いつき「肇ちゃんの下着ってさぁ」
ダンスレッスンが終わり、更衣室で着替えていると、ふといつきさんがこちらを見ながらつぶやいた。
肇「な、なんですか……?」
いつき「なんか、地味じゃない?」
肇「!?」
聖來「確かに、質素なのを着けてるのが多いよね。」
先に着替えを終えて待っていてくれた二人も、うんうんと頷いている。
思わず、汗を拭いていたタオルで身体を隠してしまう。
いつき「そうだよー。なんかいつも見ても、白ばっかりじゃない?私もスポブラとか多いし派手なのはつけないけど、それにしたって地味だよー。」
紗枝「素朴、どすか?」
肇「あっ、いえ、そういうことは、考えてなくて…」
確かに聖來さんや、年上のアイドルの人たちは、おしゃれなものをつけていて。
何度か、羨ましく思ったことはあったけれど。
ごにょごにょと、尻すぼみになる。
だんだん恥ずかしくなってきて、俯いてしまった。
突然、ガシッと肩を掴まれる。
驚いて顔を上げると、目の前に聖來さんが。
肇「で、でも、大人っぽいのって、私にはまだ早いんじゃ…」
聖來「なに言ってるの!アイドルでしょ!?女の子でしょ!??」
掴まれた肩が、前後にガクガクと揺さぶられる。
かつてないほど真剣な眼差しがまっすぐにこちらを見ている。
肇「いざって時ってなんですか!?」
聖來「Pさんもガッカリしちゃうよ!?」
肇「どうしてここでPさんの名前が出てくるんですか!?」
いつき「あれ?Pさんと付き合ってるんじゃないの?」
紗枝「あらまぁ、うちらはてっきり…」
肇「違います!全然、ほんと、そんなんじゃなくて!」
いつき「ありゃ、まだ片想いだったかー。」
紗枝「肇はん、うち応援してますえ!」
肇「だから違くて!」
肇「あーーもーー!!!」
収拾がつかない。
どうしてこうなっちゃうんだろう。
いつきさんと紗枝ちゃんも一緒にくることになったけど、この二人は絶対に面白がっているだけだ。
道中、いつきさんが思いついたように口を開く。
いつき「紗枝ちゃんも、下着つけてるんだね。」
視線が胸にいっているような気が、しないでもない。
紗枝「……いつきはん?それ、どういう意味なんやろか?」
にっこーっと、とっても良い笑顔で聞き返す紗枝ちゃん。
あ、まずい。
いつき「ち、違う違う!紗枝ちゃんって和服よく来てるじゃん!?和服って下着つけないって聞くし!ほんと!それだけ!」
聖來「あ、それあたしも気になってたんだー。」
両手をぶんぶん振るいつきさんに、聖來さんがさらっとフォローを入れる。
ふーっと息をつく紗枝ちゃんを見て、二人でほっと胸を撫で下ろしている。
そう教えてくれる紗枝ちゃんは、今は制服姿だ。
紗枝「それにうち、制服はせーらー服やし。」
そういって胸のスカーフをひらひらさせる。
確かに、セーラー服で下着を着けないのは色々と問題があるだろう。
紗枝「だから、うちもちゃあんと、かいらしいの持ってますえ~。」
そんなやりとりをしつつ、お店に到着。
入ったことのない雰囲気に思わず後ずさりしそうになっていると、
聖來「なにしてるの。さっさと行くよー!」
いつき「ほーら、観念しなー。」
紗枝「おひとり様、ごあんな~い♪」
と、聖來さんに引っぱられ、いつきさんと紗枝ちゃんに背中を押されて、連れ込まれてしまった。
その中を、聖來さんを先頭にずんずんと奥へ進んでいくと、そのまま試着室へ放り込まれる。
聖來「さぁ、覚悟しなさい!」
肇「お、お手柔らかに……」
聖來「似合いそうなのを、片っ端から!紗枝ちゃん!」
紗枝「はいな~♪」
応じた紗枝ちゃんの手には、いつの間にやら、ブラが一杯。
ほんと、どうやって持ってきたのその量。
聖來「うーん、ちょっと派手すぎないかな?」
いつき「えー、そうかなぁ?冒険してみるのもありじゃない?」
聖來「あっ、いいかも。」
いつき「落ち着きすぎな気がするけどー?」
いつき「わーぉ……」
聖來「……意外と、イケる、かも?」
数々のブラを試しながら、あーでもない、こーでもない、と言い合っている。
私はもう着せ替え人形状態だ。
まぁ、私のためにやってくれていることなので、大人しくすることにした。
肇「はーい……って、何コレ?!ほとんど紐じゃないですか!?」
聖來「あっ、気づいた。」
肇「こ、こ、こんなの着られるわけないじゃないですか!!」
これは下着と言えるのだろうか。
いや、言えるとしてもこれはさすがに着けられない。
恥ずかしすぎる。
というか、こんなものまで売ってるの?!
肇「つい、じゃないです!」
紗枝「似合うと思たんやけどなぁ。」
肇「本気で言ってるの!?」
前言撤回、やっぱり、遊ばれてるだけかも。
その後も何度か、アブナイものを着せられそうになりつつ、何とか一組、選んでもらった。
聖來さんが勧めてくれた、水色に白のフリルがついたブラ。
胸元には、ワンポイントに小さな紺のリボン。
ショーツは、お揃いの水色のレースのもの。
なぜか買うだけで緊張してしまい、お店を出た時にはすっかり疲れ果ててしまった。
コメント一覧
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- 2016年09月11日 23:16
- 肇ちゃんは素晴らしいな
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- 2016年09月11日 23:27
- 参考資料ハラディ
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- 2016年09月11日 23:27
- いつきに言われるなんて相当だなw
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- 2016年09月11日 23:34
- ハラショー
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- 2016年09月11日 23:34
- 画像がたりないと思うんですけど!
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- 2016年09月11日 23:37
- 人の下着を笑うな
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- 2016年09月11日 23:49
- オープンショーツ…あ、何でもないです
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- 2016年09月11日 23:51
- もし、デレマス。いや全てのアイマスシリーズの中で褌を愛用してる娘がいるとしたら誰だろう?
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- 2016年09月11日 23:52
- 画像は?
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- 2016年09月11日 23:53
- だから大丈夫なのかと聞いている!