がバイトをしている姿は、私もYもKさんも、他のバイト仲間や店長も見ている。
何百人という人が、N美の手からハンバーガーを受け取っているハズだ。
それが全て幻だったとでも言うのか?N美は幽霊だったのだろうか?
「俺、家に帰ってからN美の写真を見たよ。そのままだった。何も変わっていない。
俺の記憶のままのN美が写ってる。あれがN美じゃないなら…誰なんだ?」
Yは泣いていた。
私は何と慰めて良いのかわからず、Yと一緒になって泣いた。
結局、私やYが知っているN美の行方は、それっきり判らずじまいだった。
バイト先に残されていたN美の履歴書に貼り付けてあった学生証のコピー。
そこにあった学籍番号は別の学生のものだった。
N美の部屋は生活の痕跡が残されたままで、預金通帳や現金もそのまま残されていた。
これは、誰かが仕組んだ、手の込んだイタズラなのか?
誰もがそう考え始めたころ、Yが死んだ。
見通しの良い直線道路。
Yは急に歩道から飛び出し、タクシーに轢かれた。
遺書の類は残されていなかった。
自殺なのか?偶然なのか?分かろうはずもなかった。
Yは顔を歪めながら聞いてきた。
「俺、N美のお袋さんに、N美の事イロイロ聞いたよ。人違いかもしれないと思って。
でも、顔や体の特徴、性格、話し方、子供の頃の記憶。同じなんだ、何もかも。
俺が知ってるN美と、半年前に自殺したN美。同一人物としか思えないんだよ。」
私は呆然とするしかなかった。
N美がバイトをしている姿は、私もYもKさんも、他のバイト仲間や店長も見ている。
何百人という人が、N美の手からハンバーガーを受け取っているハズだ。
それが全て幻だったとでも言うのか?N美は幽霊だったのだろうか?
「俺、家に帰ってからN美の写真を見たよ。そのままだった。何も変わっていない。
俺の記憶のままのN美が写ってる。あれがN美じゃないなら…誰なんだ?」
Yは泣いていた。
私は何と慰めて良いのかわからず、Yと一緒になって泣いた。
結局、私やYが知っているN美の行方は、それっきり判らずじまいだった。
バイト先に残されていたN美の履歴書に貼り付けてあった学生証のコピー。
そこにあった学籍番号は別の学生のものだった。
N美の部屋は生活の痕跡が残されたままで、預金通帳や現金もそのまま残されていた。
これは、誰かが仕組んだ、手の込んだイタズラなのか?
誰もがそう考え始めたころ、Yが死んだ。
見通しの良い直線道路。
Yは急に歩道から飛び出し、タクシーに轢かれた。
遺書の類は残されていなかった。
自殺なのか?偶然なのか?分かろうはずもなかった。
12: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:15:48.904 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
ただ、私には思いあたる節があった。
気になる事がある、と言った方が良いかもしれない。
N美が消えた翌日、私の部屋へ来た時、Yが話していたことがもう一つある。
Yが階段裏の倉庫でN美を見た時のこと。
Yは、目の前を通り過ぎてそのまま走り去ろうとするN美に、思わず声を掛けた。
「おい!待てよ。」
N美は足を止め、ゆっくりと振り返った。
次の瞬間、N美の目が驚いたように見開かれた。
そのまま、一所をじっと見つめている。
Yはその視線を追い、倉庫の中に目をやった。
そして、Yは「そいつ」を見た。
倉庫の奥に座っていたそうだ。
Yは、恐怖のあまり腰を抜かした。
目を閉じて、ひたすら祈りの言葉を繰り返す。
やがて、
「大丈夫か?!」
という声がして、Yはようやく目を開けた。
目の前に私の姿があった。ホッと一安心したそうだ。
で、私の肩越しに倉庫の中を見た。
薄暗闇の中、「そいつ」がゆっくりと立ち上がろうとしているのが見えた。
一刻も早く、その場を離れないとヤバイと思ったそうだ
「上へ連れてってくれ…」
だから、Yはそう言った。
「そいつ」について、Yはそれ以上、何も教えてくれなかった。
私が何を聞いても返事をしなかった。
怯えていたのかもしれない。
ただ、「そいつ」を見た時、Yは恐怖と共にある予感を抱いたのだという。
「N美とはもう会えないかもしれない。」
Yはその時、何かを諦めたんだと思う。
うまく説明出来ないけれど、きっとそうだ。
だから、Yの死因は自殺ではないと思う。
気になる事がある、と言った方が良いかもしれない。
N美が消えた翌日、私の部屋へ来た時、Yが話していたことがもう一つある。
Yが階段裏の倉庫でN美を見た時のこと。
Yは、目の前を通り過ぎてそのまま走り去ろうとするN美に、思わず声を掛けた。
「おい!待てよ。」
N美は足を止め、ゆっくりと振り返った。
次の瞬間、N美の目が驚いたように見開かれた。
そのまま、一所をじっと見つめている。
Yはその視線を追い、倉庫の中に目をやった。
そして、Yは「そいつ」を見た。
倉庫の奥に座っていたそうだ。
Yは、恐怖のあまり腰を抜かした。
目を閉じて、ひたすら祈りの言葉を繰り返す。
やがて、
「大丈夫か?!」
という声がして、Yはようやく目を開けた。
目の前に私の姿があった。ホッと一安心したそうだ。
で、私の肩越しに倉庫の中を見た。
薄暗闇の中、「そいつ」がゆっくりと立ち上がろうとしているのが見えた。
一刻も早く、その場を離れないとヤバイと思ったそうだ
「上へ連れてってくれ…」
だから、Yはそう言った。
「そいつ」について、Yはそれ以上、何も教えてくれなかった。
私が何を聞いても返事をしなかった。
怯えていたのかもしれない。
ただ、「そいつ」を見た時、Yは恐怖と共にある予感を抱いたのだという。
「N美とはもう会えないかもしれない。」
Yはその時、何かを諦めたんだと思う。
うまく説明出来ないけれど、きっとそうだ。
だから、Yの死因は自殺ではないと思う。
16: cat ◆TUKUMO3rAI 2016/09/04(日) 22:24:29.828 ID:8Bjvrkcpa
>>12
|ω・`) これ第三者機関とかそういうの関わってるのかな!
でもN美は冷蔵庫の中とかに消えてるからやっぱり生霊?死霊?
やっぱり怪しい影みたいなのがN美を引きずり込んで何かやらせようとしてたっぽいよね
次はYがそういう手下にされてまた違う所で同じ事するのかな
ループものぽいね!
|ω・`) これ第三者機関とかそういうの関わってるのかな!
でもN美は冷蔵庫の中とかに消えてるからやっぱり生霊?死霊?
やっぱり怪しい影みたいなのがN美を引きずり込んで何かやらせようとしてたっぽいよね
次はYがそういう手下にされてまた違う所で同じ事するのかな
ループものぽいね!
23: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:32:34.777 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
>>16
|A-) これよくわかんないよね
N美は死んでたのは確かなんだけどやばげな雰囲気のあいつが現れたせいで
二人とも消されたように見えたなあ
|A-) これよくわかんないよね
N美は死んでたのは確かなんだけどやばげな雰囲気のあいつが現れたせいで
二人とも消されたように見えたなあ
19: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:26:42.727 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
俺がまだ実家に住んでいた頃の話なんだが、東京とは名ばかりのスゲー田舎町で夜ともなるとかなり暗いわけよ。
ある日、飲み会で遅くなり終電乗り過ごしちまって、タクシーで帰るかって事になったんだけどさ、
途中で何気に財布の中身を確認してみると、微妙に足りなさそうなのよ…
「やべーっ」
って思って少し手前で降りる事にした。
今考えてみると、家に着いてから普通に金取ってきて払えば良かったんだけどねぇ。
いや!!この後に俺が体験したことを考えると絶対にそうするべきだった…
少し手前で降りることになったとはいえ、利用してる駅の1つ手前だし、家までの距離は3km程度だ。
今は2月半ばだし、歩いて帰れば酔い醒ましには丁度いいだろうって感じ。
酔ってる勢いもあったし、余裕で歩き始めた。
家まであと半分くらいって所まで歩いたとき、俺の酔いはすっかり醒めていた。
寒い中歩いてきたから?途中なけなしの小銭で缶コーヒー飲んだから?
違う!!
このときの俺は自分に襲い掛かる凄まじい恐怖に心の底から怯えていた…
最初に感じたのは駅前から裏道に入り、500m程歩いた頃だった。
タバコを吸いコーヒーを飲みながら歩いていた俺は、自分の右側からふと妙な気配を感じてパッと視線を巡らせてみた。
「…別に誰もいないな…やべぇやべぇ変なこと考えると怖くなっちまう」
俺は元々心霊関係の話は好きなくせに怖がりなので、そのときに感じた気配をタバコの煙の所為にして再び歩き始めた、
するとまたすぐに気配を感じた…
「やばい!!こりゃマジかよ?!」
その考えを否定したくて俺はまた視線を巡らせた。
そこには電柱がポツンと立ってるだけだ…よくある街灯がついてる電柱で他にはなにもない。
「ハハハ…そりゃそうだよな今まで20年以上生きてきて一度も霊体験なんてしたことね~んだ」
そんな事を考えているうちに次の街灯の前にさしかかった。
「…ぃ…ぃ…」
微かに女の声が聞こえたような気がした、今度は待ったなしだ!!俺はスゲー勢いで走り出した。
しかし走っても走っても街灯の前にさしかかると、必ず右横の電柱から女の声とヤバイ気配がビンビン伝わってくる。
しかもだ!!事態は悪い方向に向かっているようだった…
今まで街灯の前にさしかかったときに感じていた気配と声が姿形を伴いだしやがった。
走っている俺の視界にはもちろん前方の電柱が入る…
何個目かなんて覚えちゃいないが、とにかく見えだしたんだよ。
電柱の脇で上から降り注ぐ街灯の白い光を浴びて佇む女の姿がさ…
その横顔には黒く長い髪が悪夢のように垂れ下がり、女の表情を窺い知ることはできない。
「………!!!………」
もう頭の中は真っ白、すぐさま脇道に入り比較的明るい大通りへと出るべく走り出した。
ある日、飲み会で遅くなり終電乗り過ごしちまって、タクシーで帰るかって事になったんだけどさ、
途中で何気に財布の中身を確認してみると、微妙に足りなさそうなのよ…
「やべーっ」
って思って少し手前で降りる事にした。
今考えてみると、家に着いてから普通に金取ってきて払えば良かったんだけどねぇ。
いや!!この後に俺が体験したことを考えると絶対にそうするべきだった…
少し手前で降りることになったとはいえ、利用してる駅の1つ手前だし、家までの距離は3km程度だ。
今は2月半ばだし、歩いて帰れば酔い醒ましには丁度いいだろうって感じ。
酔ってる勢いもあったし、余裕で歩き始めた。
家まであと半分くらいって所まで歩いたとき、俺の酔いはすっかり醒めていた。
寒い中歩いてきたから?途中なけなしの小銭で缶コーヒー飲んだから?
違う!!
このときの俺は自分に襲い掛かる凄まじい恐怖に心の底から怯えていた…
最初に感じたのは駅前から裏道に入り、500m程歩いた頃だった。
タバコを吸いコーヒーを飲みながら歩いていた俺は、自分の右側からふと妙な気配を感じてパッと視線を巡らせてみた。
「…別に誰もいないな…やべぇやべぇ変なこと考えると怖くなっちまう」
俺は元々心霊関係の話は好きなくせに怖がりなので、そのときに感じた気配をタバコの煙の所為にして再び歩き始めた、
するとまたすぐに気配を感じた…
「やばい!!こりゃマジかよ?!」
その考えを否定したくて俺はまた視線を巡らせた。
そこには電柱がポツンと立ってるだけだ…よくある街灯がついてる電柱で他にはなにもない。
「ハハハ…そりゃそうだよな今まで20年以上生きてきて一度も霊体験なんてしたことね~んだ」
そんな事を考えているうちに次の街灯の前にさしかかった。
「…ぃ…ぃ…」
微かに女の声が聞こえたような気がした、今度は待ったなしだ!!俺はスゲー勢いで走り出した。
しかし走っても走っても街灯の前にさしかかると、必ず右横の電柱から女の声とヤバイ気配がビンビン伝わってくる。
しかもだ!!事態は悪い方向に向かっているようだった…
今まで街灯の前にさしかかったときに感じていた気配と声が姿形を伴いだしやがった。
走っている俺の視界にはもちろん前方の電柱が入る…
何個目かなんて覚えちゃいないが、とにかく見えだしたんだよ。
電柱の脇で上から降り注ぐ街灯の白い光を浴びて佇む女の姿がさ…
その横顔には黒く長い髪が悪夢のように垂れ下がり、女の表情を窺い知ることはできない。
「………!!!………」
もう頭の中は真っ白、すぐさま脇道に入り比較的明るい大通りへと出るべく走り出した。
21: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:27:39.696 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
脇道に入った瞬間、耳元で女の声が響いた!!
