ヒーロー「正義の味方になりたくて」
警察「ちょっとお兄さんどこに向かって話してるの?まだ職務質問終わってないよ」
ヒーロー(コスプレ)「世知辛い。」
警察「冗談は格好だけにしてくれるかな?」
ヒーロー「いやいやお巡りさんも男の子なら子どもの頃に憧れたでしょ?テレビの向こうのヒーローに」
警察「ああ、格好良かったなぁ」
ヒーロー「でね、僕はその夢を実現しようと思ったんですよ」
警察「なんでその歳までその夢本気で持ってんのかなぁ」
ヒーロー「男は誰だってヒーローになれる機会を伺って生きてるものでしょう?」
警察「だからってコスプレで深夜徘徊しようと思わないかなぁ」
ヒーロー「深夜徘徊ではありません、パトロールです」
警察「それ僕の仕事だしそれで僕に捕まってりゃ世話ないよね」
ヒーロー「ごもっともで」
ヒーロー「法に囚われないヒーローのロマンを何処に置いてきたんだお巡りさん」
警察「大人の階段を上り始めた辺りにだよ」
ヒーロー「僕は一生シンデレラなんかにならなくていい」
警察「階段の前くらいには立てよ」
つづく。
子ども「ねぇオッサン、オッサンはなんで変な格好してるの?」
ヒーロー「オッサンはね、ヒーローだからだよ。あとオッサンじゃなくてヒーローだよ」
子ども「歳は?」
ヒーロー「君よりふた周りは上かな」
子ども「オッサンじゃん」
ヒーロー「ヒーローだよ」
ヒーロー「正義と秩序を守るんだよ」
子ども「どうやって?」
ヒーロー「悪と戦って」
子ども「悪って何?」
ヒーロー「……哲学だね」
子ども「オッサンが助けてくれるの?」
ヒーロー「ああなんでも言ってくれ」
子ども「明日までの宿題が終わらないんだ」
ヒーロー「…それは自分でやりたまえ」
ヒーロー「君の将来の助けになるまい」
子ども「ごもっともで」
つづく。
ヒーロー「やぁ一人で公園でどうしたんだい?」
幼女「……え…っ…?」(ぴたっ
ヒーロー「やぁやぁ、僕の顔に何か着いてるかな?」
幼女「びえーん!!怖いよー!!」
ヒーロー「怖くないだろ格好良いだろ」
ヒーロー「また会いましたねお巡りさん」
警察「はぁ…またあんたか…」
ヒーロー「世の中狭い」
警察「ごもっともで」
幼女(うるうる…
ヒーロー「声をかけただけですよ、泣いていたので」
警察「今の世の中見知らぬ子どもに声を掛けるだけで事案になるんだよ」
ヒーロー「それでも僕は泣いてる人を無視する大人でありたくない」
警察「立派だけど」
ヒーロー「…へへっ!」
警察「得意気な顔やめろ」
幼女「……ママが居なくなっちゃった…」
ヒーロー「それは大変だ、探してあげないと」
警察「あんたは黙ってろ」
ヒーロー「…で、いつまで一緒にいたのかな?」
幼女「……びえーん怖いよー!!」
ヒーロー「怖くないだろ格好良いだろ」
警察「仮面は取って話しかけろよ」
ヒーロー「アイデンティティなので」
警察「じゃあすっこんでろ」
幼女「ママー!」
ヒーロー「噂をすればお母さんか」
警察「良いタイミング」
ヒーロー「この為に人集りを作ったと言っても過言ではない」
警察「嘘をつくな」
ヒーロー「何故バレた」
警察「バレいでか」
警察「いえ保護したのはそこの彼です、そして僕は彼をしょっぴきに来ました」
ヒーロー「どうもヒーローです」
母親「ひぃ!不審者!」
ヒーロー「ヒーローですってば」
警察「不審者だろ」
ヒーロー「世知辛い。」
警察「次はしょっぴくからな」
ヒーロー「望むところだ」
警察「やめろ」
つづく。
ヒーロー「いえいえ当然の事をしたまでですよ」
警察「…何やってんの?」
ヒーロー「やぁやぁお巡りさん縁がありますね」
警察「こんな縁要らん」
ヒーロー「陸橋を渡るおばあちゃんの荷物を持っただけですよ」
おばあちゃん「助かったよぉ、アメちゃんどうだい?」
ヒーロー「いえいえ見返りなんて」
おばあちゃん「貰ってくれたらおばあちゃん嬉しいんだけどねぇ」
ヒーロー「なら頂きましょう、ありがとうございます」
おばあちゃん「いいえぇ」
ヒーロー「はい」
警察「……なんで?」
ヒーロー「ヒーローだからです」
警察「あんたがいい人なのはわかったけど」
少女「はい、兄さんはいい人なんです」
警察「うわ誰だびっくり」
少女「うん、今日の晩御飯は兄さんの好きなカレーだよ」
ヒーロー「やったぜ」
警察「あんた妹いたのか」
ヒーロー「可愛いでしょ?」
警察「美少女だけども」
少女「えへへ…///」
ヒーロー「かわいい」
警察「かわいい」
警察「俺は口リコンではない」
少女「来年で卒業です」
警察「待つよ」
ヒーロー「あげないぞ」
少女「はい、いつもこうです」
警察「大変でしょ」
少女「はい、とても」
警察「家族に迷惑かかってんぞ」
ヒーロー「やめないぞ」
警察「あんた本当に困った人だな」
少女「でもそんな兄さんが格好良くて好きです」
警察「あんたら本当に兄妹だな」
つづく。
幼女「ママー、変な人がいるー」
母親「しっ、目を合わせちゃいけません!」
悪党「今日も悪事を働いてやるぜ!」
悪党「出たなヒーロー!」
ヒーロー「お前の悪事もここまでだ!」
悪党「ククク、オレはお前みてぇな偽善者が大嫌いなんだぜぇ!」
悪党「フフフ…本当にオレに攻撃しても良いのかな…?」
ヒーロー「…どういう事だ……?」
悪党「クク…オレはまだ何も悪事を働いてねぇんだぜぇ!?」
ヒーロー「なんだと!?」
悪党「ヒャハハハハハ!これじゃあオレに手を出せまい!!」
ヒーロー「く…っ!なんたる策士……!」
悪党「ったりめぇだろ!オレはテメェみてぇな偽善者が嫌いなだけだからなぁ!一般市民に手を出す理由がねぇぜ!!」
ヒーロー「なんだと…!?なんと言う信念!」
悪党「ヒヒヒ!恐れ入ったか!」
悪党「ああ!意味がねぇからなぁ!!」
ヒーロー「くそ…っ!どうすればいいんだ…!」
悪党「ヒャハハハハ!テメェがヒーローな限り何もできねぇぜぇ!!」
悪党「あぁっ!?なんだってんだぁ!?」
ヒーロー「何も悪い事をしないなら…悪とはなんだ!?」
悪党「ヒャハハハハハ!!そいつは哲学だぜぇ!!」
ヒーロー「何て事だ!悪党が解ってないとはますます哲学でしかない!!」
警察「お前らただただ目立って迷惑だから帰れ」
つづく。
コメント一覧
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- 2016年09月05日 21:32
- どうしてもサムメンコを思い出すなコレ
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- 2016年09月05日 21:46
- まぁまぁ面白かったよ
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- 2016年09月05日 22:02
- 浪速のシューマッハを思い出すな。
あれは良いものだった
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- 2016年09月05日 22:22
- 正義じゃねぇんだよ
せい
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- 2016年09月05日 22:34
- ゾフィー「私も地球で活躍したい、ヒーローとして」
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- 2016年09月05日 22:44
- 何かもう腐るほどありそう