緋沙子「幸平、遠月でミスコンをやるらしいぞ」
緋沙子「うむ。女子の人気投票のような、あのミスコンだ」
創真「そういうのって普通、学園祭とかでやるもんじゃないのか?」
緋沙子「月饗祭の時は、多くの生徒が自分の店とかで忙しかったからな」
創真「でもなー……そんな浮ついたイベント、中村先輩が許さないんじゃないのか?」
緋沙子「それが薊殿は、意外と乗り気らしい」
創真「中村先輩……」
創真「へ? 別に興味ないし、参加する気ねーけど」
緋沙子「駄目だ。女子は立候補側、男子は投票側で全員強制参加らしい」
創真「マジかよ……」
緋沙子「ああ、困ったことにな」
創真「うーん……正直どうでもいいし、極星寮の誰かでも適当に……あ、何なら新戸でも」
緋沙子「ふざけるな! 真剣に考えろ!」
創真「えぇ!? 新戸、ガチなのかよ!?」
緋沙子「……いや、本来ならばどうでもよかったんだが……」
創真「薙切が?」
緋沙子「ああ。どうも押し付けられたらしくて……」
創真「はー……それはお気の毒に……」
緋沙子「とはいえ、えりな様がメインで関わるとあっては、私も本気になるしかない」
緋沙子「だから、全男子は無理でも、せめてお前くらいは真面目に参加させてみせるぞ」
創真「俺、完全にとばっちりじゃねえか!」
創真「そうなのか? 不正防止とか、そういうことか?」
緋沙子「それもある。もっとも、えりな様が不正などするはずないが……」
緋沙子「何より、えりな様がアリならほぼ確実に優勝決定で面白みがない、とのことだ」
創真「あいつ、そんな人気あんのか……」
緋沙子「当然だ。さて……じゃあ改めて聞くが、誰に投票する気だ?」
創真「誰にって言われてもなぁ……考えたこともねえや」
緋沙子「仲の良い女子くらい、いるんじゃないのか? 極星寮の人達もいるし」
創真「そりゃまぁ……でも、その中から一人選ぶってなると、難しいな……」
緋沙子「ふむ……よし、ならば私が手伝ってやろう。ついてこい」
恵「あ、創真くん」
悠姫「幸平ー! 聞いたよ、ミスコンやるそうじゃーん? しかもえりなっち主導で」
えりな「あの、だから私は押し付けられただけで……」
伊武崎「誰に投票するんだ?」
創真「いや、まだ何も決めてねーけど……」
緋沙子「まぁ、第一候補はやはり極星寮の誰かだろう。慎重に考えろ」
創真「と言われてもな……」
涼子「ここの男子は、皆ここの誰かに投票するみたいよ」
青木「まぁ、他に女子の知り合いなんかあんまりいねーしな」
佐藤「だな」
涼子「恵も幸平君に投票してもらえたら、嬉しいんじゃない?」
恵「ふえっ!? なななな、何言ってるべさ!?」
創真「あれ? そういえば一色先輩の姿が見えねーな。一番楽しんでそうなのに」
えりな「あぁ、一色先輩なら……」
慧『あああああどうすればいいんだ彼女たちの中から一人だけ選ぶなんて不可能だ
なぜ権利が一票だけしかないんだこんなのってあんまりだなぜだなぜ……』
えりな「という感じで、部屋に引きこもってるわ」
創真「あぁー……あの人、全員を溺愛してるからな……」
創真「んー、じゃあジャンケンで勝った奴にでも」
緋沙子「馬鹿者! 適当に決めるなと言っただろう!」
創真「つってもなー……」
伊武崎「無理にここから選ぶこともないとは思うがな」
青木「幸平は女子の知り合い多いもんなー」
佐藤「羨ましい限りだぜ」
緋沙子「ふむ……まぁ投票日までには間があるし、もう少し考えてもいいかもしれないな」
創真「まぁ、それもアリか」
涼子「あら、つれないのね。ねぇ、恵?」
恵「えぇっ!? あ、うん、えーと!」
丸井「どうでもいいけど皆、さっさと部屋から出てってくれないか……」
・
・
緋沙子「……で、誰に投票するか決められたか?」
創真「いや、全然」
緋沙子「やれやれ……仕方のない奴だな。皆、あれほど可愛らしい子だというのに」
創真「そもそも伊武崎も言ってたように、あの中から選ぶかどうかもわかんねーし」
緋沙子「他にも候補の女子がいると?」
創真「候補っつーか、よく話す女子なら他にもいるぞ」
緋沙子「なるほど……では、その女子たちの所へ行ってみよう」
創真「何か意味あるのか?」
緋沙子「彼女たちの魅力の再確認をすることで、投票先を決められるだろう?」
創真「お前、薙切が絡んでるからって、気合い入りすぎだろ……」
ガヤガヤ
創真「ちーっす。おお、だいぶ部員が増えて賑わってきたな」
郁魅「ん……って、ゆ、幸平!? よ、よく来たな」
緋沙子「水戸郁魅か。事前調査によると、一年の中ではトップクラスの人気みたいだぞ」
郁魅「……なんだよ、新戸緋沙子もいたのか」
緋沙子「む、まずかったか?」
郁魅「……べっつにぃ。で、何の用だ?」
創真「にくみはミスコンのこと、知ってっか?」
郁魅「え? あぁ……女子は強制立候補とかいうアレだろ。迷惑な話だぜ、まったく」
創真「どっちかっつーと、回らされてるって感じだけどな」
郁魅「……!? ま、まさか幸平、私に……!?」
創真「いやー、まぁ入れてもよかったんだけど、迷惑な話だと思ってんならやめとくよ」
