『eヤングマガジン』連載、「食糧人類 −Ｓｔａｒｖｉｎｇ　Ａｎｏｎｙｍｏｕｓ−」の1巻です。
怖いもの大好きな私は いかにもソレっぽい説明文(帯とか裏表紙とか)だったので買ってみました。なるほど！　常に漂うホラー・ミステリー感に、怪奇生物やグロテスク要素も詰め込んでいて、この手の好きな人なら"面白い！"と言える作品だと思いますね。

このチキンナゲットって何の肉で出来ていると思う？　チキン？　本当にそうかなぁ。だってこんなに住みにくくなってる地球環境でニワトリの住むところがあるのかどうかわからないじゃん…

3月でありながら最高気温記録を更新するような異常気象になってる現代。地上で人間の住める場所は100年前の1000分の1になってる状態で、世界の人口も減少していた。理由は全く分からない。主人公である高校生の伊江は帰宅するバスの中で、友人のカズと あてもなく事態の解決策を話していた…

そして事態は起きます。ページにして14ページ目。物事が早々と起きるのは面倒じゃないからイイネ！　車内に催眠ガスが撒かれたことで乗客全員が拉致と言う名の行方不明になってしまいます。
目覚めた伊江は信じられないモノを見る。人間が選別されて"合格"となった肥った者は冷凍され、マグロを解体するように電ノコで身体を切り刻まれているではないか！

伊江は別室に送られ、そこはブクブクと肥った者が水？ をただ飲み続けていた。

表紙になってるのがその光景。赤い水は麻薬のような強力な常習性があるとともに思考を失わせる薬も入ってるらしい。結果、高カロリーのこの水をただ ひたすら飲み続けることになりブクブクと肥ってしまうわけだね。
この部屋には水を飲まずに正常な精神を保ったままの山引と ナツネがいた。機会を伺って脱出を図っていたらしい。山引が言うにはここは人間の飼育室とのこと。何のために太らせるのかは先ほどの解体もあるけれど、エサという別の要素もあるという。

　　　　　　それがこの巨大幼虫！
触手で肥った者を刻んで食べます。伊江や山引、ナツネたちは痩せているので食べられずに済みました。いったいこの幼虫が何なのかはまだ分かってません。

職員に扮して部屋を脱出した一行は別室にてまた異様なものを見ることに。

そこは「生殖種」と名付けられた人間たち。薬によって性欲を極限にまで高められた男女が子供を作るのだという。排卵誘発剤によって三つ子 四つ子は当たり前。子供を多く作らせることで また何かの用途があるらしい。まぁロクでもないことは確かなようだけれどね。

この施設・この組織はいったい何だ？　山引としてはマフィアか何かの臓器売買所と思っていたようだが、それでは巨大生物が意味不明。それよりもっと大きな組織の…政府クラスの陰謀かと思うようになっていく。

最後になって巨大なサナギが孵化して成虫に。もしかしたら先ほどの幼虫の成長した姿かもしれないけれど現段階では不明です。逃げ遅れた職員が食べられ、それを見届けるしかない伊江たち。
とにかくミステリー感満載なので好きな人にはオススメしたい。