リンク「トライフォースっちゅうのを手にいれればいいんだな?」
ハイラル王国に広がる深き森。
その森を守り続けてきた大木を、人はデクの樹と呼んでいた……。
この森にはコキリ族という子どもたちが住んでいて、彼らはそれぞれ自分だけの妖精を持っていた。
だが、たったひとりだけ妖精を持っていない少年がいた。
少年の名は……
十年前
デクの木サマ(以後デク)「……何か嫌な気を感じる……」
デク「天空の遥か彼方……大宇宙から……何かがやってくる」
デク「小さく……それでいて生命の輝きを持つ何かが」
ちゅどぉおおおおおおおん!
デク「!?」
デク「何かが落ちた」
これは……玉?
一人用のポッド(プシュウウウウウウウ)
十年後
???「ん~むにゃむにゃ……オラもうちょっと食えるぞ……」
――――て! なさい!
???「ん……サリアそれおかわりもらうッぞ……」ムニャムニャ
ナビィ「起きなさい! もーなんてねぼすけなのかしら!?」
ナビィ「起きなさい! はーやーくー!」
???「ふぁあああ~よく寝た……オラもう腹ペコだぞ」
???「ん、なんだオメェ? どこの妖精だ?」
ナビィ「ナビィはナビィよ! デクの木サマが呼んでるの、一緒に来て!」
???「じっちゃんが? 一体何のようなんだ?」
ナビィ「来れば分かるわよ! ええと…?」
???「ん? オラの名前か? まぁそっちもしてくれたしオラも自己紹介すっぞ」
リンク「オッス! オラ リンクだ!」
トライフォースZ(ゼルダ)
第一章 出発! 摩訶不思議アドベンチャー!
コキリの森
リンク「ん~いい天気だ~」
ナビィ「のんびりしてないで早く来て!」
リンク「つったってよ、まだ飯も食ってねえぞオラ腹減っちまっただ!」
ナビィ「ごはんなんて後よ後!」
リンク~!
リンク「ん?」
サリア「おはようリンク! 今日もいい天気ね!」
リンク「おーサリアか、どうしたんだこんな朝っぱらから」
サリア「どうせまだごはん食べてないんでしょ?」
サリア「ほら、色々木の実持ってきたの。一緒に食べよ!」
リンク「ははっこりゃありがてぇ! んじゃちょっくらオラん家に」
ナビィ「リンク!」
サリア「あら?」
リンク「ん? オメェまだいたんか?」
ナビィ「さっさと来なさいって……言ってるでしょーがあああああ!」
ドン!
リンク「おわちち……! いや~わりぃわりぃすっかり忘れてただ!」
ナビィ「あなたねぇ! デクの木サマを待たせる気!? 早く行くわよ!」
サリア「リンク! スゴいわ! とうとうリンクの所にも妖精が来たのね!」
リンク「ん……? おお?」
サリア「それにデクの木サマに呼ばれるなんて、スゴいメーヨな事なのよ!」
リンク「メーヨ? なんだそれ食えるんか?」
サリア「私はここで待ってるから早く行かなきゃ! 頑張ってね♪」
リンク「よくわかんねえけどがんばれっちゅうんならオラがんばるぞ」
ナビィ「や、やっと話が進んだ……」
ミド「やい! しっぽ付きの妖精ナシ! どこ行く気だ!」
リンク「うん? あーミドじゃねえか。何怒ってんだ?」
ミド「うるさい! おれはお前が気に食わねえんだ!」
ミド「こっから先はデクの木サマのとこだぞ! お前みたいな猿ヤロウが行っていい場所じゃないんだ!」
リンク「つったってよ、オラそのじっちゃんに呼ばれてんだ」
ミド「は!? う、嘘つけ!」
リンク「ウソじゃねえぞ、ほら、コイツ」
ナビィ「ハロー! そういうことだから通してね♪」
ミド「ふ、ふざけるな! 何でこのコキリ族のボスであるミド様を差し置いててめえが呼ばれるんだ!」
ミド「あ、頭に来るヤロウだぜ!」
リンク「おめえちょっとしつけえぞ? オラ急いでんだ。わりーけど通してもらうぞ」
ぐい
ミド「うおっ! 力づくか!? 面白い! このエリートコキリ族の圧倒的パワーを見せてや」
リンク「おりゃ!」
ミド「ふぉおお!?」
キーン ドーン
ナビィ「だいじょうぶかしらあの子、岩にめり込んだわよ」
リンク「手加減したからだいじょうぶだあ。たぶん」
リンク「なあ、まだ着かねえんか?」
ナビィ「もう少しよ! ……でも、変ね」
リンク「何がだ?」
ナビィ「感じない? なーんかスゴくイヤな空気」
リンク「そいやなんかえれえ暗い感じだな」
ずぼっ!
