RSS速報
「思うに、この世でもっとも慈悲深きことは、人間の頭脳がすべてのものの関係性を明らかにすることができないことなのではなかろうか」とはH.P.ラヴクラフトの言葉である。
我々人類は、宇宙やその仕組みについてはよく理解しているが、すぐ近くにある地球の海についてはあまりよく知らないのかもしれない。
海洋恐怖症のことをタラソフォビアと言うが、わたしたちが海に恐れを抱いてきたのには理由がある。海中にいるものはとても奇妙で、想像を絶するほど異質なものであることが多く、これまでに存在がわかっているものよりも遥かに巨大だったり、異様だったりするからだ。
ここでは過去カラパイアで取り扱っている案件を含め、割とマジで奇妙な物体が海岸に打ち上げられた例を見ていくことにしよう。
スポンサードリンク
15. モントークモンスター(アメリカ)
2008年夏の真っただ中、ニューヨーク州ロングアイランドのモントーク岬、ビジネス街の近くのビーチに正体不明の生き物の遺骸が打ち上げられた。いまだにその正体はわかっていない。たちまち人だかりができて、この生物の写真が拡散され、さまざまな噂が広がり始めた。
この生物の正体ついては、アライグマから、イヌ、大きなネズミといった多くの説が出てきたが、その体や骨格が既知の生物とは異なり、どうにも決め手がなかった。さらに悪いことに、発見後すぐにこの遺骸の行方がわからなくなってしまい、その正体をつきとめることはほぼ不可能になってしまった。
アメリカ、ロングアイランド島に打ち上げられた謎生物「モントーク・モンスター」
このため、この生物は近くのプラム島の施設から流れ着いたという噂が広まった。そこで実験的に作られたキメラ的な生物だというのだ。あるいは新種の奇妙な生物だったのだろうか?
14. キャンベイ島のモンスター(イギリス)
1953年、イギリスのキャンベイ島に打ち上げられたこの生物は、キャンベイ島モンスターとして知られている。翌年1954年にも再びこの生物の遺骸が発見された。分厚い赤茶の皮膚に出っ張った目、体長は約76センチだったという。
この生物がもっとも奇妙なのは、二足歩行ができそうな、馬の蹄のような2本の後ろ足があったらしいということだ。単なるアンコウだと言う人もいたが、二束歩行できるという後ろ足のせいでこの説はなくなった。
論争は続いているが、この後ろ足は単に腐敗したヒレを足と間違えただけだと言われている。河川局は、未知の生物だと考えている。
13. 新たなネッシー?(イギリス)
すがすがしい日曜の午後、イングランド、ロッチデールにある静かなホリングワース湖の岸辺に恐ろしいモンスターが打ち上げられた。長さは1.5メートル超、こぶしより少し大きいくらい口には鋭い歯がびっしり並んでいた。
この怪物に遭遇した夫婦は、最初ワニだと思ったという。この生物の正体については、結論は出ておらず、たまたま普通サイズよりも大きくなりすぎた奇形のカワカマスだという人もいう。
たとえこれがただのカワカマスだったとしても、それにしても大きすぎる。この魚はかなり獰猛なので、人に危害を加えるだろう。とても泳ぎになど行けるわけがない。
12. サハリンモンスター(ロシア)
2006年にロシアの海岸に流れ着いたこの生物の遺骸は、目撃者や科学者たちを困惑させた。体長6メートル以上、全身毛のようなもので覆われていたため、魚ではなく哺乳類ではないかと思われた。
しかし、海洋哺乳類でもこのように長い毛はほとんどない。発見したロシアの兵士は、サハリン島シーウルフと名づけた。特にこの生物の正体をつきとめようとせずに、地元の人たちはこの地域にたびたびやってくるというカミと呼ばれる海の生物だと信じるようになった。
犬のような頭と毛をもつ生物らしいことはわかるが、骨格は大きなワニのようで謎が深まる。これがなんであれ、いずれにしてもわたしたちが海のことをほとんど知らないといういい証拠だろう。
11. ブロブ・トランコ(南アフリカ)
