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南米の産油国ベネズエラでは、原油安による経済危機が続いている。物価の高騰が市民生活を直撃しており、今年5月にはハンバーガー1個が約1万9000円で販売され、ホテル1泊の料金は約76万円ともなるという驚愕のニュースが伝えられた。売店のサンドイッチすら高過ぎて買えない人が続出。食料や薬の不足が深刻化し、インフレ率は180パーセントを超え3桁に突入している。
いつだってとばっちりを食らうのは弱者である。人間は自分たちの食べものさえ手に入らない状況なのだからペットにエサを与えることもできない。そのせいでペットを捨てる人が続出しているという。行き場所をなくしたペットたちは、路上、公園、仮設ハウスにあふれている。
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ミランダ州ロス・テケスの郊外にあるアニマルシェルター「Famproa 」の仮設ハウスの近くでは、数百匹の犬が吠えながら、路上を走り回り、食べ物を探し回っている。
また、それでもどうしても犬を手放したくない人々が、数時間おきにガリガリにやせ細った犬を連れてやってくる。ボランティアからエサをもらうためだ。
ベネズエラにいる犬たちの悲惨な状況を知ってもらおうと、ロイターのカメラマン、カルロス・ガルシア・ローリンズさんはアニマルシェルター「Famproa」にいる犬を撮影し、公開している。
これほどまでにあばら骨が見えている状態の犬がこんなにたくさんいると思うと心がキシキシ音を立てて痛みだす。残飯などもほとんどないのだろう。
写真は2016年8月16日と8月18日に撮影されたものだ。
1.
ラチーナは写真撮影の翌週に亡くなった。愛らしく、同時にこわがりなラチーナは自分の寝どころから離れようとせず、エサもそこで食べていた。
2.
トゥネコは病気で、写真を撮った翌週に息絶えた。
3.
アグハという名前は針を意味し、ガリガリにやせ細って長い体からその名前が付いた。「アグハはとても人懐っこい犬で、人が来ると大喜びし、抱っこして撫でてもらうために、ジャンプするの」とスタッフのマリアさんは語る。
4.
約1年前、ミアはシェルターの入り口に捨てられていた。ミアの世話をしているマリアさんによると、ミアは1度、里親に引き取られたのだが、その後家族がミアが新しい環境に適応しないという理由でシェルターに返しに来たそうだ。
5.
ペテテはシェルターで8年間過ごしている。「ペテテがシェルターに来た時、彼の体にはたくさん蠕虫(ぜんちゅう)がいて、足は傷だらけでした。治療は大変で、傷が治ってもペテテの足は完全には戻りませんでした。ペテテは食事以外はとても愛らしい犬です。しかし、食事の時間になると狂暴になり、近づこうとするものすべてに噛み付きます」とマリアさん。
6.
笑顔という意味の名前を持つソンリサは人間が近づくとぶたれるのではないかととても怯える。しかし、その時に歯を見せる姿が笑顔にも見えることからソンリサという名前がつけられた。ソンリサは写真が撮られた翌週に亡くなった。
7.
ククルチャは家族が欲しくてたまらない。誰かが近づくと、即座に反応しクンクンと鳴く。他の犬とも決してケンカはしないが、エサを盗む事は好きだという。
8.
顔にある黒いシミがあるのでマンチャという名前が付けられた。シェルターにいる犬すべてを噛んだというマンチャは、食事の時間になると全員とケンカをし、誰も近づくことができないという。マンチャは写真が撮られた翌週に亡くなった。
9.
ペキはかわいらしい性格ではないが、狂暴でもなく、何にも興味を示さない犬だ。シェルターで1年程暮らしているが、ケージに入れても毎回逃げ出してしまうそうだ。
10.
シェルターに来たのは2年前でとても元気な犬だった。特に水が大好きで、チャンスがあればバケツやボールの水の中に入ろうとする。プールのある家で暮らすことになったら、プールから出てこないだろう、とマリアさん。
11.