リンク「わ!?」
ナビィ「きゃ!?」
デクババ「シャアアアア!」
リンク「なんだこいつ。えれえまずそうだな」
ナビィ「デクババよ! で、でもなんでこんな場所に」
デクババ「シャアアアア!」グワ
ナビィ「あぶない! リンク!」
ガブゥウウウ!
ナビィ「リンク~!」
リンク「なんだコイツ、オラとじゃれたいんか?」
ナビィ「!?」
デクババ「シャ!?」ガジガジ
リンク「ちょっといてぇぞオメェ、離れろ!」
ブッピガァン!
デクババ「ぎゅぴっ!?」
ナビィ「す、スゴい。素手でたおしちゃった」
広場
デク「ナビィ、よく戻ってきた……そして、リンクよ、よくぞ来てくれた」
リンク「オッス! じっちゃん! なんか顔色わりいけどでえじょうぶか?」
デク「ふふ、お前に隠し事はできんな。確かにわしは体調を崩しておる」
デク「お前に頼みたいことは他でもない。わしの体の中にいる魔物を退治してほしいのじゃ」
リンク「いいっ!? じっちゃんなんかわりいもん食ったのか?」
ナビィ「違うわよ! 寄生虫よきっと!」
デク「お前は最近、毎日のように恐ろしい夢を見ているはずじゃ」
デク「その夢は、今この世界に忍び寄る邪悪な気配そのもの……。お前は、それを感じたのじゃ」
リンク「ん? いやオラぜんぜんそんな夢見てねえぞ?」
デク「」ガクッ
ナビィ「」ズッコケ
デク「ま、まあよく聞けリンクよ……、今、ここでお前の勇気をためさせてほしい。ワシは呪いにかかっておる。
お前の知恵と勇気でその呪いを解いてほしいのじゃ。その覚悟があるかな……?」
リンク「よくわかんねえけどじっちゃんの体に変なやつがいるんならオラそいつを追い出してやるよ!」
デク「……お前は本当にやさしい子じゃ……」
リンク「?」
デク「お前の勇気……確かめさせてもらうぞ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
オッス! オラ リンク!
じっちゃんの体にいる魔物っちゅうやつをやっつけるためじっちゃんの中に入ったんだけど、そこはスッゲエ迷路になってたんだ! オラびっくりしたぞ!
そんでもって一番奥には何か……
けえっ気持ちわりい! やだおめえ!
次回、トライフォースZ!
大激突! 甲殻寄生獣ゴーマ登場!
見てくれよな!
First Dungeon
デクの木サマの中
ホワンホワーン
ナビィ「い、意外と明るいのね……もっと真っ暗かとおもってたけど」
リンク「……」
ナビィ「どうしたの? リンク。むずかしい顔して」
リンク「ナビィの言う通りだ。なんだかでっけえパワーみたいなもんが下から感じるぞ」
ナビィ「デクの木サマの魔力じゃないの?」
リンク「いや、ちげえ。じっちゃんの魔力はもっとあったけえけど、オラが感じた魔力はもっと冷たくておっかねえもんだ」
リンク「どうやらスゲエバケモンにとりつかれちまってるらしい」
ナビィ「……!」ゴクリ
リンク「それよりナビィ」
ナビィ「な、何!?」
リンク「オラ腹減っちまった!」
ナビィ「あら~!」ズッコケ
テニイレロ! トライフォース!