トランコは、グロブスター(グロテスク・ブロブ・モンスターの略)の仲間。グロブスターとは、海岸に打ち上げられた生き物の死骸が腐乱してぶよぶよした肉塊になった状態をさす。単にブロブとも言う。1924年南アフリカで発見されたこの生き物は、"巨大な魚のようなホッキョクグマ"と言われた。
この生物は、沖合で2頭の大きなシャチと格闘しているところを目撃されていて、その戦いは3時間も続いたという。その生物は尾でシャチを攻撃し、水面から6メートルもジャンプすることができたらしい。しかし、その後の勝負は明らかで、まもなくこの生物の遺骸が岸に流れ着いた。
この生物を調べてみた研究者もなく、わかったことはなにも発表されなかった。伝えられているところによると、それは雪のように白い毛をまとっていて、ゾウのような鼻とロブスターのような尾を持っていたという。奇妙なことに血液がまったくなかったと報告されている。
10. テンビーの野獣(イギリス)
イギリスの海岸に打ち上げられたこの謎めいた未確認生物を巡って、激しい論争が起こっている。ピーター・ベイリー(27)が浜辺で犬を散歩をさせていたとき、この生物の遺骸に出くわした。ブタの体にクマのようなツメをもっていたという。さらに謎めいているのは、クチバシのようなものもついていたという。
モントークモンスターに似ているとよく言われていて、同種の生き物かどうか、幅広く議論されている。この生物の写真は拡散され、未確認生物の話題となると必ず取り上げられる例となった。
9. 巨大な目玉
海岸に流れ着くものというと、ゴミや衣類、ときにはメッセージ入りのビンなどを思い浮かべるかもしれないが、こんなものに出くわしてしまったら大いにぞっとするだろう。世界中の海岸に流れ着く巨大な目玉だ。
専門家が現物を直接、また写真や動画などで調べた結果、メカジキの目玉ではないかという結論に達した。
しかし、ここで問題が浮上する。普通、眼球というものは海中でいち早く食べられてしまうか、腐ってしまうものなのだが、目玉だけのこうした漂着が何度もあることが、不気味さをさらに増している。
8. 死んだ鳥(アメリカ)
太平洋の海岸に大量の鳥の死骸が打ち寄せられるようになったが、その原因は不明だ。台風などの厳しい気候によって、数羽の遺骸があがることはあっても、これだけの大量死は前代未聞なのだ。
大量の遺骸があがったのが、オレゴンから南カリフォルニアと幅範囲だったため、専門家はすぐに状況を調べて原因を解き明かそうとした。奇妙なのは、死ぬ鳥がいつも同じ種とは限らないことだ。4種の別々の鳥たちが集団で打ち上げられた例もある。ひとつの説は、成長するにつれ、新しい群れの中でエサ不足が起こったというもの。エサが足りなくなれば、すなわち死を意味する。あとは気候変動という説もあって、これまでのところ、これが一番確実な説である。
7. ストロンセー島の海獣(スコットランド)
1808年、スコットランド、オークニー諸島の海岸に打ち上げられたグロブスター。体長18メートル近くもあると言われているが、尾の部分がなくなってしまっているので、ひょっとするともっと長いかもしれない。
自然史協会が遺骸を調べたが、正体は特定できなかった。スコットランドの解剖学者ジョン・バークレーが、Halsydrus pontoppidani ポントピダンのウミヘビと名づけた。のちの解剖学者はこれまでの話をすべて否定して、この怪物はもっと小さなウバザメの腐敗した遺骸だと主張した。
というわけで、いまだに正体は確定していない。ネットでは今日でもその外見や正体について議論が飛び交っている。
6. セント・オーガスティンのモンスター(アメリカ)
1896年、フロリダのセント・オーガスティンの海岸に打ち上げられて大騒ぎになった。フロリダ・モンスター、またはジャイアント・フロリダ・オクトパスとも呼ばれる。