緋沙子「うむ、さすがに嫌がる相手に投票するのは良くないな」
郁魅「……へ?」
緋沙子「よし、次は誰の所に行く?」
創真「うーん、そうだなぁ……あ、邪魔したな、にくみ」
郁魅「…………」
小西「肉魅よ聞いたぞ! ミスコンやるんだってな!」
郁魅「…………」
小西「心配するな! 俺は絶対、お前に入れてや……」
郁魅「うるせぇ!」バキッ
小西「なずぇに!?」
・
・
美代子「なんだ幸平? それに新戸緋沙子まで」
緋沙子「北条美代子か。彼女とも親しかったのだな」
創真「ああ、月饗祭で色々あってな」
美代子「アタシに何か用かい?」
創真「今度のミスコンのこと、どう思うよ?」
美代子「アレか……まぁ、勝手にやってくれって感じだな。アタシには関係なさそうだし」
緋沙子「特別、興味はなさそうだな」
美代子「幸平がアタシに入れてくれるっつーんなら、有難く受け取っておくけどな」
創真「いや、まだ決めてねーけど……」
創真「へー、お前モテるんだな」
美代子「なっ……そ、そうなのか……?」
創真「そういや選抜の時も、男子の目を惹きつけていたって聞いたことあるなぁ」
美代子「ほ、ほー……酔狂な輩も、いたもんだねぇ」
創真(嬉しそうだな……)
緋沙子(男子の目云々は、多分露出度の話だと思うけど黙っておこう)
緋沙子「月饗祭でも出会いはあるものだな。次は誰だ?」
創真「そうだな、月饗祭で知り合ったといえば……」
・
・
ナオ「ひ、ひひひひ緋沙子お姉さま! と、ついでに幸平創真」
創真「貞塚とは、食べ物の趣味が合ったんだよな」
ナオ「幸平創真……なんで緋沙子お姉さまと、一緒にいるのかしら?」
緋沙子「おい幸平……さすがにこいつは、ないんじゃないか?」
創真「確かに、ミス遠月って感じではないかもしれないけど」
ナオ「あぁ……ミスコンの話ね。幸平は誰に入れるの?」
創真「悩み中でなー……貞塚でもいいっちゃいいんだが」
ナオ「喜んでいいのかどうか、微妙な発言ね……」
ナオ「あ、ご心配なく! 緋沙子お姉さまには、私が持てる力の限りを持って投票いたします!」
緋沙子「いや、女子に投票権はないからな」
創真「ところで新戸、なんで貞塚は同級生なのにお姉さまとか呼んでるんだ?」
緋沙子「さぁ?」
ナオ「いつでもいらして下さい……今度はお姉さま一人で……ひひひ」
緋沙子「何だかやけに疲れたな……そういえば、上級生には知り合いはいないのか?」
創真「男子なら、一色先輩とか久我先輩とか、結構いるけど……」
・
・
竜胆「幸平、上級生のフロアに珍しいじゃん! それに秘書子ちゃんまで」
緋沙子「秘書子ではありません! 緋沙子です!」
創真「女子となると、この人くらいかな」
竜胆「お、何々ー? 私が企画したミスコンの話かー?」
緋沙子「どうも幸平が、投票先に迷っているらしくて……って
コメント一覧
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- 2016年09月19日 21:51
- 田所ちゃんだな
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- 2016年09月19日 22:16
- や緋天
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- 2016年09月19日 22:18
- 北条さんで!!
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- 2016年09月19日 22:48
- もも先輩がNo1!!
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- 2016年09月19日 22:53
- ※2
なんか幕末に活躍した人斬りと使用流派みたいでござるな
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- 2016年09月19日 23:08
- 秘書子SS量産して欲しい
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- 2016年09月19日 23:35
- ソーマのいけ好かなさは何なんだろうなぁ
主人公以外はみんな好きなんだけど
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- 2016年09月19日 23:54
- 中村先輩、何してんねや…
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- 2016年09月19日 23:59
- 関係無いけど中村先輩が学園支配完了したら、チェーン店の名前は中村屋になるのかな?
中村屋! 中村屋! 中村屋!
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