セカイデ イットー テゴワイチャンス
オイカケロ! トライフォース!
セカイデ イットー イカシタドラマ
ハイラルハ デッカイ タカラジマ
ソウサ イマコソ アドベンチャー♪
大激突! 甲殻寄生獣ゴーマ!
ナビィ「それじゃ、下に行くの?」
リンク「いや、さっきから探してっけど行く道がねえ」
リンク「あるとしてもほら、こんなんだ」ネバネバ
ナビィ「クモの巣……?」
リンク「下を見てみたらよ、スッゲエんだこれが!」
ナビィ「スゴい! 水道がある!」
リンク「これオラの力でもビクともしねえからさ、上から飛んで破ろうと思うんだけど」
ナビィ「でも、けっこう高い場所から飛ばないと。だいじょうぶ?」
リンク「でえじょうぶだ! オラ体はデクの盾より頑丈だぞ!」
リンク「んじゃ行くか!」
ぴょんぴょん
ひょいひょい
ナビィ「身軽ね! お猿さんみたい!」
リンク「オラよく言われっぞ。猿ヤロウとかしっぽ付きとか」
ナビィ「しっぽ付き……?」
リンク「オラしっぽがあるんだ! ほら!」
フリフリ
ナビィ「そ、それダサいアクセサリーじゃなかったの!?」
リンク「ひでえなあ、オラ物心ついた時からずっとあんだけど、みんなにはねえんだよなあ。何でだ?」
ナビィ「さ、さあ?」
スタルウォール「ギギッ!」
ナビィ「あ、気をつけて! 壁に張り付いてる時そいつは」
リンク「邪魔だぞ、おりゃ!」
ごすっ
スタルウォール「ギャアアアア!?」
ナビィ「……」
リンク「かてえけどオラほどじゃねえな!」
ばこーん!
スタルチュラ「ギャアアアア!?」
リンク「またオメェか! だりゃああああ!」
ばきいいいいん!
デクババ「ピギャアアアア!?」
リンク「オメェ人に物ぶつけちゃダメだぞ」
ぼっこーん!
デクナッツ「ひどいッピー!」
ナビィ「……」
ナビィ「あれ? あたしの存在意義?」
リンク「さっきとっちめた奴から聞いたけど、やっぱり下にワルいヤツがいるみてえだ」
ナビィ「ねえ、このパチンコいらないの? それにマップもコンパスも」
リンク「普通に投げたほうが楽だからいらねえぞ」
ぶんっ!
ひゅーん
ぼかっ!
ギャァアアアアア
ナビィ「……」
リンク「んじゃ行くかぁ! おりゃああああああああ!」
ピョーン!
ナビィ「あ、待ってリンク!」
ひゅーん
ばしゃああああああん
リンク「うーちべてえ……きれいだけどこりゃきついなあ」
ナビィ「ねえねえ! 見て! 金色のスタルチュラがいるわよ!」
リンク「おっ! 珍しいな! 持ってくか!」
モコモコ
ぴしぴしし
リンク「ん?」
バキバキ
幼棲ゴーマ「ぎぎゃあああああ!」
リンク「うわっ! なんだコイツ!」
ばきぃいいいん!
幼ゴーマ「ぎゃっ!?」
ナビィ「こ、こんなモンスター見たこと無いわ」
ナビィ「でも、このイヤな感じ……デクの木サマに取りついて魔物と関係あるのかしら?」
リンク「コイツはさすがに食えねえだろなあ」
ナビィ「ダメよ! 拾い食いなんて!」