千早「お兄ちゃん」
とある歌番組収録スタジオ。
番組スタッフ「はい!これで今回の収録は終了です。お疲れ様でしたー!!」
千早「ありがとうございました」ぺこり
――――
ステージ裏。
P「お疲れさま。千早」
千早「お疲れ様です……プロデューサー」ぺこり
P(ん?)
千早「?どうされました?プロデューサー」
P「いや…何でもない。思ったより収録がちょっと長くなってしまったな。遅くなってしまったし、さっさと帰ろうか」
千早「はい……」
――――
千早の自宅マンション前。
P「じゃあ俺はまた事務所に戻るから。お前は明日は午後からだから、それまでゆっくり休んでくれ」
千早「はい……ありがとうございます……」
P「おやすみ千早」
千早「おやすみなさい。プロデューサー」ぺこり…
――――
765プロ事務所。
がちゃっ
P「ただいま戻りましたー」
律子「お疲れ様です。プロデューサー」
P「律子。まだいたのか。お疲れさま。もうみんな帰ったかと思ってたが…ん?じゃあ、もしかして音無さんもまだいるのか?」
律子「いえ。小鳥さんならもう帰られましたけど。どうかしましたか?」
P「そうか。いやただ単にちょっと聞いてみただけだ……それより…なあ律子」
律子「はい。何ですか?」
P「千早の事なんだが……」
律子「千早?千早がどうかしたんですか?」
P「いや…最近ちょっと元気がないみたいなんだが」
律子「その事ですか」
P「ん?何だ気付いていたのか?」
律子「ええ…まぁ今は裏方としての目線で、皆を見てますから。実を言うとそれに関しては、少し前にそれとなく聞いてみたんですけど…あまり言いたがらないみたいで……」
P「そうか…あいつはちょっと自分だけで抱え込んでしまうところがあるからな……それで、律子から見て何か心当たりとかはないかな?」
律子「いえ。これと言って特に。仕事も波に乗ってきてますし……ちょっと私には判り兼ねますね」
P「そうか……」
律子「そうだ。それならプロデューサーから直々に何か聞いてみたらどうです?案外とプロデューサーになら話してくれるかもしれませんし」
P「そうかな……?いや…そうだな……うん。よしなら一度聞いてみるか…………」
翌日。
765プロ応接室。
千早「どうしたんですか?プロデューサー。話が有るから、予定の時間より少し早く来てくれって」
P「いや…な。最近、俺の目から見て…お前がちょっと疲れてるっていうか、元気がない様に見えてな」
千早「そんな事は……」
P「いや…無理はしなくていい、仕事か何かで悩みとかあるなら、遠慮なく言ってくれ。俺はお前の…アイドル如月 千早のプロデューサーなんだから」
千早「プロデューサー…………済みません……」
P「それでどうしたんだ?もしかして俺に言えない事とかか?もしそれなら律子にでも――――」
千早「いえ…そういう訳では……ないんです」
P「それなら。もし俺に出来る事が有れば何でも言ってくれ。出来る事なら何でもするから」
千早「……そこまで言って下さるなら――――あの……私事で申し訳ありませんが…プロデューサーは私の生い立ちと言うか、家族の事とは知ってますよね?」
P「お前の家族?ま…まぁ……それとなくはな。でも…それがどうしたんだ?」
千早「最近。お仕事も少しづつ頂ける様になって、それにも少しづつ慣れていって……それで、ふっ…とした時に何故か急に何か寂しくなったんです」
P「そうか…仕事に余裕が出来てきて、今の環境にも慣れて、他の事にも気が廻る様になったのかもしれないな」
千早「そうかもしれません……でも――――」
P「でも?」
千早「おかしい…ですよね……勿論ただ好きな歌を唄いたかったというのが一番ですけど、その事を…家族の事を忘れたいが為に、この仕事(アイドル)を始めた。という理由も少しはあったのに…その仕事で結果が出始めた途端に…またその事を思い出してしまうなんて……」
P「千早……」
P(ふーむ。もしかしてホームシックの変化形みたいなものかな……)
千早(…………………………………うん……)コク…
千早「あ…あの…プロデューサー…………」
P「ん?」
千早「私は…自分の家族とは色々ありましたけど……それでも…それでもやっぱり、家族というモノに憧れているんです」
P「……………」
千早「ですから…プロデューサーにお願いしたい事が有ります」
P「何だ」
千早「はいっ…あの…だから…それで………////////」もじもじ
P「どうした?はっきり言わないと分からないぞ」
千早「ですから…今からその…プ…プロデューサーの事を―――――」すっ
千早「お兄ちゃん」
千早「―――――と、呼んでもいいですか?///////////」かぁぁ
P「!?」
P「――――おっおに……?千早…お前、一体何を言ってるんだ?」