斑点がたくさんあることから、斑点を意味するピンティカという名前が付いた。シェルターの犬の中でも上品な犬で、足が水に濡れることを嫌がるという。外に出ると他の犬に襲われるので、ずっと自分のケージに閉じこもっていたが、写真が撮られた翌週に亡くなった。
12.
1年半前に、他の兄弟3匹とダンボール箱に入れられてシェルター前に捨てられていたルーチョ。兄弟のうち2匹が死んでしまい、1匹が里親に引き取られた。ルーチョはシェルターでも人気の犬だったが、彼は逃亡の達人で、どんな場所でも逃げ出すことができる。
13.
セロとはスペイン語で熱意を意味する。セロは妊娠中期にシェルターの外でひもに繋がれ捨てられていた。ボランティアがセロがいた場所に行くと、その場所はひどい状態だった。
14.
2ヶ月前の日曜日にシェルターにやってきたトミー。バイクに乗った男がトミーをシェルターの前に置いて行った。その男はトミーを道端で見つけたが、そこに放置しておくのは気が引けたから連れてきたと話した。しかし、その男はなぜか犬のことを前から知っていたかのように自然にトミーと呼んでいた。
15.
ピチュラはとても年老いた犬で、シェルターに長いこと居る。ピチュラはとても大人しく、決して他の犬とケンカしたり、他の犬に吠えたりしない。その分、ボランティアは食事中のピチュラを注意深く見守らないといけない。なぜなら、ピチュラは他の犬にエサを盗まれても黙っているからだ。
16.
デュークは5ヶ月前にシェルターの外にひもを繋がれた状態で捨てられていた。デュークは短気な犬ではないが、他の大型犬はいつもデュークを攻撃した。写真が撮られた翌週に犬舎を抜け出し、他の犬とケンカをし殺されてしまった。
17.
パトン(大きな足を意味する)はとても足の長い犬で歩く時も少しぎこちないが、とても愛らしい性格でシェルターに来る誰もがパトンを好きになった。パトンはいつも幸せそうで、元気で、人間の側にいることが大好きな犬である。
18.
青い目が印象的なので目という意味のオヒートスと名付けられた。シェルターに来たのは2年前で、当初からとても愛らしい性格をしていた。他の犬とも決してケンカをせず、何度か里親候補が見つかったが、結局引き取られることはなかった。
19.
アルバロという人物が、道路で車にひかれた彼を見てシェルターに連れて来た。アルバロという名前はその人物から付けられた。車にひかれたアルバロは、かろうじて命をつなぎとめている様なとても最悪な状態だった。シェルターでは、安楽死させる変わりに、数日間チャンスをあげ彼が回復するかどうか見守ることとなった。
20.
ひき逃げを意味するアトロペイエドから名前を取ったアトロはがシェルターに来たのは数年前のこと。誰かが車に轢かれたアトロをシェルターの外に置いていったのだ。「何度か手術をし足を回復させようとしましたが、無理でした。それ以来、彼はとても孤独で他の犬とも触れ合おうとしません」とマリアさんは話す。
21.
虫に食われたを意味するグサニアオウと名付けられたこの犬は写真を撮られる1週間前に、箱に入れられ瀕死状態でシェルターの外に捨てられていた。体は虫に覆われ、まさに生きたまま食べられているような状態だった。しかし、治療を続けてから1週間後には、よく食べるようになり、体力も回復している。
22.
グスは長年シェルターにいる犬の1匹である。グスの元家族がグスの食べ物を毎日運んで来ていたが、2ヶ月前から来なくなってしまった。グスは短気で食事の時間になると他の犬とケンカをするのが好きだ。
23.
パストライスはジャーマンシェパードに見えることからシェパードという意味のパストライスという名前が付けられた。とても大人しく、他の犬とはケンカしない。しかし同時に人間を恐れている。人間が近づくと殴られると思い即座に身を縮こませる。
24.