「逃…がさな…い」
それは呟き声なのに振動を伴う程のとんでもない大音響だった。
実際近隣の家の人が出てきてくれるんじゃないかと期待したほどだ。
しかし俺には来るか来ないか判りもしない救援を待つ余裕はなかった。
ひたすら大通りに向かって走り続ける。
「おかしい…大通りが遠すぎる…」
次の瞬間俺の前に現れた光景は、俺の気力を根こそぎ奪うのに十分な威力を持っていた。
俺が入った脇道は途中で分岐点はあるものの真っ直ぐ走れば大通りに行くしかない道…
「俺はなんで元の裏道にいるんだ?!」
前方に見える電柱、街灯、そして女…
いや!!違う!!女の顔が違う!!こっちを向いてる…?!
「キィィィィィ…キィィィィィ」
不快な金属の擦れる音とともに女は恐怖に立ち尽くす俺の元へとやってくる。
「何の音だ?!うわ?!」
音の正体がわかった俺は失神しそうになった…
バイクのマフラーだ…ハンドルだ…女の体には無数のバイクの残骸が突き刺さっている!!
垂れ下がったそれらの部品の一部が、アスファルトを擦っている音だったんだ。
青白い女の血まみれの顔が俺の目の前に現れたとき、俺は失神した。
意識を取り戻したのは駅前交番の長椅子の上だった。
自転車でパトロールをしていた巡査が電柱の下で失神している俺を発見、ここまで運んでくれたということだった。
しかしその巡査の話を聞いているうちに、俺は再び恐怖に襲われた…
俺はタクシーを降りた駅前から裏道を500mほど進んだ電柱の下で倒れていたというのだ。
俺は最初にヤバイ気配を感じたあの場所から、少しも家に近づいてはいなかったのだ。
あれほど走り続けたのに…
最後に巡査が言った…
「しかしバイク事故現場の花束の中に倒れていたからねぇ…後追いか?!なんて思っちゃったよ。本当に事故の被害者の関係者とかじゃないの?」
俺にとって一番洒落にならないのはこの出来事のあと、それまで縁のなかった霊体験を頻繁にするようになってしまった事なんだが。
「逃…がさな…い」
それは呟き声なのに振動を伴う程のとんでもない大音響だった。
実際近隣の家の人が出てきてくれるんじゃないかと期待したほどだ。
しかし俺には来るか来ないか判りもしない救援を待つ余裕はなかった。
ひたすら大通りに向かって走り続ける。
「おかしい…大通りが遠すぎる…」
次の瞬間俺の前に現れた光景は、俺の気力を根こそぎ奪うのに十分な威力を持っていた。
俺が入った脇道は途中で分岐点はあるものの真っ直ぐ走れば大通りに行くしかない道…
「俺はなんで元の裏道にいるんだ?!」
前方に見える電柱、街灯、そして女…
いや!!違う!!女の顔が違う!!こっちを向いてる…?!
「キィィィィィ…キィィィィィ」
不快な金属の擦れる音とともに女は恐怖に立ち尽くす俺の元へとやってくる。
「何の音だ?!うわ?!」
音の正体がわかった俺は失神しそうになった…
バイクのマフラーだ…ハンドルだ…女の体には無数のバイクの残骸が突き刺さっている!!
垂れ下がったそれらの部品の一部が、アスファルトを擦っている音だったんだ。
青白い女の血まみれの顔が俺の目の前に現れたとき、俺は失神した。
意識を取り戻したのは駅前交番の長椅子の上だった。
自転車でパトロールをしていた巡査が電柱の下で失神している俺を発見、ここまで運んでくれたということだった。
しかしその巡査の話を聞いているうちに、俺は再び恐怖に襲われた…
俺はタクシーを降りた駅前から裏道を500mほど進んだ電柱の下で倒れていたというのだ。
俺は最初にヤバイ気配を感じたあの場所から、少しも家に近づいてはいなかったのだ。
あれほど走り続けたのに…
最後に巡査が言った…
「しかしバイク事故現場の花束の中に倒れていたからねぇ…後追いか?!なんて思っちゃったよ。本当に事故の被害者の関係者とかじゃないの?」
俺にとって一番洒落にならないのはこの出来事のあと、それまで縁のなかった霊体験を頻繁にするようになってしまった事なんだが。
54: 秋山 ◆MIO/.JGsks 2016/09/04(日) 23:28:03.278 ID:7iK+ZqR20
>俺にとって一番洒落にならないのはこの出来事のあと、それまで縁のなかった霊体験を頻繁にするようになってしまった事なんだが。
| ω・)これが全部悪いw
| ω・)これが全部悪いw
55: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 23:29:32.444 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
>>54
|A-) 警報が鳴るのが遅い、とかもあるよw
|A-) 警報が鳴るのが遅い、とかもあるよw
26: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:37:46.160 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
これも実家に住んでいたときの話なんだけど(もちろん最初に霊体験したあとね)その日家の人間は俺以外、福島県にある父親の実家に遊びに行ってて、仕事の都合でどうしても行けない俺が一人で留守番してた。
会社から帰ってきた俺は、メシ食った後コタツに入ってゴロゴロしてた。
暇だしゲームもあきたし、なんとなくTVつけてぼーーーっと眺めてた。
そのとき、ふとブラウン管に何かが映り込んだ気がしたのよ。
半分眠ってた俺は
「ん?」
とは思ったものの、大して気にもしなかった。
前回の経験がまるで活かされてない辺りが俺のバカなところなんだけど。
いよいよ本格的に眠くなってきたので、風呂でも入ろうかと思ったが、明日は会社も午後からだし、
「起きてからシャワー浴びればいいやっ」
って感じで、コタツで寝ちまう事にした。
たぶん1時間くらい寝てたんだと思う、ふと部屋から発生する雑音で目が覚めた。
TVがついてた
「おかしいなぁ、消したよなぁ」
なんてブツブツいいながら
「ま…体でリモコン下敷きにでもしてスイッチ入ったのかな?」
くらいにしか考えずに、今度はTV本体のメインスイッチを押して消した。
「さーて寝るか」
ブンッッ!!!起動音とともに突然TVのスイッチが入る…
この段階まで来ると俺の中で
「こりゃヤバイな…」
って確信があった。
会社から帰ってきた俺は、メシ食った後コタツに入ってゴロゴロしてた。
暇だしゲームもあきたし、なんとなくTVつけてぼーーーっと眺めてた。
そのとき、ふとブラウン管に何かが映り込んだ気がしたのよ。
半分眠ってた俺は
「ん?」
とは思ったものの、大して気にもしなかった。
前回の経験がまるで活かされてない辺りが俺のバカなところなんだけど。
いよいよ本格的に眠くなってきたので、風呂でも入ろうかと思ったが、明日は会社も午後からだし、
「起きてからシャワー浴びればいいやっ」
って感じで、コタツで寝ちまう事にした。
たぶん1時間くらい寝てたんだと思う、ふと部屋から発生する雑音で目が覚めた。
TVがついてた
「おかしいなぁ、消したよなぁ」
なんてブツブツいいながら
「ま…体でリモコン下敷きにでもしてスイッチ入ったのかな?」
くらいにしか考えずに、今度はTV本体のメインスイッチを押して消した。
「さーて寝るか」
ブンッッ!!!起動音とともに突然TVのスイッチが入る…
この段階まで来ると俺の中で
「こりゃヤバイな…」
って確信があった。
27: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 22:38:22.310 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
とにかくTV消してリビングから脱出しようと、立ち上がった。
1階には居たくなかったので、2階へと逃げるべく階段の1段目に足を掛けた俺は凍りついた…
いるいる…
階段の中ごろに座り込んでる男がやけに鮮明に見えた。
俯いた男の頭頂部はめちゃくちゃに潰れてる。
正直、前の経験が蘇ってた俺には、そこにいるのが男であることが意外だった。
しかし、階段で男と睨み合って1晩過ごすわけにもいかないので、俺はリビングへと引き返すことにした。
リビングの様子はある程度予想した通りだった。
TVがついて少し古めの洋画が写っている。
そしてそのTVの光の中に浮かび上がる男の姿…
予想外だったのは男が座り込んでも、俯いてもなくこちらを睨みつけていることだった。
目があった瞬間体が完全に凍りついた。
「やばい!!」
男は俺から視線を外すこともなく、なにやらブツブツ呟いている。
洋画の音が五月蝿くてなかなか聞き取れない…
「…しぃ…く…し…ぃ」
「苦しい苦しい」或いは「悔しい悔しい」と繰り返し呟いているようだが、もちろん俺にはどうすることも出来ない。
そのとき俺は気付いた…TVの洋画から聞こえてくる音声が変化したことを。
「く…し…ぃ…し…ぃ」
頭にガンガン響くような声でひたすら繰り返される言葉を聴きながら俺は意識を失った。
翌朝、目覚めた俺の目に映ったものは付けっ放しのTVと少し乱れたコタツ…
こりゃ…夢だったのかと思った俺は1つの事に気付いた。
TVから音が出てない…リモコンでボリュームをあげるもいっこうに音が出る様子がない…
そしてTVの画面の右上のほうに画面焼けが…
帰ってきた親にしこたま怒られながら、俺はTVは修理に出さずに俺が新品で弁償すると申し出た。
親には言えなかったが、あの画面焼けはどうみても昨夜現れた男の顔…
1階には居たくなかったので、2階へと逃げるべく階段の1段目に足を掛けた俺は凍りついた…
いるいる…
階段の中ごろに座り込んでる男がやけに鮮明に見えた。
俯いた男の頭頂部はめちゃくちゃに潰れてる。
正直、前の経験が蘇ってた俺には、そこにいるのが男であることが意外だった。
しかし、階段で男と睨み合って1晩過ごすわけにもいかないので、俺はリビングへと引き返すことにした。
リビングの様子はある程度予想した通りだった。
TVがついて少し古めの洋画が写っている。
そしてそのTVの光の中に浮かび上がる男の姿…
予想外だったのは男が座り込んでも、俯いてもなくこちらを睨みつけていることだった。
目があった瞬間体が完全に凍りついた。
「やばい!!」
男は俺から視線を外すこともなく、なにやらブツブツ呟いている。
洋画の音が五月蝿くてなかなか聞き取れない…
「…しぃ…く…し…ぃ」
「苦しい苦しい」或いは「悔しい悔しい」と繰り返し呟いているようだが、もちろん俺にはどうすることも出来ない。
そのとき俺は気付いた…TVの洋画から聞こえてくる音声が変化したことを。
「く…し…ぃ…し…ぃ」
頭にガンガン響くような声でひたすら繰り返される言葉を聴きながら俺は意識を失った。
翌朝、目覚めた俺の目に映ったものは付けっ放しのTVと少し乱れたコタツ…
こりゃ…夢だったのかと思った俺は1つの事に気付いた。
TVから音が出てない…リモコンでボリュームをあげるもいっこうに音が出る様子がない…
そしてTVの画面の右上のほうに画面焼けが…
帰ってきた親にしこたま怒られながら、俺はTVは修理に出さずに俺が新品で弁償すると申し出た。
親には言えなかったが、あの画面焼けはどうみても昨夜現れた男の顔…
42: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 23:05:56.936 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
あれは俺が10歳の頃だっただろうか…
お盆で凄く暑かった。福井って雪国のイメージがあるが夏は半端じゃなく暑い。
おじさんが奥さんと一緒に遊びに来てて…暑いからってんで川に泳ぎに行こうってなってハタオリって淵に泳ぎにいった。
昼でも薄ぐらーい所で(まあ淵ってのはそういう場所の事を指してるから当たり前なんだけども)
夏でも水温は驚くほど冷たいでもまたそれが気持ちいい。
水の色(川の色って言ったほうがいいのかも)なんかも深ーい緑で…
昔の人は淵には主が住むっていってそんな感じ…
何かが潜んでいそうな雰囲気…
その淵には言い伝えがあって…(おじいちゃんからきいたんだけど)
昔、機(ハタ)を織る事を生業としていた娘がいてとても綺麗な娘で評判だった。
それでお殿様がめかけにしようとしたんだけど…その娘そんなの嫌だって言って、
お殿様怒ってその娘に無実の罪をきせて生きたまま川の底に沈めてその上から大きな岩を乗っけて殺してしまった…
それからというもの夜な夜なその岩の下からハタを織る音と共に女の声がヒヒヒ…とかギャアァァァ…とか…
さぞかし無念だったんだろう…
その娘が機織りを生業にしてたからだからハタオリって地名になったんだって。
深い淵の真中辺りに大きな岩が顔を出してるその下でまだ機を織り続けているんだって。
もちろん言い伝えだからそんな話信じちゃいなかった…
俺とおじさんと奥さんと兄ちゃんの4人でいったんだけど、河原で西瓜割したり釣りしたりいわくつきの岩の上から川にダイブしたりして…
楽しい時間ってのは本当にすぐ過ぎちゃうもんで、夕方になってヒグラシがカナカナカナ…って鳴き始めてきた。
この頃になるともう水の中は寒くて…楽しかったねもう帰ろうかって事になった。
おじさんと兄ちゃんはちょっとした荷物を崖の上に止めてある車に手分けして運びにいった。
俺と奥さんはゴミを落としてないかチェックしてた…
崖といってもほんの5メートル位の高さだからおじさんと兄ちゃんが往復して帰ってくるまで5分位のもんだったか…
その間に起こったあの出来事……
ゴミ拾いしてた俺はもう大体終わりかなと思って奥さんに声かけようとして奥さんに目をやったんだけど、
顔が真っ青なんだぶるぶる震えてる…んである一箇所をじっと見てるあの岩の方…
なんだろうって俺もそっちを見たんだ。
薄暗い川から何か出てる。黒いペッタリした物…人間の頭!?
髪の長い女が水で濡れた髪の毛をペターってさせて頭半分だけ水面にだして向こうを見てる!!
その下にあるはずの体は…無い…おいおいなんだよこれ~
やばいやばいやばい見つかったらやばい!!
俺はそーっと奥さんの近くにいくと手で
「静かに逃げよう」
と合図をしようと思い肩をポンと叩いた。
「キャッ!!」
極度の緊張状態にあった奥さんは俺の不用意な行動で思わず声をあげてしまった。
しまった!!
と思った瞬間ぐりんっ!!って頭がこっちをむいた。
思い出すだけで吐き気がして頭痛がしてくるあの顔…
お盆で凄く暑かった。福井って雪国のイメージがあるが夏は半端じゃなく暑い。
おじさんが奥さんと一緒に遊びに来てて…暑いからってんで川に泳ぎに行こうってなってハタオリって淵に泳ぎにいった。
昼でも薄ぐらーい所で(まあ淵ってのはそういう場所の事を指してるから当たり前なんだけども)
夏でも水温は驚くほど冷たいでもまたそれが気持ちいい。
水の色(川の色って言ったほうがいいのかも)なんかも深ーい緑で…
昔の人は淵には主が住むっていってそんな感じ…
何かが潜んでいそうな雰囲気…
その淵には言い伝えがあって…(おじいちゃんからきいたんだけど)
昔、機(ハタ)を織る事を生業としていた娘がいてとても綺麗な娘で評判だった。
それでお殿様がめかけにしようとしたんだけど…その娘そんなの嫌だって言って、
お殿様怒ってその娘に無実の罪をきせて生きたまま川の底に沈めてその上から大きな岩を乗っけて殺してしまった…
それからというもの夜な夜なその岩の下からハタを織る音と共に女の声がヒヒヒ…とかギャアァァァ…とか…
さぞかし無念だったんだろう…
その娘が機織りを生業にしてたからだからハタオリって地名になったんだって。
深い淵の真中辺りに大きな岩が顔を出してるその下でまだ機を織り続けているんだって。
もちろん言い伝えだからそんな話信じちゃいなかった…
俺とおじさんと奥さんと兄ちゃんの4人でいったんだけど、河原で西瓜割したり釣りしたりいわくつきの岩の上から川にダイブしたりして…
楽しい時間ってのは本当にすぐ過ぎちゃうもんで、夕方になってヒグラシがカナカナカナ…って鳴き始めてきた。
この頃になるともう水の中は寒くて…楽しかったねもう帰ろうかって事になった。
おじさんと兄ちゃんはちょっとした荷物を崖の上に止めてある車に手分けして運びにいった。
俺と奥さんはゴミを落としてないかチェックしてた…
崖といってもほんの5メートル位の高さだからおじさんと兄ちゃんが往復して帰ってくるまで5分位のもんだったか…
その間に起こったあの出来事……
ゴミ拾いしてた俺はもう大体終わりかなと思って奥さんに声かけようとして奥さんに目をやったんだけど、
顔が真っ青なんだぶるぶる震えてる…んである一箇所をじっと見てるあの岩の方…
なんだろうって俺もそっちを見たんだ。
薄暗い川から何か出てる。黒いペッタリした物…人間の頭!?
髪の長い女が水で濡れた髪の毛をペターってさせて頭半分だけ水面にだして向こうを見てる!!
その下にあるはずの体は…無い…おいおいなんだよこれ~
やばいやばいやばい見つかったらやばい!!
俺はそーっと奥さんの近くにいくと手で
「静かに逃げよう」
と合図をしようと思い肩をポンと叩いた。
「キャッ!!」
極度の緊張状態にあった奥さんは俺の不用意な行動で思わず声をあげてしまった。
しまった!!