千早「ですから…プロデューサーに私の家族に…兄になって欲しいって言っているんです」
P「いや…唐突にそんな事言われても――――」
千早「プロデューサー。プロデューサーはさっき私に―――――」
千早「出来る事なら何でもする」
千早「―――――って言ってくれましたよね?」
P「!?」
P「それは…確かに言ったが…………」
千早「それとも…出来ないんですか?私の兄の真似事をする事が」
P「い…いや。出来ない事はないが…………あっ!」はっ
千早「じゃあいいんですね?」
P「…………分ったよ」はぁ
P「どこまでしてやれるかは判らんが、他ならぬお前の為だ。こうなったら出来る限りの事はやってやる」
千早「!!」ぱぁ
千早「ありがとうございます。プロデューサー……ううん」
千早「お兄ちゃん」にこ
歌番組収録スタジオ。
番組スタッフ「じゃあ本番いきまーす!!」
P「今日のステージ期待してるぞ」
千早「はい!」
律子「じゃあ頑張ってね千早」
千早「うん。じゃあ行ってくるね―――――あっそれから……」
すっ
P「!?」どきっ
千早「お兄ちゃん」ぼそ
千早「頑張ってくるねー!!」フリフリ
たたっ
P「……………」どきどき…
律子「…………プロデューサー。今、千早に耳元で何を囁かれたんですか?」
P「い…いや!別に大した事じゃない」びくっ
律子「そうですか。でも……千早…あの子、何か急に元気になったみたいですね。というか、あの千早が子どもみたいにはしゃいで、まるで別人みたい。プロデューサー、あの子にどんな魔法を使ったんですか?」
P「魔法なんてそんな大層なモンは使ってないよ。というか俺はまだ何もしてない。千早が自力でで自分を立ち直らせただけだろう」
律子「そうですか……私はてっきりプロデューサーが千早にナニかしたんじゃないかと」
P「なんだそりゃ?だからまだナニもしていないって」
律子「まだ…ですか?」じ…
P「!?」ぎくっ
律子「………………」じー
P「い…いやっお前が思っている様な事は絶対にないから!そんな勘繰らなくてもいい」
律子「なら…いいんですが。仮にいくら千早が望んだからって、アイドルとプロデューサーの【一線】を越えちゃダメですよ?」
P「分っている。俺もプロデューサーの端くれだ。それ位の分別は弁えているつもりだ」
律子「だと…いんですけど」
P「含みを持たせるな。含みを」
律子「ふふ…判ってますよ」
P「だといいんだが」はぁ
――――
番組スタッフ「はーい。本番終了でーす!!お疲れ様でしたー!!」
千早「お疲れ様です!!」ぺこり
ステージ裏。
律子「千早。今日のステージとっても良かったわよ」
千早「ありがとう律子」
律子「ここのところ調子が悪そうだったから。ちょっと心配で見に来たんだけど、そんな心配はいらなかったみたいね」
千早「心配させてごめん。でも…もう大丈夫だから」
律子「うん。分ったわ。でも今日は今までにないくらい良くなってたけど、何かいい事でもあったの?」
千早「…………うん」こく…
律子「そう。何があったのかは敢えて聞かないけど。でも…アナタはこれからの人(アイドル)だから。それだけは忘れない様にね」
千早「…………はい」こく
律子「プロデューサー。私は他の子たちを見ないといけないので、これで失礼しますけど。千早の事、お願いします」ぺこり
P「ああ。判った。忙しいのに、わざわざ済まなかったな」
律子「いえ。私もちょっと気に掛けてましたから。じゃあお疲れさま。千早」
千早「お疲れさま律子。私は大丈夫だから心配しないでね」
律子「うん。そうね」こく
―――――
千早の自宅マンション前。
P「この調子ならもう良さそうだな。それじゃ今日はもう帰r――――――」
千早「まだですよ?」
P「えっ!?」ぎくっ
千早「まだ私はアナタに兄らしい事を何もして貰ってませんよ?」
P「それ
コメント一覧
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- 2016年09月26日 23:55
- 壁に抱きつかれて意識するとかないだろ
-
- 2016年09月26日 23:57
- この歳でおままごととかちょっと引くの
-
- 2016年09月26日 23:57
- う〜んあのね
Pが出てくるSSは内容とか関係なく
俺とアイドルの話!登場人物、俺w!で
妄想ダダ漏れ過ぎて読めないのよね
-
- 2016年09月26日 23:59
- なんだ※1じゃないのか……じゃあいいや
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カチカチカチカチ
『3・2・1』
如月兄「変身!」
ガシャン
こんなSSかと。