自分の子犬と一緒にシェルター前に捨てられていたママ。子犬はすべて里親が見つかり引き取られて行ったが、誰もママを引き取ろうとはしなかった。ママは年老いて、目もあまり見えなくなってきている。そのため、自分の寝どころから離れようとはせず、他の犬とも一緒に遊ばない。
25.
病院の看護師に保護されたことから、看護師という名前のエンフェルメーラが付いた。エンフェルメーラはまひに苦しんでおり、完全に回復することはないが、とてもよいガード犬だという。シェルターの外で暮らしており、誰かが近づくと吠える。
via:designyoutrust/ translated melondeau / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
原油安というより政府がの商品価格の統制、値付けに失敗した側面が大きい…
2. 匿名処理班
うー痛々しい。
でも太っても痩せても、顔はあんまり変わらないよね犬って…
3. 匿名処理班
もうネズミやゴキを増やして延命するしか
漁業もだめなのか
4. 匿名処理班
そんなことがあるんだっていう悲しみしかでない
ほとんどが死んでるという記録写真にしかならない記事
国が弱るとモロに弱者に被害がかぶるという事実
これはどう言ったらいいんだ
怖さを感じるよ
5.
6.
7. 匿名処理班
犬も家族とはいえ、自分や家族の命には代えられないよなそりゃ・・・
ハンバーガーが1万9000円ってどうすりゃいいんだこれ
無理なのは分かってるが、日本の大量に廃棄されるほど多い食べ物を分け与えられたらいいのに
8. 匿名処理班
こんなことになってることすら知らなかった
可愛そうだがそんなに食料事情が悪いなら食べれば
9. 匿名処理班
犬もかわいそうだが
そろそろ人間の餓死者が出てるんじゃないだろうかこれ
10. 匿名処理班
センターの回収した犬や猫の報告と写真がサイトにのるけど
そのすべてが数日以内にこの世を去るものばかりで
なまじか健康的なものが多く見ていて泣ける
11. 匿名処理班
日本では見捨てられた犬たちはどうなっているんだろうね?
12. 匿名処理班
まるで俺みたいだぁ・・・・
13.
14. 匿名処理班
グローバル化で先進国でも人間が生きてくのですら大変だからな
後進国はなおさら犬畜生どころじゃないんだろうな・・・。
15.
16. 匿名処理班
いや
犬はもちろん可哀想だけど売店のサンドウィッチも買えない人間は大丈夫なのかよ
人間へ支援呼びかけるのが先じゃないか?
17. 匿名処理班
ハンバーガー1個が約1万9000円・・・『レインボーマン』の死ね死ね団が仕掛けたM作戦クラスのハイパーインフレだな。そんだけ酷いと飼い主の責任云々とかいえるレベルじゃないと思うなぁ。う〜ん、これはツライわ。
18. 匿名処理班
ベネズエラのインフレなのに、通貨が円とか分かりにくいw
「インフレ率は180パーセントを超え3桁に突入している」と書きながら、「ハンバーガー1個が約1万9000円」って元値いくらだよw
19. 匿名処理班
これ人間のほうがやばいだろ
人間のほうがやせ細ってるハズ
20.
21. 匿名処理班
映画一本できる勢い。でもなんで皮肉っぽい名前ばっかなんですかねぇ
22.
23.
24. 匿名処理班
痛々しくって見てるのが辛い…引き取れるもんなら引き取りたい、とか思ってしまうほど。
うちも楽じゃないからそんなことは軽々しく言えないんだけども。人も犬も頑張れえええ
って言っても限度ってもんがあるよね…何とかならんのだろうか
今日も職場で山ほど廃棄食品出たんだよね……辛いわー
25. 匿名処理班
「ベネズエラ 現状」でググるともう色々とヤバイんだが・・・。
国の崩壊待ったなしじゃねーか。
26. 匿名処理班
それでも、1%のブルジョアは高みの見物なんだろうな。