と思った瞬間ぐりんっ!!って頭がこっちをむいた。
思い出すだけで吐き気がして頭痛がしてくるあの顔…
43: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 23:08:21.949 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
どす黒い肌、ぱんぱんに膨れあがっている…皮膚が所々めくれている…
目だけが真っ赤に充血してカッと見開いてるその目がギョロっと動いてオイラ達の方を向いた…
ニターっとその女は笑うとスーっと生首が宙に浮いた…
所々はげた頭長い髪の毛はちりちりで水に濡れて垂れ下がっている
「みつけた…うらの代わりんなっとぉけの(私の代わりになってよぉ)…」
そう言った恨めしそうなしゃがれた低い声…
「ぎゃあぁぁぁ…」
奥さんが悲鳴をあげる。
「うわあぁぁぁん…」
オイラは泣き叫ぶ。
女の生首はヒヒヒヒヒと笑いながらゆっくり近づいてくる…
奥さんの近くまで来ると物凄い形相になりカーっと口をひらいたお歯黒とどす黒い血で真っ黒な口…
「にげてー!!」
俺がそう叫ぶと奥さんはハッとして踵を返した…が…
ブリッと音を立てて生首は奥さんの腕にかぶりついた
「あああぁぁぁ!!ぎゃああぁぁぁ!!うおうおうおーーー!!」
奥さんはあらん限りの悲鳴を上げている。
生首はニタニタ笑いながら腕に喰らいついて離れない
俺はフーっと意識が遠ざかっていく、
遠のいていく意識の片隅でおじさんと兄ちゃんの叫び声を聞いた…
俺が気づいた時は家の座敷で布団に寝かされていた…
おじさんは奥さんを連れて病院に行っていた。
兄ちゃんは青白い顔で震えていた…
あの後どうなったか聞いたけど教えてくれなかった。
奥さんは即入院、数日後見舞いに行ったけど左手に包帯を巻き
「来ないで…」
とか
「何みてるのよ…」
とか呟いていた。
精神に異常をきたした奥さんは数年後首吊り自殺してしまった。
遺書とかは無かった…
一度4人で霊感の強いという方(親父の知り合い)にみてもらったのだが、あまりこの事は他人に喋らない方が良いと言われた。
でももう辛いから誰かに喋りたかったもう嫌だ疲れた…
あの女が今でも時々見てる…なに笑ってるんだよ…
誰でもいい誰かのところに行ってしまって欲しい。
目だけが真っ赤に充血してカッと見開いてるその目がギョロっと動いてオイラ達の方を向いた…
ニターっとその女は笑うとスーっと生首が宙に浮いた…
所々はげた頭長い髪の毛はちりちりで水に濡れて垂れ下がっている
「みつけた…うらの代わりんなっとぉけの(私の代わりになってよぉ)…」
そう言った恨めしそうなしゃがれた低い声…
「ぎゃあぁぁぁ…」
奥さんが悲鳴をあげる。
「うわあぁぁぁん…」
オイラは泣き叫ぶ。
女の生首はヒヒヒヒヒと笑いながらゆっくり近づいてくる…
奥さんの近くまで来ると物凄い形相になりカーっと口をひらいたお歯黒とどす黒い血で真っ黒な口…
「にげてー!!」
俺がそう叫ぶと奥さんはハッとして踵を返した…が…
ブリッと音を立てて生首は奥さんの腕にかぶりついた
「あああぁぁぁ!!ぎゃああぁぁぁ!!うおうおうおーーー!!」
奥さんはあらん限りの悲鳴を上げている。
生首はニタニタ笑いながら腕に喰らいついて離れない
俺はフーっと意識が遠ざかっていく、
遠のいていく意識の片隅でおじさんと兄ちゃんの叫び声を聞いた…
俺が気づいた時は家の座敷で布団に寝かされていた…
おじさんは奥さんを連れて病院に行っていた。
兄ちゃんは青白い顔で震えていた…
あの後どうなったか聞いたけど教えてくれなかった。
奥さんは即入院、数日後見舞いに行ったけど左手に包帯を巻き
「来ないで…」
とか
「何みてるのよ…」
とか呟いていた。
精神に異常をきたした奥さんは数年後首吊り自殺してしまった。
遺書とかは無かった…
一度4人で霊感の強いという方(親父の知り合い)にみてもらったのだが、あまりこの事は他人に喋らない方が良いと言われた。
でももう辛いから誰かに喋りたかったもう嫌だ疲れた…
あの女が今でも時々見てる…なに笑ってるんだよ…
誰でもいい誰かのところに行ってしまって欲しい。
46: cat ◆TUKUMO3rAI 2016/09/04(日) 23:13:20.361 ID:8Bjvrkcpa
>>43
|ω・`) こっわ
昔から言い伝えがある所の話だと怖さが違うね
|ω・`) こっわ
昔から言い伝えがある所の話だと怖さが違うね
45: 以下、無断転載禁止でVIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:10:10.014 ID:tGxNWyan0
生首こわーw
51: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/04(日) 23:24:05.318 ID:471qJ3bQ0 BE:708155702-PLT(12004)
この話はわりと最近の話なんだけど、既に引っ越して、だいぶ距離を稼いでいるので書き込んでみます。
その頃、俺が住んでいたのは東京と神奈川の県境にある町で、駅周辺は賑やかなものの、すこし駅を離れるといきなり寂しくなるっていう場所だった。
俺の住んでいたマンションは小さな山(丘かな)を造成して作った住宅街にあり、通勤時は、鬼のような坂を上り下りしなければならなかった。
その日、俺は仕事の仲間と遅くまで飲み歩き、マンションへと続く坂道を登り始めたのは、AM3:00近かったと思う。
ヘロヘロに酔ってる俺にはいつもの坂もかなりキツく、少し休憩しようと思い途中で少し立ち止まってタバコに火を点けた。
なにげなく進行方向である坂の上に目をやると、女性の姿が目に入った。
出歩くにはかなり深い時間ではあるが、まぁ俺も人の事は言えねぇし、さして気にも留めなかったのだが、
相手はいつまでもこちらを向いたままの姿勢で、まったく動き出す気配がない。
青っぽいワンピースで髪の長い女性であることは、確認できるが、蛍光灯の光を上から浴びているせいか髪の下にある表情までは見えない。
あんまりジッと見てるのもなんなので、俺は女性から目をそらして眼下に見える町並みを眺めながら2本目のタバコに火を点けた。
タバコを吸い終える頃には息切れもだいぶ収まったので、俺は再び坂を上り始めようと、上を見上げた。
おいおい冗談だろ…まだいるよ…
女性は相変わらずこちらを向いたまま佇んでいる。
「やばいな…」
毎度の事ながら俺の警報装置はいつも発動が遅い…
取敢えず足は動くし、ここは駅のほうへと引き返すしか手はないと思い、俺は後ろを振り向いた。
総毛立った…