オクトパス(タコ)という名前がつけられてはいるが、国際動物命名規約によると、その分類ルールには当てはまらない。この生物は、体の西側に7メートルの腕が一本、1.2メートルの腕の付け根部分がひとつ、南側に3本の腕が伸びていて、一番長い7メートルのものより90センチから1.5メートル短かかったという。
5. ニュージランドグロブスター
1968年、ニュージーランドの北島ギズボーン地区の海岸に流れ着いた最大のグロブスター。体長9メートル、体高2.4メートル。サイのようながっしりした体を長さ15センチのこごなった毛が覆っていた。この毛のために、海を泳ぐ巨大生物として多くが思い浮かべるクジラ説は除外されてきた。
ほかのグロブスターと同様、この生物の正体、出自、分類は専門家にもわからず、今日まで謎は残ったままだ。
4. ガンボ(アフリカ、ガンビア)
1 983年、アフリカ、ガンビアのバンガロービーチに流れ着いた大きな生き物の遺骸。その姿は、これを発見したオーウェン・バーナムという15歳の少年が描いた絵が残るだけだ。
外見的に似ているため、地元の村人たちはこれをイルカと呼び、まもなく頭を切断して観光客に売り飛ばしてしまったという。残りの体もどこかに埋められて、捜索したが見つけられなかった。体長4.5メートル、多くの海の生物のように体の上の部分は茶色く、腹のほうは白かったらしい。
この生き物には鳥のクチバシのようなものがあり、背ビレはなかったというところが、どうにも説明がつかない。
3. バミューダブロブ
1980年代後半から90年代にかけてバミューダの海岸にあがった、ふたつの正体不明のブロブ状遺骸のこと。88年に最初に見つかったものは、厚さ91センチ、白い繊維質の皮膚で、5本の腕か脚が生えていて、できそこないのヒトデのようだったという。
サンプルを調べた結果、硬骨魚類の一種ではないかということになった。もうひとつは95年に発見され、最初のときにはできなかった進んだ遺伝子検査ができた。その結果、両ブロブともクジラの組織が含まれていることがわかった。それでも、これらのブロブには答の出ない多くの疑問が残る。
2. ヘブリディーズブロブ(スコットランド)
どうして海にはこんなにたくさんのブロブがいて、いつも海岸に流れ着くのだろうか?少なくともほかの生き物が海中で食い散らかしてしまうからだと思うかもしれない。
1990年にスコットランドの海岸に流れ着いたヘブリディーズブロブは、進んだ生物学的分類技術をもってしても、いまだにその正体が判明していない。このおぞましい肉塊を発見したルイーズ・ウィッツはこのように語っている。
「一方の端に頭のようなものがあって、曲がった背中には、食い散らかされた肉あるいは毛の生えた皮膚の残骸が残っていました。全長3.6メートルくらい。背中に沿ってヒレのようなものがついていました」やはり、これも謎めいた生き物だ。正体は結局わからないかもしれない。
1. 靴を履いた足(カナダ・アメリカ)
海岸に流れ着くもっともおぞましいもののひとつは、「セイリッシュ海における人間の足の発見」として知られるものだろう。
カナダとアメリカの国境にあたるセイリッシュ海の海岸に靴が次々と流れ着くようになり、怖ろしいことにこれらの靴の中には人間の生の足が入っていたのだ。
2008年から2016年にかけて、全部で16の足が見つかっている。身元が特定できたものもあるが、あとは不明だ。性別すらわからないものもある。中にはイタズラのものもいくつかあったが、16の足はまさにホンモノの人間の足で、足の持ち主はおそらく遺体になっていることだろう。今日まで、これらの足がどこから流れ着いたのか、どうしてこんな事態になったのか、わかっていない。
The 15 Creepiest Things That Have Washed Up On Shore/ translated konohazuku / edited by parumo
▼あわせて読みたい
モフっぽいぞ?ロシアの海岸に打ち上げられた謎生物の正体は?
これが伝説のドラゴンか?スペインの海岸に体長約4メートル、角のある巨大生物の死骸が打ち上げられる
浜松の海岸に打ち上げられた巨大謎生物の死骸
アメリカ、ロングアイランド島に打ち上げられた謎生物「モントーク・モンスター」
現世に残された謎:10のミステリー
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
いいね!しよう
カラパイアの最新記事をお届けします
「知る」カテゴリの最新記事
「UMA・未確認生物」カテゴリの最新記事
この記事をシェア :
人気記事
最新週間ランキング
1位 14939 points | 現金よりもピザ。従業員のやる気を引き出す最も効果的報酬はピザであることが判明(米研究) | |
2位 8535 points | 20年以上墓地にくる人々を癒し続けた墓守猫、最後の任務をこなし永遠の眠りにつく(イギリス) | |
3位 3478 points | 天使の羽ってこういうこと?翼のリュックとクトゥルフなリュック | |
4位 2082 points | スペインでも秋田犬は忠犬だった。飼い主が緊急入院。家に帰ることを拒み病院の前で6日間待ち続けた犬 | |
5位 1966 points | 番組の途中ですがプーチンです。一触即発、G20サミットでプーチンとオバマがガンの飛ばしあいをしていたシーンがコラ化 |
スポンサードリンク
コメント
1. 匿名処理班
10. テンビーの野獣(イギリス)
ウ、ウマゴン!?
2. 匿名処理班
8番目はエルニーニョ現象のせいじゃないのか。
悪い藻がなんちゃらかんちゃらとたけCさんの番組でやってた。
3. 匿名処理班
諸星大二郎の漫画の世界でビーチコーミングすると
エラい目に合いそうな気がする
4. 匿名処理班
だいたい水吸ってプヨプヨになった結果、原型とは違う形になって見えてるというね。
5. 匿名処理班
足だけ16本って怖い・・・。
何が合ったんだろう
6. 匿名処理班
9番目の巨大な目ってたしかダイオウイカだか巨大なイカの目だって言われてなかったっけ
7. 匿名処理班
足の着いた靴が一番怖かったー
8. 匿名処理班
最後だけ謎の生物じゃなかった……!
9. 匿名処理班
12はシャチだな。専門家に見せれば判明しそうなもんだけどね
10. 匿名処理班
14.鮟鱇だろ?
11. 匿名処理班
SCP-682がいるんですg[データ編集済]
12. 匿名処理班
「タラソフォビア」というものは、海に囲まれた日本人にはありえない。
13. 匿名処理班
13. 新たなネッシー?(イギリス)
ノーザンパイクで1.5m超えるのは別に珍しくもなんともないが。
大袈裟すぎ。
14. キャンベイ島のモンスター(イギリス)
どう見てもアンコウだね。
14.
15. 匿名処理班
No.14
どうみてもどっからどうみてもアンコウですやん
16. 匿名処理班
最後のは異質な怖さだわ
ますます海に遊びに行きたくなくなった
17. 匿名処理班
「シャチVSトランコ」
大映怪獣映画かっ
18. 匿名処理班
ニュージランドグロブスターっての、巨大なウツボにしかみえん。
セント・オーガスティンはゾウっぽいなあ・・・
19. 匿名処理班
オレも怪物の第一発見者になりたいな〜
20. 匿名処理班
CSIで足のようなネタやったけど、不法入国者を運ぶ
業者がちょうど運が悪く台風に巻き込まれて、メインである
麻薬がまずいことになり、軽くするために不法者を海に投棄
したという話だった。今回も似たような感じかもね
21. 匿名処理班
靴のやつはサメに食べられたとかでしょ。
22. 匿名処理班
わからない生物の死骸ってどうしてもワクワクしちゃうねって思いながら見てたら最後だけ違う話だった…
23. 匿名処理班
昔海に住んでたばぁちゃんの話だと靴を履いた足は自○者の成れの果てと聞いたなぁ…
50年以上前の話だそうだけどさ。
24. 匿名処理班
12のクソトカゲはイルカって判明してなかったっけ?