高垣楓「眼福」
P「ふぅ…楓さん何頼みます?」
楓「そうですね…先にPさんに決めてもらいましょうか」
P「じゃ、とりあえず俺は生で。楓さんは好きなもの頼んでいいですよ」
楓「好きなもの…と言われると迷いますね」
P「嫌いなものでもいいですよ」
楓「嫌いなもの…じゃあ私の嫌いな芋焼酎で」
P「あー出た出た。楓さんの一番嫌いなやつですね」
楓「いつも頼みすぎてお財布が厳しくなるので…ニクいやつです」
P「今日は俺が出すんで気にしなくていいですよ」
楓「あら…嬉しいお話ですが、その…大丈夫なのでしょうか?」
P「まあ…お陰様で儲かってますんで。額は言えませんが、今回のボーナスは弾んでもらえましたし」
楓「ふふ…お役に立てているなら光栄です」
P「いや本当に楓さん効果っていうか…あ、すみませーん!芋と生一つずつ貰えますか!?」
店員「かしこまりましたー!」
楓「いえそんな…皆さんのお陰ですよ」
P「謙虚ですねぇ」
楓「自分に自信が無いだけかもしれませんよ」
P「一回自信満々で調子に乗ってる楓さんを見てみたい気もしますが」
楓「そのくらいポジティブになれればいいんですが…」
P「人間、簡単には変われないですよね」
楓「あっ、ところでPさん」
P「何ですか?」
楓「彼女さんとはうまくやってらっしゃるんですか?」
楓「あら…それは申し訳ないことを…」
P「いやいや!楓さんが気にすることじゃないですよ。22時までに帰れば許してくれるらしいですし」
楓「今日は時間厳守ということですかね」
P「そんな感じでお願いします。すみませんね、こっちの都合で」
楓「いえいえ。仲の良いことで…」
P「付き合いだけは長いですからねぇ」
楓「彼女さんはその…芸能界ではなく一般の方でしたっけ?」
P「そうですね…ごく普通の会社員ですよ」
楓「すごく美人とか」
P「いやいや事務所のアイドルと比べたら全然。なんかカワウソみたいな顔してますし」
楓「すごく料理が上手とか」
P「いや…料理の腕は俺とあんまり変わらないですかね」
楓「じゃあすごく優しいとか」
P「どうでしょうね…結構な頻度でケンカもしますし」
楓「ふぅん…」
P「腐れ縁的なアレなんじゃないですかね」
P「そうですね。5年?6年?割と長いとは思います」
楓「長いですねぇ…」
P「お互い色々工夫してますからね…プレゼントに凝ったりとか、ケンカした時のルール決めたりとか」
楓「きっと大変なんでしょうけど…なんだか楽しそうですね」
P「楽しい…と言うかまあ、彼女のいない生活はあんまり想像できないですね。少なくとも今は」
楓「家族みたいなものなんでしょうか…」
P「そうですね…恋人というよりは同居人っていう感覚ですかね…」
楓「でも好きなんですよね?」
P「いえ、まあ…嫌いではないですよ」
楓「ふぅん…」
P「うーん…タイミングが無いんですよね」
楓「タイミング…」
P「タイミングというか…きっかけかな。今のままでも特に不便は無いですし…」
楓「でも…向こうもそういう話を切り出してくれるのを待ってるんじゃないですか?」
P「返す言葉も無い…遅いよりは早い方がいいってわかってるんですけどね」
楓「可哀想なカワウソ…」
P「それ言いたかっただけですよね?」
楓「あら…本当に彼女さんには同情してますよ」
P「反省はします。ところで俺が聞くのも変な話ですけど、楓さんはいい人いないんですか?」
楓「いい人…そうですねぇ…」
P「いる、って言われたらそれはそれで困るんですけど…まあ楓さんならその気になりゃいくらでも見つかると思いますが」
楓「私が好きになる人って…いつも既に恋人だったり、決まった相手がいるんですよね」
P「そりゃまた大変ですね…」
楓「略奪愛とかそういう柄でもないですし…早苗さん辺りには叱られちゃいますけどね。『欲しいものを手にするためなら手段は選ぶな』って」
P「ハハ…さすが早苗さんは豪気だなぁ」
楓「それに…なんだか満足しちゃうんですよね、見てるだけで」
P「見てるだけ、って言うと…?」
楓「好きな人が幸せそうな表情をしてくれて、それを傍で見れるならもう十分かな、って…」
P「ほー…立派ですね…俺がそういう立場だとたぶん嫉妬心を抑えられない気がします」
楓「嫉妬ならしてますよ、ずっと…羨ましい、と言った方が適切かもしれませんが」
P「なんか今も好きな人がいるみたいな口ぶりですね」
楓「どうでしょうね」
P「すごく気になるんですが…」
楓「恋人がいる人には教えません」
P「おっアレですか。輝子的な『リア充爆発しろ』思考ですか」
楓「輝子ちゃんとは違う理由ですが…とにかく教えません。黙秘します」
楓「あら…一生教えないかもしれませんよ?」
P「一生!?それはちょっとヘコみますね…」
楓「知らない方が良いこともある、ということで…」
P「まあ何にせよ…その好きな人とうまくいくといいですね」
楓「ええ、本当に…」
楓「そうですか?たぶん平凡なデートをしてると思いますが…」
P「どこに行きたいとか、あります?」
楓「お酒が飲めればどこでも」
P「元も子も無い」
楓「あら…幸せなことですよ、好きな人と一緒にお酒が飲めるのは。最近よく実感しますし…」
P「それはまあ…一理ありますね」
楓「ふふ…安心して酔える、というのは素敵なことですし」
P「なんか心配になる台詞ですね」
楓「大丈夫ですよ。私、Pさん以外の男性と飲みに行くことはほとんどないですし」
P「えっ、そうなんですか?」
楓「前にも言ったかもしれませんが、私あんまり友達いないんですよね…今の事務所に入る前はなおさらでした」