今まで坂の上に佇んでこちらを向いていた女性が、俺の目の前にいる…
俺のほうが上にいる為か、上目遣いでこちらを睨み付けていた。
俺は声も出せないまま、再び振り向き懸命に坂を駆け登った。
幸いにして、部屋に転がり込むまで女性の姿も声もなかった。
恐怖に震えながら風呂にも入らず、近所から苦情が来そうなほどTVのボリュームを上げて夜明けまでの時間を過ごした。
それ以上何事もないまま日が昇り、俺はホッと安堵しながらシャワーを浴び、寝不足の目を擦りながら仕事の支度を始めた。
そのとき気付いた…
俺のスーツのポケットにごっそりと女性の長い髪が入っていた…
その頃、俺が住んでいたのは東京と神奈川の県境にある町で、駅周辺は賑やかなものの、すこし駅を離れるといきなり寂しくなるっていう場所だった。
俺の住んでいたマンションは小さな山(丘かな)を造成して作った住宅街にあり、通勤時は、鬼のような坂を上り下りしなければならなかった。
その日、俺は仕事の仲間と遅くまで飲み歩き、マンションへと続く坂道を登り始めたのは、AM3:00近かったと思う。
ヘロヘロに酔ってる俺にはいつもの坂もかなりキツく、少し休憩しようと思い途中で少し立ち止まってタバコに火を点けた。
なにげなく進行方向である坂の上に目をやると、女性の姿が目に入った。
出歩くにはかなり深い時間ではあるが、まぁ俺も人の事は言えねぇし、さして気にも留めなかったのだが、
相手はいつまでもこちらを向いたままの姿勢で、まったく動き出す気配がない。
青っぽいワンピースで髪の長い女性であることは、確認できるが、蛍光灯の光を上から浴びているせいか髪の下にある表情までは見えない。
あんまりジッと見てるのもなんなので、俺は女性から目をそらして眼下に見える町並みを眺めながら2本目のタバコに火を点けた。
タバコを吸い終える頃には息切れもだいぶ収まったので、俺は再び坂を上り始めようと、上を見上げた。
おいおい冗談だろ…まだいるよ…
女性は相変わらずこちらを向いたまま佇んでいる。
「やばいな…」
毎度の事ながら俺の警報装置はいつも発動が遅い…
取敢えず足は動くし、ここは駅のほうへと引き返すしか手はないと思い、俺は後ろを振り向いた。
総毛立った…
今まで坂の上に佇んでこちらを向いていた女性が、俺の目の前にいる…
俺のほうが上にいる為か、上目遣いでこちらを睨み付けていた。
俺は声も出せないまま、再び振り向き懸命に坂を駆け登った。
幸いにして、部屋に転がり込むまで女性の姿も声もなかった。
恐怖に震えながら風呂にも入らず、近所から苦情が来そうなほどTVのボリュームを上げて夜明けまでの時間を過ごした。
それ以上何事もないまま日が昇り、俺はホッと安堵しながらシャワーを浴び、寝不足の目を擦りながら仕事の支度を始めた。
そのとき気付いた…
俺のスーツのポケットにごっそりと女性の長い髪が入っていた…
56: cat ◆TUKUMO3rAI 2016/09/04(日) 23:29:56.186 ID:8Bjvrkcpa
>>51
|ω・`) これ多分前の話の人じゃ…
やっぱり一度見始めるとクセになるんだね
しかし毎度よく逃げ切れてる?ね!
|ω・`) これ多分前の話の人じゃ…
やっぱり一度見始めるとクセになるんだね
しかし毎度よく逃げ切れてる?ね!
90: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/05(月) 00:10:43.291 ID:hcDvScUe0 BE:708155702-PLT(12004)
今から二年ほど前のことです。とあるアパートに彼女と同棲していました。
その日はバイトが早めに終わり、一人でテレビを見ながら彼女の帰りを待っていると、
「だ~れだ?」
という声とともに目隠しされました。
当然彼女だと思っていた俺は、
「○美だろ~。お帰り・・・」
と、彼女の手をどけながら後ろを振り向きました。
しかしそこには誰もいなかったんです。
一瞬呆然となった後、俺の心臓は鼓動が聞こえるほど早まっていました。
おかしい・・さっきの声は?・・・きっと幻聴だ・・・ドアが開く音しなかったじゃないか・・・
必死にそう思いこもうとする一方で意地悪な考えが頭に響いていました。
手はどう説明する?・・・目隠しもされた・・・その手を掴んでどけた・・・感触もまだ残ってる・・・
俺はもう恐怖で発狂寸前でした。
(とにかくここを出なきゃ・・・)
勇気を振り絞り、立ち上がろうとしたその時金縛りに会い、体が全く動かなくなってしまいました。
心臓が張り裂けそうで、恐怖でパンクしそうでした。
突然部屋中に若い男女と思われる笑い声が響き渡り、
ふっと笑い声が止むと耳をつんざくような恐ろしい叫び声が上がりました。
俺の意識があったのはそこまでで、気が付いたときは彼女に介抱されていました。
俺は彼女にそのことを話し、急いでその部屋を出て、その日は友達の家に泊めて貰いました。
翌日、大家にこの事を問いつめると、以前この部屋にはシャブ中のカップルが住んでいて、男が女を殺し、自分も自殺したと教えてくれました。
その日はバイトが早めに終わり、一人でテレビを見ながら彼女の帰りを待っていると、
「だ~れだ?」
という声とともに目隠しされました。
当然彼女だと思っていた俺は、
「○美だろ~。お帰り・・・」
と、彼女の手をどけながら後ろを振り向きました。
しかしそこには誰もいなかったんです。
一瞬呆然となった後、俺の心臓は鼓動が聞こえるほど早まっていました。
おかしい・・さっきの声は?・・・きっと幻聴だ・・・ドアが開く音しなかったじゃないか・・・
必死にそう思いこもうとする一方で意地悪な考えが頭に響いていました。
手はどう説明する?・・・目隠しもされた・・・その手を掴んでどけた・・・感触もまだ残ってる・・・
俺はもう恐怖で発狂寸前でした。
(とにかくここを出なきゃ・・・)
勇気を振り絞り、立ち上がろうとしたその時金縛りに会い、体が全く動かなくなってしまいました。
心臓が張り裂けそうで、恐怖でパンクしそうでした。
突然部屋中に若い男女と思われる笑い声が響き渡り、
ふっと笑い声が止むと耳をつんざくような恐ろしい叫び声が上がりました。
俺の意識があったのはそこまでで、気が付いたときは彼女に介抱されていました。
俺は彼女にそのことを話し、急いでその部屋を出て、その日は友達の家に泊めて貰いました。
翌日、大家にこの事を問いつめると、以前この部屋にはシャブ中のカップルが住んでいて、男が女を殺し、自分も自殺したと教えてくれました。
92: cat ◆TUKUMO3rAI 2016/09/05(月) 00:14:33.255 ID:JenM0/Sga
>>90
|ω・`) おお事故物件!
事故物件に当たるんじゃないかと思うと引っ越しとかしたくないなぁ(´;ω;`)
|ω・`) おお事故物件!
事故物件に当たるんじゃないかと思うと引っ越しとかしたくないなぁ(´;ω;`)
96: 以下、無断転載禁止でVIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:17:50.300 ID:6Hf7BkA00
>>90
途中まで幽霊と浮気する話かと
シャブ中カップルかよ
途中まで幽霊と浮気する話かと
シャブ中カップルかよ
100: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/05(月) 00:29:26.206 ID:hcDvScUe0 BE:708155702-PLT(12004)
2年前の夏、大学からの帰りでの話。
駅からチャリで自宅に向かっている途中、遠くで黒い煙が立っているのが見えた。
「火事かな?ちょっと行ってみるか。」
と、野次馬根性まるだしで現場に行くと、かなり火が燃え上がっていた。
まだ消防車は到着していないようで、その家人らしき夫婦と近所の人、
それから通行人らしき人たちが呆然とその様子を眺めていた。
ふと2階に目をやると、窓際に少女がいる。
何か叫んでいるように見えるが、声は聞こえない。
恐怖で声が出ないんだろう。
「取り残されてる!やばい!」
と思い、夫婦に声をかけた。
「何やってるんだ!早く助けないと!」
しかし、夫婦はただ呆然と少女を見つめていた。
普段、別段正義感が高いわけではないが、この時は
「俺が助けないと」
と思い、周りの人間に
「バケツに水汲んでください!それから濡らした手拭も!」
と叫ぶと、近所の人らしき親父が
「何をする気だ!?」
と言った。
「何するって、助けに行くに決まってるだろ!あんたら、なんで見てるだけで何もしないんだ!」
と俺が言うと、その親父が何ともいえない表情で言った。
「違うんだ…違うんだよ…。」
火事のためか、かなり混乱しているようだった。
「違うって何だよ!!」
と俺が言おうとした時、その親父が続けて言った。
「…そのご夫婦に、子供なんていないんだよ…。」
「…え?」
何を言ってるのか、最初はまったく理解できなかった。
先ほどは焦っていてまったく気づかなかったが、改めて少女を見ると、違和感に気づいた。
少女はまったく怖がっていない。
あつがっている様子もない。
まったくの無表情で、大きく口をパクパクさせている。
数秒間、少女を見ていると何を言っているのかようやくわかった。
同じ言葉をずっと繰り返していたのだ。
「燃えろ、燃えろ、燃えろ、燃えろ、燃えろ、燃えろ…」
消防車が到着するまでの間、俺は夫婦や近所の人、それから他の通行人と同じようにただ呆然と眺めているしかなかった。
この火事での死傷者はゼロ。
出火もとの家は全焼し、両隣の家は半焼だった。
駅からチャリで自宅に向かっている途中、遠くで黒い煙が立っているのが見えた。
「火事かな?ちょっと行ってみるか。」
と、野次馬根性まるだしで現場に行くと、かなり火が燃え上がっていた。
まだ消防車は到着していないようで、その家人らしき夫婦と近所の人、
それから通行人らしき人たちが呆然とその様子を眺めていた。
ふと2階に目をやると、窓際に少女がいる。
何か叫んでいるように見えるが、声は聞こえない。
恐怖で声が出ないんだろう。
「取り残されてる!やばい!」
と思い、夫婦に声をかけた。
「何やってるんだ!早く助けないと!」
しかし、夫婦はただ呆然と少女を見つめていた。
普段、別段正義感が高いわけではないが、この時は
「俺が助けないと」
と思い、周りの人間に
「バケツに水汲んでください!それから濡らした手拭も!」
と叫ぶと、近所の人らしき親父が
「何をする気だ!?」
と言った。
「何するって、助けに行くに決まってるだろ!あんたら、なんで見てるだけで何もしないんだ!」
と俺が言うと、その親父が何ともいえない表情で言った。
「違うんだ…違うんだよ…。」
火事のためか、かなり混乱しているようだった。
「違うって何だよ!!」
と俺が言おうとした時、その親父が続けて言った。
「…そのご夫婦に、子供なんていないんだよ…。」
「…え?」
何を言ってるのか、最初はまったく理解できなかった。
先ほどは焦っていてまったく気づかなかったが、改めて少女を見ると、違和感に気づいた。
少女はまったく怖がっていない。
あつがっている様子もない。
まったくの無表情で、大きく口をパクパクさせている。
数秒間、少女を見ていると何を言っているのかようやくわかった。
同じ言葉をずっと繰り返していたのだ。
「燃えろ、燃えろ、燃えろ、燃えろ、燃えろ、燃えろ…」
消防車が到着するまでの間、俺は夫婦や近所の人、それから他の通行人と同じようにただ呆然と眺めているしかなかった。
この火事での死傷者はゼロ。
出火もとの家は全焼し、両隣の家は半焼だった。
99: 秋山 ◆MIO/.JGsks 2016/09/05(月) 00:23:17.540 ID:10udR9Lj0
| ω・)む、どっくんが終わろうとしてるな
112: 秋山 ◆MIO/.JGsks 2016/09/05(月) 00:45:53.809 ID:10udR9Lj0
| ω・)どっくんおつかれええええええ!!!
113: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/05(月) 00:45:59.078 ID:hcDvScUe0 BE:708155702-PLT(12004)
|A-) 音楽も終わりー
114: 以下、無断転載禁止でVIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:46:49.105 ID:/0Ajn8xO0
どっくん、そしてみんな、お疲れさま~
また次の機会を楽しみにしてるね
おやすみなさいノシ
また次の機会を楽しみにしてるね
おやすみなさいノシ
116: 以下、無断転載禁止でVIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:47:07.811 ID:6Hf7BkA00
おつかれさま
121: 毒男 ◆B.DOLL/gBI 2016/09/05(月) 00:50:06.710 ID:hcDvScUe0 BE:708155702-PLT(12004)
|A-) じゃあ寝るかな、またねw
おやすみねーw
おやすみねーw
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