P「なんででしょうね。独特のオーラのせいなのか…」
楓「単に口下手なだけなんですが…お高く留まっているように見えるんでしょうね」
P「はー…美人も大変ですな」
楓「得することもあるんですけどね。お酒をサービスしてもらえたりとか」
楓「それでも靡かない人もいるんですよ」
P「贅沢なヤローですね」
楓「仰る通りです。それに、とても鈍感な方ですから」
P「鈍感はダメですね。相手の気持ちを汲もうっていう努力が足りない」
楓「まったくです。その人に聞かせてあげたいくらい」
P「何ならソイツ呼び出してくださいよ。俺が説教してやります」
楓「それは無理かと…」
P「無理?なんでですか?」
楓「なんででしょうねぇ…ご自分の胸に聞いてみてはどうでしょうか」
P「えー…楓さんは大事なところをはぐらかすからなぁ」
楓「とにかく…鈍感な人はどうしようもないってことです」
P「それに関しては同意しますが…」
P「あったな」
楓「まあこの3日後にPさんは当時の彼女さんにフラレたわけですが」
P「ちょっ…それはもういいだろ!仕事優先しすぎたのがマズかったよなぁ…」
楓「今の相手は仕事に理解のある人で良かったですね」
P「それは本当助かってるよ…まあ自分で言うことじゃないとは思うけどな」
楓「うふふ」
P「それより楓さん、あの時『見てるだけでいい』って言ってたけどあれは嘘だったのか?」
楓「嘘ではないですよ?見てるだけで十分です」
P「えっ」
楓「ただまあ…もう少しだけ近くで見たくなっただけです。鈍感でどうしようもない人を」
元スレ
高垣楓「眼福」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474198948/
高垣楓「眼福」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474198948/
「シンデレラガールズ」カテゴリのおすすめ
- 【モバマスSS】藤原肇と初めての思い出
- モバP「朝起きたら女になってた……」
- 三好紗南「同人エ口ゲーを語ろう」
- 卯月「ネオ童実野シティでライブ、ですか?」 武内P「はい」
- \プピッ!/ 凛(えっ……放屁……?!)みく(あ、今だれかこいたにゃ……)
- モバP「最近、アイドルたちになめられてる気がするんです……」
- 双葉杏「ねえ、きらり」
- モバP「凛、……あ、間違えた、まゆ~」まゆ「……」
- 双葉杏「皆まさか処女って事はないよね?」「!?!?!?」
- 渋谷凛「ポッキーの日」
- モバP「お弁当つくるひと」亜里沙「お弁当箱あらうひと」
- 和久井留美「あなたは……?」ミル姉「ミル姉さんよ」
- 南条光「えっ…………痴漢!?」
- モバP「パッションの子を希望します!」
- 安部菜々、プリキュアになる。
- モバP「BeforeAfter」
コメント一覧
-
- 2016年09月18日 22:12
- このSSは楓さんを馬鹿にしてるわ
-
- 2016年09月18日 22:20
- 勝てばよかろうなのだぁーッ!!
-
- 2016年09月18日 22:29
- ど……く………
-
- 2016年09月18日 22:38
- そんなあっさりフられちゃうんだ。男の方は幸せの秘訣をあんなに熱弁してたのに、その3日後て…。女って怖いねぇ。
そんでもっていない生活が考えられないとまでのたまった彼女からあっちゅーまに乗り換えですか。男も怖えなぁ
-
- 2016年09月18日 22:44
- 別に振られてすぐに付き合いだした何て書いてないし、笑い話に出来るぐらいには時間開いてから付き合い出したんでしょ。半年なり1年なり。
-
- 2016年09月18日 22:46
-
- 2016年09月18日 22:50
- 作中で現状維持したがるPを楓さんが心配してるから、女性の側からするとPの煮え切らない態度が不安に感じられたんだろうね。このPはそこに気がつかなきゃ、楓さんにも振られそう。
-
- 2016年09月18日 22:57
- ※5
3年とか5年とか経ったあとだとPも楓も色恋とか言う歳じゃないからやっぱ長くて1年くらいでしょ?
でもそれ5.6年付き合って結婚まで視野に入れてた相手にフラれたにしちゃ短いだろ。そういうもんかも知んないけど、人の移り気って怖いなって
まぁ完全に深読み&邪推ですけどね!!
-
- 2016年09月18日 23:02
- 別に二十年後でもおかしくない会話じゃね?
-
- 2016年09月18日 23:24
- 拗らせすぎやろ…
SSは普通にいい感じなのに
-
- 2016年09月18日 23:30
- その空白の数日の間に実は楓さんは酒場で会った優しげなオッサンに魔法の薬で虜にされてPと付き合ったのは託卵が目的で…。
-
- 2016年09月18日 23:43
- ※11
おい馬鹿やめろ
楓毒なんてなかった。いいね?
-
- 2016年09月18日 23:44
- なんでタイトルが「眼福」なんだ?
-
- 2016年09月18日 23:51
- メープルポイズンネタいつも書く人って、楓さんの事それしか知らないから、それしか書けないんだろうなーっと思うようになってきた。
もっとユーモアあるネタ書き込みゃいいのに
-
- 2016年09月18日 23:59
- カワウソみたいな顔で検索したら若林出てきて草
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク